はせ川さんの映画レビュー・感想・評価

はせ川

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リトル・リチャード:アイ・アム・エヴリシング(2023年製作の映画)

5.0

あまりにその功績が知られてない評価されてなさすぎるというのが一発で分かった。ロックな音が鳴る瞬間のアホ演出も素晴らしい。ロックンロールとは年齢ジェンダー関係なく誰しもの居場所とコミュニケーションになり>>続きを読む

パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)

4.0

同じ日に落下の解剖学を観て、意図する感情は異なるもののすごく似ているシーンがあったりして、この2本は自分の中でパラレルな作品になった。
劇伴が包み込むようなシンセの連なりで素晴らしく誰だと思ったらグリ
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落下の解剖学(2023年製作の映画)

4.0

裁判って本当に面倒くさいな…と思っていたら家族関係の核心に近づいていく行程に息を呑んだ。「真実はどうであれ、我々は妻が夫を殺したと考えてしまう方が面白い」というワイドショーの露悪なシーンに象徴するよう>>続きを読む

瞳をとじて(2023年製作の映画)

5.0

地方のミニシアターで鑑賞。客層は50代以上が8割で、30,40代は片手で数えるほど。これはいつもの事だ。ミニシアターブームを支えた巨匠の30年ぶりの新作に映る大半の人物もまた、妙齢を過ぎた諸先輩方だ。>>続きを読む

哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.2

まず邦題が良い!(原作ままなんだけど)。ビジュアル面や内装もポスターもフォント使いまで滅茶苦茶に着飾って、その実やってる事は哀れなことそのものだったから。色欲から知への関心に徐々に(かつ急速に)進んで>>続きを読む

枯れ葉(2023年製作の映画)

4.0

ザ・シグネイチャー映画。共通項云々はおろか出てくる部屋もまんま「浮き雲」なのも笑える。

夜明けのすべて(2024年製作の映画)

5.0

何気ないシーンの一つ一つが素晴らしいのだけど、具体的に良かった部分を書こうとすると、この映画に映るキラキラした画面と時間が何か陳腐になりそうなので止める。映画が終わった瞬間の、淀みなくて清々しくて軽や>>続きを読む

エル・スール(1982年製作の映画)

4.9

「自分は今、名画を見ている」という満足感でいっぱいになった。どこを切り取っても絵画的な構図で満ちてるけど、特に手元に置いてあるものが主観で映される瞬間が百発百中で美しくて印象に残った。大人になりたい気>>続きを読む

浮き雲(1996年製作の映画)

5.0

とにかくおじさんおばさんの出立ちが良い。慎ましい気持になる良い後味の映画。

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

4.5

役所広司の冷凍都市の暮らし。選曲と風景の切り取り方が最高。あの方の歌唱もギターも最高。現在進行形で失われていく東京の風景と、都会のオシャレという名の何もなさが切ない。元はあのトイレ群のPR短篇映画が企>>続きを読む

ファースト・カウ(2019年製作の映画)

2.8

過剰にエモーショナルな演出をされた近年の(特にアニメ)映画に反してとっても穏やかだけれどもハラハラする時間が流れるという意味では面白かった。絶妙な余白を残すラストにはビックリした。友情というより、料理>>続きを読む

Renaissance: A Film by Beyoncé(2023年製作の映画)

3.0

homecomings(ビーチェラ)とRenaissance(アルバム)を聞いた程度ですが鑑賞した。冒頭に映る観客達の眼差しがまるで啓示を受けるが如くの狂騒で、これがアメリカンポップスの頂点に君臨する>>続きを読む

夢二 4Kデジタル完全修復版(1991年製作の映画)

2.7

大正三部作では幻想感が一番強かったように思えた。夢二の絶叫が唐突で白々しかった。

陽炎座 4Kデジタル完全修復版(1981年製作の映画)

3.6

相変わらず登場人物の感情の揺れ動きがよく分からない 大正ってこんな時代だったの? 超現実な演出は前作を遥かに超えてて松田優作の身体の動きは不気味で頭から離れない 終盤の舞台が崩れる瞬間とホオズキ大量噴>>続きを読む

ツィゴイネルワイゼン 4K デジタル完全修復版(1980年製作の映画)

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初見だけではレビューや感想なんて書けないカルト映画だが…メモ程度に。
倫理観の欠片もない中砂の欲望と変態性、周り3人(4人)が多少なりともそれに惹かれている事に感情移入の余地がなかった。というか、登場
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キャロル・キング ホーム・アゲイン ライブ・イン・セントラルパーク(2023年製作の映画)

5.0

ライブ本編は最高。愛しか無かった。
最後にステージ裏に着けたリムジン直行で去って行ったのはほんの少しだけ現実を見て減滅してしまったけど、それを入れても有り余る素晴らしさ。

くるりのえいが(2023年製作の映画)

3.4

全国のオリジナル曲を作っていた軽音学部員感涙の映画だった。特にin your lifeのリフが組み上がる瞬間は鳥肌もの。森氏の朗らかさがとにかく笑えた。岸田氏の発するものを佐藤氏がディレクションして固>>続きを読む

エドワード・ヤンの恋愛時代 4K レストア版(1994年製作の映画)

2.8

分かりにくかった。日本ではトレンディドラマの流行が終わりかけていた94年、台湾の時世とバブリーなムードが観れる。時代を超えたものになっているのは、空虚さを切り取っていたからなのかなと思った。情が金にな>>続きを読む

シーナ&ロケッツ 鮎川誠 ~ロックと家族の絆~(2023年製作の映画)

3.4

登場時間10分も満たないであろうヒロトの言葉が逐一素晴らしかった。シーナ鮎川誠夫妻とその父母娘たちの奇跡のような輝き。

フィールド・オブ・ドリームス(1989年製作の映画)

3.5

現代の鑑賞に耐えうる、いや今みてもめちゃくちゃ変わってて面白いシナリオだった。非常に男性的な面の強い、というかおっさん向けな映画なのだが。
図書館でとある人物について調べまくるシーンが個人的に印象的だ
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バービー(2023年製作の映画)

2.7

「革命を起こしたら、結局振り出しに戻りました」というような映画じゃない?と思ったら、旧約聖書が通底にあると聞き納得した。
劇場を出た後のもやもやは1週間以上経っても晴れない。リゾのテーマが流れるシーン
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こちらあみ子(2022年製作の映画)

4.0

繊細なタッチの映画(なのは間違いないのだが)と思いきや「これはキツい、やめてくれ…」の連続でびっくりした。

スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース(2023年製作の映画)

3.1

スパイダーマン全シリーズ共通の「哀しきすれ違いや宿命」とか「究極の選択、どっちも手にしてやる」な展開に自分はちょっと乗れないなと思う事に気付かされた。エブエブを経た後に観るとどうしても被っている印象が>>続きを読む

aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)

3.0

夏に観るっきゃないでしょ!と思っていたので8月に鑑賞。夏休みが始まった嬉しさとその時点で夏の終わりを感じてしまう悲しさ、気だるさが詰まっていた。blurの曲の途中スクリューされたのとか本当に胸がざわつ>>続きを読む

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

2.8

このレビューはネタバレを含みます

米津の主題歌の情報がSNSで発表された段階で、これは公開初日に観に行かないと楽しめないなと直感的に思い、レイトショーへ。序盤、まずCVキムタクにびっくり。序盤から中盤、何の話なのか分からず期待と不安が>>続きを読む

TAR/ター(2022年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

自分にはハイコンテクスト過ぎた。権力についての映画、キャンセルカルチャーについての映画、という評論家の皆さんの解説を聞くうちに、現代では権力持った対象を引きずりおろす(降ろさせる)のは、デモでも投票で>>続きを読む

バニシング・ポイント 4Kデジタルリマスター版(1971年製作の映画)

3.5

70年代の社会不安と若い男達のもやもやを車とラジオの爆音で憂さ晴らししていくのはめっちゃ気持ち良い。でもやっぱりドーピングばかりには頼ってられない。

怪物(2023年製作の映画)

4.6

傑作。少年ふたりはもう果てしなくあの山を無邪気に走ってほしい気持でいっぱいになった。

レッド・ロケット(2021年製作の映画)

3.6

ストロベリーのかわいさといや絶対ダメだろ!(色んな意味で)がハラハラする。16mmフィルムの色合いとショットがめっちゃ洒落てておかしいほど反比例だが、さりげなくしかし執拗に映る工場が物悲しい。

坂本龍一 PERFORMANCE IN NEW YORK : async(2017年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

教授晩年のライブ演奏。acyncのコンセプトは「非同期」と「架空のタルコフスキーサウンドトラック」と理解していたが、アルバムの抽象的な楽曲では音のほとんどをPAアウトに任せて、その上に教授がノイズを被>>続きを読む

戦場のメリークリスマス 4K 修復版(1983年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

ロレンスの台詞が字幕をつけて欲しいほど聞き取れずストーリーが最初から最後までついてけなかった…実話ベースの原作なので歴史の流れを分かってなかったのも痛い(解説の個人ブログがネットに多くあるのが有難かっ>>続きを読む

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