ジジョさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

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EO イーオー(2022年製作の映画)

3.0

ロバだった。ロバは、ずーーっとロバだった。

奴隷扱いされたり、神扱いされたり、その価値を第三者に勝手に決められるけど、ロバはずっとロバ。何も変わっていなかった。

人は見たいものをみる。
EOは本当
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ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3(2023年製作の映画)

4.0

GotGシリーズ未見。こんな私すら一人ぼっちにしない包容力☆
映画に関わった全員の愛が溢れていた。公開初日初回の劇場の空気感も含めて最高の映画体験。

はみ出し者たちだけでなく、名もなき人にも想いを馳
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ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー(2023年製作の映画)

4.2

ゲームをプレイすることこそが素晴らしい経験!というメッセージ。「ゲーム」というものが持つ性質そのものが映画のテーマだった。

状況をありのまま受け入れ、トライ&エラーを繰り返しながら自分なりの方法を駆
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テトリス(2023年製作の映画)

4.1

ビジネスはゲームみたいだな。持ってるアイテムと情報を駆使して進んでいく。リセットができない現実はよりスリリングで恐ろしいけれど、それを突破できる人だけが掴む成功があるのだろうな。

改めてゲームボーイ
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レッド・ロケット(2021年製作の映画)

4.1

開始1分でわかる主人公の「いいクズ」感。それに絡む全員どうしようもない人たちだった。

彼らのダメさの根底にあるものは「社会」でもあって、その土台となる「国」の未来を決める出来事が背景に流れるけれど、
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AIR/エア(2023年製作の映画)

4.2

与えられた案件を形式的に処理していくのは「業務」で、達成までの方法を生み出していくことが「仕事」だと思っている。「仕事」が好きだし、そういうことを日々やりたい!というモチベーションが刺激された☆

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聖地には蜘蛛が巣を張る(2022年製作の映画)

3.3

鑑賞後も被害者たちの苦しい姿がこびりつく。
あれは明日の私かもしれない。という思いにはやっぱりなる。自分になんの落ち度がなくても、憎悪を向けられ巻き込まれる世界に私たちは生きている。という現実をあらた
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セールス・ガールの考現学/セールス・ガール(2021年製作の映画)

3.4

「わたし」という不自由さを自覚して、手探りで「わたし」を探り当てる時間は、もどかしくて時には苦しいけれど、それこそが自分を自由にすることのような気がする。

夜の街は世界の広さと深さを教えてくれるな。
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ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい(2023年製作の映画)

3.8

ありのままの感覚があれば、今の世の中を傷つかずに生きていくのは困難で、これだけ「生きづらい」と感じている人が多いのはむしろ当たり前のことのような気がする。社会も変わるべき。

「全然大丈夫じゃない」と
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妖怪の孫(2023年製作の映画)

2.5

安倍政権の出来事ダイジェスト。アレもコレもあったよね。。そのひとつ一つを浅いところまでしか掘らないのはわざとなのか、できなかったのか。。もっと深く知りたい話もいくつかあったので消化不良感。
前作同様の
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ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り(2023年製作の映画)

3.9

シンプルなRPGは私の人生のバイブル。生きるために必要なことは全てRPGから学んだ☆
D&Dはプレイしたことないけれど、映画は昔懐かしい空気感が漂っていて、RPGの世界観が詰まった「冒険!」だった。最
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ノック 終末の訪問者(2023年製作の映画)

4.0

もう、人間を主軸で考える世界は限界なのかもしれない。こんな世界なら一度滅んでみたらいいんじゃないか?とさえ思う。
「自分の今」が脅かされないことに無頓着なのは人の常。実際は、私たちは日々世界が滅びるか
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ガール・ピクチャー(2022年製作の映画)

3.8

洋服も小物も髪型もメイクも全部!全部!かわいい☆

自分がよくわからなくて、暴走しちゃったり、一歩も動けなくなったり、その時は焦ってしまうけど、今思えばそのトライ&エラーは、ひとつも無駄ではなかったと
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ダークグラス(2021年製作の映画)

3.5

血と音楽と叫び声が景気よし☆
「え?なんで?」なのは人間だけかと思いきや、犬と蛇もてんやわんやで、街中から森まで逃げ回り、とにかく盛りだくさん。

視力を失っても、親を失ってもたくましい人間力。あっさ
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赦し(2022年製作の映画)

2.7

どこの国かわからない不思議な空気感。お父さんが見ている悪夢を一緒に見ているようだった。

「赦す」とは、罪や過失を咎めないことにすること。
その行為には、未来への希望が垣間見えるように思えて、このタイ
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The Son/息子(2022年製作の映画)

3.4

愛はなんてやっかいなんだ。万能のようなかおをして万能じゃない。
「愛していない」ということが罪のように叫ばれても、その愛はあなたが欲しいものの抽象で、きっと欲する本人も何を「愛」としているのか理解して
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トリとロキタ(2022年製作の映画)

3.2

お父さんが市場で買ったネズミをネコが食べて、そのネコをイヌが噛んで、そのイヌを棒で叩く。。。
劇中の歌そのままだった。きっと棒を持つ人も社会的な立場の弱い人なのだろう。

2人はそういう状況になるし、
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エスター ファースト・キル(2022年製作の映画)

4.8

またエスターに会える!というだけでも嬉しいのに、軽々と前作を超えてきた!
こんなかたちで前日譚を語るとは天才か☆音楽のチョイスも最高か!

まさか「エスター頑張れ!」って応援する日が来るなんて思わなか
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コンペティション(2021年製作の映画)

4.5

いちいち構図にジワり、「なにそれ」展開と独特なテンポにずっとニヤける。

プライドとかこだわりとか、得た賞賛の数とか、小さい世界で小さいものを比べながら生きてるおかしみ。
その、どうしようもなさはわた
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長ぐつをはいたネコと9つの命(2022年製作の映画)

4.0

コレが最後だと思うと大事にするよね。
何度もやり直せる時でも、本当はひとつひとつを丁寧にできたらいいけど「なくしてわかるありがたさ」は永遠のテーマ。

擬人化されすぎない動物と、CG過ぎないアニメに、
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モリコーネ 映画が恋した音楽家(2021年製作の映画)

4.0

ずーっと映画音楽。お酒でも飲みながらゆったり観たい至福の時間だった。

音から見えてくる風景が、実際の映像を凌駕する。きっとそれができるのはモリコーネの圧倒的なチカラなのだろう。彼のキャラクターとその
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フェイブルマンズ(2022年製作の映画)

3.2

表現をすることはいつでも怖い。それでもやるのは自分の業なのかもしれないけれど、そこに誰かの幸せもあって欲しいといつも願う。

自分が生み出したものは、意図しない形で何かに影響を与えることもあって、それ
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Winny(2023年製作の映画)

4.1

ギタリストは音楽で語り、ダンサーは踊りで語る。プログラマーにとってはコードが言葉であった。彼が作ったシステムは世界へのメッセージ。
やっと見つけた彼らの「言葉」を、こんな形で奪わないで!と思って泣いた
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原発をとめた裁判長 そして原発をとめる農家たち(2022年製作の映画)

3.5

裁判長は「原発がある世界のデメリット」を提示して戦い、農家は「原発が無くても良い世界」を提示して戦っていた。

同じ未来を見ていても、戦い方はいくつもある。

実現可能な世界を提示することで、その明る
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エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

4.6

小さな部屋にいても意識の中では無限に世界が広がっている。「この世界」しか無いと思うことはとても窮屈で、たくさんのバースを行き来するけれど、それでもやっぱり全ては「私」で、いま小さな部屋にいる私は究極の>>続きを読む

マジック・マイク ラストダンス(2023年製作の映画)

3.9

コミュニケーションとしてのダンス。
言葉や文字ではないものから受け取ったことが自分にとっては真実で、なによりも信じられるものだった。

きっと最初は自分の為で、誰かの為であることは世界と交わる事で、そ
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ちひろさん(2023年製作の映画)

2.0

「孤独」=「1人」ではない。

たくさんの人と過ごしていても、愛されていると感じても、誰かを大切に思っていても、ひとはいつでも「孤独」。あるひ「孤独」を受け入れた時に楽になれたのカモ。
全部は分かり合
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別れる決心(2022年製作の映画)

4.4

奇妙なビートの音楽聴いてるみたいだった。
時々入るヘンな合いの手のような味わい深い映像もいいリズムだったし、カメラワークもグルーヴ感☆物語も精神的にグロくて低音効いてる感じだった。

映画館で観るべき
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コンパートメントNo.6(2021年製作の映画)

2.5

「過去を知れば現在を容易に理解できる」という受け売りの言葉は空回る。「見たことしか私にはわからない」という言葉は、彼女の中にしっかりと根を張っていた。

登場人物の過去や素性は語られないけれど、みんな
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いつかの君にもわかること(2020年製作の映画)

3.4

自分以外の人生を幸せにする選択は難しい。他者の人生はその人のもので、選択を幸せに導くのは本人で、幸せとは何かを決めるのも本人。だとしたら、自分にはなにができるのか。。

その答えが出なくても、きっと父
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バンバン!(2014年製作の映画)

4.0

世界各地の風景を背景に、たくさんの服をお着替えしながらウェディングフォト撮るカップルみたいだった。

ノリのいいインド料理屋のモニターからずっと流れてくるような音楽と映像。「なんで!?」なシーンは笑っ
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崖上のスパイ(2021年製作の映画)

3.5

雪だった。ずーーーーっと雪だった。
とにかく雪が降っていた。

誰が味方か、誰が誰だか見失うけど、「混乱」がそのまま物語の混沌だった。

真っ白な雪と、黒装束の人たちと、真っ赤な血。色を失った世界は冷
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対峙(2021年製作の映画)

4.1

6年という歳月は心を癒すには短すぎるし、苦しむには長すぎる。

悲しみが癒えるには段階があって、相手を赦さないことで自分を守る時もあれば、赦すことで自分を悲しみから解放できる時もあるように思う。

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呪呪呪/死者をあやつるもの(2020年製作の映画)

2.7

テレビドラマからのスピンオフだったとは!

グレー集団の身体能力の高さは好き☆見ていて気持ちの良い動き満載で、群舞を見ているようだった。

「謝る」ことのできない権力者たちはどこの国でも同じ。全部ゾン
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エゴイスト(2023年製作の映画)

3.9

「ファッションは武装、このブランドが私を守ってくれる」
その通り過ぎて、秒で泣いた。

これまで出会った彼や彼女たちの顔が思い浮かんだけれど、この物語は、今ココで生きているみんなの物語でもあった。
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バビロン(2021年製作の映画)

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たくさんの登場人物たちのワイワイ☆ガチャガチャ!をもくもくと観ていたら188分が長かったような、そうでもなかったような。

人は大きな時代の波のうねりの中で時に流され、浮上しては沈み消えていく。流転す
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