たむさんの映画レビュー・感想・評価 - 6ページ目

ザ・キラー(2023年製作の映画)

3.8

『セブン』の監督と脚本家が久々にタッグを組んだ、殺し屋映画です。
しかも内省的な世界観を描く、というまたもや挑戦的な作品に仕上がっています。
もはや主人公の完璧主義的なモノローグを聞いていると、デイヴ
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(2023年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

今年の日本映画は『福田村事件』と本作の年、となりそうなので、遅くなりましたが鑑賞しました。
これはまたレビューの難しい映画です。
この題材に挑戦して映画にする事は非常に大きな意味と意義を感じさせます。
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ポッド・ジェネレーション(2023年製作の映画)

3.1

主演と製作がエミリア・クラークさんだから、という事で鑑賞した近未来SFです。
人工妊娠が可能になった事から、様々な問題が解決しつつ、新たな葛藤が生まれてくるドラマが展開します。
題材的にはダークで破滅
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ファミリー・ディナー(2022年製作の映画)

3.2

時々現れるオーストリア産のおぞましい系のホラー映画です。
オーストリア映画界は偉大なるミヒャエル・ハネケ先輩がいるので、こういう映画も作りやすいのでしょうか?
イースター前に田舎の親戚の家でダイエット
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ウォンカとチョコレート工場のはじまり(2023年製作の映画)

3.5

ウィリー・ウォンカがどうやってチョコレート工場を作ったのか?
ワーナー・ブラザース100周年を飾るにふさわしい、夢と希望のファンタジーです。
世界初の発声映画としてワーナー・ブラザースが公開した『ジャ
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ナポレオン(2023年製作の映画)

3.5

リドリー・スコット監督最新作は、多くの巨匠が製作を夢見ながら挫折した『ナポレオン』です。
サイレント時代のアベルガンス監督ぐらいに遡らないとナポレオン映画もなかなかないのは、そのスペクタクル性でしょう
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⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎(2023年製作の映画)

3.3

水木しげるさんの生誕100年で鬼太郎の起源を描くアニメーション映画です。
非常に評判が良く、大ヒットしているとのことで、急いで鑑賞しましたが、こういうテーマが再び脚光を浴びる時代になってしまったか…と
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エクソシスト 信じる者(2023年製作の映画)

2.5

映画史上に残る伝説的な名作『エクソシスト』の続編が登場です。
『エクソシスト』は名作というだけではなく、それまでゲテモノ映画としてかたつけられてきたホラー映画が、これまでの映画の興行収入記録を塗り替え
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国家が破産する日(2018年製作の映画)

3.5

Amazonプライム・ビデオ見放題終了間近の実際に起こった韓国通貨危機を描いた群像劇です。
群像劇の見本のような脚本で、国家が破産していく過程を多角的な視点から描き出します。
群像劇だからこそテーマが
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命は安く、トイレットペーパーは高い(1989年製作の映画)

3.5

東京フィルメックスのクロージング作品で、古い香港映画です。
新作ではないクロージングとは?と思いましたが、振り返ることも大事だな、と思わせる、現代に繋がる映画です。
香港の中国返還前を舞台に、展開され
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青春(2023年製作の映画)

4.3

今年の東京フィルメックスで最も期待していたワン・ビン監督の作品です。
とんでもないドキュメンタリー映画でした。
中国のファストファッションの工場を舞台にした若者たちの生態が描かれますが、夢も希望も未来
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黒衣人(2023年製作の映画)

4.0

ワン・ビン監督の新作の一つで、一人の音楽家を描く作品です。
ドキュメンタリーでもあるわけですが、たった一人で全裸の老人を劇場に立たせてパフォーマンスしたり、過去を語るある種の、異様さが独特の迫力と粘り
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火の娘たち(2023年製作の映画)

4.0

ペドロ・コスタ監督の新作で、短編の物凄いインパクトを残す作品です。
火山の噴火後、三分割された映像の中でのミュージカル、という発想もケタ違いな映画です。
3つとも女性の映像なのですが、おかれた状況も異
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川辺の過ち(2023年製作の映画)

3.5

東京フィルメックスのコンペティション、中国社会派ミステリー映画です。
『薄氷の殺人』など、時々恐ろしいほどの傑作が出てくる中国のミステリー映画ですが、それは社会派のテーマで、時代やキャラクターが見事に
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Last Shadow at First Light(原題)(2023年製作の映画)

3.0

タレンツトーキョーから完成まで7年をようした作品で震災を題材に家族に関するトラウマを描き出します。
すずめもそうでしたが、ホラーやファンタジー要素が本作にもあり、ロードムービーとしての質の高さと題材へ
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ミマン(2023年製作の映画)

3.5

東京フィルメックスのコンペティションで上映の韓国映画です。
完成までコロナ禍で4年かかったとのことで、それが作品の中にある時間のテーマをより奥深く描き出した印象です。
リンクレイター監督のビフォア三部
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雪雲(2023年製作の映画)

3.7

東京フィルメックスのコンペティションに出品された次世代の才能の中国映画です。
演出のスケール感が素晴らしく、長回しの映像が主演のリー・ガンションであることから、新世代のツァイミンリャン監督が現れたよう
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短編故事(2023年製作の映画)

3.5

東京フィルメックスで上映の短編です。
モノローグから始まる映像詩と呼びたくなる夫婦の物語は、凄まじい演出力で魅せる作品です。
魚の死体も特別な意味を持たせるなど、まさに新しい才能を見せつけられた印象で
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タイガー・ストライプス(2023年製作の映画)

3.5

東京フィルメックスのコンペティションに出品されているカンヌ国際映画祭批評家週間受賞作品です。
女性の第二次性徴とモンスター化が題材でこれまでホラー映画としても何十、何百も製作されてきたであろう物語です
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(2023年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

7年ぶりの北野武監督最新作です。
構想30年、戦国時代劇大作ですが、同じ時代を描いた今年の『レジェンドアンドバタフライ』とは全く違うアプローチです。
北野映画の醍醐味であるスペクタクル、つまり色と暴力
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About Dry Grasses(英題)(2023年製作の映画)

3.9

今年も始まりました、東京フィルメックス。
いちおうのオープニング作品で、カンヌ国際映画祭パルムドール受賞経験監督の新作です。
もともと長尺な監督で、本作も197分の超大作。
しかもこれまでの自然描写と
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プリースト 悪魔を葬る者(2015年製作の映画)

3.3

Amazonプライム・ビデオ見放題終了間近の韓国エクソシスト映画です。
韓国はキリスト教徒の方も多く、エクソシスト映画も多々あり、しかもバリエーションはハリウッド映画にも負けないぐらいにあるような気が
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PHANTOM/ユリョンと呼ばれたスパイ(2022年製作の映画)

3.5

抗日スパイを描く韓国アクションサスペンス映画です。
前半の密室ミステリーはテンポのゆったりした流れなので、ボーッとしてしまいますが、後半の構成は一気に怒涛の展開へと流れていきます。
映画的なウソと言い
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MASTER マスター(2016年製作の映画)

3.5

Amazonプライム・ビデオ見放題終了間近の韓国クライムアクションです。
イ・ビョンホンさんとカン・ドンウォンさんの激突が見どころなスター映画でもあります。
金融詐欺をテーマに、想像以上にワールドワイ
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モナ・リザ アンド ザ ブラッドムーン(2022年製作の映画)

3.4

主演のチョン・ジョンソさんに惹かれて。
『バレリーナ』でも話題のチョン・ジョンソさんのハリウッドデビュー作でもあります。
不思議な映画で、超能力ものでありつつ、新しい映画の形も見えてくるような作品です
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スラムドッグス(2023年製作の映画)

3.0

フィル・ロード&クリストファー・ミラー監督コンビ製作作品の、お下劣系アニマルコメディです。
容赦ないと言いますか、遠慮がないといいますか、『テッド』などとも比較されていますが、実写のワンちゃん達でここ
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正欲(2023年製作の映画)

2.5

東京国際映画祭監督賞受賞の性欲の多様性を描いた作品です。
が、ちょっと風呂敷を大きく広げすぎた印象も…。
多くの登場人物が、バラバラの場所で繰り広げる群像劇です。
これは確かに多様性、様々な、欲望の形
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ディスコ・インフェルノ(2023年製作の映画)

2.0

NETFLIXオリジナルの短編ホラーです。
1970年代のディスコを舞台に、妊娠したダンサーと子供を狙う老婆が描かれます。
19分では描き切れる内容ではなく、起承転結の起がやたらと長いです。
明らかに
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SISU/シス 不死身の男(2022年製作の映画)

3.6

フィンランドからとてつもないグラインドハウス系の映画がやってきました。
フィンランド映画といえば、カウリスマキ監督が有名ですが、破格のヴァイオレンスを撮る事も出来たのか…と驚愕の面白さです。
スイスの
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SEOBOK/ソボク(2021年製作の映画)

3.3

Amazonプライム・ビデオ見放題終了間近の韓国SFアクションです。
余命わずかな元諜報員と世界初のクローン人間の逃亡劇を描きます。
アクション映画と社会派映画の融合は韓国映画の得意とするところでもあ
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デシベル(2022年製作の映画)

3.4

韓国社会派アクションミステリーです。
潜水艦の沈没から、街に仕掛けられた音に反応する爆弾、と劇場版のコナンが出来そうな破格のスケールの映画です。
タイムリミットサスペンスと過去の事故がどう繋がっていく
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マーベルズ(2023年製作の映画)

3.4

このレビューはネタバレを含みます

キャプテン・マーベルの続編だけではない、これからのMCUを担うことになりそうなチームを描く作品です。
もはや配信を観ていないと理解不能なキャラクターも多く登場するものの、面白く、楽しい世界観を構築して
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食われる家族(2019年製作の映画)

3.3

Amazonプライム・ビデオ見放題終了間近の韓国ミステリー映画です。
韓国映画でありがちな邦題がネタバレし放題のパターンの一つです。
行方不明の妹が帰ってくる、その設定でこのタイトルは映画で何が起こる
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ビフォア・マイ・アイズ(2023年製作の映画)

2.5

『zoom』の監督の短編映画です。
ホラーともファンタジーとも言えるような内容ですが、短編映画らしい驚きがあまりなく、頭で作った映画という印象です。
過去と現在と未来が走馬灯のように見えてくる系の映画
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ルクス・エテルナ 永遠の光(2019年製作の映画)

3.5

『クライマックス』以上に目がチカチカとやられるギャスパー・ノエ監督作品です。
51分の中編で、映画の撮影、おそらくほぼリアルタイム、『24』的な分割映像で同時進行するドラマの展開や伏線は、ほぼ関係なく
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KANIZAME シャークラブ(2023年製作の映画)

1.3

ポロニア監督最新作は、サメとカニが融合しただけではない作品です。
サメ映画に麻薬捜査、しかもアンダーカバーものも融合しています。
しかもアンダーカバー捜査官の一人称のナレーションが基調になっているとん
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