スマイリーさんの映画レビュー・感想・評価

スマイリー

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ラ・ラ・ランド(2016年製作の映画)

4.0

観ていて幸せになる映画。
計算された動線上を生き生きと動きまくりながら撮るオープニングから、がっつり心を掴まれてしまった。こういう映像は、そう観れるものではなく、良いもの観せてもらったなという満足を、
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沈黙ーサイレンスー(2015年製作の映画)

4.5

スコセッシの力作。
マーティン・スコセッシといえば、『グッド・フェローズ』で完成させた、生き生きとしたカメラワークや編集、そして独白スタイルの語り口で有名。新しい映画文体を作った、これだけで偉大な監督
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彷徨える河(2015年製作の映画)

5.0

いかにもインテリが褒めそうな映画という感じだけど、すごい映画だからみてみて!と言いたい。

ドイツ人民俗学者テオが、病気を治すためヤクルナという植物を探しにアマゾンのジャングルへやって来る。彼に付き添
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ジャック・リーチャー NEVER GO BACK(2016年製作の映画)

3.5

一つの映画としてはまあまあ面白いが、あの『アウトロー』の続編としては不本意な方向に行っちゃったなあという印象。
良かったのは、まずトムが反抗期でおしゃべりな女の子のお父さんをしているところが観れること
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ジェイソン・ボーン(2016年製作の映画)

3.5

ボーンシリーズの中では、『ボーン・アルティメイタム』が傑作。映画とは運動であり、映画とはカットの連なりである、を地でいく映画の中の映画だと思っている。
そして二作目以降の、ポール・グリーングラスによる
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クリーピー 偽りの隣人(2016年製作の映画)

5.0

随分前に観たまま、書くのを忘れていたので少しだけ。
一度黒沢清がカメラを向ければ、そこに映し出されるのは黒沢映画としか言いようのない画面。これだけでとんでもない監督・映画だというのは一目瞭然でしょう。
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FAKE(2016年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

公開4日目の平日の昼、渋谷ユーロスペースで鑑賞した。騒動真っ只中の佐村河内氏に密着したドキュメンタリーということで注目度が高いのか、映画館は満員大盛況だった。
佐村河内騒動に染まる日本が、善悪を二分し
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レヴェナント:蘇えりし者(2015年製作の映画)

4.0

勝手にアカデミー作品賞を取るだろうと予想していた作品。(良い作品が取るという期待をしてたわけではもちろんない!)
一番良かったのは、最初の襲撃シーン長回し。カオスをカオスのまま撮ると観てられない映像に
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太陽(2016年製作の映画)

3.5

入江悠監督最新作。結構驚いた。
というのも、画的な見せ方が上手いから。オープニングの拷問のシーン。カメラで下の方から見上げる形で捉える一連のシーン。あの長回しのレイプのシーンの見せ方。その後父親が殴る
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ヘイトフル・エイト(2015年製作の映画)

4.0

長い!話の内容だけなら長くても2時間にはおさまるだろう。
でも、タランティーノファンとしてはそれが良い。最近は『イングロ』とか『ジャンゴ』とか、これも長いのだが、あまり意味のない会話が続くタイプではな
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マネー・ショート 華麗なる大逆転(2016年製作の映画)

4.0

まず、楽しく勉強できる。難しいという評判をよく耳にしていたのでやや前のめりになって観ていたが、分からなくなることはなかった。経済が苦手な自分としては、少なくとも分かった気にさせられただけで十分ありがた>>続きを読む

牡蠣工場(2015年製作の映画)

3.5

「観察映画」を提唱・実践している想田監督の最新作。監督自身は現場で観察し、観客もまた映っていることを観察して自分で何かを発見してほしいということだそう。
岡山の牡蠣工場の実状が観れるのはまず面白い。震
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スティーブ・ジョブズ(2015年製作の映画)

4.5

とても良くできた脚本の映画。脚本が良すぎて、全体のバランスがおかしくなってるくらい。
ほとんどの時間、ジョブズにカメラが付いていく。常に誰かが喋っているし、誰かが喋ってるのをさえぎったり、被せてきたり
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ディーパンの闘い(2015年製作の映画)

4.0

面白い造りの映画。
スリランカ内戦の難民が、疑似家族を作ってフランスで暮らす様子を描く。
フランス語も喋れない状態で、団地の管理人をしたり家政婦として働かざるを得ない状況。フランスに来たところで安住の
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サウルの息子(2015年製作の映画)

4.5

変化球ながら、素晴らしい映画。
最初のシーンからおかしい。人物がいるのにピントが合っていない、奥から人がカメラの側に歩いてきて、これでもかと近づいたときにようやくピントが合う。そして、カメラは主人公に
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オデッセイ(2015年製作の映画)

3.5

最近はやりの全編前向き映画。
皆が言っているが、宇宙に取り残されてその後も大変なことが起こっても、暗くならない。常に前向きで、何か策はないか知恵を出し続ける。地球の人とのやりとりもユーモアがあるし、デ
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キャロル(2015年製作の映画)

4.0

丁寧なメロドラマ。
まずトッド・ヘインズ監督、腕がある。カメラをどこに置くか、役者の動線を把握した上で、1番映画として効果的なところが分かっている印象。車のガラスを使った、ロマンティックな見せ方も見て
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ザ・ウォーク(2015年製作の映画)

3.0

最近、映画全体を「肯定感」が貫いている映画が多い。詳しくは書かないが、9.11以降の暗い映画がヒットする時代も一区切りした感がある。
この映画も時代の流れに乗り、全編が明るい。だからこそ観てて楽しい、
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イット・フォローズ(2014年製作の映画)

4.0

傑作ですね。
まずアイデアが面白い。セックスで移されると、誰かに移さない限り「それ」が襲ってくる。
でもアイデア一発の映画ではない。まず「それ」の造形が面白い。なんでおっぱいを出してる率が高いのだろう
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007 スペクター(2015年製作の映画)

3.5

今更ながら観たということで。
大大傑作の『スカイフォール』の次作。しかし同じ路線はとれない。どう来るのだろうと思っていたが、思いの外バカ映画になっていた。
最低限、面白さのクオリティがあるのは確か。し
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ブリッジ・オブ・スパイ(2015年製作の映画)

4.5

総じてレベルが高い映画。
アメリカ的価値の根源、平等とか法の支配とかを貫いた人の話という意味では、前作『リンカーン』と同じ路線。セリフの端々から分かるが、この事を意識してるのは明らか。彼自身、自分の年
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ホワイト・ゴッド 少女と犬の狂詩曲(2014年製作の映画)

4.5

凄いのを観た!
まずオープニング。自転車で橋をかける女の子が上から、横から、さらになぜかペダルによりながら映される。それだけなら違和感もないのだけど、どこかおかしい。そうだ、何故か通りに誰もいない!と
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裁かれるは善人のみ(2014年製作の映画)

4.0

ロシア版『罪の手ざわり』、またはラース・フォン・トリアーが社会派テイストを盛り込んだ、みたいな映画。
主人公は権力者たる市長に裁判を挑むが、勝つことはできない。市長は裁判所に圧力をかけていたから。弁護
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ヴィジット(2015年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

いやー、面白かった!
まずコメディとして最高!Tダイヤモンドのラップ、自分はラップのことをよくはわからないのだけど、上手いし気が利いてて超面白い。弟でいうと、こけた時のアレとかね。弟君最高!ちなみに、
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岸辺の旅(2015年製作の映画)

4.0

不思議な映画。
3年間も失踪していた夫が突然戻ってきて死を告白するのに、瑞希は驚いたり号泣したりするのではなく、すっとその事実を受け入れる。そして映画が始まってあっという間に2人は旅を始めてしまう。
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シングルマン(2009年製作の映画)

4.5

よく知らないが監督がトムフォードということで、言うまでもなく画作りや衣装、音楽、そして小道具もオシャレな映画。なんだけど、そんな言葉では到底片付けてはいけない良い映画だった。一般的には良作ないしは佳作>>続きを読む

最後まで行く(2014年製作の映画)

4.0

どれだけすごいんだよ韓国映画は!と何回もこれまで言ってきたが、また言わざるを得ません!
死体を隠すまでは、バレそうになる状況が次から次へと天丼状態にやってくるという王道サスペンスの展開。これだけでハラ
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ハッピーボイス・キラー(2014年製作の映画)

4.0

良い拾い物をしたなあという感じ。あまり前情報を入れずに見たのでびっくり。
この映画、主人公の主観のときは『ビートルジュース』のようなポップな映画。しかし客観に切り替わった途端にサイコキラーものに変貌す
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無頼漢 渇いた罪(2015年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

韓国ノワールにまた一つ傑作が加わったと言ってもいいと思う。

驚愕の真実みたいなのは実際ない。パクが姿を消したのに何か大きな理由が、など意外なことはない。専務がパクを探す理由も、裏に何かがあったわけで
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キングスマン(2015年製作の映画)

3.5

『キックアス』のマシュー・ヴォーン監督だし、一定のクオリティは保証されてるなと思いつつ鑑賞したが、良い意味でも悪い意味でもその通りだった。
いわゆる「見せ場」の部分はやっぱり面白かった。よくこんなこと
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黒衣の刺客(2015年製作の映画)

5.0

大傑作。今年の映画を語るなら欠かせない一本だと思う。
観た人皆が話題にせずにはいられないのは、まず撮影だろう。
炎、風、光、煙がこんなにも美しく撮られていた映画は初めて見た。そして、布を隔てたあの場面
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進撃の巨人 ATTACK ON TITAN END OF THE WORLD(2015年製作の映画)

1.0

いろいろ言いたいことはあるがキリがないし、本筋中の本筋、というか作品の目指すべきテーマに関わるのでこのことだけは言いたい。
この話は、壁を壊さないとダメだろ!!なんで塞いでんだよ!!!!結局家畜と同じ
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さよなら、人類(2014年製作の映画)

3.5

ロイアンダーソン監督作は初めて。
良さげな構図をおさめるように配置されたカメラ。主な人物以外の周りの人物は基本動かないという演出。独特のテンポ感。この辺りが見てすぐ印象に残る。
最初の方は松本人志っぽ
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ナイトクローラー(2014年製作の映画)

4.5

久々に突き抜けた主人公を見られて嬉しい。次々と一線を越えていく主人公に清々しさを感じた。
善悪なんて、人間が勝手に産み出したものでしかない。お前らが悪だと言おうと、主人公は自分の道を行く。
そもそも本
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別離(2011年製作の映画)

4.5

イランの政治経済、宗教といった要素を取り込みつつ、人間ドラマとしても素晴らしい映画である。
途中から裁判を巡る話になっていくが、両者の事情を知る観客から観ると本当に胸が苦しい。そしてその家族、娘やおじ
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宇宙戦争(2005年製作の映画)

4.5

あれもこれもとてんこ盛りで、観終わったら超お腹いっぱい。ずっとハラハラ状態。
一番印象に残ったのは、人の大群に車を襲われるところ。やっぱいざとなったら人間が一番怖い。見せ方も最高。
最初の何が起こって
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