佐々木さんの映画レビュー・感想・評価 - 15ページ目

佐々木

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大自然の凱歌(1936年製作の映画)

3.7

思いがけぬ共作だろうけど、ホークスとワイラーの明らかな違いが面白かった。ホークスは例えると手塚治虫。ワイラーは文芸寄りだから、漫画だと適当な作家が居ない。ホークス=黒澤、ワイラー=成瀬か。女の描き方に>>続きを読む

四畳半物語 娼婦しの(1966年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

三田佳子を筆頭に俳優陣の芝居をとらえるべくクレーンでのワンシーンワンカット撮影が冴えまくる。旦那に腹上死された浦辺粂子が訪ねて来て野川由美子に襲いかかり最後井戸の画になって野川由美子の喚き声とともに終>>続きを読む

ハッピーアワー(2015年製作の映画)

4.4

2部迄は面白い。後は蛇足。純が消える迄の映画。それにしても純役の女優は素晴らしい。平成の原節子だ。この映画は、川村りら、彼女の映画だ。2016/5/28新文芸坐。

ロバート・アルトマン ハリウッドに最も嫌われ、そして愛された男(2014年製作の映画)

3.4

なるほど。長年の疑問がかなり解決した。アルトマンは何処から来て何をやったのか。どれほど才能が有って、またそれにも関わらず多くの傑作の他に、とんでもない駄作を作ったか。テレビ時代やプライベート作品が垣間>>続きを読む

赤い殺意(1964年製作の映画)

4.8

撮影の姫田真佐久が凄い。そして今村昌平の才気が凄まじい。なんて春川ますみがエロ美しい事か。露口茂が大根なのが残念。山崎努当たりが演じてたら?と考えて見るとまた楽しめる。2016/6/3早稲田松竹。

楢山節考(1983年製作の映画)

5.0

公開当時より、2016の方がよりこの作品がリアルなのが不思議。この村の因習は形を変え日常化している。つまりその時代なりの、楢山節、姥捨山が存在するのだろう。欲望と掟の間で人は常に揺れ動き、逡巡を繰り返>>続きを読む

復讐するは我にあり(1979年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

殺人鬼、榎津が殺しの逃避行を続けながら昭和を紐解いていく。名シーン名台詞のオンパレード。小川真由美が死ぬ瞬間、腹の子の命が浮かび上がる。倍賞美津子がペーペーな感じがまたびっくり。マイベスト1て表現も陳>>続きを読む

ハドソン川の奇跡(2016年製作の映画)

4.4

いや凄い。こんな完ぺきな映画を作るイーストウッドの年齢はいくつなんだ。乗客が飛行機から脱出する姿は東日本大震災に被って泣ける。2017/1/22新文芸坐。

トランボ ハリウッドに最も嫌われた男(2015年製作の映画)

4.2

名ゼリフが詰まっていてオードリーの「あなたって瓜二つね」ってセリフに射たれた事を思い出した。1940年代のハリウッドは今の日本より何十倍も産業として既に隆盛している。それにもかかわらずトランボやエドワ>>続きを読む

太陽を掴め(2016年製作の映画)

2.3

監督の女性観が良くも悪くも古くて青臭い。クスリとかロックも使い方も村上龍を思い出したけど実際は酒も飲めない真面目な奴なのがバレバレで痛い。次回は背伸びせず風俗嬢にほれる位で行ってください。撮影の鈴木一>>続きを読む

猫と庄造と二人のをんな(1956年製作の映画)

4.0

森繁のやる気が凄い。若い頃の香山京子のおかげか。ゆっくりテンポで眠くなるけど、和風スクリューボールコメディ。女を斜め見する確信犯の主人公ほか、徹底的に底意地悪く描いていて小気味いい。黒沢にこの香山京子>>続きを読む

牝猫たち(2016年製作の映画)

2.8

デリヘル嬢三人に性の今を絡めてるけど、散漫な印象だ。シルバー世代の性の孤独に作品が引っ張られて風俗嬢の孤独が描ききれてない。「牝猫たちの夜」にはとても及ばないなあ。終わって欲しくない池袋の夜も、始まっ>>続きを読む

神様のくれた赤ん坊(1979年製作の映画)

-

うーん。演出が昭和。ベタならもっとベタで母親のキャスティングに力を入れて徹底的に泣かせないと。渡瀬恒彦は脇に回れず鬱陶しくて完全なキャスティングミス。2017/1/16新文芸坐。

にっぽん昆虫記(1963年製作の映画)

5.0

親戚のおばさんが都内で住み込みの女中をやっていた事を思い出した。金も地位も教養も何も無い農村出の女が戦後のにっぽんを生き抜いた話。その腹から我々は産まれてきたのだ。エンディングの切れ味は今村昌平の中で>>続きを読む

結婚相談(1965年製作の映画)

3.7

うーん、「四季の愛欲」に続いての中平康。この監督、癖になる。女の性をブラックコメディにする才能が凄い。沢村貞子と芦川いづみの一連のやりとりは本当に毒毒しく輝いていて、掘り出し物だ。この監督の特集を望む>>続きを読む

四季の愛欲(1958年製作の映画)

5.0

原題「四季の演技」、それがどうなったら「四季の愛欲」になるのか。この挑発的な映題がまず素晴らしい。勝負している。この卓越した下ネタの裏にどれだけ知性と諦観が隠されているかは映画を見れば判る。家族其々の>>続きを読む

遊星よりの物体X(1951年製作の映画)

2.8

どうしてもカーペンターのリメイク版との比較になるけど、エイリアン(火星人?)のキャラが薄くホラーのインパクトに欠ける。エイリアンを回収する迄の導入部はとてもかっこいいのと、紅一点の女優がきれい。そのセ>>続きを読む

赤ちゃん教育(1938年製作の映画)

4.0

ボケにボケを被せ豹と犬までボケまくるコメディライブショー。ベタなキャサリンヘップバーンに誰も突っ込まない展開に中盤からいらだち始めるが、彼女の留置場での居直り芝居で持ち直した。敢えて突っ込みを入れず>>続きを読む

湯を沸かすほどの熱い愛(2016年製作の映画)

3.9

新春から泣かされた。杉咲花に2016年の助演女優賞を。

帰ってきたヒトラー(2015年製作の映画)

2.3

ぬるい。作り手の立ち位置が弱い。テレビならあちこち気を配ってエンディングに向かえばいいのだろうけど、映画は作り手のはっきりとした世界観が求められる。つまりどうとでも取れる本作は作品自体がどうとでも良く>>続きを読む

風に濡れた女(2016年製作の映画)

3.7

笑った。脚本がいい。濡れ場が退屈しないように小ネタが仕込んである。結婚指輪とか。神代辰巳の性描写は常に性以外が乗っかっていたけど、本作は、雄牝の性における主権の争いに終始していてブルースリーみたいな所>>続きを読む

猟人日記(1964年製作の映画)

3.5

微妙だなあ。戸川昌子の芝居のクオリティが許容範囲ぎりぎり。俺ならキャスティングしないなあ。素直に稲野和子を妻役にするけどね。仲谷登のキャラはとてもいい。

「エロ事師たち」より 人類学入門(1966年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

うーん。今更なんだけどぶっ飛んだ。まずロケーションが凄い。川沿いに住むといいう設定と作品のテーマが見事に映像として立体的に結びついて表現されている。例えば中盤、川沿いを義父と娘が歩いて来て、カメラが娘>>続きを読む

ふきげんな過去(2016年製作の映画)

-

前作面白かったのにな。キャスティングかな。小泉今日子の大根芝居と自意識過剰な二階堂ふみ、立ち位置不明の高良健吾にうんざり。唯一、山田望叶に救われた。この娘は凄い。2016/11/16早稲田松竹。

海よりもまだ深く(2016年製作の映画)

2.8

意外と良くてほっとした。キャスティングがうまい。「成りたい大人になってますか」という映画公開時に振り回したテーマは浅はかで陳腐。主人公がストーリー上突き付けられる問いで、それよりも樹木希林が呟く「海よ>>続きを読む