シネマノさんの映画レビュー・感想・評価

シネマノ

シネマノ

映画(1713)
ドラマ(138)
アニメ(0)

Saltburn(2023年製作の映画)

4.0

『現代寓話の筆頭作家、エメラルド・フェネルが2作目もやってのけた!欲望 vs 格差が行き着く究極の着地点とは…』

昨年末にエメラルド・フェネル監督から贈られ、瞬く間に話題となり、自分も年間ベストに滑
>>続きを読む

雪山の絆(2023年製作の映画)

3.8

『事実に基づく絶望・極限のサバイバル。しかし制作意義を追求したことが伝わる力作』

昨年末の注目作として挙げられたNetflix映画、J・A・バヨナ監督作。
1972年、ウルグアイ空軍機571便の墜落
>>続きを読む

アルマゲドン・タイム ある日々の肖像(2022年製作の映画)

3.9

『子供が視る(視えてしまう)この世界の格差・差別・断絶…美しくも残酷なジェームズ・グレイの自伝的物語』

昨年の日本公開で、静かに好評であった本作をやっと鑑賞。
改めてジェームズ・グレイの底力を知ると
>>続きを読む

夜を越える旅(2021年製作の映画)

4.0

『萱野監督がついにホラーを手掛けた!ホラーで心臓がヤられる快感の先に待ち受けるのは…見事な脚本に魅了されるジャンルレスムービー』

映画祭での受賞、ホラーファンの口コミによる高評価の嵐…
紛うことなき
>>続きを読む

電気海月のインシデント(2019年製作の映画)

3.6

『俊英・萱野孝幸の長編監督第2弾。現代に起こり得る”インシデント”を巡る天才ハッカー対決が息を呑む本格サスペンス』

話題をかっさらったホラー【夜を越える旅】(21)の前に、萱野孝幸監督の軌跡を巡る旅
>>続きを読む

カランデイバ(2018年製作の映画)

3.6

『心は軽やか、この身だけが重く縛りつける。人間が求める自由を描き切る…新世代の最注目監督・萱野孝幸デビュー作』

これからを担っていくであろう監督のデビュー作や初期作品、名を轟かせることになる一作を観
>>続きを読む

クレイジークルーズ(2023年製作の映画)

3.4

『主役?脇役?人生は誰かが測るものじゃない。温かなメッセージが光る「Netflix×坂元裕二」船出の物語』

配信開始からすでに多くの人が感想を上げている本作。
様々な意見を含めて、改めて坂元裕二とい
>>続きを読む

愛なのに(2021年製作の映画)

3.4

『愛なのに、愛だから、愛なんて。面倒くさいし、分からない。それでも人は…城定秀夫×今泉力哉で贈る"真っ裸な愛の物語”』

とても良かった【アンダーカレント】(23)で、今泉力哉への熱が再び。
彼が脚本
>>続きを読む

その道の向こうに(2022年製作の映画)

4.3

『これぞ役者映画!ジェニファー・ローレンスが名女優の実力をパーフェクトに発揮した、傑作ヒューマンドラマ』

心に刻まれる映画に欠かせないファクター。
テーマとそれを伝えるための構成・脚本、映像と音楽、
>>続きを読む

search/#サーチ2(2023年製作の映画)

3.6

『ツイストさせまくる脚本で魅せる、異色のサスペンス・スリラー第2弾』

デジタルデバイスの画面上だけで繰り広げられるサスペンス・スリラーとして大ヒットを記録した【search/サーチ】(18)の続編。
>>続きを読む

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

3.8

『"シン"の後…東宝の威信を託された山崎貴だからこそ誕生した、戦後と現代がリンクするゴジラ vs 市民の物語』

日本・東宝が世界に誇るゴジラシリーズの最新作を、もちろん劇場で鑑賞。

昭和~平成~ミ
>>続きを読む

MIND GAME マインド・ゲーム(2004年製作の映画)

4.2

『観るドラッグ!超ハイテンション・テンポで、魂の疾走と人生を全肯定してくれる名作アニメ』

天才アニメクリエイター・湯浅政明を世界に知らしめた一作。
久しぶりに見返してなるほど、色褪せぬカオスな傑作ぶ
>>続きを読む

ザ・キラー(2023年製作の映画)

4.5

『圧巻の映像・展開・ストーリーテリング。デヴィッド・フィンチャーが込めたテーマに震える傑作』

現代最高峰の映画監督、デヴィッド・フィンチャー【ザ・キラー】がついに来た。

Netflixでは11/1
>>続きを読む

キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン(2023年製作の映画)

4.0

『はじまったら最後…人の皮を被った悪魔の所業が続く怒涛の206分間』

言わずと知れた映画界の巨匠マーティン・スコセッシ。
御年80にして、これほどまでに容赦のない映画を送り出してくれるとは…
あらす
>>続きを読む

ザ・クリエイター/創造者(2023年製作の映画)

3.9

『SF映画のニュースタンダードとなり得る映像世界がここにある』

公開前より絶賛評が集まっていた本作を、劇場の大スクリーン(もちろんIMAX)で鑑賞。
自分も大好きな【ローグ・ワン/スター・ウォーズ・
>>続きを読む

アンダーカレント(2023年製作の映画)

4.0

『今泉力哉×傑作原作で生まれた新境地。人を"分かりたい”と想う愛のヒューマンドラマ』

最近、この手の作品は劇場へ観に行くことが少なくなっていた。
ピークTV、ストリーミングサービスによる数多の映画
>>続きを読む

Fair Play/フェアプレー(2023年製作の映画)

3.6

『クラシカルな愛憎サスペンス×エゲツないヘッジファンド現代劇。クロエ・ドモント、堂々たるデビュー作』

映画を観る醍醐味のひとつに、自分とは異なる世界や立場の住人が辿るドラマを追体験する、というものが
>>続きを読む

白鍵と黒鍵の間に(2023年製作の映画)

3.7

『見事な構成。人生=夢=ジャズ、そこにあるドラマを”ノンシャラント”に描く一作』

あらすじからして引き込まれる一作、かつ音楽をテーマに据えた映画ということで、音響を楽しむためにも劇場で鑑賞。
結果、
>>続きを読む

キリエのうた(2023年製作の映画)

4.0

『若者の感性をバグらせる岩井俊二の帰還』

この世界には、確かに岩井俊二からしか摂取できない養分がある。
一度観れば、その感性ももう元には戻れない。
カルト的な人気を誇る彼が、アイナ・ジ・エンドという
>>続きを読む

ステフィン・カリー アンダーレイテッド(2023年製作の映画)

3.8

『魔術師×A24が魅せる、”リアル”スラムダンク映画』


今やNBAの歴史に名を残すプレーヤーとなったステフィン・カリー。
驚異的な3Pシューターで「魔術師」とも称される彼のここまで道のりは、しかし
>>続きを読む

怪物(2023年製作の映画)

3.9

『怪物とはそれそのまま”怪物”に非ず。人の心と目のフィルターを通してのみ顕現するただ怪しき物であるだけ』


是枝裕和×坂元裕二×坂本龍一、そして田中裕子
最高峰の布陣による端正なヒューマン(サスペン
>>続きを読む

AIR/エア(2023年製作の映画)

4.0

『ベン・アフレック、貴方は映画界のミスター・ミヤギか。お手本のようなシナリオとドラマが光る一作』


誰もが知る「エア・ジョーダン」誕生の物語
マイケル・ジョーダンとナイキの契約秘話
そして、
自分の
>>続きを読む

aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)

4.0

『映画として最上級の引き算の美学と、忘れられない夏がここにある』

シャーロット・ウェルズ、長編作品の初監督にして、インディー映画のトップへ駆け上がる。

父と娘の関係は、得てして複雑ではない。
それ
>>続きを読む

キャラクター(2021年製作の映画)

2.9

『誰を、何を描きたかったのか…特大ブーメランのアイデア先行垂れ流しムービー』


凡百のどうしようもないサスペンスと上質なサスペンス、その違いの最たるものが「人が描けているか」だと思う。


本作はい
>>続きを読む

ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE(2023年製作の映画)

3.9

『かつて映画(人)が夢見た景色への回帰。そしてそれを超えるべく仕上げた"ぶっ壊れた”大活劇映画』


2023年も、トム・クルーズが帰ってきた。
ここ日本でも、そして全世界で【トップガン マーヴェリッ
>>続きを読む

マイ・ブロークン・マリコ(2022年製作の映画)

3.7

原作はおもしろそうだと思って数年置いてたけど、実写化を観て...
やっぱり原作はおもしろそうって気づかせてくれる作品だった。

タバコを吸う永野芽郁はいい。

ノイズ(2022年製作の映画)

3.1

多くのコメントはいらぬ。

邦画があーだこーだ言われる、その要因たるなんとも言えぬ作品。
これだけのキャストとそれなりのプロモーション(デスノート実写化の功)を使って(消耗して)、なにやってんの。。
>>続きを読む

神は見返りを求める(2022年製作の映画)

3.9

さすがの吉田恵輔。
このクソな世の中を斜め上から描いて抱きしめてくれる一作。

ムロツヨシ苦手な自分なのだけど、いやはや最初から最後まで、彼の最高の料理の仕方を心得た作劇にはまいった。

心に響くもの
>>続きを読む

BLUE GIANT(2023年製作の映画)

4.1

まだ気が早いが、今年もっとも泣いた作品になるのではなかろうか、と言うくらいに泣きながら観た。

人生で何度読んでも泣く漫画が、【スラム・ダンク】と【BLUE GIANT】である自分にとって、この立て続
>>続きを読む

バビロン(2021年製作の映画)

3.7

現代で最高峰の期待をかけられるチャゼルの暴走。新星と呼ばれる時は終わり、名匠への過渡期か。

いまだ38歳にして、もっとも期待されている監督と言っても過言ではないデイミアン・チャゼル監督の最新作。
>>続きを読む

ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ(2021年製作の映画)

3.4

ロングレビューは後ほど。

当たり障りなさすぎてすごい!
R指定を厭わず製作されるはずだったが叶わず、ヒットを飛ばしてしまった映画【ヴェノム】。
本作も例に漏れず、最大公約数の観客を巻き込むため、アン
>>続きを読む

トップガン マーヴェリック(2022年製作の映画)

4.3

ロングレビューは後ほど。

特大ヒット、大好評も頷けるメジャー映画の臨界点的な一作。
文句のつけどころというか、もはや文句をつけるなんて野暮でしょう!というくらいの熱量で押し切る。

映画で大興奮する
>>続きを読む

ラストナイト・イン・ソーホー(2021年製作の映画)

3.9

ロングレビューは後ほど。

「センスがいい」なんて凡庸で、ともすれば褒め言葉にもならないけど、それでもエドガー・ライト監督が流石のセンスで魅せてくれる一作だった。

戦術「アニャ・テイラー=ジョイ」は
>>続きを読む

>|