アン女王をめぐる女官と侍女の諍い、という筋書き自体がほぼ史実によるものだと言うことは、映画を観た後に知った。これを権力をめぐる争いという側面から極めてジェネラルな人間ドラマとして描いている点が素晴らし>>続きを読む
ジョージアの険しい山村へ、どこか近くの村から美しい娘がやってくるが、村社会の閉塞感の中で苦しむ、というのがおおまかなストーリー。
この少女をジョージアの象徴でもあるタマル女王に見立て、村の老人たちに>>続きを読む
ファンタスティック Mr. FOXのようなタッチとグランドブダペストホテル並みのディテールの凝ったセットとストーリーを作った、それも日本風に、という感想。
シンメトリーの構図、Trash Island>>続きを読む
なかなか良かった。
家族のあり方は何か一つに決まったものでは全くない。「子どもが産まれたら母親になるのか」という苦悩にも満ちた信代のセリフは印象的だし、最後の祥介とりんの眼差しがなにを語ろうとしていた>>続きを読む
ミュージカル好きのためのミュージカル仕立て映画なのだと思うが、物語の枠組みから偽悪的なまでにしっかりしていてミュージカル好きでない僕にとっても大変面白く見ることができた。
この映画についてリアリティ>>続きを読む
快作。22時開始のレイトショー@新宿バルト9
「沈黙」の世界観はたしかに禁教時代の江戸時代なのだが、聖書に依拠する場面が多いことに映像で見ると気づかされる。長崎の街をロドリゴが馬に乗って奉行所に連れ>>続きを読む
実にスウェーデン的な、いい映画じゃないですか。
そうでありつつ、この映画は車が鍵を握っている。たとえば、永遠のライバルと思われたスウェーデンの誇る二大カーメーカー、サーブとボルボが1990年代にかけ>>続きを読む
1950年代にアイルランドから「新天地」(この時代にはもう新天地でもないが、やはりそれを想起させる)アメリカへ渡った主人公が孤軍奮闘しながら次第にその地の生活に慣れてきて、故郷の閉鎖的な感覚に次第に違>>続きを読む
音楽だけは印象に残ってる。あと、海の上でチェロを弾くのはエンドピンとか含め大変そうだなと感じた
確か、ワルシャワからの帰りの飛行機で見た気がするので印象ぶかい。
題材としては、ジプシー(ロマ)に生まれたパプーシャが言葉を覚え、愛を知り、知らぬ間に得た名声のせいでコミュニティからの排除を受け、絶望>>続きを読む
ラストシーンはもっとスカッとするものを想像していたが、ブラッド・ピット演じる人物のセリフとともに、その金が誰から儲けたものなのかを考えてしまう。
The wall streetと一緒に見ると面白いかも>>続きを読む
ぎゅうぎゅうに詰めこまれた空間で激しいジプシー風音楽が流れているのはクストリッツァ作品ならではか。乗り手のいないロバが失われたものを象徴し、最後のシーンはなるほどなと思わせる演出。
ただ、2時間半とい>>続きを読む
勧善懲悪モノではなく、思ったよりはジャーナリスティックな映画だと思う。
黒い喪服、白い布、沈む街と戦火に、映像のインパクトが強く、アンゲロプロスの映画だからこそ実現できているスケールの大きさがある。ギリシャの現代史と神話の世界をベースにしたストーリーは「旅芸人の記録」を髣>>続きを読む
これは観てよかった。
聖と俗と言っても過言ではない、イーダと叔母の正反対な生き様。イーダは本かイコンか鞄を手にし、叔母は音楽、酒、タバコ、男に囲まれている。カティンの森にも通じる悲劇が二人の共通点。>>続きを読む
父親と見に行ったが、申し訳ない気分に子どもながらなった記憶がある
ウェス・アンダーソン流の青春映画。両親(特に父)からの愛情を受けてこなかった息子の冒険譚、父の克服というテーマ、閉じられた空間としての箱庭(この場合は島なのだが)の中を中心に動くストーリーはこの作品に>>続きを読む
まず舞台がブダペストからウィーンまで、というところに惹かれる。旅先で出会った男女が夜通しウィーンの街を喋りながら歩き回る、と言えばそれまでだが、二人の主人公のバックグラウンドが言葉の端々に見え隠れしな>>続きを読む
「ようこそアムステルダム国立美術館へ」の続編。10年の閉館を経てようやく再オープンにこぎつけるまでのサイクリスト団体との議論、日本からの美術品(仏像)の持ち込み、館長の交代など様々な観点から取材をし、>>続きを読む
ぼくは結構好き。家族モノ、ロードムービーとも言えるが、全体的にギミックが効いているところも好感。
ウェス・アンダーソンを見るのはこれで3作目。やはり区切られた空間でのストーリー展開を好むことに変わりはなく、またコメディ的な要素と歯切れ良いテンポ、特徴的なカメラ回しが相変わらず面白い。
旅を通じて兄弟の仲を取り戻す、という古典的とも言えるテーマだがいい映画だと思う。ウェス・アンダーソン作品はハコの中でのストーリー展開を好むというのは確かだ。
飛行機で観た。サンローランがゲイ(バイ?)だったこともこの映画をみるまで知らなかった。ストーリーもさることながら、シーンごとに使われている音楽のレベルがとても高いと思う。