keith中村さんの映画レビュー・感想・評価 - 6ページ目

keith中村

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七小福(1988年製作の映画)

5.0

 私の持論は、「映画は予備知識を持たずに観るのがいちばんいい」なんだけれど、中にはそうとも言い切れないものもあって、本作もそう。

 本作は、サモ・ハン・キンポーとジャッキー・チェンとユン・ピョウが少
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オクトパスの神秘: 海の賢者は語る(2020年製作の映画)

4.5

 どっひゃあ。これは物凄く変化球に見えて、実は直球ストレートのラブストーリーだわ!
 原題は"My Octopus Teacher"だけど、どう考えても"Octopus, My Love"が似つかわし
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密航者(2021年製作の映画)

5.0

 いやぁ、参った!
 これはSFファンとしては、高評価せざるを得ない記念碑的な作品ですよ。
 なにがって、「方程式もの」がきっちり映画化されたのって、映画史上初めてじゃないですか?
 
 本作は広義に
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名探偵コナン 緋色の弾丸(2021年製作の映画)

5.0

 去年の冬に予告篇を見て、「あ、やっぱ今年は東京オリンピックものなんだ」と思っていると、あれよあれよとコロナ禍の世の中になってしまい、オリンピック延期が確定してしまった。
 「ああ、コナン可哀想。せっ
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ザ・スイッチ(2020年製作の映画)

4.5

 期待通りに面白かった。それは事実。
 ただね。これは自分勝手で贅沢な気持ちなんだが、「期待を軽々超えてくる」ことも期待してたわけさ。
 だから、ほぼすべて想定範囲内で、「おーっ、そう来たか~!」って
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ヘイト・ユー・ギブ(2018年製作の映画)

5.0

 こんなにも素晴らしい映画なのに、日本では劇場公開しなかったんだな~。
 
 主人公スターの父親が経営する"Carter's Grocery"の前にある通りの標識が、劇中ではたびたび映される。
 そこ
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シン・エヴァンゲリオン劇場版(2020年製作の映画)

5.0

 テレビシリーズのエンディングが「田園に死す」で、本作は「幕末太陽傳」。
 というか、「幕末太陽傳」では実際にそのシーンは撮影されてないんだけれど、川島雄三ファンならみんな自分の脳内であのシーンは映像
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私というパズル(2020年製作の映画)

4.0

 オスカー候補作がこれほど多く、劇場に足を運ばずとも自宅で鑑賞できるのは、コロナ禍のせいなのか、Netflixの質が高いせいなのか。
 
 イメージやメタファーを映像化することに対して、非常に叮嚀に作
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あのこは貴族(2021年製作の映画)

5.0

 今年劇場で観た邦画では、「私をくいとめて」に並ぶ大傑作。

 鑑賞中にざっくり捉えた構造としては、「『細雪』なのかと思っていたら、ダイアン・キートン視点で描かれた『ゴッド・ファーザーI・II』だった
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わんわん物語(1955年製作の映画)

5.0

 本作でいちばん有名なのはレイディとトランプがスパゲッティを両端から啜るシーン。
 「シャークネイド」でもオマージュがあったよね。
 ま、あっちは2匹の鮫が人間の腸を両端から喰ってたけどね(笑)。 
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ミツバチのささやき(1973年製作の映画)

5.0

 「中村さん、ビクトル・エリセって知ってますか」
 今日、仕事場で、いきなり背後から質問された。
 振り返ると、となりの部署の若手である。
 「えっ、『ミツバチ』と『エル・スール』の?」
 そう言うと
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ラジオの恋(2014年製作の映画)

5.0

 偶然の出逢いだったけど、実にいい映画に当たりました。
 
 今日はちょっと仕事が遅くなって、「帰ってから映画一本観ると寝るのが遅くなるなぁ」と思いながら帰ってきたのです。
 帰り道、イヤフォンで聴く
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湯を沸かすほどの熱い愛(2016年製作の映画)

5.0

 本日、3度目の鑑賞をしたので、2017年5月22日の初見時の感想をFacbookから転記。

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 ここ福岡では劇場にかかってくれ
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罪の余白(2015年製作の映画)

3.0

 最近はサイコパスな犯罪者を扱うクライム映画が非常に多いんだけど、本作はマキャベリストによる犯罪を描いている。
 そこが何よりの美点。というか、希少価値。
 最近だとほかに何があったっけ? と考えるけ
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赤い航路(1992年製作の映画)

5.0

 昨日「告白小説、その結末」をレビューしたので、今日はそのつながりで本作。
 
 ポランスキーは、「不安」を映像化する作家で、しかも彼の描く不安は常にニューロティックなもの。
 昨日のレビューでは、ポ
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告白小説、その結末(2017年製作の映画)

5.0

 ラスト近くの「種明かし」の台詞まで、「そっちのオチ」とはまったく思ってなかったので、ポランスキーの計算通りに掌の上で転がされつづけたということです、はい。
 言い換えると、いちばん楽しめる種類の観客
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ブリス ~たどり着く世界~(2021年製作の映画)

5.0

 マイク・ケイヒルの作品を観るのは「アナザー・プラネット」「アイ・オリジンズ」に続いて3本目。
 前2作は大傑作だと思ってるし、「おかしな映画を作る人だなあ」と注目していたので、Amazon Stud
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ラ・ジュテ(1962年製作の映画)

4.5

 私の知り合いのある映画ファンの女性は、映画の「表ベスト」と「裏ベスト」を持っている。
 「表ベスト」というのは、ライトな映画ファンと話す時に使える「無難なベスト」で、「裏ベスト」は、一般人に通じるか
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噂の二人(1961年製作の映画)

5.0

 最初に観たのは、もう35年くらい前。
 オードリーとシャーリーの主演で、「噂の二人」なんてお洒落とも解釈できる題名なので、アゲアゲでノリノリな(などという言い回しはまだなかったが)二人のイカした(な
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僕たちの嘘と真実 Documentary of 欅坂46(2020年製作の映画)

5.0

 もちろん「欅坂46」というグループの名前は知っていたけど、「響 -HIBIKI-」で見た平手友梨奈以外のメンバーはまったく知らない。それでも本作の評判が高いので、「じゃあ、唯一知ってる平手友梨奈を取>>続きを読む

ザ・ファイブ・ブラッズ(2020年製作の映画)

5.0

 ちょっと、スパイク・リー、どうしちゃったの?!
 この映画、面白過ぎるよ!
 
 いや。スパイク・リーの映画は面白いに決まってるんだけれど、本作は面白いの方向性が全然違うんです。
 なんていうかな。
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江ノ島シネマ(2019年製作の映画)

4.0

 「阪急電車 片道15分の奇跡」に似ているんだけれど、もっと近いのは、アジカンの「サーフ ブンガク カマクラ」。
 鵠沼・江ノ島・稲村ケ崎・極楽寺・由比ヶ浜・鎌倉の6駅もすべて「サーフ ブンガク カマ
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THE BEATLES/マジカル・ミステリー・ツアー(1967年製作の映画)

5.0

 ビートルマニアなら、面白かろうが面白くなかろうが、そんなこととは関係なく押さえておきたい一本。
 
 いわゆる「まともな映画」として評論することが難しい作品なんだけれど、いちおう理屈っぽく書くと、「
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ウィッカーマン(2006年製作の映画)

4.0

 ラジー賞5部門受賞ってことで、どれだけ酷いか覚悟して観たんだけれど、結構楽しめましたよ。はい。
 いや、もちろん、あくまでハードルを下げた状態で観たからなんですがね。
 
 オリジナルを知ってて観る
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スペース・スウィーパーズ(2020年製作の映画)

5.0

 Netflix、相変わらず恐るべし。そして、韓国映画、相変わらず恐るべし。
 ハリウッド映画以外では成功例がほとんどない「スペースオペラ」というジャンルに勇猛果敢に挑戦し、きっちりとホームランを打っ
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マ・レイニーのブラックボトム(2020年製作の映画)

5.0

 「ヴィオラ・デイヴィスの出る映画に外れなし」伝説をさらに補強する一本。
 チャドウィック・ボーズマンの遺作なんだけれど、はぁ……、まあ何と重苦しくて骨太な傑作なんだ。
 「あとは任せたからな! ちゃ
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窮鼠はチーズの夢を見る(2020年製作の映画)

-

 本作は、採点なしでレビューさせていただきます。

 偏見なしに見ようとすればするほど、凡庸なメロドラマにしか見えなくなってくる作品。
 つまり、成田凌の役を女性に置き換えて考えると、恋愛以外は何も描
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戦場のメロディ(2016年製作の映画)

5.0

 コード進行が同じな、別の曲を同時に歌うというくだりは、どうしても「ここさけ」を思い出すわけで、「さては超平和バスターズ、この映画から拝借したか」などと思ってしまったんだけれど、調べると、製作年は「こ>>続きを読む

クローズド・バル 街角の狙撃手と8人の標的(2016年製作の映画)

5.0

 賛否両論あるようですが、私は「賛」です。

 まずは第一幕の手際がとにかくいい。
 第二幕は多少グダグダするんだけれど、このあたりから「バカしか出てこないコメディ」に徐々にシフトしていくので、かなり
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ローズマリーの赤ちゃん(1968年製作の映画)

5.0

 高校のときに、テレビで1回観ただけなんだけれど、1回で絶対忘れない映画。
 35年ぶりに鑑賞。
 もう冒頭の例のテーマ曲だけで怖い。
 
 アイラ・レヴィンの原作は父親の本棚にあったので、それ以前に
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ザ・コール(2020年製作の映画)

5.0

 滅茶苦茶面白いですね。
 
 ただし、このプロットは本作のオリジナルではなく、2011年のイギリス映画「恐怖ノ黒電話」のほうが先。
 よもやパクリかと調べてみたら、ちゃんと原案としてクレジットもされ
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完璧な他人(2018年製作の映画)

5.0

 はい。
 さっき、日本版を劇場で観てきて、あまりに憤懣やるかたない気持ちになったので、イタリアの原作をも超える、最高傑作の本作を褒めにやってきましたですよ。
 
 まあ、オリジナルが一番偉いってのは
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おとなの事情 スマホをのぞいたら(2021年製作の映画)

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 好レビューの皆さまの気分を害するのは、本当に申し訳ないんですが、0点どころかマイナスの駄作です。
 イタリア版、フランス版、韓国版はすでに観ていて、さていよいよ日本版と期待して観に行ったのですが……
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私をくいとめて(2020年製作の映画)

5.0

 年始から今年の日本映画ベスト級を観ました(公開日は去年12月なんだけれど)。
 
 実は本作は、完全ノーマーク、予備知識も予告篇鑑賞もない状態で観ました。
 なので、オープニングの合羽橋のところでは
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約束のネバーランド(2020年製作の映画)

3.0

 やはり、映画の終わり方って重要だな、と思わせる作品。
 
 好意的に観始めたんだけど、だんだんきつくなってきて、正直どうでもいいわ! と思ったし、中盤はだいぶ寝た。
 なので、ラストの「何が見える?
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今日もまたクリスマス・イヴ(2020年製作の映画)

5.0

 ひゃあ、年の瀬に及んで、今年ベスト級がまた来ちゃったよ。
 しかも、クリスマス映画というジャンルへの新たな大傑作の追加だ。
 
 みなさんお書きのように、真っ先に連想するのは「恋はデジャ・ブ」なんだ
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