大角賢聖さんの映画レビュー・感想・評価

大角賢聖

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ニューヨーク・オールド・アパートメント(2020年製作の映画)

3.8

メモ
ニューヨークの街並みを下から見上げた時の切なさ。美しさ。(行った事ないから分からんけど映画的に魅力的だった。)
移民である彼らの環境の苦しさ。プライドを踏み躙られても前を向くという事。
その為に
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PIGGY ピギー(2022年製作の映画)

3.8

2023年備忘録
主人公の行動の、統合の取れなさ。
思春期ならではの自己矛盾。
身体的なコンプレックス、痛み、家族との関係性、どちらが先ではなく形成された内省的な性格が、そのアンバランスさを助長する。
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グランツーリスモ(2023年製作の映画)

3.9

2023年備忘
ニール•ブロムカンプ的なCG使い、接写でブレるレースシーンは臨場感があり結構好き。
ドラマの熱さもある。
人の死についての扱いがやや軽薄な気もしたが、それもこの監督らしいっちゃらしい。

アステロイド・シティ(2023年製作の映画)

4.0

2023年備忘
オープニングからラストに至るまでの、虚構の使い方の巧みさ。
メタとシリアスとコメディの混在が小気味良い。
役者陣豪華すぎ。
夢を追う事、あるはずも無いものを求める事。

CLOSE/クロース(2022年製作の映画)

3.9

2023年備忘
光の加減、花畑を駆け抜ける2人の少年の無垢さ、美しさ。ここだけでもかなり心を奪われる。
純粋であるからこそ、成長は儚く残酷になる。
誰も悪人では無い事が余計にやり場を失わせるが、それで
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君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

3.8

2023年備忘
オープニングの異様さ。人の波と、まさに燃えるような熱量。
人物像や倫理観のエグさは時代の違いによるものか。
今だからこそ、宮崎駿が世界系的な内容の映画を作った意味。
キムタクは声だけと
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Pearl パール(2022年製作の映画)

3.8

メモ
Xの前日譚だが、かなりテイストが違くて驚いた。
そして舞台背景が第一次世界大戦中という個人の意思では避けられない環境下で、病を患う父と厳格な母のもと息苦しい生活を過ごしていること。自分の才能を信
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イノセンツ(2021年製作の映画)

3.7

メモ
ノルウェーの監督という事もあり、どこか冷たく繊細な色彩の映像が、物語の中心となる子供達の無邪気さ、残酷さと重なり、異様な雰囲気を纏っていた。
子供達は確かに密やかな秘密を共有するだけの、なんの罪
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スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース(2023年製作の映画)

4.0

メモ
前作を見た時にも大分やられた!という感覚があったが、今作においてもオープニングからやられた。
画角に映る人物の心情の変化に合わせて、動きながら変化する背景とか。
一方で、映像だけじゃなくシナリオ
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aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)

3.8

メモ
手法はチープである。
映像は設定も相まってノスタルジックなものであるし、そこで行われるやり取りもその延長線上に過ぎない。
決して優れた描写ではなかった。
それらから浮かび上がる、父親との関係性の
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ソフト/クワイエット(2022年製作の映画)

3.7

メモ

高慢さや過度な被害者意識によって人があれよあれよと転落していく様をサスペンスのタッチで描く。
ものの1時間半で面白いくらい最悪な方向へ転がり落ちて行く。またそれをワンショット長回しで見せられる
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ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3(2023年製作の映画)

4.0

メモ
クリープのオープニングというのが少し意外であった。
絶妙にキショい特殊メイクやちょいグロめな演出が過去のGotGよりも多く、そこもジェームズ・ガンの映画を見てるな、と感じられた。
無意味な子ボケ
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ザ・ホエール(2022年製作の映画)

4.0

メモ
人生の後悔と向き合う、というドラマは様々な文芸や映画のテーマとして扱われているが、主人公を取り巻く環境、人間関係を深く演出しなければ浅はかな感傷で終わってしまう。
同じテーマを扱っているのに優劣
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アントマン&ワスプ:クアントマニア(2023年製作の映画)

3.8

メモ
MCUの世界観にいながら、1番ミクロなヒーローであるにも関わらずここまで世界観を広げてしまうのはギャップも相まって燃えるものがある。
これぞアントマン、という見どころも期待通り。
カーンのキャラ
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エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

4.0

メモ
今日日ありがちな、単純な自己との対話ではなく、自分が選ばなかった可能性を経験することで、自分自身と向き合う、というギミックが最高だった。
そのせいで最初の戦闘シーンだけでも泣けてくるものがあった
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MEN 同じ顔の男たち(2022年製作の映画)

3.8

メモ
原罪意識からの脱却。
自己の消失からの再生。
この映画、或いは監督自身の宗教的なバックボーンが理解できると、もう少し分かりやすくなる気がする。
オープニングのシーンは鮮やかで印象的。
その後の映
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THE FIRST SLAM DUNK(2022年製作の映画)

3.8

メモ
漫画で語られなかった視点、ストーリー。
実際の動画で見てみたかったシーンや、聞いてみたかったセリフ。
これだけでも満足感あり。
それだけではなく、実際のバスケの試合をアニメーションで可能な限り再
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マッドゴッド(2021年製作の映画)

3.8

メモ
地獄の様な終末世界の放浪体験。
容赦が無く、救いが無く、恐らく意味も無い。グロテスクでファンシー。何処かポップさを感じるのは、その質感と造形のせいか、それともフィル・ティペットが注いだ情熱と愛情
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ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー(2022年製作の映画)

3.8

メモ
ティ・チャラことチャドウィック・ボーズマンが亡くなったこと、その追悼をオープニングで丁寧に描いていた。その時点でクるものがある。
そして兄の死、立場の違いから争わざるを得ない運命、新たな女王とし
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RRR(2022年製作の映画)

4.0

メモ
監督の前作「バーフバリ」から大分喰らっていたので、期待して見に行ったらその期待を超えて来るようなエンターテイメントが待っていた。
しかも、熱い男の戦い、友情が混ざり合って展開していくストーリーは
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勝手にしやがれ(1960年製作の映画)

3.7

メモ
古典であり先端である感覚。
後の影響の大きさを感じると同時に、この映画単体としての絶対性も感じる。
それは、唐突なカット割もそうだし、意味深な(実際に意味があると思われるが劇中では象徴としてでし
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LAMB/ラム(2021年製作の映画)

3.7

メモ
劇中に漂う不穏な雰囲気や透明度が高く冷たい映像によって、設定やストーリーの強引さもかえってより違和感を強くするエッセンスになっている。
それにしてもやや置いてけぼりを喰らう感があるが。
冒頭、た
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ザ・ディープ・ハウス(2021年製作の映画)

3.5

メモ
シチュエーションが水中という点を除けば、プロット的にはほぼ良くあるホラー映画のそれ。カップルが訪れた屋敷が実は忌まわしき場所で、悲惨な目に遭います的な。
そういう王道をいく展開も嫌いじゃないけれ
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Zolaゾラ(2021年製作の映画)

3.6

メモ
予告で見た感じだと友情譚になるのかと思ったら全然違った。
あんまり関わりたくない世界の話。実際twitterの投稿が元ネタということなだけに恐ろしさも少し感じる。
それでもやたら軽妙な感じがする
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NOPE/ノープ(2022年製作の映画)

3.9

メモ
前半の不穏な雰囲気から後半への展開が「そっちに行くのか」と思いながらも前のめりに見てしまっていたので個人的にはかなり楽しめた。しかし、終始SFホラー的なノリを期待しているような人の中にはダメだっ
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女神の継承(2021年製作の映画)

3.9

メモ
ホラーの構成として、予感めいたものから徐々に目に見えたヤバさに変わり、取り返しがつかないくらい行くとこまで行っちゃうという流れは、モキュメンタリーという作りも相まってかなり見応えがあったし、恐怖
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ソー:ラブ&サンダー(2022年製作の映画)

3.7

メモ
全体的にギャグ色強め。ガーディアンズと合流してたせいかジェームズ・ガン的なやり取りも。
マイティ・ソーはそもそもこんなバカな格好してるんだから、初期のシリアスなムードよりも、前作からのこうしたギ
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X エックス(2022年製作の映画)

3.7

メモ
思いのほかカット割がよく、舞台設定と相まって過去のホラー映画への踏襲が感じられる作り。
また映画内での時間感覚が冒頭で明確に示されており、不可逆的な結末に向けて進むしかないという仕掛けはかなり映
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哭悲/The Sadness(2021年製作の映画)

3.7

メモ
大まかなシナリオ自体は割と王道的なものを感じた。
ちゃんとこの映画上のボス的なキャラクターがいるし、きっちり対峙もする。そこにはカタルシスも生まれるようになっている。
個人的にはこのキャラクター
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犬王(2021年製作の映画)

3.8

メモ
オープニングの、時間の流れに関する演出がかなり没入感があるものだった。ここで我々は観客として、現代から室町時代にタイムスリップする。
ロックミュージカルが演じられても見れてしまう不思議はここにあ
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ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス(2022年製作の映画)

4.0

メモ
MCUの続編というよりも、サム・ライミの新作といった印象の方が入りやすい。
自分はそれを期待していたので、めちゃ良かった。前後のストーリーテリングはこの際割とどうでも良いでしょ。そもそもその辺に
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TITANE/チタン(2021年製作の映画)

3.8

メモ
「鉄男」のように衝動的、暴力的ではなく、「Rubber Johnny」のように冷たくユーモラスではなく、とにかく痛みと、嫌悪と、最終的には愛が伴う肉体の変質。その中で孤独の救済を求める。
主人公
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コーダ あいのうた(2021年製作の映画)

4.0

メモ
歌ひいては音楽には言語化できない指針や生き甲斐を与えてくれる。
発話できる言葉によって紡がれる理屈が全てではない。
それは、家族や友人関係についても同じである。
伝え合わなければいけない。理解で
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ポゼッサー(2020年製作の映画)

3.7

メモ
ノワールとSFのバランス感が絶妙。
やや展開に違和感を感じるところもある。(男性に女性を潜り込ませるのは設定上流石に無理があるのでは…とか。)

しかし本作の特筆すべきは、崩れゆく自我についての
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ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)

4.0

メモ
一見違和感を覚えるような演出だが話が進むにつれ心地よく響き、無駄なところが無いことに気付く。
映画全体が、そうした演出と語られるセリフによって丁寧に進んでいく。
もう終わろうかという場面になって
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スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム(2021年製作の映画)

3.9

メモ
今作も例の如く大人にこっぴどくひどい目に遭わされるスパイディ。
しかし今作はもうトニースタークの尻拭いでなく、自身で引き起こしてしまった事の責任を取る事、全ての人を救う事の為に奮闘する。
そして
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