FRANCISさんの映画レビュー・感想・評価 - 9ページ目

チャーリーズ・エンジェル(2019年製作の映画)

2.6

 新生エンジェル始動編は低予算感は否めないものの、スタイリッシュな変装に、地に足が付いたアクションは見事。

 クリステン・スチュワートのジェンダーを問わず訴え掛ける格好良さは抜群で新顔エラ・バリンズ
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マリー・アントワネット(2006年製作の映画)

4.0

フランス王妃といえども、一人の少女。

遠い異国の宮廷の孤独、性的不能な夫への不満を紛らす贅沢三昧の日々。

ソフィア・コッポラ流独自解釈で等身大に描かれた、彼女の淡い一時を切り取って。

ポップにロ
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幸福と栄光(Happy & Glorious)(2012年製作の映画)

4.0

ダニー・ボイル総合演出、大英帝国の威信を賭けたロンドン五輪OPセレモニー。

Mrビーン、ボンド&女王陛下のスカイダイビング、ポール・マッカートニーの「Hey Jude」が印象深かった。

野性の呼び声(2020年製作の映画)

3.0

息子に先立たれた老人と過酷な半生を生きた犬。

運命的な二人の出会いは、息子との果たせなかった約束、未踏の極北を目指す最後の冒険へと駆り立てる。

厳しくも美しいカナダ・ユーコン準州の大自然の中、数々
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トリプルX(2002年製作の映画)

2.5

 ロブ・コーエン×ヴィン・ディーゼルのタッグが『ワイルド・スピード』に続いて描く、エクストリーム・スポーツを取り入れたスパイ活劇。

 後頭部のxXxのタトゥーが目印、自由の身と引き換えに、冷戦の尾を
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ランボー3/怒りのアフガン(1988年製作の映画)

3.0

ソ連に囚われた唯一の理解者を救う為、単身飛び込むアフガニスタン。

縦横無尽に駆け回る馬と戦車、飛ぶヘリも落とすムジャイデン大蜂起。

陰惨さを微塵も感じさせないシリーズ最多の破壊と殺戮を伴う、新たな
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ゴッド・ギャンブラー/賭聖外伝(1991年製作の映画)

3.5

本家を超えた香港最高収益、チャウ・シンチーをスターダムに押し上げた90年代最初のコメディ。

賭神を同音でもじった賭聖のタイトルからしてパロディ丸出し。

後年のシンチー作品のような突き抜けた笑いは無
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ザ・ビーチ(2000年製作の映画)

3.7

タイ南部離島、外界から遮断された若者たちの楽園。青い海に娯楽と自由、全てが揃った理想郷への旅は夢心地。

積み重ねた嘘が綻びを見せ、背けてきた現実が招く地獄絵図。楽園の本当の意味は「探し求めるのでなく
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ウエスタン(1968年製作の映画)

4.5

昔々、遥か彼方の西部で。

無法と決闘の時代、残された荒野に根を下す花嫁。

殺し屋を背にする鉄道王、殺戮の疑惑を纏う盗賊の首領。熾烈な争いの終局を告げる、荒野に吹き鳴らす哀愁のハーモニカが呼び覚ます
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007/リビング・デイライツ(1987年製作の映画)

4.8

 ダイアナ妃をして「原作のボンド像に最も近い」と言わしめた精悍で情熱的な4代目ティモシー・ダルトン。

同時にマネーペニーも眼鏡美女キャロライン・ブリスへと世代交代。愛車はレーザーカッター、ミサイル他
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グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札(2014年製作の映画)

3.0

 夫大公レーニエとのすれ違い、慣れない儀式によそ者扱い、孤独に悩む米国出身プリンセス。

アルジェリア独立戦争の余波、大義なき戦争への加担を求めて、刻一刻と迫るフランスの脅威。

軍隊でなく外交力を武
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エージェント・マロリー(2011年製作の映画)

3.6

派手さよりリアルを重視した泥臭い女性スパイ映画。

壁や周囲の道具をフル活用したジーナ・カラーノの無駄の無いアクションと豪華キャストに引けを取らない演技力。

スティーヴン・ソダーバーグ監督のモノクロ
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羊たちの沈黙(1990年製作の映画)

4.0

連続殺人犯を追うFBI捜査官クラリス・スターリング、手掛かりを持つ初老の囚人ハンニバル・レクター。

見返りと信頼で結ぶ奇妙な関係。言葉だけで煽る緊迫感と不安。残虐さと甘美さが両立する独特の空気感。
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ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密(2019年製作の映画)

4.0

謎の死を遂げた大富豪。事件の鍵を握る美しき使用人、家族の不和を傍目に笑う放蕩息子。

私立探偵ブノワ・ブランの名推理には、『地中海殺人事件』ほかアガサ・クリスティー作品へのオマージュ、広がる格差と差別
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(1963年製作の映画)

3.7

愛の鳥に導かれる男女のスクリューアップ・コメディ調の前半から、突然訪れる鳥たちの理由なき襲来への見事な転換。

BGMとしての音楽を極限まで抑えた演出が、突然の不条理による恐怖を加速させる。

本作の
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マイティ・ソー(2011年製作の映画)

3.3

 北欧神話をモチーフに、シェイクスピア悲劇のエッセンスを仄かに加えたMCUヒーロー第三弾。

 快男児ソーに扮するは新生『スター・トレック』でカークの父を演じたクリス・ヘムズワース。ここから一気にブレ
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ファイティング・ダディ 怒りの除雪車(2014年製作の映画)

3.8

夏の暑さを吹き飛ばす、『スノー・ロワイヤル』のオリジナル版怒涛の北欧復讐劇。

リーアム・ニーソンよりも普通が目立つ、『96時間』を彷彿とさせるステラン・スカルスガルドは怒らせると意外に怖いが魅力。
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トランスポーター(2002年製作の映画)

3.0

「契約厳守」「名前は聞かない」「以来品は開けない」の三つのルールで運び屋としての信頼厚いフランク。

特殊部隊で5年培った高い戦闘スキルと、天才的な走行テクでどんな難題にも答えていく。

監督は『エイ
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墨攻(2006年製作の映画)

3.8

日本のコミック原作、日中韓香共同国際プロジェクト。

非攻の精神を貫き、専守防衛を説く墨子。大国に狙われた小国を渡り歩き、籠城戦の指揮を執る。

戦争の不条理、兼愛の精神、現代にも通じる墨家の精神性。
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チャーリーズ・エンジェル フルスロットル(2003年製作の映画)

2.5

パワーアップして帰ってきた、史上最強の美女達。

3人に立ち向かうのは伝説の元エンジェル、デミ・ムーア。

ボスレーの交代は寂しいも、ヤセ男の意外な活躍、主演三人のセクシーダンスは楽しい。

マックG
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ウインド・リバー(2017年製作の映画)

4.0

外界から隔離された純白の雪原に広がる死の恐怖。

静寂だけが残された、インディアン保留地に潜む闇。

アメリカ社会が抱える暴力の連鎖、極限状態の中で問われる人間の倫理。強き者だけが生き残る。

不穏な
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ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY(2020年製作の映画)

3.7

DCEU初の女性スピンオフは、ハーレイ・クインをジョーカーの彼女から、一人の自立した女性へ脱皮させる。

彼女を標的にするブラックマスク他、下劣な男達。

同じく追われる少女を守り、彼らに対抗する為に
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ゴッド・ギャンブラー(1989年製作の映画)

5.0

世界に名高い天才ギャンブラーは、事故のショックで幼児の知能に逆戻り。

彼を拾ったナイフ(アンディ・ラウ)との珍道中の中で生まれる奇妙な友情。

好物のビター・チョコレートは、勝利を招く秘訣の味覚。
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007/美しき獲物たち(1985年製作の映画)

3.0

歴代最長・最高齢ムーア=ボンドの引退作は、陸海空を猛スピードで駆け回る。

エッフェル塔上の格闘、消防車での金門橋疾走etc.全編至高のロケーション。

雪山のスキーアクション中にビーチボーイズが流れ
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スーパーマン(1978年製作の映画)

5.0

子供の読み物とバカにされたアメコミを大人も楽しめるエンタメに昇華させた偉大な一作。

本当に空を飛んでいるように思えたマーゴット・キダー扮するロイスとの幻想的な飛行シーンや、勇壮なジョン・ウィリアムズ
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西部開拓史(1962年製作の映画)

4.6

オムニバス形式で描く、4世代の一家の5つの物語。

激流下り、疾走するバッファローの大群、転覆する機関車と西部劇のダイナミズムを詰め込んだ展開の連続。迫力ある映像は、三つのカメラを用いたシネラマ撮影に
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モスラ対ゴジラ(1964年製作の映画)

2.5

単作の面白さには及ばない、世紀の怪獣決戦編。

設定の連続性や、モスラ・ゴジラに両者に付与された善玉性が削ぎ取らた決闘ありきの展開はキングギドラに対して共闘で挑むハリウッド版『ゴジラ・キング・オブ・モ
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デイズ・オブ・サンダー(1990年製作の映画)

3.7

トム・クルーズ原案&主演、共演は当時交際中のニコール・キッドマン。本作がきっかけで二人は結婚までに到る。

マイケル・ルーカー扮するライバルの引退、自らの負傷を経て、死と隣り合わせの危険へと向かって疾
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サイコ(1960年製作の映画)

4.7

ヒッチコックによるモノクロ仕様が鮮烈な、サスペンス・スリラーの金字塔。

身の毛もよだつ恐怖体験の前半と犯人推理の後半の構成の転換、拘り抜いたカメラワークによる場面毎の構図は極めて巧妙。横領からの逃避
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ハングリー・ハーツ(2014年製作の映画)

4.0

菜食自然主義に拘る妻、痩せ細っていく母子、過剰な愛情の綱引きは、円満だった結婚生活の破綻に向かう。

妻と息子の狭間で、理性と感情に左右され、極限の状態で下す、究極の判断に胸が痛む。

アダム・ドライ
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トイ・ストーリー(1995年製作の映画)

3.8

 優等生的なリーダー格のおもちゃのカウボーイ・ウッディは、新たに入ってきた人気者バスに嫉妬し、追い落とそうとするなかで思わぬ友情を育んでいく。トム・ハンクスの人柄が滲み出るような声の演技が素晴らしい。>>続きを読む

トップガン(1986年製作の映画)

3.5

ベトナム戦争以後低下の一途を辿った、米軍の人気に再び火を付けた“飛行機もの“の金字塔。


オレンジを基調としたトニー・スコットの色使い、ヴァル・キルマー扮する良きライバル・アイスマン、パートナー・グ
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蒼き狼 地果て海尽きるまで(2006年製作の映画)

1.0

日本×モンゴル、チンギス・ハン生誕700周年を記念した角川映画はオール日本人キャストによる歴史劇。

『敦煌』のような中国史を扱う邦画作品は、そこまで珍しくないものの、遊牧民のモンゴルをオール現地ロケ
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ハリソン・フォード 逃亡者(1993年製作の映画)

4.2

妻殺しの汚名を着せられた医師、己のみが知る無実を証明する為の決死の逃亡劇。

執拗に追う連邦捜査官、狭まる包囲網に、緊迫する状況下に迫る真相。

ハリソン・フォード×トミー・リー・ジョーンズ、二大スタ
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ネバーセイ・ネバーアゲイン(1983年製作の映画)

3.5

新旧ボンド対決その②、12年振りのコネリー・ボンド復帰作は『サンダーボール作戦』セルフリメイク。

アーヴィン・カーシュナー監督の手堅い演出に加え、女殺人鬼ファーティマを嬉々として演じるバーバラ・カレ
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