松岡茉優さんの映画レビュー・感想・評価 - 6ページ目

監禁!!ミクロネシアプリズン(1994年製作の映画)

3.3

謎の疫病が流行ったフィリピンの島を研究者達が訪ねる話なのだが、映画としてめちゃくちゃ過ぎて観た後ほぼ何も残らない珍作。疫病が蔓延する様を撮るべきなのに、同行していた女性研究者が勝手に部族の男達と結婚さ>>続きを読む

別離(1973年製作の映画)

3.7

若い女とくっつこうとする夫を振り向かせるために整形手術をする女という話の筋はかなり最高だが、映画としては微妙。序盤の『他人の顔』ばりにドキュメンタリーチックに撮られた整形シーンでテンション上がるも、そ>>続きを読む

ブラインド・デート(1987年製作の映画)

3.6

「酒乱モノ」ということでずっと前から観たくてかなり楽しみにしていたが、まあいつものブレイク・エドワーズクオリティだった。『ティファニーで朝食を』のミッキー・ルーニーのような差別感満載のテンプレ日本人が>>続きを読む

ジュラシック・ワールド/新たなる支配者(2021年製作の映画)

4.4

近年の過去作擦り倒し系の続編映画の中ではかなりの傑作。前作が吐くほどつまらなかったので1ミリも期待してなかったがめちゃくちゃ面白かった。前半では恐竜との共生世界を描き、後半では原点に立ち返ったような「>>続きを読む

追いつめられて(1987年製作の映画)

4.2

ケヴィン・コスナーとショーン・ヤングのカーセックスから始まり、その後そんな感じの場面がだらだらと続いて「俺たちは一体何を見せられているんだ」と若干飽きてきた辺りから死ぬほど面白くなる。最高。ここまで大>>続きを読む

リコリス・ピザ(2021年製作の映画)

4.3

初PTA。冒頭の数分間で号泣。会話する男女をいつまでも追いかけ映し続けるカメラ、色々なことに悩まされて苛立ちしかない日常生活を一瞬で忘れさせるあの「視野の狭さ」が本当に最高。ぶっちゃけもうこれだけでも>>続きを読む

007/美しき獲物たち(1985年製作の映画)

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15年ぶりくらいに再見。エッフェル塔と消防車の下りとラストの飛行船と空手シーンだけはなんとなく記憶に残ってた。にしても、ここまで冗長な展開だとは思ってもいなくて、途中結構飽きてしまった。とにかくテンポ>>続きを読む

0課の女 赤い手錠(1974年製作の映画)

4.2

面白すぎ!90分で過剰な暴力てんこ盛りで楽しすぎる。どう考えても刑事に見えない杉本美樹が、ほぼずっとチンピラ集団にやられっぱなしなのが観ていて辛い。三原葉子(白髪のカツラ?がめちゃくちゃ似合ってる。)>>続きを読む

ゴースト/血のシャワー(1980年製作の映画)

3.5

開始1時間が全然面白くないものの、後半30分から一気に面白くなる。
船同士が衝突する場面の気合の入り方がすごい。ピアノがバラバラになるのは流石に笑った。タイトル通り血のシャワーが出てくるシーンは名場面
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マチルダ(1978年製作の映画)

3.3

かつてはリズ・テイラー主演の映画を撮っていたダニエル・マンも晩年にはカンガルーがボクサーになる河崎実的な映画を撮っていたことにまず驚く。しかもエリオット・グールドやロバート・ミッチャムまでキャスティン>>続きを読む

SFソードキル(1984年製作の映画)

3.8

冷凍保存から目覚めたサムライの話で、荒唐無稽な日本描写全開かと思いきや、めちゃくちゃ真面目に作られていた。「サムライとは何か」を描きたい藤岡弘、の要望がしっかりと通った結果だと思う。チンピラに絡まれる>>続きを読む

現代っ子(1963年製作の映画)

4.4

大好き。最高。とにかく会話のテンポの良さと登場人物の動きで魅せ続ける。子供たちが順番に家を出て行くときに家に立てかけてある賞状が落ちるオープニングから冴えすぎている。しかもこの賞状たちがさりげなくキー>>続きを読む

野郎に国境はない(1965年製作の映画)

3.7

完全に007の派生(パクリ)作品で、出来も普通なのだが、『黒い賭博師 悪魔の左手』で流れていた曲が本作でもテーマ曲のように使われていて、そういうどうでもいいところが気になって仕方がなかった。爆弾の下り>>続きを読む

地図のない町(1960年製作の映画)

4.2

回想形式がやや怠いが、1人の人間を徹底的に貶める中平康の厭さが満載の傑作。タイトル的に田舎臭い内容なのかと思いきや、意外とそんなことはなかった。街並みを映し出すカメラワークの素晴らしさよ。
滝沢修がか
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狙われた男(1956年製作の映画)

4.0

やっと観れた。和光ビルから銀座の商店街を映し出すカメラワークで「中平康の映画だ!」と感じる。後々の『地図のない町』でもそうだったが、狭い街並みや商店街のの撮り方が完全にルネ・クレール。殺人事件が起きて>>続きを読む

栄光への反逆(1970年製作の映画)

4.1

中平康が完全に金のために撮ったような映画かつ一生ソフト化されないような作品(内容)ではあったが、なんやかんや面白かった。巨大な石像の首を落とすタイトルバック(マジで意味不明)から始まる黒沢年雄の北海道>>続きを読む

狼/男たちの挽歌・最終章(1989年製作の映画)

4.6

マジでずっと面白い。自分の過ちのせいで盲目になってしまった歌手のために殺し屋が罪を償おうと最後の殺しの仕事に挑むが、そこで警官に追われるようになり…みたいな話。
ジョン・ウーの銃撃戦ってマジで撃つか撃
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無頼(2020年製作の映画)

3.1

極道を主人公にした井筒和幸版『糸』。こういう年代記モノは実際にその時代を経験していない立場からすると、完全におっさんの懐古主義としか思えず辛い。銀行にホース車で行って糞尿撒き散らすところ笑った。松本利>>続きを読む

親切なクムジャさん(2005年製作の映画)

3.0

パク・チャヌクはマジで過大評価されている作家だと思う。有名な本作も最初はまだ面白かったものの、段々つまらなくなっていく。狭い空間での出来事をひたすら表面的に加工しまくって、それらを繋ぎ合わせたところで>>続きを読む

べイビーわるきゅーれ(2021年製作の映画)

2.9

このレビューはネタバレを含みます

現代の流行りを取り入れた会話をどう捉えるかで評価が変わると思う。自分的には恥ずかしくてかなりキツかった。映画における会話は、現実をなるべく持ち込まず、いかに笑いを誘うのかが大切だと思うので、現実で起き>>続きを読む

Love & Anarchy(英題)(1973年製作の映画)

4.3

素晴らしい。ファシズム政府(ムッソリーニ)に友人を殺された男が、復讐するために娼館で働く女と組むが、そこで出会った娼婦と恋に落ちてしまうという話。
主人公が娼館を訪れたときにあちこちから人物がフレーム
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Citizen Ruth(原題)(1996年製作の映画)

4.3

バカおもろい。妊娠したヤク中のローラ・ダーンが、中絶賛成派と中絶反対派の過激な争いに巻き込まれていくという話。ローラ・ダーンが出演しているどの映画よりもキマってる。この映画のローラ・ダーンはボロボロだ>>続きを読む

続おとこ大学 新婚教室(1955年製作の映画)

3.7

「おとこ大学」というタイトルなので、佐田啓二メインかと思いきや、淡島千景の苦悩が話のメイン。おばあちゃん大好きっ子の佐田啓二がかわいい。浦辺粂子が珍しく嫌な役で新鮮だった。それよりもこの頃の野添ひとみ>>続きを読む

うれしはずかし物語(1988年製作の映画)

4.0

円満そうな夫婦が互いに不倫をするという世の中の景気が良くないと撮れない呑気すぎる映画だが、結構良かった。オープニングから『春の声』が爆音で流れてかなり好き。
夫婦が隣接する建物で不倫セックスして、お互
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ダーク・エンジェル(1990年製作の映画)

4.4

これは隠れた傑作。麻薬捜査の途中で相棒を失った現場主義のデカであるドルフ・ラングレンが、インテリ派のFBI捜査官とタッグを組むという話に異星人モノを掛け合わせるというなんとも贅沢な作品。90分とは思え>>続きを読む

ユニバーサル・ソルジャー(1992年製作の映画)

4.2

意味もなく、ただ派手に見せたいがためにダイナーに車が突っ込む「無駄アクション」をしっかり撮っているのでかなり好き。脳筋ゴリゴリのアクション映画と見せかけて、最後の最後に激アツ感動展開を持ってきて思わず>>続きを読む

ファーゴ(1996年製作の映画)

4.3

コーエン兄弟の映画はスノッブな脚本しか魅力がないというクソ偏見を持っているので、あまり観る気が起きなかったが、知り合いのおすすめで観た。脚本が面白いのは勿論そうなんだけど、これは舞台となる田舎町の雪景>>続きを読む

Mr.ノーバディ(2021年製作の映画)

4.2

結構面白くて良かった。敵のボスが入院している部下に椅子を投げつけるアクションが1番笑える。バスでの戦闘はかなりテンション上がった。傷口にストローを植え付けるのがヤバい。主役の男がタトゥーをチラ見せした>>続きを読む

その場所に女ありて(1962年製作の映画)

3.5

同時代の作家とはまた異なり、いい意味でも悪い意味でも「生々しさ」がフィルムに焼き付けられた女性映画。この時代にこのテーマで映画を撮ったことが過大評価されている気もするが、これは凄いことだと思う。自立し>>続きを読む

シークレット・サンシャイン(2007年製作の映画)

4.0

なんて凄まじい映画なんだ。前半40分ほぼ何も起こらず退屈と思っていたが、中盤から凄まじくなってくる。刑務所のシークエンスヤバすぎ。この世には一個人への絶対的な「救い」がないことをここまではっきりと描く>>続きを読む

冷たい熱帯魚(2010年製作の映画)

4.8

この高揚感、異常すぎる。最高。不気味な予告を中学生のとき観て以来ずっと避けてきた作品をやっと観た。めちゃくちゃ面白い。
映し出される殺人描写や死体解体シーンは勿論恐ろしいが、家族にいつ危険が及ぶか分か
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ウエスト・サイド・ストーリー(2021年製作の映画)

5.0

記録漏れ。神。問答無用の傑作。なんやかんや言いたいことはあるけれど、最高の状態でリメイクされたと思う。アンセル・エルゴートが『Maria』を歌い始めた時に後ろの照明が一斉に輝くのが「THEミュージカル>>続きを読む

スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム(2021年製作の映画)

4.7

記録漏れ。過去2作がクソほどつまらなくて、MCUのスパイダーマンにはマジで興味が持てなかったのだが、本作はめちゃくちゃ良かった。悪人達を善人に戻すためには「治療」するしかないというクソ残酷だし深く考え>>続きを読む

ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス(2022年製作の映画)

3.9

予告を観ても内容が意味不明だったのであまり期待せずに行ったらまあまあ面白かった。母親になりたいワンダさんがとにかく可哀想で仕方がない。ドラマや過去作を一切観ずにこの映画だけ観たら、ワンダがただのヤバい>>続きを読む

チャイナ・ガール(1987年製作の映画)

4.6

バカクソ面白い。最高すぎる。アベル・フェラーラ版『ウエスト・サイド・ストーリー』で、話的にはよくあるやつなのになんでこんなに面白いんだ?
愛し合う若い男女の話はあくまで添え物的な扱いで、基本的にはアメ
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The Flesh(英題)(1991年製作の映画)

4.5

一見普通のエロ映画と見せかけて最後の最後にぶっ飛び展開。最高です。
セックス中の女の顔からライオンの絵に繋ぐ編集や牛の体に見立てて女の体を指すなどどことなくキム・ギヨンを彷彿とさせる。ヒロインのフラン
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