みーちゃんさんの映画レビュー・感想・評価 - 8ページ目

聖なる犯罪者(2019年製作の映画)

3.0

あらすじ欄に書いてある事との重複は避けるが、ダニエルを演じた主演のバルトシュ・ビィエレニアがとても良かった。

彼の信心深さや司祭に対する純粋な憧れと、対極にあるドラッグやアルコールなどの快楽が、ダニ
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チェイサー(2008年製作の映画)

4.5

2008年の作品とは思えない。経年劣化とは全く無縁。気持ちのやり場がない。涙が止まらない。そして、熱い。

作品としては、"緻密で完璧"というタイプではなく、突っ込みどころは満載かもしれない。

でも
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続・荒野の用心棒(1966年製作の映画)

4.5

タランティーノのジャンゴをクリアするには再鑑賞しかない、と思った。すると開始三秒で、ものの見事にモヤモヤが晴れスッキリした。このタイミングで再鑑賞して本当に良かった。楽くて興奮した(女性の描き方は時代>>続きを読む

ジャンゴ 繋がれざる者(2012年製作の映画)

2.5

タイミングが合わず、見逃したままになっていたのでレンタル。確かにシュルツとジャンゴの対等なツーショットの騎馬シーンには心揺さぶられるものがあった。

ジェイミー・フォックスは、いつも瞳の奥が暗くて、ど
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無垢なる証人(2019年製作の映画)

3.9

韓国映画のクオリティの高さは大前提として、誰にどう感情移入するかによって、感じ方が変わると思う。

もしかしたら脚本が持つ実力以上の深さを、チョン・ウソンが体現していたのかもしれない、と思うくらいの、
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安市城 グレート・バトル(2017年製作の映画)

2.5

645年、唐の高句麗第一次出兵をドラマチックに描いており、子供と一緒に安心して観ることができる作品。

朝鮮半島の歴史とあわせてみると興味深いし、映画の要素としては、盛り盛りだけど、大河ドラマには仕立
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ソウ(2004年製作の映画)

1.0

このシリーズのジャケットが恐ろしすぎて、ずっと避けてた。これを手に取って自ら進んで観る人は、私も含めて、どこか変態だと思う。

でも期待値が高すぎたせいか、全然面白くなかった。衝撃度については経年劣化
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アオラレ(2020年製作の映画)

2.0

テレビ映画として見るなら普通。オープニングは、現代人が抱えるストレスや格差等の問題と、犯罪の関係を切り口にした社会派ドラマ風な映像とナレーション。でも、なんだか説教くさくて、早くも嫌な予感がする。だっ>>続きを読む

オクトパスの神秘: 海の賢者は語る(2020年製作の映画)

4.2

娘と鑑賞。信じられない映像の数々だった。

あの地形が生み出す、海中の神秘、マダコの知能の高さや生態だけでも、驚きと畏敬の念の連続だが、"彼女"としてフォーカスしたドラマに胸を打たれた。

特に心を揺
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友だちのうちはどこ?(1987年製作の映画)

4.2

児童労働や虐待について、ここでは触れないが、とても複雑な気持ちになった。それは、子ども達に全面的に共感すると同時に、大人の言動も理解できるからだと思う。

だから、本作を可愛い映画だなんて思わない。誰
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ヤクザと家族 The Family(2021年製作の映画)

4.1

序盤は、舘ひろしと綾野剛が演じる人物像に「こんなに根がいいヤクザがいるわけ?性善説?」と、苦笑しそうになったが、途中から、これは実は「親密性」の中で生きる人達を描いているのだと視点が変わった。

ヤク
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戦争のはらわた(1977年製作の映画)

4.9

私がこれまで観た戦争映画の撮影手法は、ほぼ全ての作品が、何かしら(あるいは全面的に)この作品の影響を受けていたのだと分かった。

シュタイナーとシュトランスキーは対照的だから、登場した瞬間に2人の違い
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アナベル 死霊人形の誕生(2017年製作の映画)

4.0

死霊館シリーズは二作とも大好きで、ホラーへの苦手意識や固定観念を変えてくれた記念すべき作品。自分の中で、上質で特別な作品だと勝手に祀りあげてる。

スピンオフの本作は、あれほどの派手さは無いものの、ち
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ジャッキー・ブラウン(1997年製作の映画)

4.5

久々に、どうしても観たくなった。やはり音楽含め、敢えて、最高にクールな作品だと思う。

前ニ作も、若かりし頃、観る前と観た後では映画や音楽の概念が変わるほど衝撃的で、数え切れないくらい、観倒し、聴き倒
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ビバリウム(2019年製作の映画)

3.9

不思議で、救いがなさ過ぎるのが、潔くておもしろかった。思いっ切り無責任に考察しても、誰も傷つかないし、ムキになる必要がない。そんな作品。

モンスターが成人するまでの所要期間が、たぶん人間界の約一年だ
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朝が来る(2020年製作の映画)

4.0

観るのをためらっていたのは、ひかりが妊娠した経緯がセンセーショナルに描かれていたり、数年後に現れたのは、自分勝手なイカれた人物なのか?と思っていたから。それなら嫌だもん。でも、良い意味で全く違っていた>>続きを読む

The Soul: 繋がれる魂(2021年製作の映画)

4.3

台湾のミステリー映画。Netflix独占配信。
とても良かった。観終わった後も、心が揺さぶられ、涙が溢れてくる。どんでん返しに継ぐどんでん返しで、最後の最後まで、よく話を詰め込んだものだと思う。普通な
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アンタッチャブル(1987年製作の映画)

3.9

午前十時の映画祭にて。オープニングクレジットから興奮した。今となっては信じられない出演者の顔ぶれ。それを劇場で観れるとは何という贅沢!

そして、エンニオ・モリコーネの、作品を確実に格上げする重厚な音
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ザ・スイッチ(2020年製作の映画)

4.0

楽しめた(R-15だから娘と観たけど困るシーンはあった)。所々目を覆うスプラッター×コメディ。でもグロ要素は感じない。むしろ爽やか。爽快感。

"ハッピー・デス・デイ"のツリーもそうだけど、主人公が良
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レッド・ドラゴン(2002年製作の映画)

2.5

途中まではおもしろかったけど、失速。それでも、序盤のレクター博士の晩餐会はさすがだった。正面から見た時の、紳士的な物腰の柔らかさとは裏腹に、バックから見た時の、後ろ結びの下品さと卑しさ!そんな、淫靡で>>続きを読む

ヒッチャー ニューマスター版(1986年製作の映画)

4.2

ルトガー・ハウアーが、いつも泣いているようで、笑いを堪えているようで、キレているようで、本当に怖かった。

ジョン・ライダーが、何者で何が目的かは分からないけど、あの行為を繰り返してきたなら、そりゃあ
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透明人間(2019年製作の映画)

3.7

"The Invisible Man"が透明人間と訳された瞬間、なんだか幼稚で笑えるけども。

鑑賞中、ずっと知りたかったのは、エイドリアンが目指す終着点。それが、またリアルな存在に戻り、自分が思い描
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ゴーン・ガール(2014年製作の映画)

3.9

ニックのことも、エイミーのことも、単体でもカップルでも大嫌いだけど、夫婦のことは夫婦にしか分からないし、最終的に二人が出した結論ならそれでいいと思う。他人が口出しする問題じゃない。基本的にはお好きにど>>続きを読む

ダークナイト(2008年製作の映画)

5.0

本シリーズの他の作品は未見だけど、これだけは何度も観たくなる。観るたびに完成度の高さと、ヒース・レジャーのジョーカー像に心酔する。

冒頭、後ろ姿の世界観だけで、止めたり戻したりして何度も観てしまう。
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ザ・ロック(1996年製作の映画)

4.0

午前十時の映画祭。先ず、本作をスクリーンで観れたことに感謝。純粋に再鑑賞の機会として嬉しかった。なぜなら、昔に観た時の印象と、全体像がかなり違っていたから。

覚えていたのはニコラス・ケイジの巻き込ま
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マネーボール(2011年製作の映画)

4.5

派手さはないけど、おもしろかった。実話ベースのストーリーそのものが興味深いのは勿論、映画として、とても上手く纏まっていた。

メジャーリーグのGMの役割は多岐に渡るうえ、ビリー・ビーンが直面する球団の
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ブレードランナー 2049(2017年製作の映画)

4.2

壮大な世界観や、これを表現できる成熟さとは反対に、描かれていることは、地味で、個人的で、未熟で、感傷的で、どうしようもなく情けない気持ちになった。

それと同時に、根源的で普遍的な痛みと共感を伴い、切
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最後の追跡(2016年製作の映画)

4.0

鑑賞中や鑑賞直後より、時間が経ってからズシンときた。ただの西部の犯罪映画じゃない。

途中までは、とにかく、弟役のクリス・パインが良くて、目が釘付けになるのだが、終わってみると、兄のベン・フォスターも
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あなたの名前を呼べたなら(2018年製作の映画)

4.2

静かだけど、自分の中に、信じられる何かが残る、とても素敵なインドの作品だった。(フランスとの合作)

あらすじ欄だけ読むと、メイドと御曹司の身分違いの悲恋や、御伽噺を想像してしまうけれど、そんな陳腐な
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CURE キュア(1997年製作の映画)

2.0

巷の考察は読んでないけど観賞直後の率直な感想としては、浅くて物足りなかった。何が起きるのか期待してたら、モヤモヤしたまま終わった。そう感じた理由は、映画が現実を超えていないからだと思う。『映画<現実』>>続きを読む

2001年宇宙の旅(1968年製作の映画)

5.0

最近、目の前の事ばかりに追われている気がして、日常とかけ離れた視座の高い作品が観たくなり、久々に観賞。
難しく考えず、相手に答えを求めず、スタンリー・キューブリック監督の世界をリラックスして体験するこ
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ゆれる(2006年製作の映画)

4.1

親子像、兄弟像が、あまりにも分かりやすくデフォルメし過ぎな気がしたものの、事実を描くところと観客に委ねるところのポイントの置き方が良かった。普通ならこれは真逆の構図になるのかもしれない。

だから吊り
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すばらしき世界(2021年製作の映画)

4.1

感情を意図的に煽るような演出がないのが良い。だから、予想より意外にあっさりした描き方だった。その分、観客の受けとめ方の幅が広がり、全体のバランスがとても良かった。

始終、頭から離れなかったのは、すべ
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バッド・ジーニアス 危険な天才たち(2017年製作の映画)

3.7

娘と鑑賞。タイの映画。スタイリッシュで、面白いし、背景にある深刻な教育や格差の描き方が、なかなか野心的だと思う。

事の善悪はともかく、途中までは、彼らのWin-Winな関係と、頭脳だけで生き抜くリン
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ミッドサマー ディレクターズカット版(2019年製作の映画)

4.5

通常版をもう一度観ようかと思ったが、せっかくならと、ディレクターズカット版を観た。
追加された23分はどのシーンか?というよりも、自分の感じ方にどんな変化があるか?という点に重きを置いて、純粋に再鑑賞
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ミッドサマー(2019年製作の映画)

4.9

めちゃくちゃ面白かった。いや、正確には、途中までは不気味さや、おぞましさの方が勝っていたのだが、ダンス大会の前あたりで判断軸があやふやになってきた。そして皆んなが一緒に泣き叫んでくれた時には一瞬引いた>>続きを読む