からざ11さんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

からざ11

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アンナ・マグダレーナ・バッハの日記(1967年製作の映画)

3.9

バッハに全然詳しくなくても楽しめる。冒頭チェンバロの超絶技巧は、現代のPC打ち込み音源もびっくりな細かな譜面で、もう300年も前に音楽はこんな風に演奏されていたのだと驚かされる。だんだんと引きになった>>続きを読む

メタリカ:真実の瞬間(2004年製作の映画)

3.8

スタジオでメンバーとマネージャーがもめている場面がたくさん。こんなのなかなか見られなくて面白い。マネージャーがいなくなると悪口を言ったり、家庭の事情を愚痴りあったりする。当たり前だけど、ミュージシャン>>続きを読む

殺人の告白(2012年製作の映画)

3.5

ジャージャー麺をぶつけるシーンが演技の演技だったとは。
韓国は復讐ものが多いのかな?

事件自体は残忍だし、恐ろしいのに、意外とサラッと描かれていて、見てるこちらはワイドショーを見てる気分。そこが狙い
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オルフェ(1950年製作の映画)

3.3

鏡の演出が美しいモノクロ映画。時代のせいか登場人物に共感はできないが、当時の新たな試みがたくさん見られるのは楽しい。

セノーテ(2019年製作の映画)

3.7

天地が揺らぐ、身体が重力の方向を求めて、目がさまよう。水の美しさ以上に、重力にやられて途中映像酔いをしてしまった。が、こんなに身体が反応してしまう映画体験は初めて。
マヤ演劇のセリフや、セノーテにまつ
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鉱 ARAGANE(2015年製作の映画)

3.8

光の届かない場所へ毎日降りていく炭鉱夫たち。防塵マスクなんて誰も着けていない。轟音と細いヘッドライトが交錯する中で、悪態をつきながらツルハシを振るう。仕事でケガをしてガリガリになってしまった同僚の話、>>続きを読む

ゾンビ/米国劇場公開版(1978年製作の映画)

3.8

いわゆるゾンビのイメージそのまま。子どもの頃は怖かったけど、今見ると、この映画はみんなで楽しく撮ったんだろうなという印象の方が強い。青ざめたメイクや歩き方など、ゾンビ役の人たちからは喜びが感じられる。>>続きを読む

ハッピーアワー(2015年製作の映画)

4.5

幸せな時間、のその後の話。誰かと住むことや結婚が人生のゴールではないし、家族が増えてからもそう。その先も生活は続く。夫でも妻でも他人であることに変わりないから、一緒に生きていくことはいつでも危ういバラ>>続きを読む

ヴェラ・ドレイク(2004年製作の映画)

4.2

ヴェラの心は黄金、いや、ダイヤモンド。孤独な老人を見つけると目をかけてお茶をいれに行ってあげるし、朝からパンと牛脂しか食べていないという若者がいれば家に招いてシチューをごちそうしちゃう。ヴェラがいれば>>続きを読む

スパイの妻(2020年製作の映画)

3.8

蒼井優、怪演。心底嬉しそうに夫と買い物をする笑顔と、「お見事!」と悲痛に笑いながら倒れる様の両方を見るためだけにでも、この映画を観る価値はある。
金庫を開ける音、無音からの低い低音などなど、音の引き算
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バーニング 劇場版(2018年製作の映画)

3.8

人生の中で出会いたくない、どうしようもない悪意に翻弄される。悪意はきれいな顔をして、スマートに暮らしている。

彼女が夕暮れの中で踊るシーンが美しかった。それが少しラストシーンと重なる。

実在しなか
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四川のうた(2008年製作の映画)

3.9

ポストカードにしたくなるような画がたくさん。ドキュメンタリーなのかフィクションなのか分からず見ていたが、混ざり合ったものがこの映画だったようで、結果的に1番おいしい見方ができた。
人々の台所や寝床、か
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サスペリア(2018年製作の映画)

4.5

ホラーを見尽くしている友人が「これが1番怖かった」という前置き付きで貸してくれた映画。ダンスシーンがこれほど怖いのは確かに…踊りの美しさと相まって、同時に起こる出来事に震える。ティルダ・スウィントンの>>続きを読む

イカとクジラ(2005年製作の映画)

4.2

作家である両親と2人兄弟の物語。みんなちょっとずつ歪んでいて、不器用に毎日を生きているから愛おしい。この監督の作品には、もっと若い頃に出会いたかったなあ。

ケス(1969年製作の映画)

4.1

最高でひた…
目にいっぱい涙ためて泣いちゃう下級生とか、審判やりながら超横暴な体育の先生とか、みんななんでこんなちゃんと人間くさいんだ!少年の裸姿とか動物の扱いとか、今は撮れないものが多くて、この生々
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ダーク・スター(1974年製作の映画)

4.1

宇宙船でダラダラする乗組員。手足と動きだけで感情を表現するエイリアン。哲学的なAIたち。妙な人間くささと物語の伏線回収で、当時のSFのチープさなんか吹きとばして、最高に美しいラストに見せてくれる。音楽>>続きを読む

恋人たち(2015年製作の映画)

4.1

投げやりなゲイの弁護士とか、恋人が通り魔に殺された青年とか、苦しくて泣けてくる。
パートの彼女は弁護士と青年とはどこで絡んでいたんだろう。青年の先輩で、右腕の無い彼がいい感じ。程よい距離感で青年を支え
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エンゼル・ハート(1987年製作の映画)

3.6

音楽の心象風景が美しい。ブードゥー教の音楽?効果音もノイズぽくてすてき。水と空の映像が印象的。
夏でも冬でも海辺にいる夫婦のシーンが最高。
動物も多様されているし、撮影は大変だったろうなあと思うけれど
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運動靴と赤い金魚(1997年製作の映画)

4.0

あまり笑わないイランの子どもたちが、ふっと笑う顔がみんな可愛い。
主人公の少年は泣く直前の表情が最高。応援したくなる。マラソンのシーンももちろん。小憎たらしい他の中流階級の子どもたちと母親。
日本の文
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アレノ(2015年製作の映画)

4.2

やっと観られた『アレノ』。思っていたよりファンタジーと言うか、夢現で演劇的な映画。3人の言葉やら、夫の母の様子から、過去をぎゅーっと想像してしまう。
こぼれたお酒を、ずぶ濡れの夫が拭く場面は笑えた。
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カルメン故郷に帰る(1951年製作の映画)

3.9

日本初のカラー映画。浅間山の麓に映えるカルメンたちの衣装が鮮やか。音楽もいい。運動会は今でも生演奏にすればいいのに。
踊りの場面からラストへの構図が美しい。カルメンたちの足の隙間から見える観客の顔った
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