ゆっくりさんの映画レビュー・感想・評価 - 7ページ目

シティ・オブ・ゴッド(2002年製作の映画)

4.4

絵、音楽、脚本がクールで、ブラジルの地獄スラムの空気をノリノリで感じながら観てしまったが、転がる死体を見て、なんて愚かで馬鹿馬鹿しいのかと、覚める。そんな死ぬか生きるかの状況どころか、のうのうと生き長>>続きを読む

太陽を盗んだ男(1979年製作の映画)

4.0

原爆作って「やりたいことがない」って面白い。屋根ふっとんだまま運転した車が爆発したり、ヘリコプターからぶら下がって拳銃をぶっぱなしたり、確実に心臓撃ち抜かれても死なない、菅原文太のパワー。馬鹿馬鹿しく>>続きを読む

晩春(1949年製作の映画)

4.0

ラストにかけて、沁みる。木訥な父娘の人生の一場面。

ヘンリー(1986年製作の映画)

3.6

映画とか物語とかの盛り上がりとかが全くなく、ドキュメンタリーに近い、徹底的に現実的な殺人鬼の日常を描いている。

田園に死す(1974年製作の映画)

4.1

衝撃。
映画を作る際の過去の描き方についての葛藤をそのまま映画にするって。
シュール暴力。

燃えつきた地図(1968年製作の映画)

3.8

オープニングは、映像も音楽もどストライクで好き。本編はひたすら気持ちが悪い。撮り方も、噛み合わない会話も、観ていてむずむずする。

他人の顔(1966年製作の映画)

4.1

病院の空間がエキセントリック。仮面を被って妻に会いに行くも、全て看破されていた時の、恥ずかしさ。交際するということは、仮面を剥がし合うということ。ラストシーンののっぺらぼうの大群は圧巻。人間、孤独にな>>続きを読む

砂の女(1964年製作の映画)

4.2

男は、何者でもなくなって、延々と同じ仕事をしながら生活する。それを絶対的安全な場所で監視されながら、次第に心が磨耗していく。
女は新しい朝も、外に出るのも恐がっている。外に出たら誰も構ってくれなくなる
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下女(1960年製作の映画)

4.0

一軒の家で繰り広げられる強烈なホラー。下女と妻の立場逆転が見事だった。女は強くて、男は脆い生き物であるという描写が多くて、特に、女が男を蛇のように足元から全身を捕食するかのようなシーンは心底震えた。よ>>続きを読む

スワロウテイル(1996年製作の映画)

3.8

漢字と埃とクセのある住人たちに溢れた街は好きな世界。
アゲハが名前をもらい、成り上がっていくのは応援したくなる。
ただ、外の世界の日本の描写、特に円が強いみたいな描写があまりなかったのが気になった。
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光りの墓(2015年製作の映画)

4.0

勃起、脱糞、手術痕。など、醜くも、生きてる証。
光を放つ機械、エレベーター、重機。など機械への反発。
死者が甦ったり、寝ている人間と交信して、共に夢の世界の光景を見る。
最後は、足の不自由なおばさんが
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エンドレス・ポエトリー(2016年製作の映画)

4.0

自伝映画に監督自ら出てくる。
過去を訂正すると共に、見ているこちら側に生きるための道標を熱く示してくれる。
青春そのものの苦しさとエネルギーが、奇妙で馬鹿馬鹿しく表現されていて、生命の力そのものみたい
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オマールの壁(2013年製作の映画)

3.6

イスラエル・パレスチナを詳しくないが、人生を感じさせられる。
全く最低のスパイラル。
どこに愛と信頼を置くか。

地獄の黙示録 ファイナル・カット(2019年製作の映画)

4.0

迫力に、犯された。
途中、ありきたりだけど、戦争の空しさみたいなのを感じて泣けてきた。
道を外れる人間の強さと孤独さを感じられる。