にじのすけさんの映画レビュー・感想・評価

にじのすけ

にじのすけ

映画(267)
ドラマ(0)
アニメ(0)

ゾンビ3(1979年製作の映画)

2.9

この映画を観ることで、あなたはゾンビ映画のすそ野の広さを実感することができるでしょう。
どういうことかというと、ロメロのゾンビは別格として、よく引き合いに出されるフルチのゾンビ映画が、二番煎じとはいえ
>>続きを読む

アリス(1988年製作の映画)

4.0

チェコを代表するアーティスト・シュヴァンクマイエルが描く「不思議の国のアリス」は、グロテスクながらもどことなくユーモラスな悪夢の世界。ストップモーション・アニメで生肉の塊がぐねぐね動いたり、靴下の芋虫>>続きを読む

シベールの日曜日(1962年製作の映画)

3.7

戦争で受けた心的外傷が原因で記憶喪失となってしまった青年ピエールと両親に見捨てられてしまった少女”フラソワーズ”の間に交わされる、世にも純真な心の交流を綴るものがたり。
ひねったストーリー展開はないが
>>続きを読む

闇のバイブル 聖少女の詩(1969年製作の映画)

3.9

13歳で初潮を迎えた少女・ヴァレリエを主人公にめくるめく魔術的リアリズムの世界が繰り広げられるチェコ映画。平たく言えば「アリスの東欧版」ということになるのだろうが、そこはかつてヨーロッパ中の芸術家・詐>>続きを読む

バイオハザード(2002年製作の映画)

3.3

日本発ホラーアクションゲームの金字塔「バイオハザード」の映画版。…といっても、ゲーム版とこちらは別物と考えたほうがよいかと。というのも、前者の真骨頂は「ゾンビに襲われる恐怖を初めてバーチャルとはいえ”>>続きを読む

エクソシスト/ディレクターズ・カット版(2000年製作の映画)

3.9

スター女優を母に持つ愛らしい娘・リーガンに凶悪な悪魔が憑く。リーガンを救うべく、母親の死によって信仰心が揺らぎ始めていたカラス神父と、ベテランのエクソシスト・メリン神父が命をかけた凄絶な戦いを開始する>>続きを読む

オーメン(1976年製作の映画)

3.6

「ローズマリーの赤ちゃん」「エクソシスト」と並ぶオカルト映画の古典。当初から三部作の構想だったらしいが、決して潤沢とはいえない予算で製作された本作の大ヒットを受けて、シリーズとしては結局、4作目まで製>>続きを読む

マイノリティ・リポート(2002年製作の映画)

3.5

近未来のアメリカ。予知能力者を使って犯罪者が罪を犯す前に逮捕する犯罪予防局で働く男(トム・クルーズ)が、なんと自らの犯罪を予知されてしまい…というお話。フィリップK.ディックの短編を換骨奪胎し、スピル>>続きを読む

ザ・セル(2000年製作の映画)

3.3

「羊たちの沈黙」の成功を受けて氾濫したおびただしい数の”サイコ・スリラーもの”の中でも、その風変わりな作風で異彩を放つ作品。
ジェニファー・ロペス演じる心理学者が、心神喪失状態となった快楽殺人犯の脳に
>>続きを読む

横道世之介(2013年製作の映画)

4.5

※ネタバレあります。未見の方は注意!
青春映画の一種には違いないのでしょうが、それだけでは片付かない奥行きを持った良作。
本作といい「ぐるりのことと」といい、ごくさりげない日常を描きながらも、見ている
>>続きを読む

エイリアン(1979年製作の映画)

3.8

ご存知の方も多いででしょうが、監督のリドリー・スコット(のち「ブレードランナー」を監督)、主演のシガニー・ウィーバー、脚本のダン・オバノン(のち「バタリアン」の監督・脚本)という傑出した3人の映画人の>>続きを読む

バベットの晩餐会(1987年製作の映画)

3.9

19世紀デンマークの寒村を舞台にした、敬虔な老姉妹とフランスからパリコミューンの動乱を逃れてきた謎の婦人バベット、そして村人達との、ある一夜の晩餐会を描いた名作。
切ればしっかりとした手応えを感じる人
>>続きを読む

ブレイド2(2002年製作の映画)

3.5

ヴァンパイアと人間の混血児・ブレイド(ウェズリー・スナイプス)とヴァンパイア族との死闘を描くシリーズ第2弾。
去年(13年)「パシフィック・リム」で知名度がグーンとUPしたギレルモ・デル・トロを監督に
>>続きを読む

フルメタル・ジャケット(1987年製作の映画)

3.7

本作で一躍有名となったハートマン軍曹を演じたR・リー・アーメイは、当初テクニカルアドバイザーとして呼ばれていたのが、そのあまりの迫真ぶりに(とゆうか彼はほんまもんなんですが)、急遽、キャストに抜擢され>>続きを読む

ゼロ・グラビティ(2013年製作の映画)

4.0

今年2013年は劇場で鑑賞するにふさわしい良作が多かった気がする。その中で今年最後を飾るにふさわしい傑作が本作でした。
おそらく「2001年宇宙の旅」以降、宇宙空間の表現におけるリアリズムを、映像にお
>>続きを読む

ハンニバル(2001年製作の映画)

3.7

アンソニー・ホプキンス演じる名キャラクター・ハンニバル博士がシリーズ中もっとも活躍する姿を堪能できる作品。
「羊たちの沈黙」の続編に当たる本作ですが、本作を楽しむには前作のことはいったんおいといて、全
>>続きを読む

レッド・ドラゴン(2002年製作の映画)

3.5

FBI捜査官ウィル・グレアムは、連続殺人の捜査のため、精神科医のハンニバル・レクター博士に助言を受けていた。だが、偶然目にしたものからレクターが犯人であると判明、苦闘の末に逮捕する。しかし、これが影響>>続きを読む

ヒア アフター(2010年製作の映画)

3.6

旅行先で遭遇した津波に巻き込まれ、臨死体験をしたフランス人ジャーナリスト、双子の兄を不慮の事故で亡くしてしまった少年マーカス、霊能力を持つ代わりに孤独な人生を歩むことを余儀なくされられた青年ジョージ。>>続きを読む

オーロラの彼方へ(2000年製作の映画)

4.2

冒頭から息もつかせぬ展開で、最後までドキドキしながら鑑賞し、ラストで素晴らしいカタルシスが味わえました。これは良い作品だと思います。
私的にはタイトルがちとばかり、鑑賞しようという意欲を萎えさせる感が
>>続きを読む

劇場版SPEC~結~ 爻ノ篇(2013年製作の映画)

4.5

無理やり話を引き伸ばした、しかも前後編に分けてまで、とか、なんだこの終わり方?いまどき「セカイ系」かよ!とか、ほとんどが説明セリフじゃん、とか文句はいっぱいあります。が、やっぱり「SPEC」シリーズは>>続きを読む

ミザリー(1990年製作の映画)

3.3

ベストセラー作家が雪山で自動車事故に遭遇。気づいたら「あなたのNo.1のファン」を自称する元看護師のサイコ女の家のベッドに。両足を複雑骨折し身動きもままならない作家に、サイコ女は彼のベストセラーで完結>>続きを読む

月に囚われた男(2009年製作の映画)

3.7

(梗概)サム(サム・ロックウェル)は地球で必要なエネルギー源を採掘するため、3年間の契約で月にたった一人で滞在する仕事に就く。地球との直接通信は許されず、話し相手は1台の人工知能コンピュータ(声:ケヴ>>続きを読む

ウルフクリーク 猟奇殺人谷(2005年製作の映画)

2.8

一言でいうと、ホラー初心者向き映画。
オーストラリアで実際に起きた猟奇殺人事件をベースに描いたサイコホラー。オーストラリアでは年間3万人もの人が行方不明となり、そのうち10%は発見されないそうで、本作
>>続きを読む

オープン・ユア・アイズ(1997年製作の映画)

3.2

(ネタバレあり、注意!)
覚めても覚めても終わらない悪夢ほど恐ろしいものはない。
本作はそんな悪夢のようなカフカ的迷宮世界を描いた作品。
初めのうちこそ、主人公の「夢もしくは妄想に近い思い込みの世界」
>>続きを読む

劇場版 魔法少女まどか☆マギカ 新編 叛逆の物語(2013年製作の映画)

4.5

まずTV版を念いりに復習し、改めてそのクオリティの高さと画期性に驚嘆。映像表現の世界においては、日本ではアニメがカッティングエッジを行っているのではないだろうか、という思いを強くする。だが、TV版が物>>続きを読む

ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア(1997年製作の映画)

3.7

偶然同じ病室に入院した、余命幾ばくもない2人の主人公、マーチンとルディ。一度も海を見たことがない、というルディにマーチンが「天国じゃ、みんなが海の話をするんだぜ」。たまたま病院の駐車場にあったギャング>>続きを読む

フィルス(2013年製作の映画)

2.8

アル中でジャンキーの悪徳刑事ブルース・ロバートソン(ジェームズ・マカボイ)。クリスマスシーズンに起こった日本人留学生殺人事件の捜査で手柄をあげ、出世しようともくろむが......。
クズのような人間、
>>続きを読む

リベリオン(2002年製作の映画)

3.7

近未来、第三次大戦後に誕生したリブリアは独裁国家。そこは、二度と戦争が起らないよう人間が感情を持つことを禁じられた社会だった。感情を持ち国家に反逆する者は、卓越した身体能力を持つ法執行官クラリックによ>>続きを読む

タッカーとデイル 史上最悪にツイてないヤツら(2010年製作の映画)

4.5

掘り出し物の傑作ホラーコメディです。「ゾンビランド」や「ショーン・オブ・ザ・デッド」「死霊のはらわた」が大好き!という方、必見です。これ以上なんの予備知識も仕入れず、レンタルショップに直行してください>>続きを読む

サプライズ(2011年製作の映画)

2.8

何の前情報も持たず(ただしホラーであることは承知して)、本日(13年11月16日)、劇場で鑑賞。序盤20分あたり、ある人物が虐殺されるシーンで、隣席の男性が大爆笑したのでびっくりしました。気がおかしい>>続きを読む

アメリカン・ビューティー(1999年製作の映画)

3.1

レスター(ケビン・スペイシー)は広告業界で働くリストラ寸前のサラリーマン。不動産業を営む妻キャロリンとの関係は冷え切っており、娘のジェーンは自分に無関心な両親に傷ついて反抗的になっている。ある日、レス>>続きを読む

ぐるりのこと。(2008年製作の映画)

4.0

「優しさ」、特にもっとも大切な異性に対するそれって何だろう、とここ数年ずっと考えて続けている。私のつたない経験から言えることは、はっきりいって人に優しくすることは実に簡単だということ。優しさは自分を現>>続きを読む

レポゼッション・メン(2010年製作の映画)

3.3

本作のタイトルは、高額な人工臓器のローン滞納者から、むりやり製品を回収する(された側は当然死ぬ)ために、臓器製造・販売会社に委託されて職務を遂行する人間のことを指してます。腕利きのレポ・メン、レミー(>>続きを読む

ヴァンパイア(2011年製作の映画)

3.2

”ヴァンパイア”というオブセッションに取り憑かれた男・サイモンを基軸に、血や美しい少女、白い風船といったシンボリックなエレメントを配し、それらを儚くも瑞々しい映像におさめた、岩井俊二監督による、一種の>>続きを読む

ものすごくうるさくて、ありえないほど近い(2011年製作の映画)

3.5

物語のテーマを的確に言い当てているという意味で、タイトルが非常に秀逸な作品だと思います。人によって色々な解釈があるようですが、私はこのタイトルを「オスカーの世界を取り巻く、今、そこで待ち構える恐怖」と>>続きを読む

凶悪(2013年製作の映画)

3.9

(ネタばれあり。注意!)10月下旬、日曜の早朝。上映終了直後、劇場内は重苦しい空気が充満しており、今にも窒息しそうでした。振り返って見た、他の観客たちの暗く重い表情が印象的でした。そう、本作は娯楽とし>>続きを読む

>|