kapoさんの映画レビュー・感想・評価

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PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

3.9

タンタンとリズムを奏でているつもりの日々でも、
必ず変化はあり、何かは起こり、
それに伴い感情も木々に揺れる葉の様に
サワサワと、
そしてやがてザワザワと音を立てていく様が
何とも言えない描写だった。
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ジョン・バティステ:アメリカン・シンフォニー(2023年製作の映画)

3.8

パーソナルでエモーショナルに
編集されていて、
その揺らぎのカメラワークがとても良かった。
ソウル好きにはたまらないシーンとか
沢山あったし、
パートナーとの関係も素敵で、
数々の困難に向き合う姿は心
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ウォンカとチョコレート工場のはじまり(2023年製作の映画)

3.0

これはキャスティングを楽しむ映画だった。
シャラメ君の芸達者ぷりも、
ヒューグラントも、大好きなサリーホーキンスも、
あの人もこの人も出演して豪華絢爛だった。

美術も豪華だし分厚い映画なはずなんだけ
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サウンド・オブ・メタル ~聞こえるということ~(2019年製作の映画)

4.2

魅せ方がものすごーく魅力的な映画。

主人公の葛藤を表情豊かに
表しつつ、
愛の切なさや大切さ、
人の優しさと厳しさ、
社会に生きることの立ち位置等など
芳醇な切り取り方でずっとしがんでいられた。
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エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

3.2

究極の自己対話のようなお話し。
監督自身の自己浄化的要素もあるのかな。
自分の葛藤を並べまくって、
脳内劇場したらこんな感じの
スピード感になるのが、
何となく分かる。

という目まぐるしさ。

あと
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アステロイド・シティ(2023年製作の映画)

3.9

一秒たりとも目が離せないウェス劇場
は健在で、
こだわりのショットも健在で、
その中でめくるめく劇っぷりはたまらなかった。
個人的には速さと展開が落語感。

キャラ設定が全員キュート。
実は背景はシリ
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君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

3.7

駿先生の頭と心の中をとくと拝見した気分。
恐らく自身のあれやこれやの葛藤、
そして宮崎駿らしい愛と情も含めての集大成。

人間は母から生まれそして死ぬ。
そんな当たり前の事の狭間に、
自分という壮大な
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ぼくたちの哲学教室(2021年製作の映画)

4.0

争いの苦しみと憎しみが世代間関連する
ベルファストの街の中で、
こんなにラブリーで優しく智慧に
溢れた校長先生がいるなんて。
世界にある優しさに触れた時間だった。

怒りや苦しみ、人と対話することに
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エドワード・ヤンの恋愛時代 4K レストア版(1994年製作の映画)

3.7

身内内でゴロゴロゴロゴロ
掛け合いで絡まり合いながらの
群像劇、
実は政治的なエッセンスも強くて、
人間の業がたっぷり、
シャレの効いたエッジの強いドラマ。
演劇を観てるようだった。

前半誰が誰に対
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ローマの休日 4K レストア版(1953年製作の映画)

4.0

なんといってもチャーーミング!
なんとオードリーヘプバーンの
映画は初見。

前にドキュメンタリーを観たから、
なんとなくの予想はついてたけど、
それ以上のチャーミングさだった。

世界を虜にするオー
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バービー(2023年製作の映画)

4.0

女だもの、だけじゃなく、
男だもの、だけじゃなく、
にんげんだもの、な所がいい。

根本的なものを思い出して、
一人一人しっかり着地しようぜ的なのも◎

カラフルポップな展開の良さは
ワクワクしたし、
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さらば、わが愛/覇王別姫 4K(1993年製作の映画)

5.0

最近昔の名作がリマスター上映
されていて嬉しい。
と、好きな映画トップ5に入るこちらの
映画も上映されるとなれば、
勿論3時間もモーマンタイで映画館へ。

なんとなく記憶もおぼろげになっていたので、
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裸足になって(2022年製作の映画)

3.5

思った以上に大盛り甘辛な内容だった。
なんつっても主人公が主人公らしい。
眼の輝きや哀しみの表現力が素晴らしく、
ハッっとする息遣いとか、
揺れる指やしなやかに動く身体から
感じ取る描き方が一番残った
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怪物(2023年製作の映画)

3.9

『正』という社会の箱の中に潜む
私たちのちっぽけな概念を、
一瞬にして吹き飛ばす『生(性)』のキラメキ。
その純なキラメキに全て持ってかれた。
全体のコントラストが素晴らしかった。

本当なら広がって
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RRR(2022年製作の映画)

3.5

ぉ、おなかいっぱい。。
濃ゆい!何もかも。

ぜんぶメインディッシュの
幕の内弁当を食べたようなサーカス気分。
(カルチャーショックと笑い)

暴力シーンが苦手なわたしには
バッドに入る程の血量や、
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17歳の瞳に映る世界(2020年製作の映画)

3.3

女性という生き物のサガと、
人間の奥の奥に潜む本能とか、
そこから派生する社会的なウズが
言語化できない痛みに溢れてた。

セリフも表情も削ぎに削いでいたので、
たまに見える笑顔と涙がすごく印象的。
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パメラ・アンダーソン、ラブ・ストーリー(2023年製作の映画)

3.0

イメージとか人が人に寄せる
認知ってば、ものすごく歪んでる。
私たちがスクリーンやSNSで見る
世界なんて、
めためた認知やん。
じぶんも含めて。

と、パメラアンダーソン、
すんごく自分があって素敵
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ちひろさん(2023年製作の映画)

2.8

うーん私にはこの監督の作風が
合わないのかなぁ。
誤解を恐れず言うなら、
有村架純のイメージビデオ的にも見えて
しまって、
途中で観るのを辞めてしまった。
もう少しパーソナルな核に迫るような
描写が好
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わたしたち(2016年製作の映画)

3.7

ため息が出たり、奥歯をグッと
噛み締めたり、ギリギリする映画だった。

女の世界は〜とか言うけども、
果たして人間社会という中では
避けて通れないこのイジワールド。

誰しも大なり小なり体験したことの
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バビロン(2021年製作の映画)

3.8

The酒池肉林・栄枯衰退、
豪華絢爛・リズミカルな3時間。

途中までストーリーがクリアにならず、
グロテスクな場面にぅ、となるも、
最後まで観て数日置いてみたら
オモロかったなぁ、と落ち着いた。
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あなたの名前を呼べたなら(2018年製作の映画)

3.7

心模様の移り変わりが絶妙だった。
自分と他者への
愛のボーダーレス。ええなぁ。
落ちのパンチラインが素晴らしい!

社会的な理不尽さと
永遠不滅な人間のゲノム的本能は
答えがなくて、言語化できないから
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ケイコ 目を澄ませて(2022年製作の映画)

3.8

コンバクトで濃縮還元な映画だった。
キャスティングが最高。
皆演技も素晴らしいし、
静なる狂気とラブな時間だった。

切り取り方がその世界を知ってる人だなって。
と思ったら原作がやっぱりあったんや。
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ヒューマン・ボイス(2020年製作の映画)

3.6

ティルダ・スウィントンの芝居よ。
ずっと観てられる。
一人芝居と美術と色とカメラワークが
秀逸すぎて。

愛と憎悪は同じ部屋。
生と死も同じ部屋。
その曖昧な境い目が絶妙だった。

たった30分だった
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ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー(2022年製作の映画)

3.9

唯一のMARVEL。
前作から続編があるなんて、
と、予告から込み上げていた。

新時代をあれこれ反映させていて、
ジェンダー的な側面も大満足。

他の作品を観てないので、
繋がりがよく分からないけど
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秘密の森の、その向こう(2021年製作の映画)

4.2

ハッとする映画。
私たちはいつも無意識に生かされている。
なーんも気付いていない。
けど、ぜーんぶ知っている。

人生の有限な時間や
個々の内に広がる壮大な
ストーリーの切り口、
見る側に委ねるおおら
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恋する惑星 4Kレストア版(1994年製作の映画)

5.0

やっぱり好き!!
昔に観たよりも私が大人になった分、
色々な感情が乗っかって大満足。

恋のファンタジーをこんなに
スリリングに大胆に、
ドリーミングに描けるのは
ほんとに天才。
大人の絵本の様な世界
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わたしは最悪。(2021年製作の映画)

4.2

一通り共感できる巡りを体験して
懲りずに13、いや20章を続けている
私から観たら、めちゃくちゃ愛おしい作品だった。

酸いも甘いも含めた、
最高も最悪も含めた、
出会いも別れも含めた、
生まれて死ぬ
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リコリス・ピザ(2021年製作の映画)

4.1

恋愛とユーモアの
旨味エキスを集めたこの感じ、
すごい好き◎

本能センサーがピコーン!
となってからのあれやこれや、
走る走るの疾走感。
スピード感溢れる
恋愛心ゴロゴロ凝縮還元映画だった。

設定
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ベイビー・ブローカー(2022年製作の映画)

3.6

この時期にこれを観て、
且つ自分の様々な過去を照らし合わせて、
昨夜ちょうど見たケンドリック・ラマーの
グラストンベリーのパフォーマンスの
最後の〆の言葉、

”Godspeed for Women'
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オードリー・ヘプバーン(2020年製作の映画)

3.7

考えたらオードリーヘプバーンの
作品を一本も観たことがなかったけど、
一人間としての
オードリーヘプバーンに興味津々で鑑賞。

選ばれし、愛と苦悩のチャーミンゲスト
(チャーミングの最上級)ファイター
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アンナの出会い(1978年製作の映画)

3.7

終始どことなく焦点が定まっていない様な、
虚ろでつぶらな瞳の中年?女性。
横顔のショットが多く、
その美しいラインの印象が強い。
唯一無二のダヴナーワールド。

これだけでインパクト十分なのに、
完璧
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オアシス(2002年製作の映画)

3.8

あぁしんど。
感情カロリー消費量半端ない。
色んな涙が出た。
恋の魔法の威力たるや…!
Everythingだよなって思い出す。
そして真実は2人の間にしかないよな
って思い出す。

障がいや社会の概
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ブリュッセル1080、コメルス河畔通り23番地、ジャンヌ・ディエルマン/ブリュッセル1080、コルメス3番街のジャンヌ・ディエルマン(1975年製作の映画)

5.0

こんなに旨味に溢れた
病みと闇な映画は初めて。
とあるシングルマザー主婦の
システマチックな日常のほぼパントマイム劇。
日常のattitudeが秀逸!
(特に肉をこねる、じゃがいもを剥くシーンが好き)
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勝手にしやがれ 4Kレストア版(1960年製作の映画)

3.7

ずっと独特の「気」を漂わせて
コロコロ転がっていく洒落た掛合いが、
キュートかつ男女の本質的な所を突いていて
ずっと面白かった。粋!
というか興味深い世界観だった。

言葉ってコミュニケーションで
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林檎とポラロイド(2020年製作の映画)

3.9

まるでポラロイドの中に入り込んで
イスに座って、
そこからある男性の生活を覗いている様な、
ポラロイド画角で進む、
悲劇のようで喜劇な
オリジナル性がとても高い映画だった。
長丁場な映画が多い中、
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カモン カモン(2021年製作の映画)

3.0

超不器用ピープルを
超器用に描いている、
とてもポエミー哲学な映画。

人間は感情の生き物である。
というのが最近の私のテーマだけど、
まさにその感情を大事に扱う様相が、
心地よい◎

本質的な繋がり
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