松岡茉優さんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

風にバラは散った(1989年製作の映画)

4.2

評価高すぎ感はあるが面白かった。色々あって離ればなれになった元恋人同士が再会するあの瞬間のエモさよ。赤と青のコントラスト、行こうとした女の腕を取る→女がスローモーションで振り向くという下手したらめちゃ>>続きを読む

血とダイヤモンド(1964年製作の映画)

3.9

盗まれたダイヤモンドを奪おうとする人間たちの群像劇。序盤から中盤までは死ぬほど面白いしカッコいいショット満載だが、輸血の下りあたりから少しテンポダウンする。宝田明の存在感凄すぎ。水野久美と出会う店の撮>>続きを読む

ある戦慄(1967年製作の映画)

4.0

深夜の列車に乗った様々な背景を抱えた人間がキチガイ男2人に絡まれていく。まず前座が長すぎる。本題に入る前に少し飽きかけてしまった。尚且つ、キチガイ男が乗客に対して順番に絡んでいくため、折角色んな人物が>>続きを読む

鏡の中の裸像(1963年製作の映画)

4.4

怪作。ATGの映画みたいなオープニングからめっちゃ面白い。松山善三の悪趣味な詰め合わせ感もあるが、中村登の中でも『わが闘争』に続く怪作。マジで桑野みゆきヤバすぎ。人をダシにしてのし上ろうとする泥臭さ最>>続きを読む

爽春(1968年製作の映画)

4.4

序盤は「??」と思う部分もあったが、めちゃくちゃ良かった。仏像を見ながら晩酌すると落ち着く岩下志麻は婚約した元カレが忘れられずに不倫関係を続けている。そんな岩下志麻と対照的に描かれるありえんほど可愛い>>続きを読む

豹(ジャガー)は走った(1970年製作の映画)

3.1

オープニングはめっちゃカッコいい。田宮二郎vs加山雄三という二大スターの対決がここに!加山雄三の肩から血が噴き出すのはなんか斬新。スローモーション多用はペキンパーオマージュ?

春を待つ人々(1959年製作の映画)

3.3

松竹オールスターキャスト出演の選挙活動を通したコメディかと勝手に思っていたら、佐分利信(親父)の隠し通していた不倫のせいで子供たちが被害を被ることになる話だった。話が若干古臭いのでそこまでハマれず。>>続きを読む

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

この世界に生きる人間ひとりひとりが扉を開け続けることで「人生」は流れていき、それらの集合体によって「世界」がどんどん構築されていく。積み木を積み重ねてできていく「塔」はこの「世界」のメタファーであり、>>続きを読む

スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース(2023年製作の映画)

4.6

真の傑作。宣伝のせいもあってマジで1ミリも期待してなかったのに面白すぎた。最高。
予め決められた設定や運命をなんとかして変えようとする話を、みんなが知ってるスパイダーマンが歩んできた「経歴」を用いて描
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ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3(2023年製作の映画)

4.5

めちゃくちゃ面白かったし死ぬほど泣いた。Vol.2は死ぬほど面白くなくてそこまで期待してなかったけどこれは傑作。
ボケと泣かせどころの配分が神がかっていた。ネビュラがチームに加わったことでめちゃくちゃ
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シン・仮面ライダー(2023年製作の映画)

4.0

シン・ウルトラマンより全然面白い。圧倒的なロケーションとセットの美しさだけでお腹いっぱい。令和の『東京流れ者』みたいだった。※特にハチオーグのあたり。
詰め込みすぎと言われているが、これくらいテンポ良
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リトル・マーメイド(2023年製作の映画)

3.1

ロブ・マーシャルの「おもんない」ミュージカルだった。残念過ぎる。
海の中という役者の動きが制限される中でどうやってレビューシーンを演出するのかを何よりも楽しみにしていたのに、これじゃあ物足りないよ。も
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ルイス&クラーク&ジョージ(1997年製作の映画)

3.2

ローズ・マッゴーワン目当てで鑑賞。金塊を得るために脱獄した2人の男と母親に会いに行く女との計3人でのロードムービー。設定は面白いが展開は凡庸で飽きる。旅行中に死んだ母親をトラックの中に置いておいたら、>>続きを読む

海峡、血に染めて(1961年製作の映画)

3.0

清順の海を舞台にした映画。葉山良二(髭が似合う)と和田浩治が兄弟役。特別いいショットもなく凡作だと思うが、葉山良二が和田浩治を殴る浜辺のシーンは好き。にしても、日本が舞台なのにドンパチやりまくってるの>>続きを読む

暗殺者のメロディ(1972年製作の映画)

3.0

ジョセフ・ロージーの映画のアラン・ドロン、いい意味でとても暗い顔していて最高。丸いサングラス似合い過ぎている。映画自体はそこまでだったが、トロツキーの暗殺方法がぶっ飛び過ぎてそこだけとても印象的だった>>続きを読む

X エックス(2022年製作の映画)

4.0

面白かった。「老化と性欲」というテーマがまず最高。個人的には中盤からよりも、序盤のポルノ映画撮影パートが結構好き。ババアがショットガンを撃ったときにちゃんと吹っ飛ぶのバカ笑った。老人同士のセックスから>>続きを読む

ジョン・ウィック:チャプター2(2016年製作の映画)

3.1

前作同様「スタイリッシュでカッコいいアクション!」とはならず、ただただグレードアップしていく背景を眺める映画。
アクションのシチュエーションはとても良い。噴水越しの銃撃→電車越しに立つ2人などは特にか
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大地震(1974年製作の映画)

3.0

朝から筋トレに励むチャールトン・ヘストンに呆れて軽い夫婦喧嘩になった挙句、ヒステリーを起こすエヴァ・ガードナー。相変わらず顔が怖い。パニック映画とは思えないオープニングにテンションが上がるもその後は普>>続きを読む

ソサエティー(1989年製作の映画)

5.0

オールタイムベスト。「ビバリーヒルズに住んでる上級国民様様はこんな奴らなんだぜ!」という偏見をあり得ないほど誇張して描いていて最高。フィクションだから許される誇張があまりにも素晴らしくて映画しか信じら>>続きを読む

沈黙のジェラシー(1998年製作の映画)

2.5

まず、貴重な休みにこんな下らない映画を観てしまったことを反省しなければならない。嫁姑のいざこざを生温く描いた凡作。嫁役のジェシカ・ラングと姑役のグウィネス・パルトローが全く歳が離れているように見えずそ>>続きを読む

Another Day, Another Man(原題)(1966年製作の映画)

3.6

男が昇給したことにより高級なアパートへ引っ越した若いカップル。しかし、男が突然原因不明の病になってしまう。女は男が寝たきりになってしまったため、娼婦として働くことになる。
人物の会話を撮る時、話してい
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Indecent Desires(原題)(1968年製作の映画)

3.4

街中で拾った人形に触れると、特定の女性の身体が感じてしまうという設定をフルに活かしたソフトポルノ。人形と女性がオーバーラップするショットのあまりの雑さに笑った。一度も直接話すことなく、人形を介さないと>>続きを読む

アントマン&ワスプ:クアントマニア(2023年製作の映画)

3.7

マーク漏れ。死ぬほど楽しみにしていたけど薄味で終わった。ジョナサン・メイジャーズのカーンはとても素晴らしかったけれど、暴行問題で先行き怪しいとなると今後のMCUに期待するものは何もない。キャシーがひた>>続きを読む

博徒外人部隊(1971年製作の映画)

4.2

面白い。10年ぶりに出所した鶴田浩二が仲間を引き連れて沖縄へ行き、新しくシマを開拓していく話。
鶴田浩二が出所したあと足を運んだヤクザ事務所で子分達が一列に並ぶショットの異様さ。日本に返還される前の沖
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波紋(2023年製作の映画)

3.3

あらすじがとても面白そうだったのでわざわざ映画館まで観に行った。つまらない訳じゃないけど激しく物足りない。
しつこいくらい登場する「水」のモチーフ。人間関係や本人の心情も水のモチーフで描き切ろうとはし
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ワイルド・スピード/ファイヤーブースト(2023年製作の映画)

4.0

この映画をラーメンで例えるから、横浜家系こってり太麺MEGA盛灼熱ファイヤーブーストラーメン(エンドレス替玉)って感じで良かった。いつも通りファミリーで集まって、パーティをする前の一連の編集で「これか>>続きを読む

急げ!若者 TOMORROW NEVER WAITS(1974年製作の映画)

3.5

死後も何かと話題のジャニー喜多川が製作を務めた最初期の映画。主演はフォーリーブス。
あまりのお気楽展開の連続になんとも言えなくなるが、70年代当時の東京の街並みが沢山堪能できたのが良かった。藤木悠が何
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ばしゃ馬さんとビッグマウス(2013年製作の映画)

3.4

面白かったし役者はみんな良かったんだけど、圧倒的に「生活感」が足りない。この映画の麻生久美子は生活にも困らず、仕事をサボって次の脚本のために元カレの所へボランティアへ行き、ひたすら脚本を書いているのだ>>続きを読む

A Night to Dismember(原題)(1989年製作の映画)

3.0

個人的に全く刺さらなかったのだが、カルト映画であることはわかる。『ハロウィン』などのスラッシャー映画のヒットを受けてドリス・ウィッシュマンがスラッシャーモノに手を出す訳だが、これを4年の月日を経てまで>>続きを読む

ゴールデン・エイティーズ(1986年製作の映画)

4.5

長年ずっと観たかったやつでやっと観れた。死ぬほど最高。色鮮やかで美しいセットや衣装を取り入れたお気楽ミュージカル映画かと思いきや中々ドロドロの展開で激アツ。好き同士がくっつかず、みんなどこかで「妥協」>>続きを読む

キングスマン:ゴールデン・サークル(2017年製作の映画)

4.0

面白かった。前作ちゃんと映画館で観たのに何一つ覚えてなくて笑った。どんなブラックジョークよりもチャニング・テイタムのルックスめちゃくちゃカッコよかったのに、「シャブ中」だったせいでほとんど出番なかった>>続きを読む

Nude on the Moon(原題)(1961年製作の映画)

4.0

人類が月に到達する前にドリス・ウィッシュマンが描いた人類の夢。「月には裸の女達がいるよ!」みたいな能天気な映画。科学的根拠を一切無視した展開(月なのにヘルメットいきなり外したりなどなど)があるにも関わ>>続きを読む

キングコング2(1986年製作の映画)

2.5

ちょっと期待していたがバカつまらない。終始どうでもいい展開が続くため、何も感じない。キングコングがリンダ・ハミルトンかメスゴリラどちらを取るかみたいな種族を超えた恋愛モノにしていた方がまだマシ。人間を>>続きを読む

神は見返りを求める(2022年製作の映画)

4.4

吉田恵輔の中でも胸糞悪いと聞いていて覚悟したけれど、意外と優しさに溢れていた。しかし、カス野郎が罰せられないのは現実同様でそこが1番胸糞悪い。あえてそういう風にしてるんだろうけど。
中盤がとにかく良い
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DEAD OR ALIVE 犯罪者(1999年製作の映画)

4.0

めちゃくちゃな映画。見せ場にしたい(監督が拘りたい)シーンはカット割りまくりだけど、見せ場ではないシーンはワンカット長回しで独特すぎるリズムのある映画だった。ただこのリズム感が段々クセになってくる。石>>続きを読む

黒の奔流(1972年製作の映画)

4.8

死ぬほど面白い。狭い弁護士事務所内での救いようのないオープニングから始まるド傑作。法廷や推理モノのイメージが強い松本清張原作でもここまで下衆な話があるんだと心底感動した。
立場の逆転(追う者と追われる
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