hoshさんの映画レビュー・感想・評価

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フェイブルマンズ(2022年製作の映画)

4.1

スティーヴン・スピルバーグによる自伝映画。サミー少年(スピルバーグ)の幼少期からの映画製作と家族の破綻を描く。

人物描写にも芸術に関しても奥行きのある映画だなと感じた。技術者でクリエイター的精神は持
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グリッドマン ユニバース(2023年製作の映画)

3.9

SSSS.GRIDMANとSSSS.DYNAZENONのコラボ作品。TRIGGER制作。

胸焼けしそうなほどの思春期。まっすぐで真っ当な青春映画の大傑作だと思う。

生っぽい発声、登場人物の会話の切
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毛虫のボロ(2018年製作の映画)

4.1

三鷹の森ジブリ美術館で鑑賞。宮崎駿、現時点での最新作。

セリフは擬音のみ、音楽は1箇所。映像の強さだけで走りきる凄まじい15分間。葉っぱや太陽光がゼリーのように溶けていく表現にはその着眼点とCGの使
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ローマの休日(1953年製作の映画)

4.5

BSで鑑賞。身分を隠したアン王女と特ダネを狙う記者ジョンのラブロマンス。オードリー・ヘップバーンの代表作にして世界的名作。

冒頭の女王の外交の場面から画面いっぱいに集まるモブたちの迫力に驚き、ローマ
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シン・仮面ライダー(2023年製作の映画)

2.8

庵野秀明による全く新しい仮面ライダー。
シン・シリーズ最新作。

シン・シリーズは好き(『シン・ゴジラ』は人生ベスト)。庵野監督作品はファン。仮面ライダーは全てではないが、平成ライダーを中心に見ており
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グリーン・デスティニー(2000年製作の映画)

3.3

BSで鑑賞。天下の名剣「青冥剣」を巡って巻き起こる悲恋と体術のぶつかりあいを描く。非英語作品にしてオスカー候補となった名作。

ミシェル・ヨー、及びエブエブの第95回アカデミー賞受賞を見越しての番組編
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続・激突!/カージャック(1974年製作の映画)

3.4

逮捕歴から福祉局に子どもを連れていかれた夫婦。子どもを手元に取り戻すべくパトカーをカージャックしシュガーランドへ向かうよう脅す。スピルバーグ劇場長編デビュー作。

ザラついた画面(自然光を活かした撮影
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コンパートメントNo.6(2021年製作の映画)

4.0

恋人と旅行するはずがキャンセルされ1人寝台列車でロシアへ向かうことになったラウラ。同室の乗客リョーハは粗野な男で…
最悪の出会いから心を通わせ、ラウラの孤独が解消されるまでを描く。

しみじみと良い映
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アニー・ホール(1977年製作の映画)

3.8

偏屈、自意識過剰、捻くれ者のコメディアン、アビーがアニーと別れるまでを描く。ウディ・アレン監督作品。オスカー作品賞受賞。

スピルバーグの暴力世界に疲れたのでサッと見られそうだったこちらを。違う意味で
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宇宙戦争(2005年製作の映画)

3.7

ダメな父親レイは家族とコミニュケーションが取れず呆れられるばかり。すると突然トライポッドが侵略を開始し日常は一変する…

『E.T.』や『未知との遭遇』と違い友好的でない宇宙生物の本気の殺戮・侵略を、
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未知との遭遇 ファイナル・カット版(2002年製作の映画)

3.8

『フェイブルマンズ』を見に行くので。スピルバーグの有名作の中でなぜか後回しにしていた作品。UFOとのファーストコンタクトの調査過程と電気技師ロイの行動が常軌を逸していく過程が交互に描かれ、やがて交差す>>続きを読む

ギルバート・グレイプ(1993年製作の映画)

3.3

BSで鑑賞。片田舎で知的障害の弟、夫を亡くしたショックで過食症の母、2人の妹の世話をしながら生活するギルバート。そんなある日トレーラーで旅するベッキーと出会い…ジョニー・デップ、レオナルド・ディカプリ>>続きを読む

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

3.3

冴えない日々を送り、確定申告に追われる中国系アメリカ人のエヴリン。そんな彼女がマルチバースを行き来し、悪と戦うように言われるが…というお話。A24作品。今年度オスカー最有力候補。

とても楽しみにして
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ケイコ 目を澄ませて(2022年製作の映画)

4.3

ろう者のボクサー、ケイコの生活を16mmフィルムで描きだす。三宅唱監督作品。

会長とケイコが2人で鏡に向かってシャドーするシーンの美しさに胸を打たれた。小説や言葉じゃ描写できない映像の、映画のポエム
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耳をすませば(1995年製作の映画)

5.0

イオンシネマシアタス調布の再上映にて。
人生でいちばん好きな映画を映画館で、しかも特大スクリーンと極上の音響で見ることが出来た。こんな幸せほかにあるのでしょうか。

映画館だと、雫が暮らす多摩の街や丘
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On Your Mark(1995年製作の映画)

4.9

イオンシネマシアタス調布の再上映にて。
宮崎駿によるCHAGE and ASKA 「On Your Mark」のミュージックビデオ。

ジブリ実験劇場の物々しいロゴが終わるとASKAのハミングに合わせ
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HANA-BI(1997年製作の映画)

3.9

未見の北野映画を見る③ 心に傷を負った元刑事が心を病んだ妻と共に最後の旅に出る。

初期北野映画はこれで制覇。全編に監督本人の絵が引用されたり、冒頭から第7回作品と表示されたりとナルシズムと監督のカラ
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3-4x10月(1990年製作の映画)

3.7

未見の北野映画を見る② 地元の野球団の冴えない青年がヤクザと一悶着を起こし沖縄に飛ぶことになる。忍耐。

「振ってみなきゃわかんねえだろ」柳憂怜が何度もかけられるこの言葉は北野武の若者への眼差しな気が
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その男、凶暴につき(1989年製作の映画)

4.4

未見の北野映画を見る① 北野武伝説のデビュー作。暴力警官我妻と暴力団の抗争。

冒頭、間抜けな顔のホームレスに不良たちが缶を投げる所からこの映画は始まる。その次のシークエンス。無邪気な小学生の子供たち
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テルマエ・ロマエ(2012年製作の映画)

3.3

土曜プレミアムで放送していたものを流し見。古代ローマから現代日本にタイムスリップしたテルマエ建築士ルシウスが巻き起こす入浴コメディ。

説明的なモノローグ、安易な回想、合戦や風呂の制作過程など肝心な部
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ハウルの動く城(2004年製作の映画)

4.3

金曜ロードショーにて鑑賞。「心って重いのね」これも何度観たか分からない。好きです。

ハウルは力を持つけれど臆病。ソフィーは自らを醜いと思い込んでいる。2人とも他者に必要とされていない、自分は脆いのだ
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THE FIRST SLAM DUNK(2022年製作の映画)

4.3

原作者・井上雄彦によって生み出される全く新しい『SLAM DUNK』。CGアニメ作品。

特別な大傑作だと思う。中1の自分が脳内でポヤーンと浮かべた「あんなバスケしたいなあ」の動きがそのまま映像になっ
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ラ・ジュテ(1962年製作の映画)

3.9

第三次世界大戦下の世界。人体実験で時間旅行する男と過去の世界の女との関係の顛末を描く。
全編白黒、静止画の写真で構成。

モノクロ、静止画という情報の制限がありながら退屈しない。全編止め画で成立する完
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LOVE LIFE(2022年製作の映画)

3.5

新文芸坐にて『偶然と想像』と2本立て。
慎ましく暮らす夫婦を襲った悲劇。それは韓国人の元夫との再会の機を作り…複雑な人間模様と喪失を画く。深田晃司監督作品。

深田監督作品は初鑑賞。すごく計算され尽く
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偶然と想像(2021年製作の映画)

4.3

新文芸坐にて『LOVE LIFE』と2本立て。
「偶然」と「想像」をテーマとした3本のオムニバス映画。濱口竜介監督作品。

シンプルゆえの凄みを感じる。正直最初は物足りなく感じたのだけど、見終えた後の
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EUREKA ユリイカ(2000年製作の映画)

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早稲田松竹にて35mmフィルム上映。
コンディションが悪かったのか、はたまたこの映画の作り出す空気が心地よすぎたのかかなり寝てしまったので点は保留。それでも圧巻だった。

ここまでショットがすごい映画
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窓辺にて(2022年製作の映画)

3.6

ライターの市川茂巳は妻の浮気を知っているが、それにショックを受けることができずにいた。そんなある日、仕事で天才女子高生作家に出会い…というお話。今泉力哉監督最新作。

とても好き。だけど今よりも今後の
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リアリズムの宿(2003年製作の映画)

3.7

インディ映画制作者の坪井と木下。共通の知人の五度寝から2人の気まずい旅が始まる。そこに謎の女も加わり…というお話。山下敦弘監督作品。

山下作品を観るのはドラマ含めると4本目。相変わらずドライでもウェ
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寝ても覚めても(2018年製作の映画)

4.4

運命的な出会いから愛しあう朝子と麦。しかし麦は突如として姿を消す。数年後、朝子は麦と瓜二つの亮平に惹かれていき…濱口竜介監督作品。

「画」を見つめること、それで語ることと、見る前の自分が想像もしなか
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すずめの戸締まり(2022年製作の映画)

3.7

災いを封じ込めた後ろ戸。女子高生すずめと閉じ師の草太が日本中の扉を閉ざしていく旅物語。
新海誠監督最新作。

良い点も悪い点も多くて書くのが難しい。ひとまず言えるのは好きな作品ということ。見終えた後の
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パリ、テキサス(1984年製作の映画)

4.2

砂漠で放浪していた男トラヴィス。彼は息子と再開しやがて元妻に出会うために旅に出る。

言葉で説明するのが野暮。それくらい映像と撮影が美しい。車からゆったりと捉えられるテキサスの街並み、赤と緑の電飾の配
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ストレンジャー・ザン・パラダイス(1984年製作の映画)

3.7

アメリカ郊外の3人の若者の日常のスケッチ。
インディーズ映画の金字塔的作品という。

初ジャームッシュ。正直前半眠かったけど独特の間はクセになった。とにかく「画」がカッコよすぎ。錆び付いた郊外の空気と
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ヴァージン・スーサイズ(1999年製作の映画)

4.2

リズボン家の5人の美しい姉妹。彼女たちが自殺するまでの過程を近所の男子グループの目線を通して描く。青春映画。

久しぶりに映画を観てゾクゾクした。パステルカラーで美しい色彩ではあるが、思春期特有の性欲
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ベルリン・天使の詩(1987年製作の映画)

4.4

悠久の時からずっと人間たちを見守り続けてきた天使たち。ある日人間に恋をした天使は下界に降りることを決意し…というお話。

詩的で難解。けれどこの映画の寂しさに寛容で、孤独で、感覚的で、やさしい空気感は
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たまこラブストーリー(2014年製作の映画)

4.3

幼なじみの高3、たま子ともち蔵の恋模様を描く青春映画。前作にあたる『たまこまーけっと』は未見。単体でもokという言葉を信じて。大好きな山田尚子監督作品。

もち蔵の気持ちをたま子がキャッチできるまでの
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四畳半タイムマシンブルース(2022年製作の映画)

3.5

『四畳半神話大系』はアニメ、原作ともに生涯ベスト級に大好きなので、同窓会に行くかのような気分で鑑賞。ほぼ満席でなんかうれしい。もちろん、とっても楽しんだ。

ただ天才、湯浅政明監督が抜けているので思わ
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