鮃サブロウ太さんの映画レビュー・感想・評価

鮃サブロウ太

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悪の偶像(2017年製作の映画)

3.0

サスペンスとおもって観ていたら話が段々変なほうに進んでいって、最後はホラー映画みたいな雰囲気だった。
雰囲気と書いたのは私の理解が全く追いつかなかったからで、もう1,2回観ると理解が深まるのかもしれな
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ラスト・ディール 美術商と名前を失くした肖像(2018年製作の映画)

3.0

これを邦画でやったら駄作っぽくなるところを、北欧の景色や西洋絵画の雰囲気やらに助けられ何とかラストまで持って行った感じがした。
95分という時間はこの内容であればギリギリの長さで、あと2,30分長かっ
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ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語(2019年製作の映画)

3.6

若草物語について知らなすぎるせいか期待値が高かった為かは定かではないけれど、素敵な作品だと何とか思い込もうとして最後まで観た、そんな印象の映画だった。
とにかく過去と現在の行き来があまりに忙しなくて、
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ジュディ 虹の彼方に(2019年製作の映画)

4.3

終始痛々しさが付きまとう感じでお世辞にも心地いい映画とは言えないのだが、役者の演技が歌唱を含め抜群にうまいので物語が進むにつれ作品の痛切感が掛け替えのない魅力に変わっていく。
ところどころ回想場面が挿
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家族を想うとき(2019年製作の映画)

4.1

派手な場面も感動的なシーンもなく淡々と進んでいく物語の中になんとも言えない味わいがあって、全然楽しくないのに引き込まれてしまった。
全体のトーンは暗いのだが、それがシンネリムッツリした感じにならないの
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ミッドサマー(2019年製作の映画)

3.8

不思議な作品で、3年に1回くらいならまた観てもいいかなと思った。
普通ここまでクセの強い映画を観ると何かしら厭な感情があとに残るのだが、そういうものが全くない。ではそれに代わるメッセージ性を感じるかと
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パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)

3.7

前半はテンポもよく、人生ゲームをみているような一種爽快感があった。
ところが、作り手がこのノリでは軽い作品になってしまうと思ったのか(そんなことは思わないだろうけど)、急にシリアスな雰囲気になって結末
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蜜蜂と遠雷(2019年製作の映画)

3.9

原作未読、専門知識皆無ながらクラシックは好きなので最後までそれなりに楽しめた。
良くも悪くも雰囲気邦画といった趣ながら、変に掘り下げないユルさが音楽と物語をうまく繋いでいて、違和感が痼りとして残らない
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ニューヨーク東8番街の奇跡(1987年製作の映画)

3.4

1月末のBS日テレ放送分を録画しておいたもの。映画自体には全く関係のない話だが、やはり合間合間でCMの流れる民放テレビ放送での映画鑑賞はシラける。
それはさておき、物語自体は心温まる話で主人公の老夫婦
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見えない目撃者(2019年製作の映画)

4.1

最初は映画と言うより2時間サスペンスではないかという軽い気持で観始めたのだが、次第に引き込まれ終わりまで見入ってしまった。
若干種明かしのタイミングが早すぎたようには感じたものの、難しい役どころを完全
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(2018年製作の映画)

2.5

黒澤映画にタイムスリップしたかのような映像にびっくりした。
尤も、エレファントマンのようにモノクロ映画にする意義がある作品ならともかく、主人公の独白や拳銃の質感に深みを出すための小手先の演出にしか感じ
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判決、ふたつの希望(2017年製作の映画)

3.5

政治色、宗教色が殊更強調されているわけではなかったので特に前半はテンポよく進み期待したのだが、後半は歴史問題などがせり出してきて、浅薄な知識しか持ちあわせていない身としては想像力で補うしかなかった。>>続きを読む

彼女がその名を知らない鳥たち(2017年製作の映画)

4.3

この気色の悪い1㎜も共感できない話をラスト10分で浄化してしまう、そこへ繋げてゆく俳優陣の演技力に脱帽。
特にこれまで今ひとつよさがわからなかった阿部サダヲの演技を初めてうまいと思った。
松坂桃李も「
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僕らのごはんは明日で待ってる(2017年製作の映画)

3.6

話の方向性としては好ましく、何よりもクリーンであることが大変魅力的だと思った。この映画を観る前に「火口のふたり」を観たから猶更そう感じるのかもしれないが。
ただ全体的にのっぺりとした印象が強く、牽引力
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火口のふたり(2019年製作の映画)

1.0

陽気な悖徳映画で、感じのあるジャケットから「天城越え」的世界観を期待すると肩すかしを食らうと思う。
ほぼ全篇主人公の男女二人しか出てこない作りはユニークながら、ラジオ体操のように運動化したセックスは潤
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僕たちは希望という名の列車に乗った(2018年製作の映画)

4.7

ストーリーの展開に少しも無理がなく役者陣の演技は手堅く、どの場面を切り取ってもムラのない中身の詰まった映画だった。
敢えて言えば隙のない優等生的つくりにあと少しの感情の迸りがあれば…と思わないでもなか
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シシリアン・ゴースト・ストーリー(2017年製作の映画)

3.9

実際にあった誘拐事件を元にしているようだが、どこまでが実際でどこからが作品なのかはよく分からなかった。
物語自体は非常にシリアスな展開を辿るわけだが、映像がたいへん美しく詩的で時にロマンティックですら
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ジョーカー(2019年製作の映画)

4.0

開始20分で気が滅入った。でもそのお蔭で後は割とサラッと観ることができた。何か非常に狂気じみた雰囲気が醸し出されているが、小生はジョーカーはいたってまともな常人だと思う。
だから正直なところラスト30
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淵に立つ(2016年製作の映画)

4.5

同じ監督が手掛けた「よこがお」が印象的だったので本作も観たのだが、こちらのほうが断然好みだった。
「よこがお」でも感じたことだが、この監督の魅力は善悪を単純化せず、複雑なものを複雑なまま提示し観ている
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オケ老人!(2016年製作の映画)

3.6

最近シンネリムッツリの内向き邦画を観ることが多かったせいかシンプルに楽しめた。難しいことを考える必要もなく過度に感情を揺さぶられることもない、疲れない映画。
何となくこうなりそうな予感通りに物語が進ん
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クローバー(2014年製作の映画)

1.2

4,5年前に観たときは非常な好印象を持った映画でこれぞラブコメの真骨頂と周囲に絶讃していたのだが、昨夜改めて観たらとても正視に耐えなかった。一体この作品のどこに惹かれたのか?強いていえば40:00あた>>続きを読む

よこがお(2019年製作の映画)

4.0

ある日突然日常の裂け目に落ちていく女性の理不尽さを描いているかと思いきや、53:30~や1:10:20~のシーンに象徴されるような無神経な一面をこの主人公は持ちあわせており、これが作品のリアリティーを>>続きを読む

ママレード・ボーイ(2018年製作の映画)

1.0

原作の作風か監督の趣味かはわからないが、適度に甘く適度に切なく程好い苦味も加え「一丁上がり」的な表面だけを磨き上げた作品だった。
セリフは常に軽くしぐさは絶えずわざとらしく、胸を抉る場面も一切なし。
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寝ても覚めても(2018年製作の映画)

4.0

優しい映画だった。共感の埒外という点でいうと「愛がなんだ」とさほど変わらないのだが、同じ胸糞映画でも本作はずっとやわらかく、終始夢の中を漂っているよう。
だからというわけでもないが、現実感の強い映画だ
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フィフス・ウェイブ(2016年製作の映画)

1.0

はじめの20分は大雑把ながらもそれなりに楽しめたが、40分を過ぎたあたりから段々馬鹿らしくなって、1時間を経過した時点で字幕を読むのも面倒になり日本語吹替に切り替えたら愈々安っぽさが際立ち観るに堪えな>>続きを読む

バルカン超特急(1938年製作の映画)

3.5

序盤は拍子抜けするくらい退屈だったが、列車に乗り込んだあたりから徐々に物語に奥行きが出てきて一気に引き込まれた。
話としては古色蒼然としていてラストもちょっと雑な気がしたが、80年前の映像にもかかわら
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ダウントン・アビー(2019年製作の映画)

4.5

アカデミー賞最有力のパラサイトと公開時期が重なったせいか、大学生風の男性と二人きりで鑑賞。
ドラマのファンだったのでスコアは激甘加点。映画単体として観た場合、2時間という限られた時間に色々な素材を詰め
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タリーと私の秘密の時間(2018年製作の映画)

3.5

役者の演技が生々しくて最後まで観られるか案じていたがテンポの良さと気の利いた音楽に救われた。1時間半という時間もこの内容には最適だったと思う。
本編には直接関係のない話で恐縮だが、Eテレで毎週やってい
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町田くんの世界(2019年製作の映画)

3.5

ラスト20分のディズニー擬きのファンタジー(こういう場面を見るとディズニーの質の高さを痛感する)とコスプレ大会かと見紛う程の脇役(といいつつ前田敦子のドSキャラは個人的には最高だった)のキャスティング>>続きを読む

さよならくちびる(2019年製作の映画)

2.0

同じようなトーンをしつこくしつこく積み上げて一つの物語にしたような映画で、とにかく退屈だった。
向こうから何かを訴えかけてくるというより観ているこちら側が何かを感じ取ることが求められる作品で、ハルレオ
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スノー・ロワイヤル(2019年製作の映画)

2.8

ジャケットの『全員、除雪。』といういかにも剛毅なニュアンスから問答無用の復讐劇を予想していたら意外にもじっくり型の映画だった。そのため今ひとつ力感に乏しいのは惜しまれるものの、いい意味での緩さが悲劇的>>続きを読む

パリの家族たち(2018年製作の映画)

2.0

タイトルや内容をよく確かめずに借りてきたら、老若男女の人間関係が同時進行的に展開してゆく苦手な群像劇だった。見直したらタイトルも「パリの家族たち」。
この手の作品は邦画なら顔や名前に馴染みがあるので比
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グリーンブック(2018年製作の映画)

4.3

素晴らしい映画だった。人種問題というデリケートな素材を変に神経質ぶらず大らかに描いており、それが逆にドクター・シャーリーの孤独感を絶妙な形で浮上がらせている。
思い入れたっぷりに描いていいような場面で
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新聞記者(2019年製作の映画)

1.0

昨今のウンザリする政治状況に尾鰭をつけたような映画で、観終わってどっと疲れた。
仮に本作が5,6年前に作られ公開されていたとしたら或いは再公開必至の話題作になったかもしれないが、事後的にそして恣意的に
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うなぎ(1997年製作の映画)

3.0

正直よく分からない奇妙な映画だった。開始早々の惨劇から暫くの間は集中して観ていたが、出てくる登場人物が悉くヘンな人ばかりで段々疲れてきた。
ヘンな人たちがヘンに絡み合って夢か現かよくわからない悲喜劇を
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新幹線大爆破(1975年製作の映画)

3.7

久しぶりに観て、ちょっと長いかなと感じた。劇中のBGMも古めかしい。でも、非常にスリリングで面白いのも確か。どの立場の人間に感情移入するかで見方も変わってくると思うが、個人的には宇津井健演じる倉持運転>>続きを読む

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