Inagaquilalaさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

Inagaquilala

Inagaquilala

映画(1563)
ドラマ(30)
アニメ(0)

クーリエ:最高機密の運び屋(2020年製作の映画)

3.8

イギリスの諜報機関であるMI6によって、ソ連から情報を運ぶ人間としてリクルートされてしまったセールスマンを描いている。いわば巻き込まれたかたちで「スパイ」のような立場に仕立て上げられてしまった主人公を>>続きを読む

二人の世界(1966年製作の映画)

4.0

冒頭の石原裕次郎と浅丘ルリ子が船のバーで出会うシーン。こんな気障で洒落た台詞を不自然さもなく口にできる役者さんは、この2人以外にはいない。浅丘ルリ子の「ワニみたいだったのね、その頃の私」というセリフは>>続きを読む

すべてが変わった日(2020年製作の映画)

3.7

孫を救い出すために立ち上がる元保安官とその妻を、かつても夫婦役で共演したケビン・コスナーとダイアン・レインが演じるアクション作品。孫を救出と言っても、やや事情は複雑で、落馬事故によって死んでしまった息>>続きを読む

総理の夫(2021年製作の映画)

3.7

妻が総理大臣になってしまった鳥類学者の夫。まったく畑違いの世界を生きる夫婦のドタバタをコミカルに描いた作品。妻役の中谷美紀、夫役の田中圭がなかなか役にハマっている。この手のシチュエーションコメディは日>>続きを読む

サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)(2021年製作の映画)

3.9

伝説の野外コンサート「ウッドストック」が開催された1969年夏、ニューヨークのハーレムで開かれた音楽フェステイバルを記録した貴重な映像が満載の作品。その名も「ハーレム・カルチュラル・フェスティバル」、>>続きを読む

ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)

4.3

村上春樹の小説と濱口竜介監督の作品には、似たようなテーマが底流にはあると以前から思っていた。短編集である「女のいない男たち」収録された「ドライブ・マイ・カー」を原作にしたこの作品であるが、同短編集に収>>続きを読む

ジャニス・ジョプリン(2018年製作の映画)

3.7

作品に対する何の事前知識もなく劇場に出かけたので、観賞する前はてっきりジャニス・ジョプリンの伝記作品かと思っていた。観ているうちに、それがどうやら考え違いだということに気づいた。それほどジャニスを演じ>>続きを読む

アジアの天使(2021年製作の映画)

3.5

このところ日本人監督が韓国で作品を撮影するというケースがよくあるように思う。この作品も「川の底からこんにちは」や「町田くんの世界」の石井裕也監督が、韓国で現地のスタッフで撮り上げた作品。とはいえ、主要>>続きを読む

ブラック・ウィドウ(2021年製作の映画)

3.8

ブラック・ウィドウ役のスカーレット・ヨハンソンとその「妹」であるフローレンス・ピューの活躍を楽しむ作品。時間軸の設定が「シビル・ウォー キャプテン・アメリカ」と「アベンジャーズ インフィニティ・ウォー>>続きを読む

竜とそばかすの姫(2021年製作の映画)

3.5

仮想世界の描写が多く、「サマーウォーズ」などで感じた細田守監督の持ち味でもある抒情性があまり感じられず、やや好みではない気がした。主人公が暮らす高知の自然あふれる田舎町の描写にわずかに細田色は感じたの>>続きを読む

夏への扉 ―キミのいる未来へ―(2021年製作の映画)

3.6

恋愛ものを得意とする三木孝浩監督が、SF小説の古典でもあるロバート・A・ハインラインの「夏への扉」を、舞台を日本に移し替えて描いた作品。副題でもわかるように30年間の時を経て展開される物語を、破綻なく>>続きを読む

トゥモロー・ウォー(2021年製作の映画)

3.4

原題も「The Tomorrow War」だが、まさに未来で起きる未知の生物との人類存続をかけた戦いに、30年前、つまり現在を生きる人間が送り込まれて、戦うという物語だ。最終戦争が起きるのは、2051>>続きを読む

アメリカン・ユートピア(2020年製作の映画)

4.0

デビッド・バーンを知らない人でも、じゅうぶん楽しめる作品だ。自分には、元「トーキング・ヘッズ」という印象の強いデビッド・バーンだが、この作品は、彼が2018年に発表したアルバム「アメリカン・ユートピア>>続きを読む

わがままなヴァカンス(2019年製作の映画)

3.7

かなりノー天気なタイトルが付けられてはいるが、なかなかクオリティの高い作品だと判断した。コート・ダ・ジュールのカンヌで暮らしているのだが、決して裕福とは言えない16歳の主人公が、パリからやってきたゴー>>続きを読む

ザ・ファブル 殺さない殺し屋(2021年製作の映画)

3.8

シリーズ2作目だが、やはりこの主人公である殺し屋ファブルは、岡田准一のハマり役だと思っている。素性を隠して平凡な市民生活を送る岡田扮する主人公が実は伝説の殺し屋だという設定に、岡田の押さえた演技が見事>>続きを読む

100日間生きたワニ(2021年製作の映画)

3.1

ツイッターに100日にわたり投稿され大きな話題を集めた、きくちゆうきのツイッターコミック「100日後に死ぬワニ」を「カメラを止めるな!」の上田慎一郎と、彼の妻でアニメーション監督として活躍するふくだみ>>続きを読む

サマーフィルムにのって(2020年製作の映画)

4.1

元「乃木坂46」の伊藤万理華が、時代劇オタクの女子高生を溌剌と演じている作品。映画制作に励む女子高生たちを描いた作品かと思ってみていると、途中で思わぬ展開が待ち受けていて、見事な「転調」をはかる。物語>>続きを読む

17歳の瞳に映る世界(2020年製作の映画)

3.8

アメリカのベンシルバニア州はニューヨーク州のすぐ南に位置しているのに、未成年者は両親の同意がなければ中絶手術を受けることができないらしい。この作品の主人公はまさにそのような困難な状況に至り、親友の力を>>続きを読む

グリーンランドー地球最後の2日間ー(2020年製作の映画)

3.4

巨大彗星の出現で地球崩壊の危機にさらされた人間たちの48時間にわたるパニック状態を、ある家族の視点から描いたディザスター作品。タイトルの「グリーンランド」とは、この悲劇から逃れるために残された最後の手>>続きを読む

キャラクター(2021年製作の映画)

3.5

監督の永井聡には長編デビュー作の「ジャッジ!」(2014年)から注目していたが、その後、「世界から猫が消えたなら」(2016年)、「帝一の國」(2017年)と、いまひとつどんな作家性を持った才能なのか>>続きを読む

クワイエット・プレイス 破られた沈黙(2021年製作の映画)

3.4

前作の「クワイエット・プレイス」同様、ジョン・クラシンスキーが監督と脚本を手がけたホラーサスペンス。音に反応して人間たちを襲う得体の知れないもの。主役のエミリー・ブラントが、子供たちを抱えてサバイバル>>続きを読む

5月の花嫁学校(2020年製作の映画)

3.3

たぶんこれはコメディだとは思うのだが、後半、女性たちがパリに向かって行進する姿が描かれたりしていて、ある意味でいまの時代を意識したような場面も盛り込まれている。1967年のアルザス地方にある旧弊な花嫁>>続きを読む

明日の食卓(2021年製作の映画)

3.3

冒頭に母親が息子に暴力を振るっている場面が登場する。激しく壁に打ちつけられた息子はそのまま動かなくなる。名前は「石橋ユウ」。その後に同じ「石橋ユウ」という名前の息子を持つ3人の母の物語が描かれていく。>>続きを読む

アーミー・オブ・ザ・デッド(2021年製作の映画)

3.6

Netflixで配信されたゾンビもの作品。監督は「ドーン・オブ・ザ・デッド」のザック・スナイダー。オープニングのゾンビが逃げ出すシーンからキャッチーな展開で、舞台がラスベガスに移っても、スケール感たっ>>続きを読む

アオラレ(2020年製作の映画)

3.2

5日ほど前に観た「消されたヘットライン」で正義を貫く新聞記者を演じていたラッセル・クロウが、アカデミー賞俳優とは思えない、ややサイコパス的な煽り運転の常習犯を怪演している。車で息子を学校へ送ったレイチ>>続きを読む

Mr.ノーバディ(2021年製作の映画)

3.4

「ジョン・ウィック」の脚本家であるデレク・コルスタッドと製作のデビッド・リーチがタッグを組んだ作品ということで、期待して観賞。どこにでもあるような、ありふれた家庭環境のなかで暮らしている男が、ある日突>>続きを読む

フェリー(2021年製作の映画)

3.5

オランダ発の人気ドラマシリーズ「アンダーカバー: 秘密捜査官」に登場する麻薬王、フェリー・バウマンの前日譚が描かれるスピンオフ作品。残念ながらドラマは未見だが、このNetflix発の映画を観る限りは、>>続きを読む

オキシジェン(2021年製作の映画)

3.8

なかなか巧みにつくられた物語。生命維持ポッドのようなもののなかで目覚める主人公。しかし彼女は記憶を失っている。彼女をモニターするAIを利用しながら、脱出と記憶の再生を試みるが、ポッド内の酸素は残量が少>>続きを読む

消されたヘッドライン(2009年製作の映画)

3.9

ラッセル・クロウが癖のある新聞記者を演じていて、なかなか役柄にハマっている。その友人がベン・アフレック扮する女性スキャンダルに巻き込まれた議員なのだが、最後にちょっとしたサプライズがあり、この2人の関>>続きを読む

シャーロック・ホームズ シャドウ ゲーム(2011年製作の映画)

3.8

ガイ・リッチー監督の「シャーロック・ホームズ」シリーズの第2作。前作にひきつづきロバート・ダウニー・Jr.が主演、シャーロック・ホームズが一種のトリックスターとして活躍する、作者のコナン・ドイルもあっ>>続きを読む

マ・レイニーのブラックボトム(2020年製作の映画)

3.9

「ブラックパンサー」のチャドウィック・ボーズマンの遺作となった作品。アカデミー賞では、主演男優賞の最有力候補と見られていたボーズマンは、「ファーザー」のアンソニー・ホプキンスにその座を奪われてしまった>>続きを読む

鳩の撃退法(2021年製作の映画)

4.0

佐藤正午の原作は、メタ小説的展開もある複雑な構造を持った作品だが、この映像化作品は、それらを見事に消化して、新たに完成度の高いもうひとつの作品に作り上げている。まずは監督と脚本のタカハタ秀太に拍手を送>>続きを読む

1秒先の彼女(2020年製作の映画)

4.2

これは今年観た作品の中ではベスト3に入る傑作かもしれない。「熱帯魚」(1995年)、「ラブゴーゴー」(1997年)の監督である台湾のチェン・ユーシュンが、長らく温めていた作品。彼自身は前述の2作を撮っ>>続きを読む

シャーロック・ホームズ(2009年製作の映画)

3.8

監督であるガイ・リッチーの「出世作」であるが、これまで原作ものであるということで、次作の「シャーロック・ホームズ シャドウ ゲーム」(2011年)ともども観逃していた。しかし、さすがガイ・リッチー、1>>続きを読む

めぐり逢えたら(1993年製作の映画)

3.5

いかにもな抒情的な邦題が付けられているが、原題は「Sleepless in Seattle」。自分が好きな街の1つであるシアトルが舞台ということで、観賞する。原題は「シアトルの眠れない日々」とでも邦訳>>続きを読む

オクトパスの神秘: 海の賢者は語る(2020年製作の映画)

3.7

アカデミー賞の長編ドキュメンタリー賞を受賞した作品。ドキュメンタリーというより、人生に疲れた男とその彼を癒す存在となっていく1匹のタコとの「交流」を描いたドラマのような作品である。男のモノローグを中心>>続きを読む