FRANCISさんの映画レビュー・感想・評価 - 17ページ目

帰ってきたムッソリーニ(2018年製作の映画)

3.0

ドイツ版のプロットをなぞりながら、より情熱的でコミカルに。

お国柄故の無関心やお気楽さに、より深刻な閉塞感の漂う欧州の現状、ナチスの陰での風化とリアルな突きどころ。

ドイツと比べ暗い過去に向き合
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紳士協定(1947年製作の映画)

2.5

アメリカ社会に潜む潜在的な差別的意識を描くイリア・カザン監督作。

ユダヤ人差別へのアンチテーゼときう高尚なテーマを描きながらもアメリカの芸能業界を牛耳るユダヤ人への媚を売った作品となってしまったのは
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無限の青空(1935年製作の映画)

3.0

ハワード・ホークス監督の航空活劇。

狭い室内の会話シーンが中心ながら、ひしひしと伝わってくる切迫した臨場感。

確立された女性像、飛行、畳み掛けるようなセリフ回しと『コンドル』をはじめ後の作品への影
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ヘイトフル・エイト(2015年製作の映画)

3.0

レトロ映画風タランティーノ製西部劇ミステリー。

前半の鈍重さは退屈に感じるものの、後半にかけてサミュエル・L・ジャクソンの長セリフのキレも増し増し、スプラッターなシーンとタランティーノ映画の醍醐味
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帰ってきたヒトラー(2015年製作の映画)

4.8

独裁性とカリスマの表裏一体さ。

移民問題とナショナリズム・ポピュリズムに揺れる欧州のリアルを切り取った街頭突撃インタビューから見えるドイツの本音。

原作の一人称視点からの畳み掛けるような迫力や情
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キル・ビル Vol.1(2003年製作の映画)

4.6

タランティーノの「好き」だけを詰め込んだオールジャンルごった煮アクション。

『パルプ・フィクション』のウマ・サーマンが語るドラマに関しての会話シーンを実写化したかのような独特の世界観が面白い。

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TAXi2(2000年製作の映画)

4.3

ベッソン脚本&製作、カーアクション第二弾。

今度の敵はヤクザ。忍者も出てくるヘンテコジャパニーズのテンコ盛りで『WASABI』にも悪影響を与えたに違いないであろうほど。

掴みからバカバカしさMA
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殺人魚フライングキラー(1981年製作の映画)

2.7

ジェームズ・キャメロン監督による曰く付きのピラニア2。

決して面白くはないが、『アビス』や『タイタニック』に繋がる水中撮影の妙はここでも健在。

TAXi(1998年製作の映画)

3.2

ベッソン脚本&製作のカーアクション第一弾。

アルジェリア移民のドライバーがフランス人警官のケツ引っ叩いて事件解決する斬新さと爽快感。

『パルプ・フィクション』で同じみのDICK DALE & hi
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ヒドラ(2009年製作の映画)

2.3

ギリシャ神話の伝説が残る孤島での金持ちによる人間ハンティング。現れるヒドラとの壮絶な生死を懸けた戦い。

ヒドラの造形も弱く(小さくて出ずっぱりで怖くない)、最終兵器「ヘラクレスの短剣」という取って付
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マン・オブ・スティール(2013年製作の映画)

3.3

DCEU第一弾。スーパーマンを現代的解釈で描くノーラン製アメコミ映画作品。

冒頭のダークファンタジー風のクリプトン星のビジュアルから、悲哀と強靭さにカリスマ性を増したゾッド将軍は斬新な要素であり
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レザボア・ドッグス(1992年製作の映画)

3.5

タランティーノ監督第1作。

冒頭7分の本筋とは関連なしの与太話に、延々と続く会話劇からのラストのネタバラシ。

100分間に凝縮された独特のタランティーノ味は、インディペンデント系作品としてのコン
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大脱走(1963年製作の映画)

5.0

『大脱走』
脱走にかけた250人の男たち。

それぞれの人間模様や生き様を、戦場とは無縁な長閑な大平原、牧歌的な音楽にのせての緻密な計画作業が喜劇的でもありながら、一転、人間の極限状態を描く後半の大脱
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モンスター上司(2011年製作の映画)

3.3

殺したいほど嫌いなパワハラ×セクハラ×バカハラ上司。

主人公たちが全員アホすぎて、序盤は物凄い笑ったけど、途中からダレてきたり。

ジェニファー・アニストンのセクハラより、ケヴィン・スペイシーのセ
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ガーンジー島の読書会の秘密(2018年製作の映画)

3.2

ナチスドイツに唯一占領された英国ガーンジー島。

島民たちの密かな集まりとしての読書会。ページをめくると広がる世界、一冊の本が繋ぐ人と人。

数々のシーンに詰まった読書の楽しさ、素晴らしさ。
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幸せの行方...(2010年製作の映画)

2.9

ライアン・ゴズリング×キルスティン・ダンスト。長らく未解決事件をベースに実写化。

大富豪の御曹司ディヴィッドを演じるゴズリングが庶民の娘との結婚を境に徐々に狂っていく。

内に秘められた静
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デジャヴ(2006年製作の映画)

3.7

爆破事件が繋ぐ過去と現在。

発想の面白さに加えて、ブラッカイマー×トニー・スコットの安定した派手な演出の安定感。

ゴーグルなどギミックのカッコよさに、冒頭からの伏線回収も巧み。普通なら詰まらな
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SHERLOCK/シャーロック 忌まわしき花嫁(2016年製作の映画)

2.6

シーズン3.5に相当するTVスペシャル版は限定回帰のヴィクトリア朝時代へのカムバックが新鮮。

原作の語られざる事件を翻案し、ホラー的な側面を前面に押し出したのは興味深い試みだった。

しかし、全シ
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グランド・ブダペスト・ホテル(2014年製作の映画)

3.9

ウェス・アンダーソンが誘う不思議世界。

赤で統一された色調に時代の息遣いを感じさせるゴージャスさは絵本を覗き込んだような楽しさ。

時代が下るにつれて画面が正方形に近づいていき、シンメトリーの
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新宿インシデント(2009年製作の映画)

4.5

ジャッキー・チェンがイメージ一新を図った日香合作バイオレンスノワール。

中華マフィアと、日本ヤクザの抗争を描いた本作では、香港映画の生々しさに相まって、『仁義なき戦い』や北野武作品へのオマージ
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ドラゴンへの道(1972年製作の映画)

4.8

 ブルース・リー、監督・主演・武術指導・脚本

 この作品の素晴らしさは、ローマでのロケ、相手役として過不足ないチャック・ノリス、陰惨さは薄く、末端敵には情けをかけ、本来のブルースに近いとされるユーモ
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カクテル(1988年製作の映画)

3.0

ストーリーは平凡だが、フレッシュでカリスマ性溢れるトム・クルーズを堪能するには十分。

華麗な腕さばきに、寒色系の証明の灯るバーに、常夏のジャマイカとお洒落な雰囲気。ビーチ・ボーイズの『Kokomo
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ルーキー・ハウス・ガール(2011年製作の映画)

1.5

スポーツ映画としても恋愛映画としても中途半端に捻りなく..

フェリシティ・ジョーンズが28歳で19歳の役も違和感無し。垢抜けない演技も沢山のサービスシーンに救われている感。

老紳士ビル・ナイと美
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シング・ストリート 未来へのうた(2016年製作の映画)

4.4

アイルランド発、音楽が繋ぐ青春物語。

1895年大不況に喘ぐダブリン、漂う社会の閉塞感。モデル志望の美女の気を引くため、急遽始まるバンド活動。

はみ出し者の仲間たちは、不満と不安をロックに
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ゴーストライダー(2007年製作の映画)

3.3

マーベルとソニーがスパイダーマンの次に放つ異色のダークヒーロー。

オカルティックな設定と最高にクールなビジュアルがカルトな支持を集める復讐の精霊。

圧倒的な強さと武器を手に全ての悪を容赦なく成敗
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ナミヤ雑貨店の奇蹟-再生-(2017年製作の映画)

4.0

東野圭吾の人気小説を中国で実写化。

原作からのカット部分が多くぶつ切りになり、蛇足な点も多かった日本の実写化と比べ、20分も短く急ぎ足ながらも全編を描き切った本作。

また中国を舞台
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イップ・マン 葉問(2010年製作の映画)

4.8

「イップ・マン、ここに極まれり!」

舞台は終戦後の香港へ。大陸からやってきた葉問。

サモ・ハン登場、華麗な手合わせ。英国人ボクサーとの異種格闘技戦。

ロッキー4を彷彿とさせるかつて闘い
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ダイノトピア 失われた恐竜王国(2002年製作の映画)

1.0

『プリズン・ブレイク』のあの人が主演、恐竜と人類が共存するユートピアのファンタジー。

正直期待せず観たものの、恐竜描写も、人間ドラマもガッカリなレベル。よく分からないうちに始まってよく分か
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スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望(1977年製作の映画)

5.0

 遠い昔、遥か彼方の銀河系で...

黒澤に、古典SF、神話的ファンタジーまで詰め込んだ一大スペースオペラの大傑作。

SFXのショボさやインディーズ作品の手作り感などは全く気にせぬ、いやそれさえも味
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カジノ・ロワイヤル('54)(1954年製作の映画)

2.9


バリー・ネルソン主演、TVドラマ版。

ポーカーではなくバカラ、ル・シッフルがソ連側なのは原作通りだが、ボンドはウイスキー水割りを嗜むCIAのスパイに。

対してフェリックス・ライターはクラレン
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