teion577さんの映画レビュー・感想・評価

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わたしは金正男を殺してない(2020年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

人の人生を簡単に使い捨てるような人が世の中にいる。人じゃなくて、自分の故郷である国にすら捨てられる可能性があるだなんて。
日本に生まれて良かった、じゃない話なんだよな。普段は犯罪組織とは別の時間軸とい
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こちらあみ子(2022年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

あみこに向き合うのはエネルギーが要るから誰でもができることじゃないけれど、すれ違う多くの人の中にそんな人がきっといるんじゃないかと思えるラスト。ほら、あいつみたいに責任なんて取らなくてもいいから、あみ>>続きを読む

ありふれた教室(2023年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

前半はスリリングなんだけど、だんだん目眩がしてくる。それくらいの没入感。ノヴァク役の女優さんの表情の演技が素晴らしかった。
ラストはグッとくる。ラストカットなんてかっこよすぎるけど、嬉しい気持ちと訝し
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Winny(2023年製作の映画)

4.0

金子さんが逮捕されてなかったらっていう未来は分からないし、金子さんの寿命と裁判の因果関係も分からない。けれど、この事件に関わらず、何回も同じような間違いを犯してもこの国は全然進歩していないように思う。>>続きを読む

親切なクムジャさん(2005年製作の映画)

4.5

ツッコミどころもあるんだろうけど、そんなこと以上にいちいち画力が強すぎて、1映画に1つあれば良いパンチラインの洪水。お腹いっぱい。
復讐劇って量産されてるけど、きっと何にも似ていない。
パク・チャヌク
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シークレット・サンシャイン 4K レストア(2007年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

何回観ても隅々まで素晴らしい大傑作。主人公の身に起こる悲劇がどれほどのものなのか真に理解するのは自分の経験だけでは足りないけれど、チョン・ドヨンの演技で追体験できるような本当に身につまされる気持ちに。>>続きを読む

グリーンフィッシュ 4K レストア(1997年製作の映画)

3.9

まず、「レジェンド」ハン・ソッキュの演技を堪能できて素敵な俳優さんだなと心底思った。
特にクライマックスの怒涛の展開の演技が。
時代も国も生きる世界も違う主人公にさえ、自分の知っている感情を見いだせる
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ポエトリー アグネスの詩 4K レストア(2010年製作の映画)

4.0

ずっとずっと観たかった1作。
作品と対峙するたびに味わいが増す作品。
ここまでヘビーじゃなくとも、理想と現実のギャップは誰にでもあるもので、ミジャがどう現実と折り合っていくのか、その過程と詩の創作とが
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悪は存在しない(2023年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

巧さんは(実在するみたいでなんとなくさん付けしたくなる)何に対しても誰に対してもフラットなんじゃないかと思った。
こういう地域を回してるというか人助けを生業にしてるみたいな人、見たことあるなーって思っ
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

被爆国の立場からするといろいろと言いたいことはあるけれど、「原爆投下は正しかった」という立場をとっているアメリカからこういう映画が出てくることが重要と感じる。
オッペンハイマーには引き返すタイミングが
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TALK TO ME/トーク・トゥ・ミー(2022年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

ミアがずっと可哀想。
つけこまれる隙があるのは分かりますが。
カタルシスがほしかった。

落下の解剖学(2023年製作の映画)

4.4

このレビューはネタバレを含みます

この映画が観せようとしているものはもっと奥行きがあるのだと、裁判の終盤で気がついた。
成功した作家である妻や、事件か事故かが争点とか、視覚に障害を持つ証言者とか、いくらでも物語の着地点を想像できそうな
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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

3.9

オープニングとクレジットの可愛さとかドリーミーな世界観は閉じ込めて部屋に飾っておけないかなと思う。
この映画のハード面はすごい凝ってて素敵だけど、ソフト面は案外目新しさは感じなかったかな。ヨルゴス・ラ
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逆転のトライアングル(2022年製作の映画)

3.8

世界の縮図みたいに船内の階層を見せて、それをぶっ壊してからのラストに、説得力がありすぎて。頭で分かるというよりも心が揺さぶられた。

Saltburn(2023年製作の映画)

3.5

状況や登場人物の立ち位置や関係性の読み取らせ方が秀逸で前半はさくさくストレスフリーで観られた。
劇中、何度かオリバーには疑念を抱いて、その都度彼の人間性のアウトラインを引き直すんだけど、ラストで自分が
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淵に立つ(2016年製作の映画)

4.0

キム・ギドク作品に近いものを感じた。寓話っぽいというか。しんどいファンタジー。
筒井真理子さんすごい!
古舘さんはずっと飄々としてて喜怒哀楽が見えなすぎやしないかと思ってたけど、ラストの演技で全て腑に
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コンパートメントNo.6(2021年製作の映画)

3.3

この主人公の女優さんが笑うと、本当に笑みがこぼれる、って感じでそれが魅力的だった。乗り物が車じゃなくて列車でも、ロードムービーやっぱり注意散漫になっちゃう。

聖地には蜘蛛が巣を張る(2022年製作の映画)

4.0

ラスト手前までは不謹慎だけど、スリリングで目が離せなかった。判決がどう転ぶのか、男の顛末が最終的にどう着地するのか、自分も間近で固唾を飲んで見守ってるような臨場感。でもカタルシスなんてどこかに吹っ飛ん>>続きを読む

窓辺にて(2022年製作の映画)

3.4

たまにくすくす笑えた。
茂巳さんのどうふるまえば良いか迷う感じとか、相手の意向をまず大事にしようとする感じはよく分かった。呼吸するように我慢なくそうする人はいると思う。

サードプレイス的な人がいてく
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対峙(2021年製作の映画)

3.8

人と人は腹を割って話せば分かり合える、までいかなくとも関係は前進すると思っている。近場の人間同士のいざこざと、この映画におけるこの4人を一緒くたにできないことは分かっている。だけど、衝突しないと現れて>>続きを読む

LOVE LIFE(2022年製作の映画)

4.6

すごい映画だったなあ。痺れた。

自分の見え方を意識したり、相手がこうあってほしいだろうと思う自分で振る舞ったりして本音を置き去りにすることが、人間関係をスムーズにするためのエチケットや気遣いなんかじ
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愛にイナズマ(2023年製作の映画)

4.4

石井監督の映画は「生きちゃった」と本作しか観たことないけど、この2作は少し似たものを感じた。
細部までつめられてる映画じゃないけど、そこが映画の疾走感を生んでる気がするし、そんなことどうでもいいって思
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わたし達はおとな(2022年製作の映画)

3.0

この2人はここから年齢を重ねれば「おとな」になれるのか、そこが難しいところ。
自分の人生、1人の命が懸ってるんだから、「こども」全開で地団駄踏んだって仕方ないのかな。あー、若さの世界、こわ、うるさって
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エンディングノート(2011年製作の映画)

5.0

エンディングノートはのこされる家族が困らぬように、というのはもちろん、砂田さんの性分からすると作らねば死にきれないんだろうなと思った。自分が気持ちよく旅立つために。

砂田さんの段取り命の性分は息子さ
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ノック 終末の訪問者(2023年製作の映画)

3.5

終末とか世界を救うとか、そういったことに関わるのは人間を超越した存在が相場だと思ってたけど、この映画では日々を真っ当に生きようとする市井の人たちで、とくに決断を迫られる家族のそこまでのヒストリーが差し>>続きを読む

RRR(2022年製作の映画)

3.9

自分の大切にしたい人のために人智を超えた力を出せる英雄2人にすげーーって思った。映画自体の圧倒的なアクションと映像に、こちらも人間にできることの限界ってないんだなあと感心した。

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

4.2

想像力の賜物たちのコラージュから生まれる怒涛のカオスと一緒に押し寄せる普遍的なメッセージに感動しましたー。

レ・ミゼラブル(2019年製作の映画)

4.1

こわかったー。
惰性とか過信とかそういうもので積み重ねた時間に足元を掬われて逆襲される恐怖。
思い込んでたものが180度一変する恐怖。
前半は自分とはかけ離れた日常で理解し難いはずだったのに、最後は恐
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愛なのに(2021年製作の映画)

3.8

フラグが立ってもそれを超えてくる場面がいくつかあって、ずっとにこにこして観れた。そこそんなに長く映すんだとか、細かな場面にもこだわりが感じられた。
建前に本音が打ち勝つ瞬間は、ある。

ハケンアニメ!(2022年製作の映画)

4.0

他人と働くのはいろいろと厄介なことも多いし、「あー、自分があと○人ほしい!」って言っている人を見かけたことがあるけど、他人と協力して働くことでしか出会えない瞬間があって、それがこの映画から伝わってきた>>続きを読む

声もなく(2020年製作の映画)

3.7

みんな素晴らしいけど、やっぱりチョヒの物語だ。突然日常を奪われたチョヒが必死に生き抜く物語。
その全ての振る舞いに彼女の本気を見た気がして、何も言えなくなりました。

パリ13区(2021年製作の映画)

4.0

好きだ。キャラクター1人1人に差はあれ愛着がもてるところが良かった。
セックスが生活に馴染んでた。
その風景に世界の広さを思い出して、海外行きたくなった。

わたしは最悪。(2021年製作の映画)

4.2

自分の身に起こる出来事や人から言われた言葉に対する自分の率直な反応、そういったもので自分の適性や性分みたいなものが段々分かっていくけど、いろんなものに目移りして、理想の自分とのギャップを埋めようとあれ>>続きを読む

画家と泥棒(2020年製作の映画)

3.7

当たり前のことだけど、人の人生には良い時と悪い時があって、1人の人間には良い面と悪い面がある。
バルボラとベルティルはお互いを補完し合うような関係で、片方が辛い時期にはもう片方が駆けつける。相手をなる
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ヴァージン・スーサイズ(1999年製作の映画)

3.8

高校生以来ひさーしぶりに鑑賞。
映画全体のくすんだガーリームービー感とストーリーにぐっときて、ずっと頭の片隅にあった作品。単館系の映画を好きになるのにこの作品が加速度をつけた感がある。
当時ほどストー
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悪なき殺人(2019年製作の映画)

4.3

興味が持続する物語展開の仕方で、面白かった。
出てくる男性たちの人間性と女性たちの人間性。その描き方のギャップに考えさせられるものがあった。
一線を越えるか超えないか、みたいな。

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