itさんの映画レビュー・感想・評価

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ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語(2019年製作の映画)

4.0

体験する何もかもが新鮮で自由で楽しい、かけがえのない少女時代。社会的存在としてどう生きるかが迫られる、littleではないwoman時代。その2つの季節が交差しながら、自叙伝ならではの、現実と小説が入>>続きを読む

招かれざる客(1967年製作の映画)

3.6

55年も前の作品なのに、名作は色褪せない。
会話劇ゆえに、役者の演技、感情の動きや表情が重要なのだが、みんな魅力的で見入ってしまう。昨今のように複雑なキャラクターや奇想天外な物語はなくとも、ドキドキさ
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ドグマ(1999年製作の映画)

3.7

マット・デイモンとベン・アフレック、実際に幼なじみだったふたりが演じる天使の掛け合いが最高。
キリスト教への風刺ではらはらするが、ユニークで面白かった。
アラン・リックマンの神の代弁者もぴったりすぎ。

ゴーン・ガール(2014年製作の映画)

3.9

ロザムンド・パイクの壮絶な演技に尽きる! ベン・アフレックの情けない感じもぴったり。
ミステリーとしてのストーリー展開のスピード感も、痛い、怖い、異常だけど面白い、というフィンチャーならではの醍醐味も
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ドラゴン・タトゥーの女(2011年製作の映画)

3.8

ルーニー・マーラーとダニエル・クレイグのタッグがとにかく愛しい。
その分、やや長尺なところも否めないが。
痛くて、怖くて、でも止まらないのは、さすがフィンチャー。

ルーニーのリズベット、この一作とい
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ソーシャル・ネットワーク(2010年製作の映画)

3.6

実話を元にしながら悪意とサスペンス要素を織り混ぜたスリリングな展開にはフィンチャーらしさも。
ジェシー・アイゼンバーグ、ザッカーバーグの若き天才ならではの孤高や執念や冷酷さといった捻れをうまく演じてい
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ベンジャミン・バトン 数奇な人生(2008年製作の映画)

3.8

ほろ苦くて美しい大人のファンタジー。フィンチャー版『フォレスト・ガンプ』みたいな。不幸も幸福もなく、静かに運命を受け入れて淡々と生きる潔さは、周りの大人たちの愛情ゆえか。
たまたま観た二度目の鑑賞で、
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マディソン郡の橋(1995年製作の映画)

3.6

この2人だからこそ生み出せる、静かで激しい、気品溢れる、自立した大人の恋。
現実の生活からの逃避としての浮気心ではないところが、フランチェスカが葛藤する辛さでもあり、幸せでもあると思った。
誰のせいに
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ニキータ(1990年製作の映画)

3.6

女性工作員のアクションドラマ、今ではよくある設定だが、その走りとも言えるニキータはかっこよくて切なくて愛しくて。女性ファンも虜にしたところが、リュック・ベッソンの勝利。

グラン・ブルー完全版 -デジタル・レストア・バージョン-(1988年製作の映画)

3.9

海に深く深く潜ったり、イルカと戯れたりーーそんな印象ばかりがオリジナル版を観た時は強かったが、約30分長い完全版だからだろうか。ドラマ要素が意外と強い作品だったんたと思った。
それでもやっぱり美しいの
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クワイエット・プレイス(2018年製作の映画)

2.8

まさに息つく暇もなくスリリングで緊張しっぱなし。冒頭から結構びっくり。ただ、ここまでヒットするとは驚いた。

メリー・ポピンズ リターンズ(2018年製作の映画)

3.0

続編らしいストーリー、予定調和だが、英国好きにはやはり逆らえない部分も。

イントゥ・ザ・ウッズ(2014年製作の映画)

3.2

豪華な俳優陣&プリンセス大集合!のわりに映画としては今ひとつだが、やっぱりスティーヴン・ソンドハイムの曲が最高! 全てをかっさらう。舞台を観れないので、映画で観れてよかった。

アネット(2021年製作の映画)

4.8

レオス・カラックスならではの、聖と俗の残酷なまでの拮抗。そこから生まれたアネット。ピノキオが人間になるには妖精の魔法が必要だが、アネットの場合は?
奇想天外でスピード感溢れる物語に魅了された。

UC
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スパークス・ブラザーズ(2021年製作の映画)

3.8

エドガー・ライトとスパークス、それぞれの毒気とユーモアがぶつかりあう、愛情溢れるドキュメント。自由奔放過ぎて個性的過ぎて説明不可能なバンド、スパークスとは何者か?がとてもよくわかる。

「売れたけど評
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ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ(2021年製作の映画)

3.2

ウディ・ハレルソンのミステリアスな悪役ぶりに期待していたけど、意外と人間臭かった。ストーリーも前作に比べてダイナミズムに欠けて残念。
エディとヴェノムはもはや夫婦喧嘩状態。だけどコスプレパーティのヴェ
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ヴェノム(2018年製作の映画)

4.0

離れたくても離れられない、最強のバディムービー。トム・ハーディの一人漫才みたいで、ファンにはたまらない。

ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)

3.8

チェイホフのロシア古典劇と、音が産み出す斬新な物語の対比がユニークで面白い。
形は違うけれど、どちらも人間の本質が、贖罪と祈りが、重く描かれている。

真実を知るのが怖いのは、それを受け入れられないか
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ラビリンス/魔王の迷宮(1986年製作の映画)

3.2

80年代世界的スーパースターとなったデヴィッド・ボウイを魔王に起用した話題作。トム少佐、ジギー、アラディン・セイン、シン・ホワイト・デュークなど、歌の中で描かれたボウイの魅力的なペルソナに魅了されてき>>続きを読む

ミラクル・ニール!(2015年製作の映画)

4.7

宇宙規模の過激なブラックユーモアといい、モンティ・パイソンのメンバーが約32年ぶりに同じ映画に出演したという喜びといい、これが遺作となったロビー・ウィリアムの愛犬デニスの声優のすごさといい、もちろんサ>>続きを読む

E.T.(1982年製作の映画)

4.6

ティーンエイジャーでこの映画と出会えたのは、なによりの幸せ。
異なる存在への恐怖心も好奇心も大人より強く、また社会や体制より自分の感覚を信じられる特別な季節だから。
友だち、家族、自転車、マーブルチョ
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シンドラーのリスト(1993年製作の映画)

3.8

ホロコーストという地獄のような現実を描きながらも、善への希望に光を当てているところがスピルバーグならでは。人間の愚かさや醜さ、狂気を、優秀なビジネスマンの理性と合理主義で批評している点はユニークだ。>>続きを読む

怪物(2023年製作の映画)

3.8

怪物探しというミステリー仕立てによって観る者を物語に巻き込みながらも、本当に大切なのは物語からこぼれ落ちてゆく言語化されないメッセージ。その展開がとても巧みだ。声に発することのできない思いの息吹きが、>>続きを読む

ルードヴィヒ/神々の黄昏(1972年製作の映画)

3.8

ヘルムート・バーガーの代表作、バイエルン王ルードヴィッヒ。
『地獄に堕ちた勇者ども』のファナティックに暴走する退廃感とはまた違う、誰も救うことができない孤独と苦悩が切ない。
昔観たきりなので、もう一度
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婚約者の友人(2016年製作の映画)

2.9

ピエール・ニネ×オゾン目当てに観に行った。ミステリー的要素もあり、美しい作品。

イヴ・サンローラン(2014年製作の映画)

3.3

ピエール・ニネが、信じられないくらい美しい。公式ドキュメンタリーとしてイヴの生涯にスポットが当てられていて、クリスチャン・ディオールの二代目を継ぐ天才寵児としての輝きや、有名なコレクションの数々や誕生>>続きを読む

SAINT LAURENT/サンローラン(2014年製作の映画)

3.3

同時期に公開されたピエール・ニネの『イヴ・サンローラン 』の清廉な美しさと対照的に、ウォーホールやヴェルヴェット・アンダーグラウンドといったサブカルチャー的要素やダークなカルト性が際立つ作品。そうした>>続きを読む

キング(2019年製作の映画)

2.9

シェイクスピア的要素も期待したが、想像以上に真面目な歴史ものだった。
ロパート・パティンソン怪演。

世界で一番美しい少年(2021年製作の映画)

4.2

永遠の美の象徴ではなく、ひとりの人間としてのビョルン・アンドレセン。日本、パリ、ヴェネチア…聖地巡りではなく、奪われた時を自分の手に取り戻していく旅。彼の美を神話のままにしておきたかった気持ちも否めな>>続きを読む

秘密の森の、その向こう(2021年製作の映画)

4.1

母と娘の共感性と自立。その繊細な心象風景が、夢のような美しい映像で描かれていて胸がつまる。取り戻せない時間への郷愁と、旅立ちへのひりひりするような覚悟が、静かに伝わってくる。
冒頭の車の中でお菓子を食
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ノースマン 導かれし復讐者(2022年製作の映画)

3.1

北欧神話と、キリスト教以前のアニミズム的世界観が新鮮かつ驚いた。
『ミッド・サマー』の残虐な映像美も、これを観ると理解できる。
アニャ、ビョーク、イーサン・ホーク、ウィリアム・デフォーなど個性派揃いの
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ウォルト・ディズニーの約束(2013年製作の映画)

2.8

メリー•ポピンズ誕生の裏側に、こんな魂同士の戦いがあったとは。作家は自分の中だけに誰にも明け渡さない秘密の花園を持っている。孤高の魂は痛々しくも美しい。

アミューズメント・パーク(1973年製作の映画)

3.0

リアルすぎて怖い。高齢化社会への啓蒙作品を依頼されて作ったそうだが、さすがロメロ、人間の内なる持つ暴力性をさらけ出してしまった、しかもこともあろうに遊園地という場所で。
笑いたいけど笑えない、ひきつっ
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スリー・ビルボード(2017年製作の映画)

3.8

怒りと憎悪の連鎖、感情が激化てしてゆく様が怖かった。まるで社会の、戦争の縮図。不条理や怒りを受け入れ、相手を許すのは、ものすごく難しいことだが、それが自分を救う過程でもある。
手打ち、禊ぎの重要性は、
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イニシェリン島の精霊(2022年製作の映画)

4.2

マーティン•マクドナー監督ならではの、感情がじわじわと沸騰した挙句の、こうするしかなかった的に追い詰められた、独創性あふれる暴力表現に脱帽。特に今作は映像の美しさという点で真骨頂と言える。「社会」や「>>続きを読む