aiさんの映画レビュー・感想・評価 - 6ページ目

シティ・オブ・ゴッド(2002年製作の映画)

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2023年、125本目。

スラム街で生まれた子供達とギャングの終わりのない暴力と抗争の連鎖。
軽快な音楽とテンポで本来なら重苦しいはずの物語を軽く観られる娯楽作品となっているところがまた恐ろしい。
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フランシス・ハ(2012年製作の映画)

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2023年、124本目。

恋人より親友にべったり、行き当たりばったりで生きる女性フランシス。
空気の読めない発言や幼稚な行動が目立つが、道を走りながら踊っちゃうような、とてもチャーミングな彼女。
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私の知らないわたしの素顔(2019年製作の映画)

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2023年、123本目。

若い女の仮面を被りSNSで恋に落ちた中年女性クレール。
深い心の傷を抱えた彼女の顛末は悲しくも恐ろしい。
「大人だって弱いのよ、幻想でもいいから優しくされたかった」
大人の
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ある男(2022年製作の映画)

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2023年、122本目。

誰しも変えたくとも変えられない人生のルーツを背負って生きている。
偏見や差別、しがらみが複雑に絡む人間模様が濃密に描かれる。

ミステリー要素より人生の苦悩を描く描写に胸が
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キング・オブ・コメディ(1983年製作の映画)

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2023年、121本目。

共感性羞恥心が強い人は観られないかもしれないと思った。

コメディの才能があると思い込んだ男は妄想に取り憑かれ暴走していく。
狂っているとしか思えない行動の数々は一歩引きつ
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エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

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2023年、120本目。

すごく熱量が高い映画だった。
特に序盤、あれよあれよと動揺しつつもマルチバースに順応していくエブリンを見ているのは楽しかった。
色んなコスチュームやメイクのジョイも可愛い。
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BLISS ブリス(2019年製作の映画)

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2023年、119本目。

3ヶ月間も描けないスランプの画家、デジーは強烈なドラッグで絵のインスピレーションを得ようとするが、現実が幻覚かわからないくらい薬物に依存していく。

大音量の激しいヘビメタ
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ある女優の不在(2018年製作の映画)

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2023年、118本目。

見知らぬ少女から悲痛なメッセージと共に自殺を仄めかす動画が届いた女優は、真実を確かめるために彼女の住む村を監督と二人で訪れる。
イランという国の閉塞的な空気を車内の映像で見
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マッドゴッド(2021年製作の映画)

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2023年、117本目。

緻密に作り込まれたストップモーションの、グロテスクで無慈悲なディストピア。
細部まで作り込まれた世界は情報量が半端なくて、ひとときも見逃すまいと目を皿にして観た。

「JU
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カオス・ウォーキング(2021年製作の映画)

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2023年、116本目。

"ノイズとは露わになった人間の思考である。頭の中がむき出しの人間は、ただの生ける混沌(カオス)だ。-新世界の入植者-"

地球の汚染により人類が移住した惑星は男の頭の中だけ
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呪餐 悪魔の奴隷(2022年製作の映画)

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2023年、115本目。

前作に引き続き"こうなったら怖いな"をことごとく裏切らずに映像化してくれる丁寧なホラー。
それ故に想定外の驚きがない。
これまでの説明はあまりないので、まず前作を観るのが無
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悪魔の奴隷(2017年製作の映画)

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2023年、114本目。

「呪餐 悪魔の奴隷」を観たいが為にまずこちらを先に鑑賞。
ジメっとしたインドネシア産の王道ホラー。

あの手この手で観客を怖がらせる工夫が満載で素晴らしいが、良くも悪くも薄
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エヴォリューション(2015年製作の映画)

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2023年、112本目。

少年と女性しかいない島で行われる禁断の医療行為。それは果たして"進化"なのか?

とても静かで謎めいた物語だった。
与えられた情報から最大限に想像を膨らませる醍醐味がある。
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ナチュラル・ボーン・キラーズ(1994年製作の映画)

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2023年、113本目。

メディアにスターとして祭り上げられた殺人鬼のカップル、ミッキーとマロリー。
彼らが生まれながらの殺人者にならねばならないくらいの境遇は同情するが、殺人の正当性として"皆何ら
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モンスター(2003年製作の映画)

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2023年、111本目。

幼い頃にスターを夢見た少女は残酷な現実に打ちのめされ、やがて孤独なモンスターとなった。

あまりにも残酷な少女時代に、悪いのは彼女だけなのか?と思ってしまう。

眉を抜き、
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荊棘の秘密(2016年製作の映画)

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2023年、110本目。

父の選挙活動中に娘が失踪、娘の知らない一面と共に明らかになる事実。
親の無関心さ、身勝手さには呆気に取られる。
全てを知った上で前半を思い出すと沸々と怒りがこみ上げた。
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セルビアン・フィルム(2010年製作の映画)

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2023年、109本目。

なるほど、これは納得の胸糞映画だ。
中盤までの呑気な空気から一転、後半は畳み掛けるような怒涛の激しさ。
道徳や倫理なんて一切ない鬼畜の世界は天晴れ。
これほど反吐が出る結末
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ザ・ベイビー/呪われた密室の恐怖(1972年製作の映画)

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2023年、108本目。

家族に大人になる事を許されなかった哀れな男。
登場人物が皆狂っていて、"普通"の概念が揺らいでしまいそうになる。

ベイビーを見ていると大の大人が赤ん坊を演じる心境を考えて
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母性(2022年製作の映画)

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2023年、107本目。

原作小説読了済み。

親になっても中身まで成熟できる訳ではなく、未熟で身勝手な大人たちに振り回されるのはいつだって子供だ。

実に曖昧な"母性"という存在。
女が皆、母性を
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デリカテッセン(1991年製作の映画)

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2023年、106本目。

排他的で独特の世界観が癖になるブラックコメディ。
食糧難に陥った近未来、肉屋にはある秘密があった…。

細部まで作り込まれた映像、不気味で可愛い地底人、個性的なアパートの面
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ボーンズ アンド オール(2022年製作の映画)

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2023年、105本目。

人を食べるというマイノリティーが抱える孤独や生きづらさ。
常に疎外感を感じる安定とは無縁の生活。
同種は惹かれ合うが、皆が分かち合える訳ではない。
二人のロードムービーは美
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ライフ・オブ・デビッド・ゲイル(2003年製作の映画)

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2023年、104本目。

"信頼できない語り手"による告白をどこまで信じるか?

強姦殺人の罪で死刑囚となった男は死刑執行前の三日間、一人の女性記者を指名して取材を受ける。
男は無実だと主張するが…
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テリファー(2016年製作の映画)

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2023年、103本目。

ハロウィンに次々と人を惨殺するピエロに扮した男。
反撃をくらっても一切声を出さない主義を徹底的に貫き、時折見せるコミカルな仕草や表情も実に不気味。
警戒心ゆるゆるの女性の行
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サイレント・ナイト(2021年製作の映画)

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2023年、102本目。

あらゆる生物を死に至らしめる有毒ガスが世界中に蔓延する中、最後のクリスマスを祝う家族たち。
皮肉とジョークと気まずさの三点盛りで織り成す人間ドラマ。

自分なら人生最後の日
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17歳(2013年製作の映画)

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2023年、101本目。

17歳、まだあどけなさが残る少女イザベル。
初体験を済ませた彼女は何かに取り憑かれたように売春を繰り返す。

お金が欲しいわけじゃない、出会いからセックスまでの過程が楽しく
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フレンチアルプスで起きたこと(2014年製作の映画)

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2023年、100本目。

この映画を観た人は必ず想像するだろう。
"自分のパートナーはいざという時に一目散に逃げてしまう人間だろうか?"

妻と幼い子供達が危険に晒された時に、我先にと逃げ出す父親の
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嘆きのピエタ(2012年製作の映画)

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2023年、99本目。

目には目を、歯には歯を、そして絶望には絶望を。

孤独な借金取立て屋の男ガンドの前に母親を名乗る女が現れる。
最初はおかしな女だとあしらっていたガンドだが、女のあまりの熱意と
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運命は踊る(2017年製作の映画)

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2023年、98本目。

息子の戦死を告げられるシーンから始まる、静かでやるせない物語。

とにかく全ての映像が美しくて芸術的だった。カメラワークも絶妙で、どこを切り取っても絵になる。

心に×を刻ん
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ダーク・アンド・ウィケッド(2020年製作の映画)

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2023年、98本目。

終始邪悪な悪魔の手の中で弄ばれている感覚に陥る、不穏極まる物語。

"悪魔"は日本人にとって曖昧で不確かな存在で、"悪霊"の方を怖がる人が多い印象。
だが無神論者のこの一家で
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ラブレス(2017年製作の映画)

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2023年、97本目。

離婚の決まった夫婦。
お互いに新しい恋人がいて、どちらも一人息子を引き取ろうとせずになすりつけ合う。
そんな中、息子が行方不明になる…。

母親に愛されなかった哀れな女と無責
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スマイル(2022年製作の映画)

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2023年、96本目。

表情と行動の不一致は恐怖となる。
笑いながら死ぬという行為はまさにそれの象徴だろう。
「リング」や「イットフォローズ」を思い出す"伝染"そして"連鎖"。

誰にも信じてもらえ
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ニューオーダー(2020年製作の映画)

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2023年、95本目。

どんな残忍な殺人鬼より暴徒と化した"人間の集団"が一番恐ろしい。
観た後心が抉られてしばらく回復できそうにない。

華やかな結婚式からの地獄絵図は、思わず目を背けたくなる悪魔
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Mr.タスク(2014年製作の映画)

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2023年、94本目。

皮肉を皮肉で包んだようなシュールな物語。

人の不幸を嘲笑する悪趣味なポッドキャスターがセイウチを愛し悔いを残したままの老人と出会い、因果応報という巨大なブーメランを食らう。
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TITANE/チタン(2021年製作の映画)

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2023年、93本目。

"頭のネジがぶっ飛んだ"という言葉がこれほどおあつらえ向きの人物がいるだろうか。

事故で頭にチタンプレートを埋められた女と、幼い息子の死を受け入れられない男の出会い。
妄想
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グランド・ブダペスト・ホテル(2014年製作の映画)

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2023年、92本目。

まるで絵本のようにメルヘンな世界の中で繰り広げられるブラックコメディであり、サスペンス。

観終えると一冊の本を読み終えたかのような充実感と余韻があり、始終コミカルなのに哀愁
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レディ・マクベス(2016年製作の映画)

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2023年、91本目。

17歳の少女キャサリンが嫁いだ資産家の中年男は彼女に指一本触れなかった。
強かで負けん気の強い彼女が抑圧された結果、愛に溺れて罪を重ねる。

17歳でこの環境なら自分でもこれ
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