映画好きの柴犬さんの映画レビュー・感想・評価

映画好きの柴犬

映画好きの柴犬

世の中にたえて桜のなかりせば(2022年製作の映画)

3.7

 とにかく生き続けて、桜を何回でも見よう。プロデューサーでもあり、これが遺作となった宝田明自身の終活として、若い世代に伝えたいメッセージということだったのかな。

 主演の岩本蓮加は、演技は拙い部分も
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アメリカン・フィクション(2023年製作の映画)

3.8

 人種差別がエンタメとして消費される風潮を軽妙な語り口で皮肉ったコメディ。図らずも、アカデミー賞授賞式の騒動と過剰な報道が、それを証明してしまった感じだよね。

イチケイのカラス(2023年製作の映画)

3.7

黒木華の顔芸を堪能した

 TVドラマも見てないし、見るつもりもなかったんだけど、レンタルしたDVDについてる予告編でやたらと流れるので、まんまと術中にハマってみてしまった。いかにもTVドラマの映画化
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クライムズ・オブ・ザ・フューチャー(2022年製作の映画)

3.8

 久々のクローネンバーグ作品はどんなおぞましいものを見せられるかと思っていたら、CGをあまり使わないアナログな特撮が生々しいが、意外とおとなしめ。しかも意外にも、環境問題と人間の進化を絡めた、しっかり>>続きを読む

17歳は止まらない(2023年製作の映画)

3.5

 途中からストーリーも主人公も暴走気味で、これじゃあ確かに止まれないな。青春っちゃあ青春だけど、う〜ん、結局何が言いたかったんだろう?

 でも、その暴走気味の主人公役池田朱那の存在感はなかなか。話し
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市子(2023年製作の映画)

4.0

 「ある男」が自分のアイデンティティを消してしまいたい男の話ならば、これは自分のアイデンティティを取り戻したい女の話ってことなのかな。

 とにかく杉咲花が圧巻。これまで、杉咲花の演技をすごいと思った
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EO イーオー(2022年製作の映画)

3.5

ロバの視点から、人間社会の滑稽さを描き出すブラックな風刺劇。だけど、やっぱりロバの視点なので、多分に観念的・断片的で、難解というか取り留めないというか...結局よくわからなかった。

波紋(2023年製作の映画)

3.9

これまでのほんわかとした荻上直子作品とは一線を画して、震災やら新興宗教やらの社会と人間のダークサイドに切り込んだヒューマンコメディ。ちょっと吉田恵輔味も感じるけど、脱力させるような音づかいや間合いの取>>続きを読む

Away(2019年製作の映画)

3.6

 CD-ROM時代のゲームかのようなシンプルだけど美しい画のCGアニメ。セリフがないので明確にはわからないが、生と死の狭間の世界を観念的に描いたのかな。一種の異世界ものとも言えるか。

ソウルメイト(2023年製作の映画)

4.1

 デレク・ツァン監督のオリジナルのインパクトが強かったし、ストーリーを知っているから分が悪いけれど、これは見事なリメイク。

 キム・ダミとチョン・ソニのキャスティングが素晴らしい。キム・ダミがミソ役
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バイオレント・ナイト(2022年製作の映画)

3.9

 やさぐれたサンタが、プレゼントを届けに入った大富豪の家で強盗と鉢合わせして大乱闘を繰り広げる、良い子は見ちゃダメな、血飛沫飛びまくりのクリスマスアクションコメディ。

 ツッコミどころは満載だけど、
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SISU/シス 不死身の男(2022年製作の映画)

3.9

 不死身の老兵が、金塊を奪ったドイツ兵に復讐する、アクションエンターテイメント。やられてもやられてもめげずに立ち向かう老兵の姿に、なんだか勇気が湧いてくる。リアリティは置いといて、ケレン味重視で畳み掛>>続きを読む

それでも私は生きていく(2022年製作の映画)

3.7

 「アデル、ブルーは熱い色」を思い起こさせるショートカットのレア・セドゥ演じるシングルマザーの日常を淡々と描くドラマ。自身の不倫と、難病の父の介護が主に描かれるが、明確な起承転結はなく、ただ時間経過と>>続きを読む

キングダム 運命の炎(2023年製作の映画)

3.7

 いや、流石にその人数じゃ無理があるでしょ。信(山崎賢人)の成長も描かれはするが、肝心のところは結局勢いだけだしね。邦画の中では群を抜いてスペクタクルな作品であることは認めるが、回を重ねるごとに荒唐無>>続きを読む

アステロイド・シティ(2023年製作の映画)

3.5

 出演者がやたらと豪華。映像はオシャレ。でも、話は中身がない。ウェス・アンダーソンはNetflixで配信されている短編ぐらいがちょうどいいな。

君は放課後インソムニア(2023年製作の映画)

3.8

 不眠症をどう物語に取り入れているんだろうと思ってたけど、話のきっかけだけだったね。でも、青春モノとして普通にいい作品だったと思う。森七菜は、やっぱりこういう子供っぽい感情の動きのある役が合ってるよね>>続きを読む

この世界に残されて(2019年製作の映画)

3.8

 邦題はなんか大袈裟な感じになっているけど、ホロコーストを生き延びながらも心に傷を負った少女と中年医師の関係を描くパーソナルな作品。当初はお互いに癒しとなる疑似家族的な関係だったのが、少女の成長ととも>>続きを読む

ハント(2022年製作の映画)

4.0

 「イカ・ゲーム」のイ・ジョンジェ初監督作はなかなかの力作。韓国ならではの史実を背景にして、見事なエンターテイメントへと昇華させたスパイサスペンス。それぞれに秘めた思いを持つイ・ジョンジェとチョン・ウ>>続きを読む

ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい(2023年製作の映画)

3.6

 優し過ぎて言いたいことが言えなくて病んでしまう人が、ぬいぐるみに気持ちを吐露する、現代版「王様の耳はロバの耳」ってところかな(ちょっと違うか)。ペットに話しかけて癒されるのも同じだよね。

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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.0

 その寓話性に富んだ世界観で魅了するヨルゴス・ランティモス監督だけど、その特異な世界観ゆえに話が飲み込みづらかったり、陰湿な雰囲気が重苦しかったりしていた。けれど、本作は時代不詳ながらフランケンシュタ>>続きを読む

カード・カウンター(2021年製作の映画)

3.8

 雰囲気は同じくポール・シュレイダー監督作「魂のゆくえ」にかなり近い感じ。精神がちょっと壊れかけている主人公が、むりやり自身の過去と向き合わされることになる。その過去が、アメリカの暗部を浮き彫にする。>>続きを読む

秘密の森の、その向こう(2021年製作の映画)

3.8

「燃ゆる女の肖像」のセリーヌ・シアマ監督の優しいファンタジー。個人的には、本作の方が好き。

 娘ネリーと祖母を亡くして悲観に暮れる母マリオンの、母が娘になり娘が母になる時間を超えた不思議な交流と癒し
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LOVE LIFE(2022年製作の映画)

3.8

  人間一筋縄ではいかないというか、ある局面では理性が勝つけど違う局面では感情に流されてしまったり、感情的な人が周りにいると妙に理性的なったり、あるいはその逆だったり。そんなこんなで折り合いをつけなが>>続きを読む

Ribbon(2021年製作の映画)

3.7

 のんの監督デビュー作。コロナ禍で創作の場を奪われた美大生の葛藤を描く。のんの持ち味を活かした淡い色調の緩いコメディだけど、空間を舞うリボンで心情を表しているのがいいアクセント。

 山下リオさん、最
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東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編 -決戦-(2023年製作の映画)

3.7

 決戦編というだけあって、ほぼほぼバトルシーンだけという印象。とにかく、運命編と合わせて一本の作品にしてほしかった。

 でも、一作目はちゃんとタケミチが活躍していたが、本作では見得は切るものの、実質
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東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編 -運命-(2023年製作の映画)

3.6

 作品の出来自体は悪くないが、もうこれは前後編の二作に分けたマーケティングが許せない。前後編90+96分で、振り返りとかを削って上手く編集すれば充分2時間半ぐらいにまとめられるだろう。前後編に分けるに>>続きを読む

そばかす(2022年製作の映画)

4.0

 LGBTQの作品っていろいろあるけど、レズかゲイが題材のことがほとんどでアセクシャルを扱った作品って、ほとんど見たことない気がする。

 本作の主人公はアセクシャルなんだけど、主人公を含めた世の典型
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由宇子の天秤(2020年製作の映画)

3.9

 評判通りの良作。テーマは思いが、演出は決して重過ぎず、身構えなくても見られる絶妙な塩梅に仕上げてある。

 正義感あふれるドキュメンタリー監督が、身内のトラブルによってその正義を揺さぶられる。こっち
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ミュータント・タートルズ ミュータント・パニック!(2023年製作の映画)

4.0

 これまで幾度となく映像化されてきたミュータント・タートルズは見たことなかったけど、これは面白い。「スパイダーマン:スパイダーバース」以降の系譜に連なる革新的映像表現と、ファンキーでヒップホップな高密>>続きを読む

イノセンツ(2021年製作の映画)

4.0

 「童夢」は昔読んだんだけど、ストーリーはもう覚えてなくて、大友克洋の緻密なペンで描かれる静かなるサイキック描写だけが印象に残っている。本作はまさにその雰囲気を感じさせてくれる。

 話自体は、言って
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せかいのおきく(2023年製作の映画)

3.8

 恥ずかしながら、ずっとタイトルを「せかいのきおく(世界の記憶)」だと勘違いしていて、その上モノクロってこともあって、重めのアート作品なのかなと思い込んでいた。ところが、ぜんぜん違っていて、ある意味下>>続きを読む

1秒先の彼(2023年製作の映画)

3.8

オリジナル「1秒先の彼女」も見て!

 台湾の大ヒットファンタジー「1秒先の彼女」のリメイク。流石に宮藤官九郎脚本だけあってラブコメとして十分に面白いし、キャスティングもハマってる。ただ、オリジナルと
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最後まで行く(2023年製作の映画)

3.9

 韓国映画のリメイクでは「22年目の告白 -私が殺人犯です-」がよかったけど、本作はそれにも負けないいいリメイク。

 オープニングシーケンスこそオリジナルを踏襲しているが、その後はほぼ独自の展開。物
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グランツーリスモ(2023年製作の映画)

3.9

 今一つパッとしなかったニール・ブロンカンプ監督久々の快作。ゲーマーから本当のレーサーになった、嘘のような本当の話。まあ、今時のレースゲームって、めちゃくちゃリアルだからね〜。

 映画の方は、リアル
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THE WITCH/魔女 —増殖—(2022年製作の映画)

3.7

 なるほど、一作目のラストシーンはそういう意味だったのね。でも、あの娘は妹じゃなかったんだ。

 ストーリーとしては、次作への繋ぎ的な話になってるのは致し方ないが、プロットが一作目の劣化版のような感じ
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犯罪都市 THE ROUNDUP(2022年製作の映画)

3.8

 マ・ドンソク無双なクライムアクション。凶悪な犯罪者をぶっ飛ばすマブリーの強烈な一発に、日頃の鬱憤がスッキリと吹っ飛んでいく最高な作品。

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