シネマノさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

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砕け散るところを見せてあげる(2021年製作の映画)

3.7

『ジャンルを越境する豪腕うなる展開に評価は難しく、しかし狙いすましたラストに心砕かれる力作』

なんとも評価が難しい一作だった。
観ているなかで何度も、うーん…となった。
が、決して本作は駄作などでは
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フリー・ガイ(2021年製作の映画)

4.5

『トレイラー公開時の「面白そう!」という期待を遥かに超える、自由意志と人間讃歌エンタメの傑作ムービー』

ノリにノッている今のライアン・レイノルズに死角なし。
ゲーム内のモブキャラが意志を持つ、そんな
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ザ・スーサイド・スクワッド "極"悪党、集結(2021年製作の映画)

4.4

『愛と死が炸裂し笑いと涙がこみ上げる!ジェームズ・ガンが成し遂げた最高のエンターテイメント作品の誕生』

見事!133分、全編にわたって映画への、映画としてのエンターテイメントで満ちている映画をジェー
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ワイルド・スピード/ジェットブレイク(2020年製作の映画)

3.4

『映画を救うシリーズの9作目は、嬉しくも寂しい"変化後"の一作』

映画館に人が多い。すっかり見なくなっていた客層も。
動画配信の隆盛とコロナによる劇場の苦境。
そんな事態であっても映画館に老いも若き
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花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)

4.0

『愛するものまで分かち合える日々。最高品質の脚本と最高純度の恋の行方』

当代随一の脚本家、坂元裕二がど直球に描く恋愛映画【花束みたいな恋をした】。
当然のように坂元裕二の大ファンであるため、フラット
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ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー(2019年製作の映画)

3.6

『めいっぱい楽しんでいい、これは私たちの人生なのだから』

青春とは、気付いたときに終わっているもの。
はじまりは、終わりのはじまり。
誰が言ったか、人生のかけがえない時間はあっという間に過ぎていくも
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ブラック・ウィドウ(2021年製作の映画)

3.9

『彼女は飛ぶ、"かぞく"のために、何度でも』

公開がどれだけ延期しただろうか。
新たなフェーズを告げるMCUの順序は変わりドラマシリーズが先行、すでに全貌が明らかになって賛否両論、興奮と辟易が渦巻く
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プラットフォーム(2019年製作の映画)

3.7

『この世界の天と底、縦だけで全てを描くアイデア勝ちのスリラー映画』

一つの建物のなかに世界を落とし込む。映画でも小説でも使い古されたアイデア。
既視感のある世界、既視感のあるドラマが続くのは確か、だ
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プロミシング・ヤング・ウーマン(2020年製作の映画)

4.0

『抜群の手腕が冴え渡り、隠し味を超えちゃった猛毒にヤられるトキシック・ムービー』

このテーマを料理する最適解を観たと思う。
それ以前に、性とリベンジものをテーマにしっかりと扱える監督がどれだけいるの
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イン・ザ・ハイツ(2021年製作の映画)

4.2

『小さな夢が僕(ら)を動かす。叶えるのは誰か、でも何処か、でもなく僕(ら)』

映画館で観たい映画がある。
映画館だからこそ見れる夢があるから。

いつの日か、きっと多くの人が映画館で、映画に夢を見た
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スウィング・キッズ(2018年製作の映画)

4.0

『最後まで観たとき明らかになる監督の企みが心に木霊し続ける』

観始めたらどんな印象を抱いても最後まで観てほしい作品である。
そこに映画としての監督の意図があるからこそ、できれば通しで見終えてほしい。
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鵞鳥湖の夜(2019年製作の映画)

3.9

『ディアオ・イーナンが誘う極上のアジアン・ノワール・ワールド』

本作のために観たディアオ・イーナン初監督作【薄氷の殺人】(14)。
その素晴らしいファム・ファタール・ノワールにぶっ飛ばされてから、間
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mid90s ミッドナインティーズ(2018年製作の映画)

3.9

『映画としては未完だけどそんなドラマが彼らを魅力的にする、ジョナ・ヒルのマジック』

いい映画を観た、というよりも。
いいドラマを堪能した、という感覚。
ジョナ・ヒルの初監督作品は、彼のジュブナイル的
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もう終わりにしよう。(2020年製作の映画)

3.8

『もう終わりにしよう…自己への深淵な問答から生まれた第一級ヒューマンミステリー』

人の意識とは、極上のミステリーだ。
その思考には人によって千差万別、タネが植えられている。
生まれた場所
通った学校
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悪魔はいつもそこに(2020年製作の映画)

3.7

『地獄は此処にある…暴・凶・奇が入り交じる救いについての物語』

とても面白いのは間違いないが、日本人には理解が及ばないところも多いかもしれない。
トム・ホランド × セバスチャン・スタン
ビル・スカ
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マティアス&マキシム(2019年製作の映画)

3.9

『洗練を求められたドランの回帰、そして最もまっすぐな青春と恋のドラマ』

『若き天才』と海外だけでなく国内でも人気を博したグザヴィエ・ドランも、30代。
映画作家としてはもちろん若いが、充分に大人だ。
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薄氷の殺人(2014年製作の映画)

4.1

『痺れる演出に何度もヤラれ、まさしく正当なファム・ファタールにとどめを刺される傑作ノワール』

【鵞鳥湖の夜】を劇場へ観に行く前に、ディアオ・イーナン監督の前作(監督デビュー作)を鑑賞。
ベルリン国際
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TENET テネット(2020年製作の映画)

4.6

『黄昏の時代に映画を救うミッションに挑んだ、ノーラン初のスパイムービー』


世界でいま一番好きな監督、クリストファー・ノーランの最新作を観た。

「映画好きなクセして一番に出てくるのはノーラン?」
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劇場版 Fate/stay night Heaven's Feel Ⅲ.spring song(2020年製作の映画)

4.1

『観る者まで全員のエモーションが爆発する、運命対峙の最終章』

もとのゲームもアプリも知らず、ただただアニメだけハマった身だとしても…
本作と、【Fate/stay night Heaven's Fe
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プロジェクト・パワー(2020年製作の映画)

3.2

『要素は勢揃いだが結びつかず…本当に何度も5分だけ魅せるパワームービー』

8月14日に待望の配信開始となったNetflix映画【プロジェクト・パワー】。
ジェイミー・フォックスとジョセフ・ゴードン=
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カランコエの花(2016年製作の映画)

4.0

『"たくさんの思い出"は嘘じゃないから"あなたを守る"。その想いは所在なき悪と共にある』

国内の映画祭で複数の受賞を果たした映画【カランコエの花】。
40分間という短いランニングタイムで、構成、映像
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プロメア(2019年製作の映画)

3.1

『君はこの熱波に乗れるか?問われ心が燃えたなら激アツのハイテンションムービー』

劇場公開時から、「アツい!このアニメはアツいっ!」とレビューが噴出していた本作。
気づけば早くもアマゾンプライムビデオ
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青の稲妻(2002年製作の映画)

3.6

『此処じゃない何処か、今じゃないいつか、自分じゃない誰か…を求める若き日々』

「魂が燻るような口づけ」
「繰り返される無常」
「自分を思い知るカラオケ」
「代えがたいふたりの時間」
「青い衝動の行く
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カップルズ(1996年製作の映画)

4.0

『あの時代の台湾が永久になる。狙いすましたラストシーンまで駆け抜ける青春の物語』

劇場でのマイベスト映画鑑賞体験のひとつ【クーリンチェ少年殺人事件】。
それを生み出したエドワード・ヤン監督が”クーリ
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軍中楽園(2014年製作の映画)

4.0

『苦しみが覆う時代に存在した幻の楽園は希望か、影闇を露わにする光か』

定期的にやってくる台湾映画を沢山観たくなる期間。
レンタル店で一気に借りて観ているわけだが、名作というより比較的新しく気になって
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天国でまた会おう(2017年製作の映画)

3.8

『人が心の奥から求める愛こそが、最大のミステリー』

原作が発売された当初、買って読もうかと思っていたピエール・ルメートルのミステリー小説が、見事な映像化を果たした。
ミステリーの醍醐味たる仕掛けと、
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若葉のころ(2015年製作の映画)

3.8

『透明少女を撮らせたら世界一、台湾流の青春恋愛ムービー』

メインビジュアルからして良い。
大衆向けだけどチープすぎないトーンに心惹かれて気になっていた本作。
まさに、メインビジュアルの期待を裏切らな
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(2000年製作の映画)

3.8

『死にながら生きて殺めて死んで、そして命を必死に抱えて生きてゆく』

キネマ旬報「ゼロ年代邦画ベスト」から選んで鑑賞した本作。
ポン・ジュノ監督のお気に入りとどこかで見たが、それも納得の見事なドラマに
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LOVEHOTELに於ける情事とPLANの涯て(2018年製作の映画)

3.5

『騙し合いと罵倒が心地よく最後まで展開する、低予算の良作』

低予算で飽きさせない、気軽に観れるサスペンス。
邦画では何年かに一回はこのような作品が生まれて、よくチェックしてきたが、
本作もまた最後ま
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サマー・オブ・84(2017年製作の映画)

3.8

『純粋な少年たちが行き着いてしまう、一生忘れられない夏』

「大人気80's青春モノ」×「忘れられない夏物語」×「ホラー・スリラー要素」
もう鉄板と言える組み合わせだからこそ、世に同じような映画は溢れ
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楽日(2003年製作の映画)

3.9

『全編に極上のノスタルジア、でもこれを過去の亡霊にしたくはない』

実際に閉館する映画館を貸し切って撮られたという本作。
ツァイ・ミンリャン監督の作品を観るのはこれが初めてだが、なんとノスタルジックな
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ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン!(2007年製作の映画)

3.9

『改めて観ても、エンタメ・ムービーとしての完成度は随一』

前回観たのはいつだっただろうか。
まだ学生時代だったが、大人になった今観ても面白さは色褪せない。

エドガー・ライト×サイモン・ペッグ
この
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アメリカン・アニマルズ(2018年製作の映画)

3.6

『ん?想像した以上に地味…というのが狙いの犯罪実話』

「これは実話を基にした作品ではない」
「実話である」
冒頭から粋な演出と、フィクションにリアルを巧みに組み合わせて惹きつける。
問題を起こすこと
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シンプル・フェイバー(2018年製作の映画)

3.7

『古典的なハウダニットを、華やかな二大女優が現代的ミステリーに昇華してくれる一作』

絶妙なテンポ、二転三転する真相、ミステリーとコンゲームの共存。
そして、タイプの異なる美人女優2人。
原作(活字)
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劇場(2020年製作の映画)

3.9

『いつまで保つかも分からない、そんな人生にこそ劇がある』

なんともみっともなくて、ゾクゾクする。
でも情けなさやみっともなさは、それでも悪ではない。
劇作家、小説家、音楽家。
なかでも、世に言われる
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