高野順さんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

高野順

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ラルジャン(1983年製作の映画)

4.5

 全体的に寒色な画作り。とにかく色彩が素晴らしい。ドアからドアへと紡がれていくいつものブレッソン。今作はそこに刑務所の檻の演出の反復がある。全体的に冷たく突き放したタッチ。
 ああ俺はブレッソンが本当
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キートンの囚人13号/ゴルフ狂の夢(1917年製作の映画)

3.9

 最後まで道具をうまく使えないキートン、絞首台の能天気さ、キートンの転倒。

文化生活一週間/キートンのマイホーム(1920年製作の映画)

4.0

 女性の入浴をカメラが捉える時、女性が恥じらうようにカメラを見ると何処からともなく手が伸びてカメラを覆う。再びカメラが女性を捉えると女性はカメラあるいはカメラ外の人物へ向けてはにかむ。メタ演出。
 男
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中国女(1967年製作の映画)

4.2

 女性を待つ画面やや奥の男性の動きを見ていると右側から不気味に柵が姿を現しゆっくりと画面を横断し覆っていくシーン、興奮した。
 色の配色、撮り方がとにかく素晴らしく、大胆な色の配置にも関わらずいやらし
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ジャンヌ・ダルク裁判(1962年製作の映画)

4.2

足元、扉、音。
これだけ様々な制約がある内容でグルーヴを持続させたことに圧巻。

月曜日のユカ(1964年製作の映画)

-

 何故この映画はひどく退屈なんだろうと考えながら鑑賞しようと途中で切り替えたが退屈さに耐えきれず途中で止めた。
 ここぞというときに入る顔のアップの画の間抜け感というのか緊張感がまるでないというのか、
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暗殺者の家(1934年製作の映画)

4.3

 人が映るより先行して影が映りそして手元が映されドアノブが回される。ふとした瞬間に顔のアップの画をずこんと無言で入れてくる。オーケストラでは焦らしサスペンス演出と共に銃身をゆっくりと見せていく。
 お
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666号室(1982年製作の映画)

3.5

 ビデオの普及によりシネマトグラフからキネトスコープ、リュミエールからエジソンへと移行、回帰することが予感としてあった時代。今現在はそこにストリーミングサービスが乗っかりコロナ、ハリウッドストを経てさ>>続きを読む

都会のアリス(1973年製作の映画)

3.3

 「ラストオブアス」のような中年男性と少女の金字塔、マイクミルズ「カモンカモン」の大きな元ネタの一つ。こちらの方を後から見たのでこの作品から「ラストオブアス」、「カモンカモン」の影を読み取ってしまうと>>続きを読む

スリ(掏摸)(1959年製作の映画)

4.2

 事件は画面外で起こる。彼の神経質な眼の動き、足音の強弱によって何かが起こり始めたことを認識する。こちら側から向かって画面の右斜め下辺りを彼が見つめるシーンが多い。バスの演出の反復らしきシーン。

ラブハンター 熱い肌(1972年製作の映画)

3.5

 若干観た環境が悪く注意散漫になったが。
 ナイフがスッと伸びてきた後リンゴの皮がスルスルと出てきた瞬間笑ってしまった。

海辺のポーリーヌ(1983年製作の映画)

4.3

 人が会話しているだけでこんなに画が持つのはどういうことなんだろう。もちろん物語の魅力や美しい人物の撮り方にも起因するのだろうけれどもっと専門的に探りたい。
 両親のいない長期休み、田舎の海辺、ボーイ
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伊豆の踊子(1974年製作の映画)

3.3

 良い映画なのだがうーんと思うところも多い。会話のシークエンスで顔の寄りの画を切り返すシーンが多くやや退屈。肝心の主演二人の絡みを全く撮れていない。一番残念だったのは被写体山口百恵に対して決定的なショ>>続きを読む

恐怖のメロディ(1971年製作の映画)

3.5

 突如挟み込まれるフェスシーン、後年の「15時17分、パリ行き」を思わせる。ああいう映像が撮れる監督って他にいるのだろうか。
 凄みの割にスコアが低いのは少し納得いかないサスペンス演出が引っかかったの
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ラ・ピラート(1984年製作の映画)

4.3

 こんな陰鬱で自閉的な物語をするすると見てしまうのは魅せ方のうまさか。トリュフォーのような軽快さを感じる。もちろんこんな寄りの画は多くないが。
 作り手がこのどうしようもない物語をどうしようもないもの
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L.A.大捜査線/狼たちの街(1985年製作の映画)

4.5

 最高だ!こんな気持ちいい捜査官ものが見れるなんて!基本突き放した冷徹な質感でフィックスとブレが気持ちよくつながっていく感じたまらん!
 また何回も見返すだろう。
 

恋する惑星 4Kレストア版(1994年製作の映画)

2.9

 初ウォンカーウァイ。まあまあ苦手かもしれない。凄く長く感じた。

ハッピー・デス・デイ(2017年製作の映画)

-

 途中からスキップしながら観たのでスコアはつけられない。
 ループものは繰り返せば繰り返すほど演出が似通ってきて飽きがきてしまうのが難点。エドガーライトの「ラストナイトインソーホー」もそうだったが、演
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カラビニエ(1963年製作の映画)

4.3

 ゴダールの映画を観ていると落ち着かない気分になるが割と今回は素直に楽しめた。
 雑誌、映画、写真、などの複製芸術についての映画でもあった。
 凄く良かったなという感触はあるが自分が何を思ったかの感想
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サリヴァンの旅(1941年製作の映画)

4.0

 ある意味真のサリヴァンの旅は映画後半から始まる。前半は気楽な金持ちの道楽、後半は暗いサスペンスの連続。とはいえ旅なのだから最終的には帰ってくるし全体的にコメディタッチなのでそこまで映画に対して陰鬱な>>続きを読む

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