kokika1oさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

クライムズ・オブ・ザ・フューチャー(2022年製作の映画)

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特段説明もせずに、よほど現実とは思えないこの映画の世界で起きることを、さも事実であるように描ききる凄みがある。そして、それらは段々と私たちが生きる現実と類似点があるように思えてくる。不思議である一方で>>続きを読む

バービー(2023年製作の映画)

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現実とは逆転した女男の世界をバービーランドとして描いたことが見事な一方で、鋭い視線で現実社会を見つめている(おそらくZ世代の)サーシャ(の心境の変化)が雑に描かれ、その複雑さを無視するような演出が気に>>続きを読む

658km、陽子の旅(2023年製作の映画)

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脚本が20年前くらいの邦画みたいだった。加えて、踏み出せない主人公の弱さは複雑に描かれず、後半の長台詞はまるで映画として複雑さを欠いたことへの言い訳のように心情を吐露させていると感じた。もっと人間を描>>続きを読む

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

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約2時間の中で、どう生きるかという問いは、少ししか前進しない。けど、それでいいと思う。人間それぞれの精神性は、そんなに簡単に変わらないし、人生は2時間よりずっと長いから。宮﨑作品の中でも人間の世界の現>>続きを読む

スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース(2023年製作の映画)

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妥協のない画と音の中を、縦横無尽に飛び回るスパイディ達が美しい。単にその飛び回る角度だけではなく、様々な登場人物が現れ、物語に色々なアングルが内包されているからこそ、その美しさも際立つのだと思った。

怪物(2023年製作の映画)

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子どもという存在に演技で語らせていることに問題がある。すでに大人になってしまった人としての作り手が、子どもを描くことの危うさ。子どもは自分のことを自身で定義できないからと、大人が自らの意図を演技で語ら>>続きを読む

ヒューマン・ハイウェイ(1982年製作の映画)

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物語に分かりやすい起承転結のない破茶滅茶なコメディで良かった。原子力という大きな(戦争を起こしかねない)脅威には、狂った表現で風刺するしかないという印象も受けた。当時のニール・ヤングやDEVOのことが>>続きを読む

ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー(2023年製作の映画)

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吹替版で観た。原作へのリスペクトあるアニメーションは、そのデフォルメも含めて巧み。けれど、こういう勧善懲悪の物語を、今この時代に観たいだろうか。イタリアからの移民の配管工の兄弟の苦労が、分かりやすい悪>>続きを読む

ケイコ 目を澄ませて(2022年製作の映画)

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まるで劇中に度々登場する川の、その水中で、悔しさについてもがいているようだった。表面に見えているものだけが全てではなく、この映画は例えばステップの足先まで映しながら、些細な変化と感情の奥底と流れを描こ>>続きを読む

メン・イン・ブラック:インターナショナル(2019年製作の映画)

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ドナルド・グローヴァーが実はエイリアンだと指摘する場面とか、アフロ・フューチャリズムが散りばめられているかもと考えながら観た。

レッド・ロケット(2021年製作の映画)

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セックスワーカーをタブー視するマジョリティ側の(ときに排他的な)前提を前に、どう作品を撮るかということがベイカー監督の眼差しだと思う。選択が、その人の決めたことであるということを(今作でのクズさも含め>>続きを読む

ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい(2023年製作の映画)

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自分の優しさを他の誰かは、痛みと感じるかもしれない。自分の優しさや苦しみの呟きがぬいぐるみとの間で、自分だけのものになるときだけ、その優しさは安全なものになる。けれど、他の人間と触れないでいる状態が、>>続きを読む

ザ・ブルード/怒りのメタファー(1979年製作の映画)

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服にずっと血がついてることとか、そうやって緩和なく緊張が続く。

ソング・トゥ・ソング(2017年製作の映画)

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フィルマークス上の評価の低さに納得できない。マリック監督の自然光を使った陰影の美しさには毎回、息をのんでしまう。その光の煌めきは、時系列通りに進まないこの映画の物語をファンタジックにし、その次の瞬間に>>続きを読む

シン・仮面ライダー(2023年製作の映画)

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庵野監督にはリメイクやリブートといったものではなく、オリジナルの作品を作ってほしい。どうしても原作に一定、忠実であることを求められるこういった映画は、創作の自由度が制限されてしまうと思う。

RRR(2022年製作の映画)

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ぶっ飛んでた。現実離れした演出、アクションに笑ってしまう。

別れる決心(2022年製作の映画)

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怪作はつくれると証明し続けてる監督だと思う。パク・チャヌクの個性的な表現が健在だった

バビロン(2021年製作の映画)

1.0

エログロなラ・ラ・ランド。忙しなくてうるさい。ハイパー。タランティーノにあって、チャゼルにないものについて考えた。マーゴット・ロビーは良い。

ペギー・グッゲンハイム アートに恋した大富豪(2015年製作の映画)

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金持ちの道楽である一方、急進的なパトロンとしてのその存在を評価する映画。複数のアングルから被写体を捉えながら、人間味を浮き彫りにするドキュメンタリーだった。芸術に興味はあるけど、食べるものには関心がな>>続きを読む

サスペリア(2018年製作の映画)

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到底理解できない残虐行為こそが怖いと、改めて目の前で見せられた気分でした。怖い。

DUNE/デューン 砂の惑星(2020年製作の映画)

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この監督が撮る広い景色には特徴がある。景色に物語を語らせているような。『ボーダーライン』や『灼熱の魂』もそうだった気がする。

イニシェリン島の精霊(2022年製作の映画)

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描かれていない過去が台詞と演技の端々から立ち上がってくる。舞台みたいでもあった

モリコーネ 映画が恋した音楽家(2021年製作の映画)

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部屋が散らかっていることが、その頭の中に様々なアイデアがあることを表しているようだった。けれど、作曲するときはペンと譜面というシンプルなスタイル。大切なのは「書く前に熟考すること」と言う発言が印象に残>>続きを読む

アザー・ミュージック(2019年製作の映画)

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フィジカルっていうのが商品としての音源のことだけじゃなくて、人と人とが直接交流することも指すんだと改めて分かった。メジャー作品を扱うタワレコに対してのOTHERな訳だけど、タワレコのドキュメンタリー映>>続きを読む

SHE SAID/シー・セッド その名を暴け(2022年製作の映画)

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良い台詞が二箇所ある。けど、記者のあの感情的で前のめりな行動(演出)と邦題の「名を暴け」には疑問があります。