風ノ助さんの映画レビュー・感想・評価

風ノ助

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アントワーヌとコレット/二十歳の恋(1962年製作の映画)

4.0

17歳になったアントワーヌ・ドワネル
更生してレコード工場で働いている
製造工程が見られるの嬉しい
悪友ルネとの親交も続いている
一途な初恋を描いているが何より彼がちゃんとした生活をしていてよかったと
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大人は判ってくれない(1959年製作の映画)

4.0

アントワーヌは学校では先生に目をつけられいつも罰を与えられる
家に帰れば課題よりも家の事をしてと母親に言われる
状況は全然違うけど『友だちのうちはどこ?』を思い出す
子どもから見た大人は本当に自分勝手
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危険なプロット(2012年製作の映画)

4.0

高校教師のジェルマンは受け持ちの男子生徒クロードの書く「週末をどう過ごしたか」という課題作文の内容に魅了される
ジェルマンも彼の妻も観ている私たちもクロードが綴る虚実入り混じった世界に惑わされ続きが気
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テオレマ(1968年製作の映画)

4.0

いつの間にかするりと家に入り込んできた青年の性的魅力に取り憑かれ次々と体の関係を持ってしまうブルジョワ一家
彼が去った後一家は崩壊する

本人が何もしなくても関わった人の闇の部分が炙り出され破滅してい
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13回の新月のある年に(1978年製作の映画)

4.0

エルヴィラは究極の寂しがり屋さん
好きな男ができて妻子を捨て性転換手術を受けるがその人と付き合えない
新しい恋人にも捨てられる
性欲も上手く処理できない

劇中いろいろな人と出会う
対話するのではなく
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ラ・ポワント・クールト(1955年製作の映画)

4.0

別れ話をするために夫の生まれ故郷の漁村へやって来た夫婦の物語とドキュメンタリーのような漁村の物語が交わることなく並行して描かれている

ストーリーは特にないので夫婦の哲学的な会話や独特な構図、音楽の組
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画家と庭師とカンパーニュ(2007年製作の映画)

4.0

パリで暮らしていた画家が妻と上手くいかなくなって田舎に戻ってくる
そこで雇った庭師は一緒によくイタズラをしていた幼なじみだった

二人はすぐに子どもの頃の気持ちに戻ってずーっと喋り続ける
二人の会話が
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さらば、わが愛 覇王別姫(1993年製作の映画)

4.5

近代中国激動の時代に京劇という特殊な環境下で育った蝶衣(ティエィ)は共に育った小楼(シャオロウ)へ想いを寄せる
虚構の世界の中でしか生きられなかった蝶衣と現実にいる女性菊仙と結婚してしまった小楼はすれ
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ノベンバー(2017年製作の映画)

3.5

エストニアの貧しい村では悪魔と契約して魂を吹き込まれた生活用具で作られた“クラット”を使って互いの物を盗みあって生活している

精霊や人狼がいたり死者が戻ってきて家族と食事したり魔法が使えることが当た
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八月の鯨(1987年製作の映画)

4.0

小さな島の海辺の別荘で鯨が来るのを楽しみに夏の間毎年やって来る老姉妹
家の掃除をして庭の花を摘んで飾り外で絵を描く
姉の方は視力が失われているけど二人で海岸まで一緒に散歩して鯨を探す
お客様を迎えると
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スパイの妻(2020年製作の映画)

4.0

昨日テレビで東京裁判のドキュメンタリーを観ていて、日本の戦争犯罪を扱いながらエンタメ作品に仕上げたこの映画を思い出した
劇場で観た後地上波でやってたのを2回観ました
プロットを考えた濱口竜介と野原位は
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木靴の樹(1978年製作の映画)

4.0

タイトル、ジャケから靴をめぐっての少年の物語を想像していたら、貧しくとも堅実に日々を過ごしている小作農家の日常をドキュメンタリーのように淡々ととらえている映画でした
木靴の樹はその中の一つのエピソード
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殺しが静かにやって来る(1968年製作の映画)

4.0

雪に覆われた街、声が出せないからセリフゼロの主人公、法に従う悪党、有色人種のヒロイン、見たことない銃、意外な終わり方

いろいろと想定外のマカロニウエスタンだった
法に守られた権力者が普通の人たちを犯
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キンスキー、我が最愛の敵(1999年製作の映画)

-

キンスキー面白い
あんなにイカれた猛獣を使いこなしたヘルツォーク監督すごいなぁ

監督は自然相手の過酷な撮影状況に加え彼が奇行を繰り返すのでどんなに苦労したかを真面目な顔で、時々笑いながら語る
反面彼
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アギーレ/神の怒り(1972年製作の映画)

4.0

『フィツカラルド』に続いてアマゾン過酷ロケの映画を観る

伝説の黄金郷を求めてアマゾン奥地を探索するスペイン人の一行が破滅に向かっていく物語

目の錯覚かと思うような断崖絶壁を下っていく長い列
濁った
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清作の妻(1965年製作の映画)

4.0

家族を支えるために身を削ってきたお兼
天涯孤独となり村八分で寂しい思いをしているお兼に優しくする村の英雄、模範兵清作
当然惚れてしまうよね
清作もお兼の匂い立つ色香にやられてしまう

清作が徴兵される
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ファニーとアレクサンデル(1982年製作の映画)

5.0

スウェーデンの富裕なエクダール一家の1907年から2年間の物語

プロローグは誰もいない大邸宅で遊んでいる10歳のアレクサンデルが不思議なものを目撃する場面から始まる
もうこれは大好きになる予感しかな
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日の名残り(1993年製作の映画)

4.0

英国名門貴族ダーリントン卿に執事としての品格を重んじながら忠実に仕えてきた人生を回想していくスティーブンス
厳かだけど音楽のせいでなんとなく不穏な感じがする

語りの途中から、忠誠を尽くしてきたけれど
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悲しき天使(1991年製作の映画)

-

レニングラード・カウボーイズのプロモーションビデオ

Valimo(2007年製作の映画)

-

4分のショートフィルム

工場労働者たちが仕事を終え映画館へ行き受付にチケットを渡す
もぎりのおじさんが帽子とコートを脱いで映写機をまわす
労働者たちは軽食を摂りながら『工場の出口』を鑑賞する
もちろ
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白い花びら(1998年製作の映画)

4.0

始まりは幸せそうな田舎暮らしの夫婦の日常
ある日都会からやってきた中年男が何も知らず幸せだった妻に不安の種を植え付ける
すれ違っていく夫婦の価値観
悲劇へと向かっていく運命

悲劇の中にもかわいらしさ
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ラヴィ・ド・ボエーム(1992年製作の映画)

4.0

お金はなくても芸術家として生きていく3人の若くはない男たち

オレは家具を持ってない、オマエは家が無い、一緒に暮らそう

奢ってくれるなら条件がある、コーヒーとつまみは私が払おう

お金がなくても女に
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祇園囃子(1953年製作の映画)

4.5

まだ若く世間知らずでちょっと生意気にも見える榮子は母を亡くし芸妓の美代春を頼ってやって来る
一年経ってお座敷に上がるようになった頃、榮子を襲ってきた客を怪我させてしまいお座敷から干されてしまう
保護者
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ブルジョワジーの秘かな愉しみ(1972年製作の映画)

4.0

ストーリーはなくいくつかの説話から成り立っていて、夢の話をしたり、後になって実は夢でしたという話も入り混じってだから何みたいなよくわからない内容でした

各話に共通してるのは6人のブルジョワジーがいつ
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銀河(1969年製作の映画)

4.0

浮浪者二人が聖ヤコブの遺骨が発見された教会を目指して巡礼の旅をする物語

二人は旅の途中で神の存在や教義について議論する人たちを多数目撃する
何故か時空も超えて中世の異端審問やイエスと弟子たちも登場し
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ジャンゴ 繋がれざる者(2012年製作の映画)

5.0

『続・荒野の用心棒』を観たら観直したくなったタランティーノのジャンゴ
元祖ジャンゴは棺桶を引き摺り人種差別主義者を敵とし、今作のジャンゴは鎖を引き摺り黒人奴隷制度そのものを敵とする
オープニングの引用
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マンディンゴ(1975年製作の映画)

4.0

南北戦争の20年前、白人の牧場主は黒人を交配させ売買していた
中でも『マンディンゴ』種は美しく強い肉体を持つ最高品種
牧場主が種馬のように扱っているのは息子の嫁に対しても同じで女性蔑視も描かれている
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続・荒野の用心棒(1966年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

泥の中棺桶を引き摺る後ろ姿にキャッチーな耳に残る音楽、始まってすぐに心つかまれました
理屈じゃないかっこよさ、頭の中でずっとジャンゴ〜♪って歌ってます

孤高のジャンゴがメキシコ国境近くで二大勢力と闘
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ショーイング・アップ(2023年製作の映画)

4.0

オレゴン美術工芸大学で母親のアシストとして働きながら彫刻制作をしているリジー
制作することを仕事があるのって訳してたけどまさにそんな感じだった

大家であり隣人のジョーに怪我をした鳩を押し付けられたり
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彼は秘密の女ともだち(2014年製作の映画)

3.5

大好きな女友達のローラが亡くなり生きる気力を失いかけていたクレール
愛する人の喪失から立ち直らせてくれたのはローラの夫ダヴィッドだった

冒頭のローラの納棺、少女時代の回想シーンが美しくてとても好きで
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8人の女たち(2002年製作の映画)

4.5

1950年代のフランスでタイプも世代も違う8人の女たちが集まったお屋敷で密室殺人事件が起きる

8人のゴージャスな女たちが素敵な衣装を着て罵り合って絡み合って突然チープなミュージカルが始まるんだけどみ
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ライフ・イズ・ミラクル(2004年製作の映画)

4.5

「クズのための誰かの戦争、我々のではない戦争のために死んでたまるか」
このセリフにクストリッツァの怒りが凝縮されてるようでした

戦争なんて理不尽なものは笑いで吹き飛ばそう、敵味方民族宗教の違いなんて
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赤線地帯(1956年製作の映画)

4.0

赤線地帯とは戦後公認で売春が行われていた地域のこと
家族を支えるため、生きていくために体を売る女たちの群像劇

かなり重いテーマだけど湿っぽい情なんか絡めず淡々とした目線で描いている
上手く男から金を
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山の焚火(1985年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

人里離れたスイスの山中で他人と関わらず自給自足で暮らす一家
姉弟は学校にも行かず暮らしを助けて働いている
耳が不自由な弟は思春期を迎え苛立つエネルギーをどこへ向けていいのかわからず父親は彼を持て余して
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