たむさんの映画レビュー・感想・評価

たむ

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キラー・ナマケモノ(2023年製作の映画)

2.5

『マリウポリの20日間』と同じ日に鑑賞してしまったのは、流石にやってしまったかと思いつつ、実は社会派なおバカ映画と気づいてしまった本作です。
パナマから密猟されたキラーナマケモノと大学の女子寮の会長選
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異人たち(2023年製作の映画)

3.5

日本映画『異人たちの夏』のイギリス版リメイクです。
普遍的な家族や都会の孤独についての物語なので、時代や国によって様々なリメイクの可能性がある作品です。
本作はオリジナルにはない同性愛を題材にしながら
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マリウポリの20日間/実録 マリウポリの20日間(2023年製作の映画)

4.5

アカデミー賞受賞式で本作の監督は「この映画が作られなければ良かった」とスピーチしました。
アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞を受賞したロシアのウクライナ侵攻直後の20日間の記録映画です。
ファーストシ
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ヴィーガンズ・ハム(2021年製作の映画)

3.2

狂気の沙汰のフランスホラーコメディです。
フランス映画はコメディに走ると行き着くところまで行きつき、倫理観を破り捨ててくるような作品が多いです。
ホラーを撮ればタガが外れたようなグロテスクな展開と描写
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ファイティン!(2018年製作の映画)

3.3

マブリーがアームレスリング選手を演じるスポーツアクション映画です。
『ロッキー』や『オーバー・ザ・トップ』などのスタローン映画にオマージュしつつ、擬似家族の形成など、ファミリー要素も強いです。
一回ぶ
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エドガルド・モルターラ ある少年の数奇な運命(2023年製作の映画)

3.6

イタリア映画界の巨匠マルコ・ベロッキオ監督の新作は、恐ろしすぎる実話を映画化した作品です。
ユダヤ教徒の子供に洗礼を行って、教会に誘拐する、とてつもなく恐ろしい本当の話で、鑑賞中の辛さは、半端ではなか
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悪は存在しない(2023年製作の映画)

3.5

3大映画祭とアカデミー賞受賞の濱口竜介監督の新作は、オリジナル企画の自然と人間のドラマです。
おそらく天然でやっているのでしょうが、海外映画祭や映画賞が好むテーマや表現がえげつないほどの作品です。
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ゴジラxコング 新たなる帝国(2024年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

ゴジラ70周年のハリウッド版は、昭和ゴジラの趣を感じさせるバトルアクション大作です。
前作のコングやメカゴジラとのバトル、ドラマシリーズのモナークを経て、激闘のその先へ。
地下世界の存在が明らかとなり
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20世紀のキミ(2022年製作の映画)

3.6

20年に及ぶ想いを描く韓国NETFLIXオリジナル映画です。
『八月のクリスマス』を観たばかりという事もありますが、あの作品の省略部分を補って、現代韓国映画的にしたような印象です。
切ないラブストーリ
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ルシッドドリーム/明晰夢(2016年製作の映画)

2.5

『インセプション』、または『パプリカ』からアイディアを拝借して作ったとしか思えない、NETFLIXオリジナルの韓国映画です。
夢に潜って、誘拐犯を探そうと展開し、ドンデン返しも繰り返し、クライマックス
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八月のクリスマス(1998年製作の映画)

4.7

10年ぶりくらいに再鑑賞しましたが、制作から時間も経ち、韓国映画の傑作から名作になったラブストーリーです。
1998年の韓国映画は、翌年の『シュリ』を前にした革命前夜のような状態だったでしょう。
本作
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リベンジャー 無敵の復讐心(2018年製作の映画)

2.4

NETFLIXオリジナルの奇っ怪な韓国アクション映画です。
アクションだけは凄い、内容はむちゃくちゃ、というレビューも多数上がっておりますが、その通りでした。
復讐劇というのはわかったのですが、囚人が
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BLACKPINK THE MOVIE(2021年製作の映画)

3.5

aespa のライブドキュメンタリーを観て、他のアーティストも観たくなり、鑑賞です。
BLACKPINK5周年を記念した映画で、ワールドツアーの熱狂、コロナ禍でのオンラインライブ、メンバーのインタビュ
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デュアル(2022年製作の映画)

3.0

キャストと宣材から期待したものとは全く違うものの、これはこれで興味深いSF映画です。
不治の病におかされたため、クローン人間を作るが、寛解し、クローンとどちらかしか生き残れない、という葛藤が描かれます
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ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ(2001年製作の映画)

3.7

伝説のロックミュージカル映画です。
20年以上前の作品ですが、時代を、テーマを先取りしており、今観ても全く古くはないです。
ベルリンの壁が重要なモチーフになっていますが、ジェンダーを歴史に組み込んで語
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貴公子(2023年製作の映画)

3.4

パク・フンジョン監督の新作は、得意の現代ノワールです。
先に『THE WITCH』シリーズを進めてほしいところもありますが、なかなか力作な本作を観ると、『新しき世界』を思い出したりもするので、多才な監
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インフィニティ・プール(2023年製作の映画)

3.5

ブランドン・クローネンバーグ監督の第3作は、映画という刺激物です。
これまで父親のデイヴィッド監督との比較で語られ、本作もそれもいけるのですが、3作目になると、個性も明確に出てきます。
クローンなどの
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aespa: WORLD TOUR in cinemas(2023年製作の映画)

3.5

aespaのライブドキュメンタリーで、BTSの時も感動した4DX Screenでの上映もあり、これは鑑賞せねば、と早速劇場へ。
コンサート映像だけではなく、個人へのインタビューも重視した構成になってお
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プリシラ(2023年製作の映画)

3.5

久々のソフィア・コッポラ監督作品は、プリシラ・プレスリーさんを描いた伝記映画です。
実話を映画化する機会も多いソフィア監督、今回プリシラ・プレスリー自身がエグゼクティブプロデューサー、原作者でもあると
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名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)(2024年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

ついに前作で興行収入100億円を突破した劇場版名探偵コナンの最新作です。
過去最高を記録し続けるなか、100億円後はプレッシャーがあったと思いますが、シリーズ最高傑作の一つと言えるとクオリティの作品に
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REC レック4 ワールドエンド(2014年製作の映画)

2.5

スペインのPOVゾンビホラーの完結編です。
完結編だから、という事もあるのか、シリーズで一貫してきたPOVじゃない映像も解禁。
その瞬間に映像世界は広がり、これまで入れなかったところも映せますが、この
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ありふれた悪事(2017年製作の映画)

3.3

Amazonプライム・ビデオ見放題終了間近の韓国社会派サスペンスです。
民主化運動を背景に、刑事と記者、国家の葛藤が描かれます。
連続殺人事件の犯人をでっち上げるという恐ろしい題材です。
国家権力の乱
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幻想殺人(1971年製作の映画)

3.2

夢と現実の曖昧さに挑む、ルチオ・フルチ監督のジャーロ映画です。
オープニングからエログロなジャーロ独特の雰囲気で見せてくれます。
夢は現実の何なのか?という精神分析や夢分析的なテーマに取り組むあたりも
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パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)

4.0

アカデミー賞作品賞にノミネートした初恋と再会のドラマです。
A24作品ですが、韓国のCJも入っており、合作映画として、理想的な映画になっています。
アメリカに移住する主人公と韓国に残る男性の24年を3
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オーメン:ザ・ファースト(2024年製作の映画)

3.5

『エクソシスト』に続いて『オーメン』もリブートするのか、と思うと、最初は半信半疑な気持ちで見始めたホラー映画です。
正直なところ、かなり過激で、トラウマやフラッシュバックも起きかねないと思うほどの残酷
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アイアンクロー(2023年製作の映画)

3.5

プロレス一家として人気と実力がありながら、呪われた一家として身内に不幸が続くフォンエリック家を描く作品です。
肉体を酷使し戦う事と宗教的なテーマ性も出てくる展開は、『レイジング・ブル』や『ザ・レスラー
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フォロウィング 25周年/HDレストア版(1998年製作の映画)

4.0

クリストファー・ノーラン監督、仕事をしながら作り上げたデビュー作のリマスター版です。
あれから25年、初公開以来の鑑賞でしたが、これは面白いです。
作家のデビュー作には、作家の全てがある、とよく言いま
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トラウマ/鮮血の叫び(1992年製作の映画)

3.3

ダリオ・アルジェント監督がアメリカで撮影したスリラー映画です。
アルジェント監督作品は、場所も重要なテーマやモチーフである事が多いため、アメリカ、交霊会、殺人鬼、拒食症はぐるぐるとかき混ぜられている印
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乙女ごころ三人姉妹(1935年製作の映画)

3.5

成瀬巳喜男監督が松竹からPCLに移籍した最初の作品です。
川端康成原作のいわゆる芸道ものになるかと思いますが、繊細な映画です。
世代間の葛藤は、個人的な感情と家族との間で引き裂かれていきます。
切ない
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映画 すみっコぐらし ツギハギ工場のふしぎなコ(2023年製作の映画)

3.2

すみっこぐらしの映画第3作です。
おもちゃの工場を舞台にした経営者と労働者の葛藤も描かれます。
意外と、というと失礼かもしれませんが、社会派な側面もあります。
それぞれのキャラクターの背景も改めて知る
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ラブリセット 30日後、離婚します(2023年製作の映画)

4.0

韓国でサプライズヒットとなったロマンチックコメディです。
近年で最も笑った映画です。
韓国ドラマが最も得意とする記憶喪失を題材にしていますが、極端に極端を重ねていく徹底的な攻撃型コメディです。
セリフ
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美と殺戮のすべて(2022年製作の映画)

4.0

ヴェネツィア国際映画祭金獅子賞受賞の傑作ドキュメンタリー映画です。
依存性の高い薬で多額の利益を得ているサックラー家と戦う写真家ナン・ゴールディンさんを描きます。
しかもそれだけではなく、彼女の人生も
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ゴーストバスターズ/フローズン・サマー(2024年製作の映画)

3.0

ファミリーが拡大している感のある『ゴーストバスターズ』の新作です。
大人が主人公で、ジャンル混合型のオリジナルから、新章は完全にファミリー映画路線を歩むことになりそうです。
とはいえ、ホラー描写に関し
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ノクターン(1980年製作の映画)

3.7

長編監督デビュー40周年を記念して、ついに日本でリリースされるラース・フォン・トリアー監督のブルーレイボックスシリーズ。
この監督を好き嫌いで語ることは簡単かもしれませんが、気になってしまう監督であり
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ビッグフットVSメガロドン(2021年製作の映画)

1.5

一体なんだ、これは…?
PS2ぐらいのCGレベルで撮ったアニメ?
おバカ系のサメ映画に連なることは連なるのでしょうが、なかなかびっくりします。
良く言えば『JUNK HEAD』や初期の新海誠監督の手作
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アメリカン・フィクション(2023年製作の映画)

4.0

トロント国際映画祭観客賞やアカデミー賞脚色賞を受賞したシニカルなコメディです。
黒人差別について思考的には行き着くところまで行き着いたような作家が新作を驚きの方法で世に出す、という筋です。
知的であり
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