いののんさんの映画レビュー・感想・評価 - 13ページ目

いののん

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彼女がその名を知らない鳥たち(2017年製作の映画)

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観たあとには、これはもう蒼井優と阿部サダオでなければならなかったと、力強く確信する。映画館を出た後、もう一度脳内で振り返り、事実発覚に至るまでの様々な事が腑に落ち、納得し、そして打ちのめされる。>>続きを読む

ブルーム・オブ・イエスタディ(2016年製作の映画)

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非常にセンシティブで、デリケートでナーバスな話を(って、もうこれ以上カタカナが思い浮かびません!)、不謹慎でいびつな様相で挑むという、勇気ある映画。こういうケンカの売り方って、好きだな。


ナチスに
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デンジャラス・デイズ/メイキング・オブ・ブレードランナー(2007年製作の映画)

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壮絶な、苛酷な現場だったのに、
それを回顧するスタッフ・キャストたちの、
嬉しそうに、誇らしげに、語る姿が、
たまらなく愛おしい。

様々な制約があったなかでも、それでも自分たちは、
最高のものを創
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回路(2000年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

【再鑑賞につき追記2024年6月】
【※新作『蛇の道』(2024)のネタバレにあたるかもしれない台詞を含んでいます】


初鑑賞時には怖い怖いがあたまのなか全部を占めてしまったのだと思う。再鑑賞の方が
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ミックス。(2017年製作の映画)

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この映画は、愛くるしいガッキーを堪能するためのアイドル映画である。そう断定してしまい、割り切って観るのがよろしい。私は(いつもながら)勝手にそう断定する。そのように割り切って観ることにしてしまえば、色>>続きを読む

恋する惑星(1994年製作の映画)

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それは突然やってきた。
トニー・レオンが石鹸に話しかけていた時だ。
どうしよう!
ちゃんと封印していたはずだったのに。
あの頃の私を思い出すなんて。
まいったなあ。


このおしゃれでポップな映画は
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ブレードランナー 完全版(1982年製作の映画)

5.0


A かつて観たのが “完全版”(=インターナショナル劇場版)
B 先月観た “ファイナル・カット版”
C 先月観た “オリジナル劇場版”
A 本日観たのが “完全版”(=インターナショナル劇場版)
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50年後のボクたちは(2016年製作の映画)

3.7


ちょっといっちゃっててヤバい転校生にツボり、ドライブのさなかにかけるリチャード・クレイダーマンにツボり、出会った少女に切なくなる。


主人公マイクの母はアル中、父は不倫中。でも、特にそれについて主
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あしたは最高のはじまり(2016年製作の映画)

3.5

父から娘への愛がたっぷり詰まった映画でした。
無条件に愛している、無条件に大切に想っている、というのは、こういうことなのかと再認識させられるくらいに。

父だけでなく、友だち等、周囲の人たちのあたたか
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米軍が最も恐れた男 その名は、カメジロー(2017年製作の映画)

3.7



世界は複雑で、難しい問題はよくわからない。アタシは自分自身のことだってよくわかっていないし。でも、そんなアタシでも、沖縄のことはどうしても “他人事” にはしたくない。沖縄を思うことは、アタシにと
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ドリーム(2016年製作の映画)

4.1


はい。正直に申し上げると、私は今作をなめきっておりました。予告編で感じた以上のものが、私の内側からの感情として出てはこないだろうと高をくくっておりました(よく行く映画館で予告編を多分10回以上は観て
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パターソン(2016年製作の映画)

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内田センセイ(内田樹)は、大量に出版されている莫大な数の著作のなかで、くり返し、ルーティンワークの大事さを語っておられる。また、宮崎駿は引退会見をした際、毎日同じような生活をすることを心がけていたとお>>続きを読む

息の跡(2015年製作の映画)

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撮る側と撮られる側との、理想的な関係がそこにはあるように感じられた。記録する側と記録される側。そして、記録される側であった佐藤さん自身もまた、「記録する人」である。
「記録する人」とは、そうせざるを
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雨の日は会えない、晴れた日は君を想う(2015年製作の映画)

4.8




目の前の近しい人は、ただ目の前にいる近しい人というだけだ。実はずーーーーっと遠くにいる人として存在する。

妻は多分そのことを実感している。
(女の方が気づくのが早いのだ。)
でも、夫は失って
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甘き人生(2016年製作の映画)

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どうして映画館って眠くなるんだろう。
弱さとか痛みとか妬みとかひがみとか憎悪とか劣等感とか、
普段は気づかないようにして過ごしている自分のダークな部分も、
映画館では受け容れられていると感じるからだろ
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奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール(2017年製作の映画)

3.3

数ヶ月前、職場の同僚が以下のようなことを言った。
「私たちはいっつも、男の人に、“すごいですねぇ” とか “さすがですねぇ” とか、持ち上げたり褒めたりと、すごく気を使っている。男の人の自慢話にもちゃ
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きっと、いい日が待っている(2016年製作の映画)

4.6



ずっと大事にしてきた絵本が何冊かある。そのうちの1冊がオランダ生まれの絵本作家レオ・レオニの『フレデリック』という絵本だ(高校生の時に、訳者谷川俊太郎さんにサインをしてもらった本なのです←自慢!)
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マイ・プライベート・アイダホ(1991年製作の映画)

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「物語の中に拳銃が出てきたら、それは発砲されなくてはいけない」
それは、“チェーホフの銃” と言われている、小説やお芝居でのルールのことだ。私は 村上春樹の小説『1Q84』のなかでそれを知った。以来、
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三度目の殺人(2017年製作の映画)

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凄すぎる役所広司に、私たち観客がそれぞれ挑んでいる映画。
役所広司さんは、私(たち)の手には負えない。
とうてい勝負にはならないのだ。
だから最初からこの勝負には敗北しかない。
それでも、勝負を挑んで
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散歩する侵略者(2017年製作の映画)

4.5

タイトル通りの、まさに、散歩する侵略者


やはり侵略というのは、こうやってされていくものなのではないだろうか。
よくわからないうちに侵略されていく。
侵略されていくことを、されていく側は理解出来ない
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ブランカとギター弾き(2015年製作の映画)

4.2



鶏だって空を飛べるんだぜ


「大人は子どもを買えるのに、子どもは何故、母親を買うことができないの?」


その問いかけに対する答えを、私は持ち合わせていない。何故それができないのかなんて、そんな
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ボン・ボヤージュ 家族旅行は大暴走(2016年製作の映画)

3.0

これもほぼ予告の通り。予告で見て感じた、ほぼ想定内の映画。
途中から高速道路がこの赤い車の独占状態となったので、安心して見ていられました。が、この内容で安心して見ていられるってどうなのよ?

とにかく
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ロスト・イン・パリ(2016年製作の映画)

3.7

しあわせは細部に宿る。
可愛い靴下を履いての膝下のダンスとか
セーヌ川に佇む自由の女神とか
エッフェル塔のてっぺんから見おろす街とか
カナダの部屋に猛烈に吹き込んでくる雪とか
鮮やかな緑色のセーターと
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ロボコップ(1987年製作の映画)

-

ロボがコップする。以上。わーはっはっはっはっ。
そんなお話だと思っていました。これまで関心もなく、素通りしておりました。今作が、『ELLE』のヴァーホーヴェン監督作品であると認識するまでは。


グロ
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若葉のころ(2015年製作の映画)

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映像がとても美しく、みずみずしい。情感たっぷりの、美しい曲。


主人公の女の子(ルゥルゥ・チェン)を見るのは今回が初めてでしたが、最初のうちは、格別に可愛いとは感じず、どこにでもいそうな女の子だな、
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関ヶ原(2017年製作の映画)

3.2

かつて関ヶ原古戦場(西軍側)を歩いたことのある者としては、見ない訳にはまいりません。半ばそれは当然の義務として、見に行ったわけでございます。なぜ当然の義務なのかと申しますと、それは私の勝手な思い込みに>>続きを読む

ワンダーウーマン(2017年製作の映画)

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アメコミとかマーベルとかDCとか、ようわからへんし、今作にさしたる関心もなかったのですが、『モンスター』の監督作品だということをここ数日で知り、急に興味津々に。(『モンスター』で、シャーリーズ・セロン>>続きを読む

ベイビー・ドライバー(2017年製作の映画)

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ようやっと観ました! 遠征して。 長かったぜ、この1週間。 皆々様のレビューを、指をくわえて観ているだけ。では、ない。あがいてねじれてジタバタして、私なりにできることはやった。唯一の懸念は自分で期待値>>続きを読む

ビニー/信じる男(2015年製作の映画)

3.8

物事は単純なんだ。
シンプルなのが1番!
シンプルさこそが、強さなのだ。


きわめて明快な物語。
このキッパリさ・潔さが、私は好きだ。


予告が良いとは思わない。
予告でもう、おおかたのことは想像
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ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!(2013年製作の映画)

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「バカをやるのは人間の基本的権利だ!」


おったまげた!
まさか、こんな話が展開されていくとは!
くっだらね-


私はエドガー・ライト監督作品を2作品観たばかりの新参者ですが、2作続けて観て思うこ
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ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン!(2007年製作の映画)

4.0

正直に申し上げると、『ベイビー・ドライバー』という映画についても、わりと最近知ったばかりで、よくは知らないんです。でも、私の暮らす地方都市で上映予定がないことを知り、観られないとわかったら、より観たく>>続きを読む

ハートストーン(2016年製作の映画)

3.4

様々な臭いのする映画である。
釣り上げた魚をぶっ殺す場面、持ち帰った魚を放置し腐らせる場面、犬に噛まれた羊を殺すシーン、死んだ鳥、泳いでいる川(!?)の濁り具合、その川からあがる時に体にへばりつくもの
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打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?(1993年製作の映画)

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アニメ版を観て帰り、どうにもこうにもおさまりがつかず、こちらを鑑賞。疲れて感想を書くだけのエネルギーがありません。いつか機会があれば書き直したいけど、皆さんが良いと思われている気持ちと、きっと私は同じ>>続きを読む

打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?(2017年製作の映画)

2.6

初日に行こうと決めていた。
幸いにして仕事は休みだ。
予告を観て不安に思うことはあったけど
まずはみてみないと。
岩井監督のあの作品だし。
大根監督が脚本だし。
きっと大丈夫!

行く前にフィルマーク
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WOOD JOB!(ウッジョブ)神去なあなあ日常(2014年製作の映画)

4.1

祝祭的な映画
全編通して、山の神様から守ってもらっているような
生も性もまるごと肯定されているような
そんな多幸感に満ちあふれている


(原作は刊行されて間もなく読了)

ほとりの朔子(2013年製作の映画)

-

私たちは、意味まみれの病を抱えて生きている。
私たちと言ったら語弊があるのなら、言い直す。
私は、意味まみれの病を抱えて生きている。
何かに意味づけをしたくなったり、ない知恵を絞り、その意味は何なのか
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