貧富の格差をテーマにした、よくできたサスペンス。
後半、「困ったら殺す」が連鎖して破滅へと転がって行く展開は、良く出来すぎて少し覚めてしまった。
テンポが良い代わりに、『パラサイト』のように“おもしろ>>続きを読む
歴史的ライブ映画をやっと劇場で体感。
座ってるのが苦痛なくらいの傑作。
ダンスや身体的な躍動感へのこだわり、セッティングや舞台装置の実験、アクチュアルなメッセージなど、「アメリカン・ユートピア」はこ>>続きを読む
女性の主体性の獲得と、それを阻む家父長制社会を描き、我々は“もの”ではないと宣言する艶笑スチームパンク。
マッドサイエンティストに自分の赤ん坊の脳を移植され、無理やり生まれ変わらされた主人公。彼女が>>続きを読む
性別に違和感を持つ8歳の主人公は、バカンスで母の故郷を訪れる。おちんちんをきれいした後の男児への授乳、身体的な成長への言及、自己紹介、プールになど性別を明らかにしないといけないシチュエーションが続き、>>続きを読む
軍産複合体による、途上国やマイノリティへの搾取や差別をガッツリと描きつつ、軽快さ爽快を失わない快作。
MCUのミズ・マーベルとも呼応する感じ。
婆さん(帝国主義者を倒せ!)をはじめとする家族の描写が最>>続きを読む
貧しさと非寛容が作り出すノルマとインセンティブの城に、相似形を成してカフカ的に迷い込む、二人のもの言う女性。
二人の運命をわけたのが、教養の有無(貧富の格差に由来)や、逃げ場の有無(中央と地方の格差に>>続きを読む
この映画を特徴づけ、アンバランスな「失敗作」とさせている要素の一つとして、信長や明智たちの熱演と、秀吉陣の面白くないコントのようなしらけっぷりとのモードの乖離があると思う。
ここには次の二つの要素が>>続きを読む
スプリットスクリーンで印象的に描かれる、共に暮らしながらも食い違っていく老夫婦の終末。
カット切り替え時の暗転はギャスパー・ノエの特徴的な演出であるけれども、妻の葬儀時のやはり暗転を挟んで展開される「>>続きを読む
陰惨な戦争報道がBGMのように流れる中で、新自由主義的に生活が追い詰められていく主人公たちの冴えなくも愛おしい人間模様。
現在性に基づいた陰鬱さと、人の営みの普遍的な可笑しさ。
「オンリー・ゴッド」や>>続きを読む
冒頭はちょっとだれてしまったけど、広瀬すずが呉服屋の子を追いかけてくところから、素晴らしい躍動感に目が離せなくなった。
ぶれない千早と、揺れ動き成長していく太一。千早がギャツビーで、太一がキャラウェ>>続きを読む
目覚め、ストレッチ、誕生日ケーキ作り、就寝と1日の流れを追いながら、「へや」の狭さ、なぜか外に出られない事、夜に尋ねてくる誰か、と次第に全貌が明らかになっていくのが見事。出来れば僕も事前情報を入れずに>>続きを読む
「殿方は女性からの視線に慣れていませんから」
そのセリフに裏側から呼応するように、風景画家の男性アイナーの視線は、劇場の古ぼけた鏡や、ショーウィンドウのガラスの中に、女性としての自分=リリーを見つけ>>続きを読む
タイ東北部の元学校だった病院。眠り病にかかった兵士たちの世話をする主人公ジェン。
映画館で鳴らない国歌に起床する時、軍事政権を讃えるレリーフの前、国際結婚の看板の下、男たちは眠る。
ぼんやりと光るネオ>>続きを読む
素晴らしかったのは、物語とともにディスコミュージックが鳴り響くのを実際に聴けたこと。
あらゆる深刻さを台無しにするディスコのまぬけなポジティブさを実感できてとても良かった。
船長の残した音楽がディス>>続きを読む
アルバトロス酒wなどの下衆い演出(おっさんたちの情け無い尻w)、演歌を歌いながらの拷問、落ちぶれてクラブのトイレ係で小銭を稼ぎ、ボロアパートの屋上で片手ラーメン、ガッツリ血が出るアクションに、どんでん>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
アウシュビッツで同胞の虐殺に従事する“ゾンダーコマンダー”の主人公サウルは、ガス室を生き延びるも殺された少年を息子と思い込み、彼を宗教的にきちんと埋葬しなければという強迫観念にとらわれ、仲間たちとの反>>続きを読む
「やくざと憲法」羽振りのいい人が誰も出てこなかったな。顧問弁護士でさえ全然儲かってなさそうだった。
やくざの基本的人権というメインテーマよりも、やくざ業界全体の衰退が目についた。
暴対法で締め付けられ>>続きを読む
We Are Not Things‼︎
子を産む、戦争する、乳を出す、ギターを弾く、鎖を巻き上げる…
単一の機能だけを強要される“もの”から、自由に自らを決定できる“人間”への脱出行。
ボルトカ>>続きを読む
セクシャリティにまつわるなにかで左遷させられた女性警察官と義父に虐待される少女。さまざまな差別と偏見によって孤独化した二人の物語。
冒頭、カッコよすぎる改造スクーターの暴走婆さんで名作を確信。
少し年>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
両班が庶民を搾取する身分社会に反抗する義賊集団と、妾の子として蔑まれ、それ故に成り上がろうとする男との対決。
中盤が説明過多でダレたけれど、オープニングと後半はシビれるカッコ良さ。
前半のリヤカーで畜>>続きを読む
「映画と演劇」「虚構と現実」「演じるものと演じられるもの」「観るものと観られるもの」「親と子」「男と女」いろんな対立が、何重にも何層にもメタメタに絡み合ってて、見応えありすぎの濃密で楽しい2時間でした>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
垢じみた、臭そうな漁船生活を描くオープニング。船長キム・ユンソクの父性のもとに癖ありまくりの面々が結束する貧乏漁船。
しかし、立ち込める海霧の中、様々な計算違いの果てに、事態が彼の父性では収まらなくな>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
話は面白かったんだけど、シゴキ/特訓/狂気の描写があんまり魅力的じゃなかったのが残念。良かったのは予告でも流れてた4ビートビンタくらいかなあ。
ラストの演奏シーンの「CARAVAN」はすごいカッコ良か>>続きを読む