彗さんの映画レビュー・感想・評価

彗

トッツィー(1982年製作の映画)

3.6

かなり面白いフェミニズム・コメディなんだけど、時代を考慮しても女性に変身した(女装した)方が仕事が上手くいく、というのは女性が蔑ろにされてる現状を見ると引っかかるよね〜
それにダスティン・ホフマンはた
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名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)(2024年製作の映画)

5.0

『世紀末の魔術師』を思わせるような歴史ロマン・ミステリで最高だった〜!去年の黒鉄の魚影より好きでした。やっぱりコナンはサスペンスやアクション重視もいいけど探偵らしいミステリが合ってるなあと思った。謎解>>続きを読む

愛と哀しみの果て(1985年製作の映画)

3.0

束縛なしで生きたいというデニスの考えはわかるし正しいと思うけど、当時は資産家の女性でもデニスのように自由には生きられない。男女の立場の違い、フェミニズムが描かれているのは良かった。だからカレンにとって>>続きを読む

デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

前作よりは面白かったし、主人公ポールがファウスト+独裁者になっていったのは笑えた(笑)でも、主演のティモシー・シャラメよりオースティン・バトラーやレア・セドゥ、フローレンス・ピューが出てくるシーンのほ>>続きを読む

怪物(2023年製作の映画)

4.0

紛れもないクィア映画で、ミステリ的要素も入れつつ、クィアの苦しさ、どれだけ異性愛規範が強い世の中かってのをじわじわとグロテスクなほどに描いていくすごい傑作だと思った。主役の男の子ふたり、もちろん安藤サ>>続きを読む

DUNE/デューン 砂の惑星(2020年製作の映画)

2.8

けっこう眠たかった…リアルタイムでは観てないけど、『ブレードランナー2049』『メッセージ』であったものがなくなってるような気はしたかな。映像も面白いケレン味?もないし、うーん。パート2に期待!ティモ>>続きを読む

哀れなるものたち(2023年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

原作のどんでん返しである「ベラは最初から人造人間ではない」という告白の第二部がバッサリなくなってた!知性や性を追い求め哀れみを拒み、自分で選択する自由な女性を描いた素敵なフェミニズム映画だった
元夫の
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やがて海へと届く(2022年製作の映画)

4.0

青を基調とした画面づくりが本当に綺麗で、失った大切な人を諦めきれない、でも諦めないままでもいいという優しい映画だった…恋愛ぽくはないけどクィア的な映画だと思った。浜辺美波や岸井ゆきの、杉野遥亮、新谷ゆ>>続きを読む

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

ほとんどゴジラの映画は見たことないけど、すごく良かった。生きて帰るというシンプルなミッションなのに胸が熱くなる。確かに戦争における日本の加害性をもう少し描いた方がバランスがよくなるかなと思ったけど、ゴ>>続きを読む

プリデスティネーション(2014年製作の映画)

3.8

未来は「自分で変えられる」ものとは限らないかも…という展開が面白かった。意外な種明かしがあって、みんな予定通りに進んでいたり。重要な動機が「タイムマシンの危険性」に隠されていたりする設定も上手いなあ…>>続きを読む

灼熱の魂(2010年製作の映画)

3.0

映画としてもミステリとしても良くできていると思うけど、陰惨な悲劇を描いておいて「子供たちは愛の結晶」でまとめるラストにただただ嫌悪感…この映画が「母の愛」とか言われてるのも謎だし、なんで自分の子供にこ>>続きを読む

アルゼンチン1985 ~歴史を変えた裁判~(2022年製作の映画)

3.8

軍がしてきた拷問の数々は聴くに堪えないものだし、全体的にはとてもシリアスな法廷ものだけど、所々コミカルなギャグが入ってきて意外と見やすかった。若者が戦力になっていたのも世代問わずの団結力が感じられて良>>続きを読む

ナイブズ・アウト:グラス・オニオン(2022年製作の映画)

2.5

映像は面白いけど、ミステリ的には拍子抜けだし全然ダメ…「これなら海外ミステリを読むかな」って気持ちになってしまった。エラリー・クイーンとか読んだ方がよっぽど良い…あとやっぱりアナ・デ・アルマスが恋しい>>続きを読む

イン・ザ・ベッドルーム(2001年製作の映画)

3.6

最初は青年のロマンスから始まるが、その青年が殺害されたことでジャンルがヒューマンドラマから最後には殺人サスペンスになる。だけどジャンルのバラつきを感じさせず、男女関係のもつれによって起こる悲劇をロブス>>続きを読む

リトル・チルドレン(2006年製作の映画)

3.7

『TAR』の予習のため鑑賞。それぞれのキャラクターがタイトル通り「子供じみた大人」。みんな現在の状況から逃げたくて、何かに子供みたいに執着することで自分のアイデンティティを保っているのを、シリアスかつ>>続きを読む

さよなら、人類(2014年製作の映画)

3.7

固定カメラなので、キャラクターの表情や動きなど細やかな部分が全て見える。
バーで青年の手を触って誘う国王陛下とか。カール12世がゲイ(?)という解釈は面白いな。(本国ではマッチョな男性だと思われている
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ヒッチャー ニューマスター版(1986年製作の映画)

3.8

サイコスリラーとしても面白いし、様々な考察できる要素もあって良かった。両瞼に硬貨を乗せる行為はことわざに基づいているのか、とか。あまりにもヒッチハイカーが主人公に執着するので何か精神的な繋がりを感じて>>続きを読む

ザ・メニュー(2022年製作の映画)

3.8

『ザ・メニュー』The Menu
生産者と消費者の立場が逆転する逆に思いつかない発想で、ほとんど密室でここまで面白いスリラーになるのすごいな。ただ料理の味を楽しみ評論するだけではなく、消費者も何かしら
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パラレル・マザーズ(2021年製作の映画)

3.6

スペイン内戦という社会派なテーマと、ロマンスや現代に生きる女性の生き方をシンクロさせた珍しい映画。内戦の犠牲者が発見されるのと合わせるように主人公の心も動いてゆくサスペンスとも取れたかな。
社会派+ロ
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ルビー・スパークス(2012年製作の映画)

3.6

これ、『500日のサマー』より好きかも。ラノベみたいな設定だけど、楽しいロマコメ。でも女性を所有物のように扱うことの愚かさや醜さを描いてる部分はホラーのような不気味さもあって。カルヴィンがパソコンじゃ>>続きを読む

リベンジ・スワップ(2022年製作の映画)

3.3

オリヴィア・ロドリゴとか今人気の音楽を取り入れた軽いどんでん返しフェミニズムティーンコメディで、まさにZ世代って感じだ。基本は女子高生がメインだけど、加害者の男性への心のケアが描かれているのは珍しい気>>続きを読む

キャロル(2015年製作の映画)

4.2

今と違って同性同士が恋に落ちたらすぐ「付き合おう」って告白できる時代ではないし、男性たちは結婚を前提に話を押しつけてくる。その中で不器用なテレーズと、気丈に振る舞っていても弱さを隠しきれないキャロルが>>続きを読む

アフター・ヤン(2021年製作の映画)

3.5

かつて兄だった壊れたロボットの記憶を辿りながら、知らなかった彼の一面を知っていく家族の物語。家族の再生というより、その前の段階を描いた映画で、少し珍しいと思った。ヤンの恋人の「ロボットみんなが人間にな>>続きを読む

欲望(1966年製作の映画)

-

主人公が見た死体や殺人事件は、本当に存在したのかがあやふやで不気味。ボールがないテニスのシーンのあと、主人公がその場所から消えて物語が終わり、物語全体の存在すらわからなくなる怖い映画。60年代のロンド>>続きを読む

オクジャ okja(2017年製作の映画)

3.0

悪い意味でポップな感じで、これなら断然『パラサイト』の方が好みかな。でもすごい役者が豪華!脇役の素敵な赤い髪のギャルねーちゃんがリリー・コリンズ。「動物の肉を食べることの残酷さ」を訴えかけているんだけ>>続きを読む

ネットワーク(1976年製作の映画)

3.5

過激な内容やタブーな話題で視聴率を稼ぐテレビ局のやり方は、現代のSNSや YouTubeに通じるものがある。視聴率ありきで物事を進める彼らは、現実の人間さえ登場人物としか思っていない。狂ったラストは『>>続きを読む

マーティン・エデン(2019年製作の映画)

3.7

文学版『華麗なるギャツビー』『ソーシャル・ネットワーク』
貧しい青年が上流階級のお嬢様と恋に落ち、小説家に成り上がっていく話。富と名誉を手に入れても、恋人と親友を失ったマーティンの心はヨットが崩れ落ち
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ペパーミント・キャンディー(1999年製作の映画)

3.7

主人公の自殺から始まり、過去へと遡っていく構成なので、観客は何が彼の心をここまで壊したのかを探りながら見ていくことになる。恐らく鍵は光州事件で、ラストで見せる一番幸せだった穏やかな日常が物悲しい。

スペンサー ダイアナの決意(2021年製作の映画)

3.6

非現実的なまでの淡く美しい映像と、ガラスの擦れるような不協和音がダイアナの不安と共鳴する。異常なまでの「伝統」に縛られ苦しむ女性を処刑された王妃、アン・ブーリンと重ねたホラーやミュージカルのような演出>>続きを読む

ザ・プレイヤー(1992年製作の映画)

3.5

大胆なカメラワークでハリウッドの内幕を描くブラック・コメディ。この作品そのものが、何でもハッピーエンドにしようとするハリウッド映画を皮肉った内容で、最後はホラーになっていく。ハッピーエンドが嫌いな脚本>>続きを読む

私が、生きる肌(2011年製作の映画)

3.9

何これすごい。アルモドバルの代表作より好きかも(笑)美女とインテリアとカラーが派える作品なのはいつものこと、物語が奇想天外などんでん返しサスペンスなのですごく印象に残る。ある種の人には萌えるクレイジー>>続きを読む

ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)

4.5

日本映画だけど、多国籍で手話も取り入れているのが開放的で好印象だった。それに、舞台劇と車を運転する行為を作品を通り越して人生とか、愛とリンクさせていて小難しい村上春樹特有のメタファーをうまく使っている>>続きを読む

TITANE/チタン(2021年製作の映画)

3.3

インタビューを読んだけど、ベースはギリシア親和らしい。車とセックスして妊娠するという発想がジェンダーと切り離されているというか、奇天烈で個性的だけど神話らしいアート的な面もあって面白い。
音楽もフュー
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ブロンド(2022年製作の映画)

3.4

マリリン・モンローのイメージが「悲劇の人」で謎が多い人物だし、伝記となると悲劇の女優として脚色されて描かれるのは仕方ないと思う。見た感想としては、綿矢りさの『夢を与える』と近い。ラスト10分は天国みた>>続きを読む

罪の声(2020年製作の映画)

3.7

社会派ミステリではあるけど、ジャーナリズムの意義やいかに子供が大人が守るべき大切な存在なのかも描かれていて、見応えがあった。本当は原作を読んでから見たかったけど、映画もちゃんとまとまっていて良かった。>>続きを読む

ペパーミント・キャンディー 4Kレストア(1999年製作の映画)

3.8

なにが主人公の自殺の決定打になったのかははっきりと映されていない。でも過去を遡る桜庭一樹『私の男』みたいな構成なので、原因を探っていくことになるのが面白い。家庭の不和や事業の失敗、ある人の死など絶望の>>続きを読む

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