kmiwさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

永い言い訳(2016年製作の映画)

4.5

西川さんはタイトルの付け方がうまいなあと思う。

本木雅弘演じる主人公、幸夫は本当にしょうもない人で、こんなのと夫婦のまま亡くなった妻(深津絵里)が気の毒過ぎる。

彼女の時は事故の瞬間に止まり、その
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アメリカン・フィクション(2023年製作の映画)

3.8

完全コメディーと思い観てみると、意外にもシリアスな展開で、一体どこで笑ったら良いのだろうかと感じつつ観賞。

しかし面白くないわけではなく、普通にラベリングやカテゴライズから起こる悲喜劇をしっかり描い
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十二人の怒れる男(1957年製作の映画)

4.7

12人の優しい日本人が好きで何回か観ていたが、元の方は初めて観た。

三谷幸喜氏の捻りが加わる前の正統派で、すでに語り尽くされた上、ビジネス研修の場でも教材的な扱いされてるらしいですね。
さもありなん
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ブラックホール: 知識の境界線に挑む(2020年製作の映画)

4.6

ブラックホールと宇宙のとてつもなさが、わかりやすく映像と共に説明され、ちっせえことがどうでも良くなる癒し系ドキュメンタリー。

史上初ブラックホールの撮影に挑む天文学者とその事象を証明しようとする物理
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マージン・コール(2011年製作の映画)

4.0

あの日あの時をふりかえってみよー📉
(toriten45さんご紹介😊ありがとうございます)

というわけで、世界中の人々がドン引きし、その後の人生に多大な影響を及ぼしたリーマン・ショックの前夜から当日
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イコライザー THE FINAL(2023年製作の映画)

4.5

ファイナルなんて言わないで、デンゼル。
確かにお顔も若干張りがなくなったけど、まだまだ素敵。いや、むしろ年齢重ねた重みも加わり説得力が増してる。

そう。説得力。どんなにグロでゴアな制裁を加えても、ち
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ドーナツキング(2020年製作の映画)

3.5

ドーナツなのにリドリー・スコット製作総指揮😆
アメリカ人は皆ドーナツ好きだからね、ドーナツこんなに美味しいよ!という映画かと思ったら、存外にしょっぱいというかピリッとした作品だった。
だてにリドリーじ
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シルク・ドゥ・ソレイユ 彼方からの物語(2012年製作の映画)

4.0

ジェームズ・キャメロンの製作による、シルク・ドゥ・ソレイユ。ドキュメンタリーかと思っていたがそうではなく、いくつかの公演を映画作品用に再構成したもののようだ。

基本的なストーリーは、小さなサーカス公
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バベル(2006年製作の映画)

3.0

モンゴル、メキシコ、東京と3ヶ所のストーリーが交錯。
それぞれ雰囲気のある出だしで、どういうギミックで話が絡み合うのかを楽しみに観ていたのだが、結果それほど絡まず。
ディスコミュニケーションにより起こ
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湿地(2006年製作の映画)

3.5

北欧ミステリーと来れば暗い寒い変態(と私は思う)
こちらの作品もまんま暗く寒く変態であった。
アイスランドの湿地にある村で発見された死体を巡り過去のレイプ事件と特殊な遺伝体質の絡む謎を、おっさん刑事が
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Saltburn(2023年製作の映画)

4.0

私的にジャンルが錯綜してて、BLかと思いきやサスペンスやスリラーも含んでいたり、階層を皮肉にとらえる辺りは社会派。
複雑な作品ですね。
ですが、バリー・コーガンがあまりにも異彩放ってて、どんな作品なの
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レクイエム・フォー・ドリーム(2000年製作の映画)

3.5

ダメ、ゼッタイ
お馴染みの薬物乱用防止運動標語。
そしてこれを映像化したのがこの作品と思っておおかた間違いない。

入口事情は多々あれど、踏み入れてしまったら地獄を見ることは間違いないと思わせてくれる
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アリスとテレスのまぼろし工場(2023年製作の映画)

4.5

ああもう。
ストーリーはさておき、身悶えするようなキスシーンである。
この類いのアニメ映画で、ここまでの生々しさと情緒を携えた10代のキスシーンはそうそう観られないだろう。
声優さんの気合いも相当だ。
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バンクシー 抗うものたちのアート革命(2020年製作の映画)

4.0

最近は配信ばかりで、テレビで映画を観たのは久しぶり。BSフジで鑑賞。

バンクシーなにそれ知らんけど、という人はあまりいない(と思う)神出鬼没のアーティスト。

ひと月ほど前もロンドンで新作が白昼堂々
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アミューズメント・パーク(1973年製作の映画)

4.0

何よりもこのポスタービジュアルのインパクト。自分の命が消える寸前にうっかり思い出し、薄れゆく意識の中(あー…つらっ…)とか思っちゃうかも。
もし観てしまったら嫌な感じの足跡があなたの心に残るであろう作
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タッカーとデイル 史上最悪にツイてないヤツら(2010年製作の映画)

3.5

面白い!👍
主人公の二人組オッサンがいい。二人の間違った方向に突っ走る会話と行動力がユーモラスで、グロも難なくこなせる。
対する学生グループの経験値に欠ける判断ミスと悪意ある思い込みにより、話は悪い方
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もっと遠くへ行こう。(2023年製作の映画)

3.0

匂わせて匂わせて、匂わせてエンディングを迎え、何一つスッキリせずに終わる純文学系。
近未来を舞台としており、住む環境がいよいよ怪しい地球を離れるための宇宙移住計画に選ばれた夫婦の揺れる内面がメイン・テ
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メットガラ ドレスをまとった美術館(2016年製作の映画)

4.0

『メットガラは、毎年5月の第一月曜日にニューヨークのメトロポリタン美術館で開催されるファッションの祭典である 』 Wikipediaより
そう。本作の原題は”The First Monday in M
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ザ・メニュー(2022年製作の映画)

4.0

あらすじ知らずに観たので、前半導入部辺りでは高級レストラン ノーマ [ https://filmarks.com/movies/68916 ]
を皮肉ってんのかと思ったよ。店のコンセプト
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プリデスティネーション(2014年製作の映画)

4.0

ネタバレ厳禁映画。
シックス・センスを初めて観た時以来のビックリ。
「ああ、これはこうしてこうなるね」とわかった人もちろんいるだろうが、私には結構な衝撃。
マジかー、あり得ないわー。
バーから始まりと
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ヒューマン・ハンティング(2018年製作の映画)

1.0

噂に違わぬ…(*≧∀≦*)

ドローンが映し出す美しい森、自然の厳しさ、そんな素敵な景色を楽しんだ後は、おまけ映像のカニバリブラザーズと能天気カップルのまったりした喧嘩を堪能しましょう。

ブラザーズ
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劇場版 SPY×FAMILY CODE: White(2023年製作の映画)

4.0

たまたま休みと公開日が同日だったので、朝イチの回観てきました😆

まるですごい推しみたいですが、そんなこともなく普通に好き。テレビシリーズは欠かさず観る程度には好き。

なぜか。癒されるから。
対立す
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東京ゴッドファーザーズ(2003年製作の映画)

4.5

クリスマス映画を観たいと思い選択したのがこちら。過去観ているので気楽さもあり、幸せな気持ちになれることもわかっていて鑑賞しましたよ。

それぞれの事情でホームレスになった3人と偶然見つけた赤ちゃんとの
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カランコエの花(2016年製作の映画)

4.0

やはりね、高校生くらいの集団はナイーブなんだ。
繊細の方の意味じゃない、世間知らずとか未熟とかの方。まだ脳も成長期真っ只中、社会性が未発達な年頃だから、当たり前ではない事象への対応に慣れていない。
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スイート・マイホーム(2023年製作の映画)

2.5

まとまっているようないないような。
尺が足りないのか、取捨選択ミスか!
以下ネタバレ含む


主人公演ずる窪田の実家の事情、主人公の不倫、主人公の妻との関係性、ハウスメーカーの事情、など背景は匂わせで
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M3GAN/ミーガン(2023年製作の映画)

3.3

年末も目前になり、ようやくミーガンに出会いました。
大体の内容は知っている。さあ、私をどこまで楽しませてくれるの!!と斜め上から始めた観賞です。
結果。普通に面白い。場合によっては劇場観賞も悪くない。
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バビロン(2021年製作の映画)

4.0

なんとも猥雑で卑猥で騒がしいパーティーシーンのオープニング(まるでクライマックスかと思うような賑々しさ!)からまさかの感動の結末に繋がる壮大なキラキラ映画史。ただし、主にサイレントからトーキー後までの>>続きを読む

すばらしき世界(2021年製作の映画)

5.0

「娑婆は我慢の連続ですよ。我慢のわりにたいして面白うもなか。そやけど、空が広いち言いますよ。」

これだよ。このすばらしい映画で一番、すこーんと心に刺さったセリフ。キムラ緑子さん演ずる姉御が、切羽詰ま
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クレイジークルーズ(2023年製作の映画)

2.0

坂元さん脚本で期待に胸膨らませて観たのだが。正直あまりすすめられない。
元々坂元さんの作品は現実からのギリギリのずれにおかしみを感じたり、心に沁みたりするのだが、今回は悪のり?面白さを感じる手前で、そ
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誰も知らない(2004年製作の映画)

4.0

子どもが犠牲になる事件はインパクトが強い。たいていの場合、彼らには選択肢がなく純粋に犠牲者だ。
1988年巣鴨の事件。
多くの人が胸を痛め、行政も二度とこんなことが起こらないようにと仕組みを考え実行し
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コンフィデンスマンJP ロマンス編(2019年製作の映画)

3.5

コンフィデンスマンは華やかで楽しい。あまり深く考えずに観るのが良いと思うのですよ。ただ目の前で展開する劇に集中して楽しむ。
さて今日お伝えしたいのは、コンフィデンスマン楽しい!も間違いではないのですが
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ハリウッドを斬る! ~映画あるある大集合~(2021年製作の映画)

3.6

約一時間。ハリウッド映画の「あるある」な、お約束を紹介。ロブ・ロウがわかりやすく説明→実際の映画シーンからの抜粋、関係者のコメントの繰り返しで、よくまあ素材を集めたもんだ。
まあ安直ではあるが、面白か
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キャンプ・カレッジ -勇気の先に輝くもの-(2023年製作の映画)

5.0

タイトルからは思いもしなかった、一人の少女と祖母の物語。とても短く(30分!)戦場を舞台にしないのに深く戦場のことを思わざるをえない佳作。

今この瞬間も地球上のどこかでは戦いは行われており、人生の軌
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マイルス・デイビス: クールの誕生(2019年製作の映画)

4.5

マイルスはみんな聴けば良いと思いますよ。なぜってさ、クールだからさ。
この作品のタイトルにもあるクールの誕生だよ。
こんなにかっこいい演奏家はそうそういません。
あの目。暗い湖のような瞳。しゃがれた声
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エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

4.0

散々もう皆さん書き散らかしてますしね、今さらネタバレもなにも無いような気がしますが、一番のネタバレは作品タイトルじゃないですかね。
そのまんまじゃん。
私は面白く拝見し、最後は軽く感動いたしました。
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スワロウテイル(1996年製作の映画)

4.0

懐かしいねぇ。渋谷東映でむかーしむかし観た映画だ。
当時はCharaが大好きで、作品の前評判も良かった。何て言うか、おしゃれだった。この作品の世界観。
美術監督さんは種田陽平氏。キル・ビルvol1、イ
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