hoshさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

俺たちに明日はない(1967年製作の映画)

3.9

アメリカン・ニューシネマの始祖。気になっていたらBSで放送していたので初鑑賞。

寂れたテキサスと若者たちの無軌道な青春の煌めき。この対比が切ない。有名なラストも美しさと無常さ残酷さが同居していてこの
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シン・ウルトラマン(2022年製作の映画)

3.3

画面は現代の映画の画質で、よく知っている役者陣が映っていて、タッチは『シン・ゴジラ』なのに、倫理観とBGM、ノリは昭和特撮のそれ。という非常に変わった映画だった。
ただ、「この何を見せられているんだ?
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かくも長き不在(1960年製作の映画)

4.0

見事なロングショットと閑散としたパリの街並みを魅せる構図が美しすぎて眼福だった。

本編中カーテン、扉、鏡と記憶を失くした夫と妻を常に何かが隔てている。終盤その距離が0に近づく、ため息が出るほど切ない
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カモン カモン(2021年製作の映画)

4.2

頭痛でコンディションが悪い状態で見てしまったので、もう一度見たい。細部に優しさが詰まった、ロマンのある話だった。

対話の葛藤も、気づいて欲しかったあの気持ちも、日常の些細なやり取りもずっと鮮明に覚え
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ザ・ライダー(2017年製作の映画)

4.2

とても良かった。夢を手放す、その瞬間の心の揺れ動きが描かれていて、主人公の今後を考えずにはいられなかったな。最高に輝いていた瞬間、実感、経験を共有できる人が傍にいるということは救いなのかもしれないけど>>続きを読む

ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)

4.6

すべてに没入出来たわけではないけど、すごく気に入った。3時間があっという間。
初・濱口竜介、原作は未読。

序盤はどこか浮いたセリフ回しと度を越した理屈っぽさに面食らったけれど、食卓、公園の立ち稽古の
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サスペリア(1977年製作の映画)

3.7

極彩色の建築、流れるようなロングショット、密度の濃いセット、美しい構図、漂うエロチックさ、静寂をコントロールする最高の音楽。映画は過度なセリフや理屈などなくとも観客を画面に釘付けにすることができるメデ>>続きを読む

エクソシスト(1973年製作の映画)

4.1

BSで放送していたので初鑑賞。面白かった!
サブリミナル演出、冷え冷えとした画面の空気感、異様なまでの繊細さで積み重ねられる病院描写、宗教の隠喩etc…これら全てが完璧に噛み合っていて、40年以上経っ
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グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち(1997年製作の映画)

4.4

登場人物全員の感情や言動に思い当たる節があって他人事とは思えなかった。自分はウィルほどの天才でも、辛い経験をしたわけでもないけれど、日々感じるちょっとした寂しさや後ろめたさ、挫折感をこの映画を通じて浄>>続きを読む

スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム(2021年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

この映画の存在そのものにはアンビバレントな気持ちもありつつ、「トム・ホランドのスパイダーマン3部作」の完結作として文句なしだと思う。MCU版しか見ていない自分も大いに楽しんだ。

これだけのお祭り映画
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劇場版 呪術廻戦 0(2021年製作の映画)

3.7

あまりにもケレン味溢れる厨二テイストにノックアウトされてしまった。細かく言いたいことはあるけど大好き。予想より豪華な仕上がりになっていて、坂本浩一監督が登板した年のMOVIE大戦みたいだと思った。あと>>続きを読む

劇場版「鬼滅の刃」無限列車編(2020年製作の映画)

3.2

逃げ回っていたけど5回集中放送をきっかけに何とか追いついた鬼滅の刃。自分の面白さのツボとは違うし、世間の熱狂ほどではないけど素直に楽しんだ。

これまで見てきた中でこの無限列車編がダントツで見やすかっ
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竜とそばかすの姫(2021年製作の映画)

3.3

鑑賞してずいぶん経ったがようやく整理がついたので投稿。好きな要素は沢山あったけどノれず…

まず映像面は文句なしに素晴らしかったと思う。冒頭のUのヴィジュアルには度肝抜かれたし、四万十川を始めとした高
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藍色夏恋(2002年製作の映画)

4.2

ふたりの繊細な心情と微妙な関係性の変化がそのまま映し出されたような映像の美しさが素晴らしい。どこを切り取っても画になるような瑞々しい感性の構図が多く、画面を見ているだけでも楽しめる作品になっている。>>続きを読む

天使のたまご(1985年製作の映画)

3.6

初押井守。絵柄と背景に惹かれて鑑賞。陶然としてる。難解すぎて何が起きたかはさっぱり分からない。ただ、陰鬱で美しい世界観と音楽、環境音に魅せられてしまい、気づいたら70分が経っていた。なんだか夢を見てい>>続きを読む

トレインスポッティング(1996年製作の映画)

4.0

90'sカルチャーを代表する名作。素晴らしかった。薬物に依存し、堕落しきった4人の生活の閉塞感とある種のアッパーさが自分が思い描く90年代感、そして本作の舞台である英国の曇天と完璧にマッチしている。こ>>続きを読む

ファーゴ(1996年製作の映画)

3.6

初コーエン。洒脱な会話、クセのある登場人物、味わいのある役者陣の掛け合い、ロジャー・ディーキンスの見事な撮影。各要素が見事に調和していて心地よい。アメリカの田舎町で起きる殺人事件ってだけでいい雰囲気が>>続きを読む

愛がなんだ(2018年製作の映画)

4.1

噂に違わぬ傑作だと思う。面白かった!
下手なホラー映画よりもよっぽど怖いし、下手なバイオレンス映画よりも圧倒的に暴力的な映画だったと思う。

自分は恋愛を知らない人間だからこの映画の登場人物、特にテ
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透明人間(2019年製作の映画)

3.3

うーん。期待していただけに微妙だった。

予告編を見て面白そう!と思い鑑賞したけれどこれがいけなかった。
序盤の脱走の顛末、脚立からの〜〜の場面、更には病院のくだりまで映っていたので驚きが半減。以前見
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ゲット・アウト(2017年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

後回しになっていたのをやっと鑑賞。
めちゃくちゃ期待していたのでそこまでは及ばなかったかな。なにより予告編を見たのが間違いだった。かなり核心に近くて。

オスカーで脚本賞を獲っただけあって非常に巧みな
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ノマドランド(2020年製作の映画)

4.2

ここまでスクリーンで見るべき作品もそうそうないと思う。雄大な自然、哀しみと人情。見るポエムのようなゆったりと紡がれる時間を噛み締めることが出来る。豊かかかつ贅沢な至福の108分間だった。

自分が思う
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シン・エヴァンゲリオン劇場版(2020年製作の映画)

4.4

このレビューはネタバレを含みます

「庵野、そこに愛はあるんか?」

めちゃくちゃアンビバレントな気持ち。庵野監督の作る映像、編集、画面のファンとしては大大大満足だけれど、一方でシンジくん視点、独特の暗さを含んだ思春期世界観のファンとし
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ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q(2012年製作の映画)

3.8

シン・エヴァに向けての鑑賞完走。
TV版と違って120分以内、三本で完結するのでサクッと見れるのが新劇場版の長所だなと思う。 庵野監督の編集がテキパキしてるのも一因とは思うのだけど。

かねてより前評
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ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破(2009年製作の映画)

3.8

序に引き続いて鑑賞。

中盤まではテンポよく正統派に楽しませてくれるって感じだけど、終盤に行くにつれしっちゃかめっちゃかになる。でも画の強さとエモーションで全然見れちゃう、これぞエヴァ!って感触だった
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ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序(2007年製作の映画)

3.8

シン・エヴァに向けて初鑑賞。
テレビ版は旧劇含めて鑑賞済み。

エヴァに触れるの久々だったけどやっぱり
普通に燃えるしとても面白い。音楽も最高。というかエヴァを感じるのって鷺巣詩郎のBGMがかなりデカ
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カランコエの花(2016年製作の映画)

4.1

これは素晴らしい映画だった。

LGBTQに対して気を使って私たちと一緒
だよね?って言ってしまうある種の差別に
ついて踏み込んでいた。

悪いことじゃないよ、と頭でわかっても
やっぱり少数派への真の
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TENET テネット(2020年製作の映画)

3.7

全部見れてないけどこれまで見たノーラン
作品の中ではダントツで面白かった。

これまでのノーランは好みも多いし、作品としてめっちゃ凄い&拘られてるのは分かるけど、今ひとつ盛り上がらないという認識だった
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魔女の宅急便(1989年製作の映画)

4.7

宮崎監督は人生に影響を与えまくった自分の中で映像の原体験とも言える人。にも関わず見た気になってて最後まで見てないシリーズだった本作。

やっぱり当然の如く最高だった。箒の浮遊感のある作画が凄い、街並み
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ジャンゴ 繋がれざる者(2012年製作の映画)

3.9

血しぶきと会話の応酬、差別への怒りが
全部詰まった面白くてタメになる作品。

今作の最大の魅力はなんといってもシュルツ医師と言えるだろう。

タランティーノの映画ってバイオレンスが
多いけれど、場を制
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天国と地獄(1963年製作の映画)

4.2

これももう超絶面白かった。パラサイトが参照にしたという上下演出と貧富の差が視覚的に分かる描写が凄い。シネスコの活かし方もピカイチ。これは映画館で見たら最高だろうなー。

豪邸内の捜査官が1人も被らない
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めまい(1958年製作の映画)

3.9

はじめてのヒッチコック。サスペンス、メロドラマの古典中の古典。今見ても最高に面白かった。

序盤のどこか白昼夢がかったクラシカルな画面作りが美しくて惚れ惚れした。庭園や美術館の夢か、と思わせる感じ。横
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隠し砦の三悪人(1958年製作の映画)

4.4

圧巻。あまりにも胸踊る大冒険活劇。

SWが参考にしたというのも頷けるほどまず全キャラクターが魅力的。
三船敏郎はもう画面に出るだけで主役!てて感じがハンパなくて笑ってしまった。百姓との初遭遇シーンの
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ドラッグ・ウォー 毒戦(2012年製作の映画)

3.6

はじめてのジョニー・トー
異様に渇いていてビックリした。
この硬派な感じがたまらなく良いなと思う。

銃撃戦がとにかく圧巻。
バッと劇的ではなく北野映画のように一瞬で暴力が発動して決着がつく怖さがある
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グエムル -漢江の怪物-(2006年製作の映画)

4.1

パラサイトに引き続いてポン・ジュノ作品。
めちゃくちゃ面白かった!

パラサイトもそうだったけどポンジュノの作品は画面がすげーオシャレだと思う。中盤の飯食うシーンの幻想的な空気感。煙がばらまかれて画面
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椿三十郎(1962年製作の映画)

4.3

いやー面白かった。
用心棒がサスペンスさも合わせて豪快な1つ1つの要素がバキッと決まった作品なら本作は、柔らかでどこか穏やかなムードを持った可愛らしい作品と言えるかもれない。

三十郎に付いてくる若造
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スティング(1973年製作の映画)

3.7

洒脱でよかった~

opのスリ確保のシーンの蹴るバッグ、
イカしていて最高だ。
チャプターが変わるごとにイラストが入るのが作品の空気に合っていて新鮮。
中盤のポーカーシーンは視線と演技だけで
すごく緊
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