みーちゃんさんの映画レビュー・感想・評価

みーちゃん

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異人たち(2023年製作の映画)

3.7

何の前情報も無く見たら、自身の感性で解釈する映画だと思ったので、敢えて他のレビューや後情報は調べずに投稿します。

中盤までは、ん?となった。で、途中から急に面白くなるわけではないけど、緩急のつけ方が
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グラディエーター(2000年製作の映画)

3.2

本作が人気あるのは理解できるし、話が分かりやすいくて面白いし、ラッセル・クロウが輝いているなーとは思うけど、昔から、なんだか熱くなれない。っていうか、脚本の浅さに共感できない。

◇ここからラストにも
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ベン・ハー(1959年製作の映画)

4.0

娘が古代ローマを舞台にした映画が観たいと言うので久々に観た(こういうリクエストは本当に嬉しいw)。これ、子どもの頃、母親が繰り返し見てて、結構な頻度で家の中に流れてた。だから、ほぼ覚えてた。

戦車競
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

4.5

初日にレイトショーで。これを一つの映画に纏められること自体、やはり凄いと思う。

直接的な被爆の描写がないからこそ、私は物理的にも心理的にも本気で怖かった。逆に言うと、どんな映像をもってしても伝えられ
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DOGMAN ドッグマン(2023年製作の映画)

2.9

劇場に行く前にあらすじとコピーを読んで、ちょっと怪しい気がしてた。だから、もし、その予感が的中したら、B級として楽しむ覚悟ができていた。
(最悪、犬の映像だけでも癒されるしね)

結果、覚悟しておいて
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ボーはおそれている(2023年製作の映画)

4.7

とても面白かった。アリ・アスター監督らしさを味わえたし、最近観た映画だと"哀れなるものたち"と対をなすような感覚も少しあった。
(途中どうしてもトイレを我慢できなかったので、出来ればまた行きたい)
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ビリーバーズ(2022年製作の映画)

2.9

磯村勇斗が出ているという理由だけで選んだら、途中からの展開に驚いた。娘を誘わなくてよかった(後半の議長中心部分は見たくないので所々飛ばした)。

私は子供の頃から映画が好きだけど、手当たり次第に、或い
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川っぺりムコリッタ(2021年製作の映画)

1.5

こういうのをハートフルって言えるメンタルが羨ましい。私は無理。登場人物や状況には理解も共感もするが、全然リアルじゃない。いやいや、そもそもリアルは求めていないの?それなら、こんな現実と地続きなのは罪な>>続きを読む

赤ひげ(1965年製作の映画)

4.5

若い頃は、何だか優等生の映画な気がして、他の代表作と比べると物足りなかった。改めて観たら、一瞬も緩まずに押し寄せる怒涛のエピソードや、それを描き切る安定力に驚いた。鑑賞中はずっと、次はどうなる?何がく>>続きを読む

哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.7

構想するだけなら簡単だけど、これを映像化&商業化できるなんて。プロットもディテールも素晴らしく、終わった後は気持ちよく劇場の席を立つことができた。

それでも序盤は予測不能で、ベラが、もしかしたらダン
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夜の大捜査線(1967年製作の映画)

5.0

名作だからという理由で若い頃に見たが、そんなに感動した覚えがない。たぶんストーリーしか見ていなかったのだろう。改めて観たら、ドラマの切り取り方、描き方に自分でも驚くほど感動した。映像作品として渾身のバ>>続きを読む

波紋(2023年製作の映画)

4.0

このストーリーをこんな風に描写できるなんて感心する。なかなか深くて鋭くておもしろい。

前情報を入れずに見たので、途中までは光石研に殺意を覚えたし、フラストレーションが半端なく、どこかで誰かが爆発して
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Saltburn(2023年製作の映画)

3.7

おもしろいけど胸がザワザワする。

あの世界でのオリバーの存在は、見方によって普通にも奇異にも感じるけど、変な浮き方をしていないのは、他の登場人物の設定とキャスティングも巧いんだなーと思った。

◇本
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TITANE/チタン(2021年製作の映画)

4.5

もっと早く観ればよかった。私はとても良いと思う。カオスに見えて、ちゃんとコントロールできているのも好き。

◇本編に触れます◇

序盤はアレクシアの人格が未知で、身体的にも痛いし、どーゆー話なのか読め
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アウトフィット(2022年製作の映画)

2.5

私はコメディだと思う。何の前情報もなく見たら、狐につままれたような面持ちになった。

映画的な配分が、どんでん返しでもなく、予想通りの伏線回収とも違う。ドリルすんのかいせんのかい!を思い出した。この気
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渇きと偽り(2020年製作の映画)

4.5

硬質なミステリーを観たい時って無性にある。本作はそれにきっちり応えてくれるが、それだけじゃない。

謎が解けた!や、どんでん返し!とは異質な余韻があり、直ぐには感想を述べられない。この気持ちを整理した
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ザリガニの鳴くところ(2022年製作の映画)

1.0

湿っぽいと思ったら湿っぽいままのお話しだった。
悲劇のヒロインなのか?
可哀想な自分味を感じて生理的に好きじゃない。

太陽がいっぱい(1960年製作の映画)

4.5

昔はアラン・ドロンの顔立ちがインパクトありすぎて"美男子が悪役の映画"という印象だった。もし、そんな浅いお話しなら、美男子の定義も犯罪の動向も異なる今、見るに耐えないはず。久々に観たら全く違っていた。>>続きを読む

ウォンカとチョコレート工場のはじまり(2023年製作の映画)

3.0

この世界観に大いに共感するし、ティモシー・シャラメは本当に良くて文句のつけようがない。でも映画としては期待を下回った。

なんでそう思うのか考えると、一つはミュージカル風な味付け。ティモシーにもっと歌
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TALK TO ME/トーク・トゥ・ミー(2022年製作の映画)

4.0

久々にスカッと、おもしろかった。怖くて、しかも賢い。憑依はホラーの定石だが、しがらみや背負うものがない新しさを楽しむことができた。あの"手"の造形と使い方も上手い。

ほほーと感心したので、鑑賞後に監
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PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

4.3

観た後、何とも言えない気持ちになった。ラストは彼と同じ表情になっていた。スクリーンに投影される世界観と自分との間に少し距離を置きながら見ていたつもりだったが、いつの間にか深く共感していることに気づかさ>>続きを読む

ナポレオン(2023年製作の映画)

3.5

映像は贅沢で、"ナポレオン一世の戴冠式と皇妃ジョセフィーヌの戴冠"や氷上作戦など、印象に残るシーンも多い。ホアキン・フェニックスの熱演も認める。たくさんの人間が死んだけど、結局何が言いたいのかな。いま>>続きを読む

ファーゴ(1996年製作の映画)

4.0

昔観た時は、独特のブラックユーモア感?みたいなのが鼻についたのと、話がとっ散らかっているような気がして、自分の中で"今はまだよく分からない映画"というカテゴリーにずっと仮置きしていた。

でも、それと
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エクソシスト 信じる者(2023年製作の映画)

3.7

1973年のエクソシスト(121分版)は、ホラーの金字塔としても、フリードキン監督作の一つとしても素晴らしい。ジャンルを問わず、またあんな作品に出会いたくて堪らない。映画として足すところも引くところも>>続きを読む

アナベル 死霊館の人形(2014年製作の映画)

2.9

あの事件に巻き込まれたのは気の毒だけど、そもそもジョンとミアのカップルが、二人揃って人間的に、いけ好かない。

◇ラストに触れます◇


エブリンの行為が自己犠牲だなんて思いたくないから、彼女は死ぬ場
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雨月物語(1953年製作の映画)

4.0

恥ずかしながら初めて観た。後回しになっていた理由は、溝口健二は"封建的な社会や男性の犠牲となる女性を描き続けた監督"で、本作は"男の立身出世を助けるために喜んで身を捧げ、自己犠牲を遂げる女性の物語"と>>続きを読む

バーナデット ママは行方不明(2019年製作の映画)

3.6

お金持ち過ぎるとか、日本人の生活感覚と違い過ぎるとかはさておき。お話自体が目新しいわけではなく、昔からこういうドラマってある。でも各種ディテールがアップデートされているから新しい感覚になるのだと思う。>>続きを読む

(2023年製作の映画)

3.7

観て良かった。賛否両論あって当然だし(全員が賛成の映画なんてあるのかしら?あるなら、それは健全な描き方ではないと思う)、皆んなが考えるために、負の実話こそ色々な視点でたくさん作った方がいい。

前置き
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東京リベンジャーズ(2021年製作の映画)

3.7

中学生の姪っ子が、東リベ東リベ言うので、何がそんなに良いのか観た。予想してたのとは全く違うストーリーで、あまりに面白くて驚いた。これが好きなら安心。磯村勇斗が本当にいい。 2にもアッくんは出ているのだ>>続きを読む

キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン(2023年製作の映画)

4.0

実在の事件を描く意義や、プロダクションデザインが作りだす世界観はさておき、鑑賞直後は少し感動に欠ける気がした。なので、3時間半も何を見せられていたのだろうと後で考えた。

それでも、ディカプリオが苦悩
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ロスト・キング 500年越しの運命(2022年製作の映画)

4.0

結構前に観たのだけど、忙しくてレビューを書かないでいたら、本作を観たこと自体を忘れそうだと気づいた。だからまだ記憶が残っているうちに書くことにした。

なんせ実話が凄くて、歴史のスケール感も壮大な上に
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アルキメデスの大戦(2019年製作の映画)

2.5

演者が良いとか、このシーンが凄いなど、点と点の話はさておき、私はあまり感情が動かなかった。

普段は分かりやすい描写は要らない派だけど、平坦過ぎて伝わりにくい気がした。もう少し反戦を打ち出してもいいよ
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さらば、わが愛/覇王別姫 4K(1993年製作の映画)

4.5

劇場で観たおかげで映画への没入感が凄かった。冒頭から引き込まれ、約3時間という長尺もあっという間。これ普通は収拾がつかないと思う。

登場人物の彼らは、実際にこの映画の中に生き、何十時間、何百時間、何
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イコライザー2(2018年製作の映画)

3.6

一作目で感じたツッコミを入れていいのか分からない絶妙さ(微妙さ)が、敢えてなのか素なのか確認したくて観た。意地悪で言ってるわけじゃなく、続編も観たいと思わせるポイントはある。

私はこれが一作目より劣
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イコライザー(2014年製作の映画)

3.6

率直な感想。デンゼル・ワシントンのことは尊敬する。でも私は彼のファンというわけではないので、この作品を最高!と思っている方がいたら申し訳ないが、普通のおもしろさ。

って言うか、この設定ではデンゼル・
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飢餓海峡(1965年製作の映画)

4.2

水上勉の原作が良いのだろうけど、とは言え、映画にしたら、いくらでも薄っぺらくなりそう。先ず脚本が優れていると思う。社会を描くマクロの視点とパーソナルを描くミクロの視点が素晴らしく、それによりドラマの要>>続きを読む

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