ジェイコブさんの映画レビュー・感想・評価 - 6ページ目

来る(2018年製作の映画)

2.5

この作品を語るには、どうも原作を読まなきゃいけないような気がしてならない。なぜかといえば、本作を最後までみても紹介文にあるような、「あれ」の名前を呼んではならないなんて描写は一秒も出てこないうえに、結>>続きを読む

特捜部Q キジ殺し(2014年製作の映画)

4.0

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前作で輝かしい手柄を挙げた特捜部Q。しかし、それ以来目立った功績もないため、署内では白い目で見られていた。焦るカールのもとに、20年前に起きた双子の兄妹殺害事件を追う元刑事の老人が現れる。カールは老人>>続きを読む

特捜部Q 檻の中の女(2013年製作の映画)

3.9

デンマーク産サスペンスシリーズの第一作目。主人公カールは、ある事件での暴走により、部下二人を殉職、寝たきりにさせてしまう。彼はその失態が原因で、殺人課から特捜部Qという新部署へ追いやられることに。そこ>>続きを読む

盲目のメロディ~インド式殺人狂騒曲~(2018年製作の映画)

4.2

インドのある街で、盲目のピアニストとして知られるアーカーシュ。名実ともに、傑出した才能を持つ彼の奏でるメロディは、あらゆる人を虜にしていた。しかし、彼にはある秘密があった。それは、実験と称して盲目のふ>>続きを読む

MOST BEAUTIFUL ISLAND モースト・ビューティフル・アイランド(2017年製作の映画)

3.4

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子供を亡くしたトラウマから祖国を離れ、夢を抱いてNYへやって来た不法移民の女性ルシアナ。しかし、彼女に待っていた現実は、家賃すらまともに払えないほどの極貧の生活で、派遣の仕事と犯罪紛いの事をしながら日>>続きを読む

犯す女〜愚者の群れ〜(2019年製作の映画)

4.0

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アルコール中毒で入院した先の病院から抜け出したかすみは、自宅で夫が浮気相手と寝ている姿を見て激昂。包丁で二人を刺殺後、その場にかけつけた警察官を殴り、逃走した。逃走の最中、うだつの上がらない中年男、容>>続きを読む

バートン・フィンク(1991年製作の映画)

4.5

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時は1941年のアメリカ。バートン・フィンクはNYで新進気鋭の劇作家として、その名が注目されていた。しかし彼自身は、世間の評判とは裏腹に、演劇界に新風を巻き起こすような傑作を書けない自分への苛立ちが募>>続きを読む

霊的ボリシェヴィキ(2017年製作の映画)

3.0

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実験参加者達がまるで怪談百物語のように、自分が体験した「死」にまつわる怪談を語っていく。敢えてアナログな機械を使う事で、背筋が凍るような不気味さを演出することに成功している。唐突に始まるボリシェヴィキ>>続きを読む

恋の豚(2018年製作の映画)

3.5

友人の借金の保証人になってしまったことで、デリヘル嬢に身を落としてしまったマリエ。彼女の所属するお店は「メス豚養豚場」という名が表すように、太った女性専門のヘルス。マリエはそこで、ヤミ金のヤクザも舌を>>続きを読む

スクールズ・アウト(2018年製作の映画)

3.8

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40歳にして教師を志し、代用教員と言う肩書きである中学校の特進クラスを受け持つことになったピエール。前任の教師は生徒の前で、なぜか飛び降り自殺を計るという波乱の幕開けだが、ピエールは生徒達にとって、良>>続きを読む

ドッグマン(2018年製作の映画)

4.0

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イタリアの寂れた田舎町で、ドッグサロンを経営する気弱でお人好しのマルチェロ。離婚した妻の間に娘が一人おり、彼は気立てのいい娘と犬をこよなく愛していた。しかし、彼は町の厄介者であるシモーネとの関係に頭を>>続きを読む

宮本から君へ(2019年製作の映画)

4.7

宮本浩は仕事ができるわけでもなければ、金や学歴があるわけでもない。しかし、何事においても全力で取り組む。例えそれが、勝ち目のない戦いであったとしても……。
ドラマ版を見た身としては、雰囲気が180度異
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ホール・イン・ザ・グラウンド(2019年製作の映画)

2.6

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アイルランドのとある田舎で暮らす、シングルマザーのサラと、息子のクリス。ある日、近所の森に迷い込んだクリスを探しに来たサラは、そこに蟻地獄のような巨大な穴が出来ていることを知る。その日を境に、クリスは>>続きを読む

永遠に僕のもの(2018年製作の映画)

3.3

アルゼンチンの平凡な家庭に育ったカルリートス。彼は他人の気持ちを理解することができず、誰かのものは自分のものであり、盗む事はまるでゲームのような感覚で生きている。そんな彼が出会ったのは、犯罪一家に育ち>>続きを読む

ラスト・ムービースター(2017年製作の映画)

4.2

ハリウッドの生ける伝説と称され、映画マニアや中高年世代のスターとしてその名を轟かせたディック・エドワース。しかし、現在は「過去の人」となり、若い世代はおろか、世間からもその存在を忘れ去られつつあった。>>続きを読む

ライリー・ノース 復讐の女神(2018年製作の映画)

4.0

LAの平凡な家庭で暮らすライリー・ノースは、セレブのママ友から嫌がらせに近いマウントを取られながらも、幸せな日々を過ごしていた。しかし、ある日突然、目の前で夫と娘を麻薬組織に殺されてしまう。法の裁きを>>続きを読む

スケアリーストーリーズ 怖い本(2019年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

舞台はベトナム戦争真っ只中の60年代アメリカ。政府からマスメディアに至るまで戦争ムード一色の中、次期大統領にニクソンが当選したことによって、戦況は泥沼化の一途を辿っていた。本作はそんな当時のアメリカが>>続きを読む

ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY(2020年製作の映画)

4.5

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期待をせずに観に行った結果、最終的に食い入るように観ていた。ご存知、ジョーカーの恋人で、抜群の身体能力と彼に負けず劣らずの狂気で、ゴッサムの裏社会にその名を轟かせたハーリーン・クインゼル。しかし、彼女>>続きを読む

アイ, トーニャ 史上最大のスキャンダル(2017年製作の映画)

4.4

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アメリカ女子フィギアスケート選手で初めてトリプルアクセルを成功させたトーニャ。オリンピックにも二度出場するなど、輝かしい功績を残しながらも、夫と夫の間抜けな友人達がライバル選手を棄権させるために起こし>>続きを読む

マスターズ・オブ・ホラー(2018年製作の映画)

3.0

5人の監督による、ホラーオムニバス作品。ある日、街を歩いていると、自分が主演の映画が上映されている映画館を見つけ中へ入ると、ミッキー・ローク演じる映写技師の親父が、強制的に鑑賞させてくるというもの。…>>続きを読む

ホーリー・マウンテン(1973年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

カルトムービーと一言で片付けられないほど、壮大かつ難解すぎる作品。そもそも、ストーリーという概念がないため、説明ができない。それは監督の当時を振り返ったコメンタリーを聞いて、ようやくシーンに込められた>>続きを読む

パペット 大騒査線 追憶の紫影(2018年製作の映画)

3.0

人間とパペットが共存する世界で、元刑事の探偵フィル(パペット)と、フィルの元相棒で昔の事件がきっかけで疎遠となったコニー(人間)が、LAで起きる連続パペット殺害事件に挑むというもの。
フィルはパペット
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ミッドサマー(2019年製作の映画)

3.4

このレビューはネタバレを含みます

大学生のグループが、スウェーデンのある田舎に興味本位で訪れ、そこで行われる90年に一度の祝祭に巻き込まれてしまうというストーリー。「郷に入れば郷に従え」これはお国が違えども守らなければならない鉄則であ>>続きを読む

ドアロック(2018年製作の映画)

3.1

タイトルから分かるように、ストーカー対策としてドアロックを取り付けている一人暮らしの女の部屋に、見知らぬ男が勝手に出入りして知らない間に半同棲状態になっているというシンプルなもの。映画というより、世界>>続きを読む

A GHOST STORY ア・ゴースト・ストーリー(2017年製作の映画)

3.4

交通事故で死亡した男が幽霊となってさまよい、思い出の我が家で一人残された妻を側で見守る、胸が締め付けられるほど切ないホラーラブストーリー。幽霊となった男は、妻がショックで抜け殻のような日々を送るにも関>>続きを読む

スキャンダル(2019年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

この映画は「20世紀FOX映画」に対する鎮魂歌であると、誰かが言っていた。事実、この映画からFOXの表示は消えている。
アメリカで最も影響力のあるケーブルテレビ局の一つであるFOXを舞台に、会長のロジ
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チャーリーズ・エンジェル(2019年製作の映画)

4.3

前シリーズが残念な感じだったため、あまり期待せずに観に行ったのだけど、予想をはるかに越えるクオリティで良かった。
今回は以前のシリーズと大きく異なる点が二つある。まず主人公のサビーナ達の所属する組織「
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ゴーストランドの惨劇(2018年製作の映画)

5.0

見事……圧巻と言わざるを得ない最高品質ホラー。胸糞、不気味、バイオレンスと、ホラーのおもちゃ箱と言っても過言ではない作品。
ネタバレなしで魅力を語るのは非常に困難なのだけど、極力言えるのはまず根底のテ
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ロンドンゾンビ紀行(2012年製作の映画)

3.3

うだつの上がらない兄弟二人が、育ての親である祖父が暮らす老人ホームを買い取るため、銀行強盗を企てるところから始まる、ゾンビコメディ。ゾンビ発生の原因は、再開発によって中世の墓を掘り起こしてしまい、そこ>>続きを読む

ピアッシング(2018年製作の映画)

3.0

村上龍原作小説をハリウッドが実写化した本作。過去に体験した女性絡みのトラウマが原因で、殺人衝動にかられるようになってしまった男。妻と生まれたばかりの娘に囲まれ、幸せな家庭に恵まれていたものの、その衝動>>続きを読む

ジョジョ・ラビット(2019年製作の映画)

4.3

敗戦の色が濃くなってきた第二次世界大戦末期のドイツにて、ナチスを信じ、国のために戦う強い男を目指す少年ジョジョ。口では勇ましくあるものの、実際は訓練で殺せと命じられたウサギを逃がそうとするほど、心優し>>続きを読む

ディアスキン 鹿革の殺人鬼(2019年製作の映画)

4.0

まず、始めに……。なぜこの男は鹿革に執着した? 理由はない。なぜ少女は男の悪事を知りながら、躊躇わずに加担する? 理由はない。なぜ大虐殺が起きながらも、一向に警察は出てこない? 理由はない。つまり、同>>続きを読む

リチャード・ジュエル(2019年製作の映画)

4.6

1996年のアトランタオリンピック開催中に起きた記念公園爆破テロにて、犯人にされかけた男「リチャード・ジュエル」の実話を基に描かれた物語。
冤罪となった人を描く場合、大抵は権力が踏みにじる個人的人権と
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ハイルシュテッテン ~呪われた廃病院~(2018年製作の映画)

3.0

ドイツ発のPOVホラー。
ちょっと前までのPOVといえば、テレビクルーが主役のものが主流だったけれど、近年はYoutuberなんだね。
確かにオチの強引さや突っ込み所の多い点は否めないが、POVのルー
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マジカル・ガール(2014年製作の映画)

3.0

スペイン産胸糞サスペンス。
日本のアニメに憧れる余命わずかな少女と、無職ながらも彼女の願いを叶えてあげたいと思う父親、精神的不安定な女、その女の元教師でかなり訳ありの老人、序盤はそれぞれのストーリーが
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ブラック・クランズマン(2018年製作の映画)

3.1

KKKに潜入捜査をした黒人とユダヤ人警官の実話に基づく話。終盤までブラックジョークを交えつつも、アメリカという国が現在も抱え続けている人種間の軋轢と憎悪を描いている。
この映画のテーマは、ラスト5分間
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