干しさんの映画レビュー・感想・評価

干し

干し

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ほかげ(2023年製作の映画)

5.0

女が暮らす家の壁に残る、空襲の焼け跡の質感が印象に残った。戦争が人々の心に残した爪痕のメタファーでもあると思う。
終戦後もなお戦争による恐怖や後悔に喘ぎ苦しむ人々を孤児の少年が真っ直ぐに見つめる。
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悪魔がはらわたでいけにえで私(2023年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

Don’t think.Dance!
訳がわからんくてめちゃくちゃで面白かった。劇場も端々で笑い声が聞こえてきた。楽しんで作ったんだろうなぁというのがビシビシ伝わりました。幸運にも舞台挨拶回を見れて嬉
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福田村事件(2023年製作の映画)

3.0

虐殺場面ももちろんそうだが、退役軍人たちの言動が耐え難くて視聴後に気分が酷く落ち込んだ。100年前の日本は、SNSでヘイトスピーチが拡散する今の時代にも重なる部分があると思った。

大きな権力に従って
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ゲーリーじいさんのチェス(1997年製作の映画)

-

老人になった頃これだけ孤独を楽しめる境地でいられたら最高だろうなぁ。小林賢太郎のポツネンっぽさを感じた。

哀れなるものたち(2023年製作の映画)

5.0

視覚的にはシュールレアリスムっぽさがある映画だと思った。白黒の画面。コラージュのような合成実験動物。エルンストっぽい。

字幕で「鶏犬」とされてた部分は音声だと「cog」って言ってるように聞こえたので
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聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア(2017年製作の映画)

4.0

ズームアウトやアイレベルの高さが独特。鑑賞後に解説サイトを見たら、神の視線やギリシャ神話のオマージュとあり納得。

生贄を選ぶ過程では家父長制や優生思想が持つ暴力性や理不尽さ、グロテスクさを感じた。
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カラオケ行こ!(2024年製作の映画)

5.0

原作ファンです。
とにかくパンフレット絶対買ってください。

綾野剛演じる狂児、色気が凄まじく、優しく、かっこよくて面白くてうざったい、そしてヤクザらしく時々恐ろしい、現実感のない魅力的すぎる男だった
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王になった男(2012年製作の映画)

3.0

チョ内官がドラマと同じ俳優さんなので脳がバグる。映画は王の代役のハソンによる下品めのギャグが多く、本物の王との品の違いが分かりやすい。ハソンと都承旨の関係性がボケとツッコミっぽい。

リトル・プリン(セ)ス(2021年製作の映画)

5.0

同じアメリカの学校に通う中国人の二人の少年ロブとガブリエル。クラスメイトに馴染めないロブ。バレエとピンク、人形遊びが好きなガブリエル。マイノリティの子どもたちが精神的に傷つけられる場面は悲しくてやりき>>続きを読む

ニモーナ(2023年製作の映画)

5.0

ニモーナの一挙一動が見ていて楽しいし、色んな動物に変身しながら戦ったり踊ったりするシーンが最高。こういう子どもが楽しめる作品に幸せな同性カップルがメインで描かれてるの嬉しい。

丸木位里 丸木俊 沖縄戦の図 全14部(2023年製作の映画)

5.0

日本人の目から見た戦争の記憶を語り継がんと80代、70代の丸木夫妻が取り組んだ画業の凄まじさに圧倒される。作品の解説にとどまらず、それぞれの図で切り取られた惨禍が起きた場所の風景、丸木夫妻の制作に協力>>続きを読む

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

アニメーションのスタートレードシステムというか、やっぱり過去のジブリ作品を思い出す場面が沢山あってここがジブリパークだった。
心が挫けた時、空想の世界にひたっていいけど、元気をとりもどしたら現実の世界
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なまず(2018年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます


※映画の内容と、連想したことが入り混じった自分用の感想です。

なまずがはねると地震が起きるという迷信。人は希望的観測より良くない想像、不安を信じる。誰でもそう。
信じること。疑うこと。恐怖に対する
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私のはなし 部落のはなし(2022年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

 冒頭で島崎藤村の小説『破戒』の中の一節が読み上げられる。「たとへいかなる目を見ようと、いかなる人にめぐりあおうと決してそれ(穢多)とはうちあけるな」(https://www.aozora.gr.jp>>続きを読む

LIFE!(2013年製作の映画)

-

このレビューはネタバレを含みます

Playfull今を楽しむ

公開当時劇場で一度見たきりで、最近元気が出る映画としてオススメしていただいたので配信サービスで視聴した。

初回視聴時は、アイスランドやヒマラヤの自然の景色が美しく、癒さ
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ハウスメイド(2010年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

この世界は私に冷たい

イ・ジョンジェ氏が見たくて視聴。顔の良い金持ちクズ男の役。ワインをたくさん呑んでピアノをたくさん弾いてる。分かりやすい金持ちイメージ。この映画は女同士のやりとりが主軸になってい
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ダンサー・イン・ザ・ダーク(2000年製作の映画)

3.0

夜勤の工場でのミュージカルセクションが楽しげであればあるほど苦しかった。
現実が暗いほど空想は眩しく輝くのだろう。

強いストレスを感じ、葛藤が渦巻いている時にセルマの心中は空想の歌と踊りでいっぱいに
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オアシス:ネブワース1996(2021年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

見るタイムマシン。

ロックンロール歴史映画オアシスネブワース1996初見の感想というか気になったとこをグダグダメモ。

リハで、歌ってるリアムの髪の毛が風で揺れてて、あの風の当たる場所に、この凄まじ
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モダンライフ・イズ・ラビッシュ ~ロンドンの泣き虫ギタリスト~(2017年製作の映画)

3.5

ブラーのベスト盤しか聞いたことなかった私は冒頭でドキっとしました。
若い二人の愛が深まっていく回想シーンはとてもキラキラしていて可愛らしかったです。

この曲好きって言っていい感じになる時の曲、oas
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悪魔はいつもそこに(2020年製作の映画)

4.0

トムホの役、のび太並に射撃の腕が立ってたおかげで助かった。

クライマックスのあくびがすごくキュートでさすが世界の孫だと思った。ゆっくり眠って欲しい。

ウィッチ(2015年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

ライトハウスを見て、ロバート・エガーズ監督作品をもっと見たくなり、視聴した。
主人公が過酷な労働で疲弊し、追い詰められて身近な者へ恨みを募らせていく様は両作に共通しているように思う。

ハウルの動く城
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ライトハウス(2019年製作の映画)

4.3

パンフの伊藤潤二によるコミカライズに惹かれて見た🕯
霧笛、風、波、海鳥の鳴き声、老人の放屁など不快な音が満載。正方形に切り取られたモノクロームの画面の中で顔面に散った返り血の黒さ、カモメの糞の白さ、灯
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ミステリアス・スキン 謎めいた肌(2005年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

UFOの正体なんて分からない方がいい。

Blu-rayで何度も見ました。

最後のニールのセリフが切なく、美しいです。
悲しみや苦しみは消えることなく我々の心を蝕み、時にトラウマとなり、新たな不幸を
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沈黙ーサイレンスー(2015年製作の映画)

4.0

冒頭の片桐はいりだけが癒しだった。アダム・ドライバーは苦悩し怒れる若者の役が似合う…ロドリゴが思い描くキリストの顔がキチジローと似ているような気がするのは偶然ではないように思った。弱く、裏切る人間の本>>続きを読む

ハード キャンディ(2005年製作の映画)

4.0

インセプション見て、エレン・ペイジ(現エリオット・ペイジ)の出演作がもっと見たくなったので見始めた。見てよかった。未成年に酒を飲ませるな、手を出すな、自分が少年少女に愛されてる特別な存在だと思い込んで>>続きを読む

タイピスト!(2012年製作の映画)

4.0

序盤の面接シーンで主人公のローズが、タイプに熱中するあまり、結った髪がほどけて広がるところがとても印象に残っている。弾むような動きが散りばめられていて楽しい映像だった。
タイプの音もとても心地よい。
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ユアン・マクレガー 荒野の誘惑(2015年製作の映画)

3.5

ヨシュアが家族の元に訪れたことは、家族にとって救いだったのが否か、答えがまとまらない。
火葬の炎が夜明けの太陽と重なるシーンが美しく印象に残った。

さらば青春の光(1979年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

モッズvsロッカー
▼あらすじ
何者かになりたい、大物になりたい、そうでなければ死んだ方がマシだ。だから仲間とヤクを吸って、ハイになり、喧嘩をする。主人公のジムは海辺で開かれた大きなモッズの集会に参加
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奇跡の海(1996年製作の映画)

4.0

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愛を求める不器用さ。
▼あらすじ
反対されながら外部労働者のヤンと結婚する主人公のベス。結婚式を挙げた教会に鐘はない(本当に無いのか? )油田掘りの仕事中、事故に遭いヤンは半身不随になってしまう。ヤン
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シング・ストリート 未来へのうた(2016年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

バンドを通して男になる!80年代の音楽シーンに全く詳しくないのですが、面白かった!主人公のコナーがヒロインのラフィーナに惹かれて、気を引くためにバンドを組み、詩を書いて、ギター担当のエイモンと曲作り、>>続きを読む