台詞を排してまで強調したいことは何だったのか。やりたいことは分かるけれど、そのやりたいことがダサすぎる。
芸術とか映画とか好きじゃなさそう。
何が主題かいまいち掴めなかったけれど、彼女の変化する過程を丁寧に描くか、社会への反論(あるいはコミューンの正当性)を描くか、どちらかは必要だった。
自分自身を写す(映す)とき、そこには2人のじぶんが存在する。写される方と写す方。
原題は『JLG/JLG Autoportrait de decembre』。”JLG/JLG”、ジャン=リュック・ゴ>>続きを読む
コーエン兄弟らしい脚本ではあると思うから、キャスティングが悪かったのかもしれない。
トム・ハンクスの演技が妙に鼻につく感じだったの。他を見ても魅力的なキャラクターが存在してなかった。
コーエン兄弟>>続きを読む
序盤は惹きつけられたが、中盤から先も読めるし、行間もなくて、早く終わらないかなという気持ちになる。
アンソニー・ホプキンスも適役だし、人形のビジュアルも絶妙だし、テーマも悪くないんだから、もっとシン>>続きを読む
重い涙だった。ゼインも、両親も、弁護士も。
「育てられないなら産むな」と、親の問題にすることでは解決にならない。それでは、子供を産まないのが解決策になってしまうし、最初から育てられないとは思ってない>>続きを読む
巨大な十字架を運ばされ、鞭を打たれ血だらけになり、「何が悪かった?」と聞く。
信仰を失った牧師が、ワインをラッパ飲みして教会に立つ。
食堂に男が入ってきて、女に「リーサ・ラーションさん?」と尋ねる>>続きを読む
「人生はクローズアップで見れば悲劇だが、ロングショットで見れば喜劇だ」は、チャップリンの言葉だが、まさにこの通りの映画だった。
不幸が自分の身に降りかかると悲しみでいっぱいになるが、他人に降りかかる>>続きを読む
傷ついた若者?
雰囲気だけで、繊細さや丁寧さは皆無だった。若者のもどかしさを描けてるようには見えなかった。
孤独を、「都会」や「人との繋がりの希薄さ」や「仕事での無価値感」と結びつけるのに共感できない。
大きな問題を小さな題材で浮き彫りにするのは、素晴らしい試みだと思う。わざとらしくない撮り方も、心地良かった。
観終わってから知ったけれど、原題の『ひとりも減らせない』の方が作品を楽しめたと思う。
説明的で観るのが疲れた。彼らの生き方が美しかっただけに、もっと余白がほしかった。
セリフを可能な限り排除することで、映画的表現に挑戦している。
しかし、そのせいでわかりやすい物語に落ち着いていて、特別性を発見できなかった。
最も不快だったのは、少女の性的表現である。はっきりと不>>続きを読む
大量のイメージ(引用)が集約された本。
私たちはページをめくることを許されず、ただパラパラと1ページずつ見せられていく。
戦争の映像や『ソドムの市』のシーンなどの暴力的な映像と、『大砂塵』や『小さ>>続きを読む
アニメーションという表現技法の必要性があるアニメーションだった。
王様の振る舞いは悪いんだけど、それでも孤独な王様に感情移入してしまい、哀しい気持ちになった。
羊飼いの娘と煙突掃除人が脱走するシー>>続きを読む
「自由くたばれ!」
自由とは、存在しているものを手に入れるのではなく、存在していないものを信じるのをやめること。
観光地の写真は卑猥だし、病気の父親を見舞う道中で修道士とポーカーをするべきだし、死>>続きを読む
意外とストーリーがあって、演技もちゃんとしてて、キャラクターも優秀で、モンスターのビジュアルも作られてて、残念だった。
B級映画としては、クオリティが高くて好きじゃなかった。
不安にさせてくる映画。
ただ存在してるだけのものに、概念や役割を付与して、自由を束縛していく大人たち。まるで家に侵入してきた赤く光る牛のように。
ママ、パパ、エレアサル、牛、月、家、ただの名詞であ>>続きを読む
アピチャッポンの映画を観た後だからか、朝に観たからか、ひどく騒がしく感じて観てられなかった。
作家性は出てて良かったと思う。
言葉にはしたくないくらい、美しい映画だった。形容するとその美しさが失われてしまうのではないかと思う。
17歳から24歳くらいの頃まで、寝ようとすると耳元で「スー、ハー、スー、ハー」という音が聞こえて>>続きを読む
ファンタジーになってる時点で、原作の映像化には失敗してると思う。
『うたかたの日々』の映画化ではなく、『うたかたの日々』に着想を得た別の作品。
本当の解放とは何か。
そのひとつは、交通事故にエクスタシーを感じることだ。たとえ血だらけになろうと、骨が折れようと、パートナーが死のうと。
興奮するためにお互いに煽り合う。車をぶつけるのは前戯のよ>>続きを読む
イデオロギーではない点で、あまり入り込めなかった。他の人と変わらないという意味で。
アイデンティティ・クライシスとしてはありきたりなストーリー。
撮り方に工夫もないし、魅力のある演出でもなかったから退屈だった。
働けなくなったら海に落とされるほどの奴隷労働で作ってるものが、ペットフードというのがリアルだった。
脚本、演技、カメラワーク、ライティングがすべて丁寧だった。だからこそ、人間の強さを表現できてたと思う。
けれども、人間はもっと弱くて、矛盾してて、間違い続ける。そこを描いてほしかった。
必要なテーマだけれど、新しい何かを発見できなかった。
多くの社会問題を織り交ぜながらひとりの若者の成長を描く、ありきたりな物語に感じた。
非常に繊細で丁寧な作品だった。
「子どもの純粋性あるいは残酷性」というのは、あくまで社会適合の話であって、個人の態度ではないことを明示している。
「男性・女性」は科学分野において暫定的にカテゴライ>>続きを読む
「子どもを大切にしなければならない」という神話を前提に作られているため、共感できなかった。
さっさと子どもを施設に預けた方が、全員が幸せになったのかもしれない。そういう皮肉なら面白いけど。
迎合するのではなく、表現してる点は評価できる。
ただ、これを詩人らしく”詩”で表現してほしかった。方法を変えることで、途端に説教臭くなってしまう。
冒頭で本人が言うように、彼を支持する者への遺書な>>続きを読む
哲学的前提に対して丁寧に向き合ってるわけではなく、監督自身が雰囲気で思い付いたことを映像にしている。
世界観や設定の緻密さよりも、人間の描き方の弱さが目立つ。難解というよりは浅薄という印象を受ける。