かおりさんの映画レビュー・感想・評価

かおり

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ソフト/クワイエット(2022年製作の映画)

3.9

もう二度と見たくない。でも、誰もが一度は見たほうが良いかも…

泥の河(1981年製作の映画)

4.0

大阪の水上船で生活する貧困家庭の子どもと、その近所に住む一般家庭の子どもの交流を描いた作品。

『もはや戦後では無い』という言葉が新聞で取り沙汰されたりしている戦後10年目の日本で、
住む家もなく船の
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笑いのカイブツ(2023年製作の映画)

4.0

『俺は正しい世界で生きたいねん』
私は、ツチヤのようにやりたいことが有る人間ではないにせよ、すごく共感する感覚だ。
自分が考える純粋な世界とこの世界はあまりにも違いすぎる。
純粋な笑いを追求する中で何
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女神の継承(2021年製作の映画)

3.9

前評判から上質なモキュメンタリーホラーを想像していた。
案外大騒ぎ系ホラーで、邦画の『来る』なんかが近いエンタメ系ホラー映画だった。
怖い映画が苦手な私が爆笑しながら観れたので、怖さを求める人には物足
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ボーはおそれている(2023年製作の映画)

4.3

観ている間は楽しくはあるのだが、
『意味が取れずに困惑する場面がちょくちょく挟まる』
『構成が独特で先読みが出来ず終りが見えないため、ちょっと長く感じる(実際に3時間ある)』
このあたりがこの映画が人
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黒い十人の女(1961年製作の映画)

4.2

この映画…超面白かったっす。
日本版ゴーン・ガールか?と思った。
男の生き方、女の生き方の断絶。
チェーホフの舞台作品を観ているときのようで、台詞が噛み合っているんだかいないんだか分からない。
物騒な
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あん(2015年製作の映画)

3.8

樹木希林はオーラのある人だけど、この映画ではそのオーラを完全に消し去って世界に溶け込んでいる。
あらすじを聞いてドタバタ奮闘記みたいなものを想像していたので、あまりにスローテンポでミュートされた内容に
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スモーク(1995年製作の映画)

3.8

ただタバコを燻らせながら他愛もない話をする。特段何かが起こるわけでもない。
タバコ屋の店主と小説家の男の気の利いた会話が心地好い。
誰かのための優しい嘘が、タバコの煙のようにぷかぷか、一瞬形を成して消
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ゴールデンカムイ(2024年製作の映画)

4.5

原作を初めて読んだ時、『なんて面白い漫画なんだろう!!』と衝撃を受けたあのときの気持ちがこの映画を観ながら蘇ってきた。
映画一作目でこんなに面白いのに、この先どんなとんでもない戦いが行われるんだ!?続
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カラオケ行こ!(2024年製作の映画)

3.9

私は原作漫画のファンで、綾野剛演じる『狂児』という男に恋心にも似た感情を持っている女だ。
そんな私が観ても拒絶感無く、終始幸せな気持ちで鑑賞できた。
原作では合唱部の中学生『聡実くん』のモノローグ(心
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8 1/2(1963年製作の映画)

4.9

好きな映画は大抵この作品を彷彿させられることが多い。
老いた、才能のある作家はこの領域に到達するものなのか…
喩えば、宮崎駿作品の『風立ちぬ』『君たちはどう生きるか』も似た構造を持つ。
作り手の頭の中
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バードケージ(1996年製作の映画)

4.0

名優たちの演技合戦!傑作コメディ。
テンポの良い脚本も見事で、ビリー・ワイルダーの映画を見ているかのよう。
真逆の2家族のボキャブラリーの違いの面白さであるとか、脚本は確実に良いものだと思う。
一部現
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PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

4.9

このレビューはネタバレを含みます

様々考察が出ていると思いますが、そういうのは調べずに、観て思ったことを書いておく。

多重露光みたいな映像が何度も出てきたのは、
木と木の影の重なりがゆらゆらする木漏れ日の瞬間を、それぞれ別世界に生き
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春にして君を想う/ミッシング・エンジェル(1991年製作の映画)

3.9

片田舎の農村、早朝、老犬を射殺し、身支度を整え、スーツケース一つ抱えてバスに乗り込む老夫。
小説の書き出しのような静かなオープニング。
男の行き先は遠く離れた都会に住む親戚家族の家だが、すぐに関係性は
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