ひろさんの映画レビュー・感想・評価

ひろ

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ソウルメイト(2023年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

もう今年はこれなんじゃないか?
というくらいハマった作品となった。

にしても韓国作品のエンタメ性と芸術性の止揚の精度の高さに驚かされる。
この作品はあらゆるメタファーやセリフによる表現がとてもわかり
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コヴェナント/約束の救出(2023年製作の映画)

3.9

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アーメッドがジョンを運ぶところまでは、これが今年のベストなんじゃないかと思いながら見ていたんだけど、ロスに帰ってからの展開がかなり冗長に感じられてちょっと映画から心が離れてしまった。

しかし、構図や
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ザ・キラー(2023年製作の映画)

2.5

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フィンチャーらしい画面作りでレイアウト的には退屈しなかったけど、淡々としたストーリー展開にはひたすらと退屈した......

殺し屋というものを現実感たっぷりに描きたかったという意図は伝わるが、復讐の
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ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り(2023年製作の映画)

3.4

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TRPGらしいアイテムをうまく使って状況を切り抜けるカタルシスを映画全体に用意している点が良い。

セットアップも早く、元仲間の領主から娘を取り戻すという目標がすぐに示され、ダレずに見れた。

しかし
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エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

3.8

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予想通りだけど、期待以上ではなかった。
マルチバースを題材にした時点で「永劫回帰」的なテーマになることは予想ついていたし、そこに家族愛が絡むことも予定調和でそこが残念だった。

しかし、映像表現やマル
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フェイブルマンズ(2022年製作の映画)

3.7

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「自伝的作品」ということだが、脚色はそこまでされてないような印象がある。それだけこの作品は物語的な整理が為されていない様な生っぽさがあった。

基本的に物語は「母親問題と映画撮影」の間の葛藤によって進
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バビロン(2021年製作の映画)

4.6

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「スターの転落」を描いた映画は数多いと思うが、この作品では転落すら映画史に刻まれ、これからも受け継がれていくという結論を出している様に思えた。

映画という未開拓地を開拓していった先人たちのやり方は一
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コンフィデンスマンJP ロマンス編(2019年製作の映画)

3.0

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連続ドラマ版に比べて、感情ドラマの面が弱くなっていてそこが残念だった。
「騙される側」or「助けられる側」のドラマとカタルシスと各話のテーマ性があったので連ドラ版は毎回楽しく見れたけど、今作はどんでん
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ラストナイト・イン・ソーホー(2021年製作の映画)

4.7

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アマプラにて再鑑賞。
やっぱ抜群に面白い!!

綺麗なところだけじゃなくて、汚いところもまとめて愛して、受け継いでいくようなラストシーンが特に好きで、劇場で見た時は本当に拍手しそうになった。

ミッド
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イニシェリン島の精霊(2022年製作の映画)

4.8

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「一番好き」とは絶対に言えないけど、「一生記憶に残る」と確信を持って言える映画だった。

退屈しながら死を待つ「島」はさながら処刑台。「100年前の孤島だから」という事を念頭におきつつも、現代日本にお
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デンジャラス・ビューティー(2001年製作の映画)

3.3

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ハリウッドの脚本の型に徹底的に忠実なドラマコメディ。
今見ると少し落ち着きすぎていて目立ったところが薄いが手堅く面白い。

「女性らしさとは?」的なテーマは結構今日的な気もしていて2000年の時代にこ
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エルヴィス(2022年製作の映画)

3.3

このレビューはネタバレを含みます

伝記映画系の作品にありがちだけど、ひたすらキャラが転落の一途を辿ってく作品は終盤見ていて辛くなる......
『ウルフオブウォールストリート』はキャラのはちゃめちゃっぷりも相まって破滅すらカタルシスに
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ゼイリブ(1988年製作の映画)

3.0

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ザ・カルト!な映画。
資本主義やプロパガンダへの批判を、宇宙人の密かな侵略でパッケージングしていてこれはギーク心にブッ刺さるものがありそう。
たしか「ハッピーデスデイ」に出てきたオタクの男の子がこの映
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ハーフ・オブ・イット: 面白いのはこれから(2020年製作の映画)

3.7

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「coda」の様な青春ドラマ映画。
代筆というモチーフがかわいらしいし、知的なオシャレさがある。

「coda」と似通った点としては
「世間の問題」と「個人の問題」で気持ちを前に出せない二重ロックにな
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RRR(2022年製作の映画)

4.7

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自分の好きなものを全て詰め込まれたかのようなエンタメ大作。
今年は「ブレットトレイン」もめちゃくちゃに好きでしたが、それ以上に大好きな作品に出会えました。

何よりラーマとビームの友情の描写が最高に面
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MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない(2022年製作の映画)

4.4

このレビューはネタバレを含みます

「やっぱドラマコメディって好きだなぁ」とこの映画を見て改めて思わされました。

メタ的にループの原因を特定していく点や後半プロットを牽引していく漫画の設定の出方などは少し強引でズルいと思いつつ、「繰り
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ヤクザと家族 The Family(2021年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

どんどん主人公が落ちていく物語で、個人的な好みとは少しかけ離れていましたが、画面の見せ方や悲壮を貫いたドラマ性には目を見張るものがありました......!

なによりも今作は「演技」の作品だと思います
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四畳半タイムマシンブルース(2022年製作の映画)

3.8

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「森見登美彦特有の言い回し」と「タイムスリップの辻褄合わせによる腹落ち感」が常に笑いを供給していて、シンプルに脚本が上手かったです。

とてもミニマムな出来事を宇宙規模に壮大に捉える「ゆるSFコメディ
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マイ・ブロークン・マリコ(2022年製作の映画)

3.3

このレビューはネタバレを含みます

よかった!けど、個人的には原作が良すぎた......!
漫画だからこそ出来ていた誇張表現が刺さったので、実写にすることでその点はちょっと弱くなってしまっていた印象でした。

やっぱりラストの助けを求め
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ブギーナイツ(1997年製作の映画)

3.0

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「ウルフオブウォールストリート」にも似ている栄光と転落の物語。

主人公が巨根ってだけで自分に才能があると思い込んでしまう所が若干滑稽で面白かったです。

しかし、他の登場人物のドラマ(いわゆる群像劇
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最強殺し屋伝説国岡 外伝 国岡ツアーズ大阪編 蘇る金のドラゴン なにわアサシンの逆襲(2022年製作の映画)

4.5

合宿編と違うベクトルの面白さだが、その面白さは同等にも感じた。

ホテルで駄弁ってるシーンと母親との会話の件で劇場で声出して笑ってしまいました。

阪本監督のキャラクターを作る能力の高さにはやはり目を
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グリーンバレット(2022年製作の映画)

4.5

めちゃくちゃ好きでした......!
キャラがみんないい!
週刊少年ジャンプ!!
真中好きだ!!!

この監督には「倫理観が終わった青春」を撮り続けて欲しいです。

最強殺し屋伝説国岡 完全版(2021年製作の映画)

3.7

「殺し屋のモキュメンタリー」という企画の時点で面白い作品。
低予算でも許される安っぽさ前提の作りにしているのが、企画としてうまいと思いました。

かなりふざけた内容ですが、
普通に感情移入出来るのはモ
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べイビーわるきゅーれ(2021年製作の映画)

4.3

キャラクターを好きにさせることがとてつもなくうまい!
自分も「殺し屋フェチ」なので、観ていてずっと楽しかったです!

「この作品の良さ」が詰まっていたのが、メイド喫茶のシーンだと個人的に思ってます。コ
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デスプルーフ in グラインドハウス(2007年製作の映画)

5.0

自分の場合この映画を観る前と観た後で確実に価値観が変わってます。

「キルビル」以降のタラティーノ作品の持ち味である「悪ふざけ」と「復讐」のエッセンスが最も濃い作品で、色々と凄いです。

すっかり時代
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コーダ あいのうた(2021年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

現実でも「親子間の価値観のギャップ」はいたるところにあると思います。

子供が大切にしたいことが、その子の未来を考える親にとっては邪魔な要素でしかないから認めない。
「親の理解できない夢」というものは
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映画HUGっと!プリキュア♡ふたりはプリキュア オールスターズメモリーズ(2018年製作の映画)

3.7

プリキュア全く知らずに、知人のオススメで見たのですが、映像のクオリティにまず驚きました。

脚本も子供が理解できる単純さでありながら、大人が見ても共感できるのに加えて、シリーズファンだったらより嬉しい
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サマーフィルムにのって(2020年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

「好きはなくならない」
この言葉に尽きる作品です。

その「好き」を自分の中で終わらせないために、未来や他人に伝えるために必要なのが「告白や決闘、映画制作」=「勝負」というテーマの集約の仕方が面白かっ
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花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)

4.4

このレビューはネタバレを含みます

間違いなく恋愛映画というくくりでは一番好きな作品でした。

カップルが出会って、付き合って、別れるという5年間の物語というだけなのに、坂元裕二の脚本によって、人間の持つおかしみたっぷりに描くことでずっ
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NOPE/ノープ(2022年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

物語の筋だけを追うと「怪獣もの」
その裏で多層的に他要素を物語るプロットを走らせている脚本構造が素晴らしかったです!
緻密な脚本設計はジョーダン・ピール監督の最大の武器になってると思います。

一つ大
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ブレット・トレイン(2022年製作の映画)

5.0

『パルプフィクション』のキャラクターで『キルビル』をやるような、悪く言うと「二次創作」みたいな作品でした。

元々タランティーノが「自分の好きな作品」をパッチワークさせるような作品作りを得意とする監督
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バブル(2022年製作の映画)

2.0

久々にここまで何がしたいのかわからない作品を見た気がします。

映像と座組みがいいだけにシナリオ面が勿体ない......

Mr.&Mrs. スミス(2005年製作の映画)

3.7

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ハリウッドのいい所を詰め込んだような映画で、ドラマもコメディもアクションも楽しめる上に、主演二人もセクシーで最高。

だが、二人が愛を確かめ合ってからの展開は少し冗長な気がした。もう少し二人の対決を長
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スナッチ(2000年製作の映画)

4.5

以前鑑賞した際はクライムサスペンスとして見たため、物語の緊迫感の薄さに少し肩透かし気味の感想が残ってしまった。

しかし、洒落たクライムコメディとして鑑賞するとこれ以上にノれる作品も珍しい。
楽しみ方
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ジェントルメン(2019年製作の映画)

4.2

ユーモア満載のおしゃれクライムサスペンス。
ファッションや映像編集、音楽のセンスも抜群にいいが、キャラクターなどの情報量が多く、作品に入り込むのに時間を要する点は肌に合わなかった。
もう一度みると感想
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グランド・ブダペスト・ホテル(2014年製作の映画)

3.8

このおしゃれなキュートさはこの作品でないと味わえない唯一無二の魅力であると思う。

セットや音楽やカメラワークなどから「自分が理想とする雰囲気」を作品に落とし込もうとする意思を感じて、映像作品としての
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