安心安全なスター映画で、仔犬のようにかわいいカン・ドンウォンと猛犬だけどかわいいファン・ジョンミンの最高にかわいいバディを愛でるだけで十分にお釣りが返ってくるものの、工場の流れ作業のようにトントン拍子>>続きを読む
時系列と虚実が錯綜するモザイクのような映画でありながら、散りばめられた断片が明確なイメージを結ぶことはなく、どこかまとまりきらないまま終わってしまった印象。
「からだとこころはわけられない。私は私で>>続きを読む
この映画で、少年アンドリューの身にいいことはほとんど起きない。家は貧しく、母は仕事で忙しい。父は刑務所の中。母に言い寄る男は妻子持ち。アンドリュー自身も保護観察中。友達も悪がきばかりだ。気になった女の>>続きを読む
多くの映画監督が、映画を「散文」のように作るのだとすると、ジャームッシュは「詩」のように映画を作る。
バス運転手であり詩を書く人でもあるパターソンは、何気ない日常の1ページが彼の心の水面にぽとりと雫>>続きを読む
第30回東京国際映画祭にて。
「普通じゃない」二人の少年が「普通」の青春を謳歌しようと突っ走る王道のパンクムービー。
難病ものにありがちなしみったれた感傷は最小限に抑え、あちこち壁にぶつかりながら>>続きを読む
第30回東京国際映画祭にて。
フイリン(ダフネ・ロー)が些細なきっかけで人身売買に荷担してしまう前半は緊迫感があっていい。鏡の前で難民たちをあしらう振る舞いを練習するフイリンと現場での満足げな笑顔、>>続きを読む
第30回東京国際映画祭にて。アジアの未来部門スペシャル・メンション受賞。
演出・脚本・演技に無駄がなく、完成度が高いことは間違いないが、身勝手で粗暴で自堕落な老人の醜態を延々と見せられるのが辛い。演>>続きを読む
第30回東京国際映画祭にて。
映像美はあるが、「映像で語る」ということに無頓着で、ナレーションと台詞で物語が説明される味気のない映画。
家族を捨てて消えた母親が物語の重要な鍵となっているにもかかわ>>続きを読む
第30回東京国際映画祭にて。
「デモを題材にした密室劇」と聞いて、モハメド・ディアブの傑作『クラッシュ』のような有無を言わせぬ推進力で圧倒するパワフルな映画を想像していたのだけど、そうした期待をいい>>続きを読む
第30回東京国際映画祭にて。
つげ義春や水木しげるの世界を映画にするのは難しいことを実感した。映画で描く夢の世界にも、作り手が表現せずにはいられない芯のようなものがなければ、ただの奇怪な出来事の羅列>>続きを読む
第30回東京国際映画祭にて。
「闘鶏で生計を立てているボクの日常」みたいな感じの緩やかなテンポの作品。『アンダーグラウンド』と同じく、フィリピンの人々の生活のリアルが息づいている。といっても、主人公>>続きを読む
第30回東京国際映画祭にて。
歴史に残る超弩級の大傑作であり、まさに「今」の映画。今回改めて観ることができて本当によかった。
ひろしの回想シーンで涙を流してしまったが、耐えがたい悪臭に頼らなければ>>続きを読む
第30回東京国際映画祭にて。
題材の重さと今においての意味の大きさ、「何としてでも伝えたい」という意思の強さ・熱さは感じるものの、演出力と脚本の出来がそれに追いついておらず、拙さばかりが印象に残る。>>続きを読む
第30回東京国際映画祭にて。
わたしは「みんなが幸せになろうと努力しているのに、誰も幸せにならない」という話に心を打たれることが多いのだけど、この映画はまさにそういう話の直球だったので、もちろん大好>>続きを読む
第30回東京国際映画祭にて。
「肉体を傷つけること」が神聖さのしるしであるかのような祭りの風景、肉体を一切傷つけることのない罵声と視線と音と空気の「暴力」、この二つを並べて「ドゥルガ」という存在でつ>>続きを読む
第30回東京国際映画祭にて。
そんなに難しい話ではないのに、筋に無関係なギャグや筋にちょっと関係ある茶番がやたら挟まれるふにゃふにゃした話の運びなので、話がなんだかよくわからなくなった。日本のヤクザ>>続きを読む
観たあとに思い出したのがジャームッシュの『オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライブ』だった。映されているものは全く違うけども、老いから来た倦怠と頽廃と死のムードが身に染みるものとして迫ってくるのが似てい>>続きを読む