見せてくれてありがとう。アイヌのアイデンティティの拠り所になる儀式なんだろう(そういう言葉もあった)。神聖な大切なものだろうに、ありがとう。と素直に思った。
「白昼夢でした」と言われても肯ける。
幻想的を超えて、現実と虚構がない混ぜになったような話だった。
18世紀らしいシノワズリ趣味の洋館。少女たちが目覚めるところから始まり、彼女らは摘みたてのバラを浸し>>続きを読む
水木が人間らしい人間で、そこがよかった。あと、怖かった……。
椅子から立ち上がれないくらい衝撃を受けた。見ていて辛かった。
移民たちの遇され方があまりに酷いというのも一つ、もう一つはセイドゥ(主人公、従兄弟とともに不法に欧州行きをする)をヒーローみたくまつりあげ>>続きを読む
なによりまず、美しすぎる。すべてが。
一つ一つのシーンがまるで芸術かと思うほど(特にトニー・レオン……!)。さらに物語の魅せ方もスマート。素晴らしい。
時代は日中戦争から太平洋戦争へと突き進む混迷の頃>>続きを読む
「話し合いで決定する」っていうほど簡単じゃない。なんなら難しい。
でも彼女らには一致して深い信仰があって、そこに忠実に生きることが刷り込まれているからなし得たことだと思う。
信仰は絶対的であり、そこに>>続きを読む
文句のつけようもなく清々しい!
夢を持ち続けた「ゲームオタク」のシンデレラストーリー。タフなメンタルと肉体を努力で手に入れ、チャンスをモノにする。ライバルと拮抗し、才能を開花させながら一気呵成に駆け上>>続きを読む
映画がやっと終わった時、鞄ごと自分を抱きしめて固まっていたことに気づいた。それほどまでのストレス下で、でも人間の欲望を真正面に据えた良作だった。
ゲームデザイナーの主人公・フリアンは、自身の性嗜好と社>>続きを読む
かわいい!最高にかわいい!何がかわいいか分からないけど、とにかくかわいい!
シワシワのカッサカサでカッピカピで、切り干し大根のほうがまだ水分あるんじゃないかと訝しむレベルの心には、効けた。
平素、邦画>>続きを読む
眠りは究極にプライベートだと思っている。意識のない無防備な状態に陥るわけだから、それをさらけ出せるのは、守られた空間/関係性の中だけだと思っている。だから野外の、しかも屋根もない完全な「外」で、寝袋で>>続きを読む
これは、ゴジラを模した平和を希求する物語だと思う。
監督の英断。
見る前は正直、戦争映画の文脈で「この国を守る」路線だと思ってた(し、ゴジラにもアカデミーにも興味なかった)。でも全然違う。
怪獣を前に>>続きを読む
凄惨な未解決事件。容疑者は次々に現れるものの、証拠がない。捜査員は事件にのめりこんでいくものの、打つ手も予算(!)も無くなるし、物語が進むにつれ、もはや精神と根気の消耗戦の様相を呈してくる。
事件は深>>続きを読む
ウェス・アンダーソンの作品は、あんまり性に合わない。あのファンタジーポップな感じは大好きなんだけれど、映画館で見るには……退屈なのだ。可愛くてコミカルだからこそ、ストーリーのベタさというか、平坦さとい>>続きを読む
他人の会話を聞くのが趣味、というと外聞がよくないけど、一人でいることが多いから、否応なく耳に入ってくる。
が、本作は、それとはちょっと毛色が違う。彼女らの話は、外でできる話ではなく、部屋の中で、第三者>>続きを読む
玉山鉄二はやっっぱり次元にぴったりだし、全作(?)のキャストを引き継いでくれたのは嬉しいし、次元大介ファンとしては、大満足♡
ただしストーリーがぼんやりしてるので、物語に浸るというよりは、次元大介とい>>続きを読む
日本も今、アートが隆盛を極めている。不動産や株と同列では語り得ないけど、市場が創り出された以上、市場価格や動向、流行と切っても切り離せなくなった。ただ個人的に芸術は値段では推し量れないし、投機や転売目>>続きを読む
70年代の雰囲気も知らないし、音楽にも正直そこまで興味がない。
でも、新しさを発見してワクワクする、その高揚感がたまらない!
停滞からだんだんギアが上がっていく感じ、パーティのムーディな盛り上がりや最>>続きを読む
ファンタジーとは呼べず、社会派でもなく、ただ人間の独占欲を見ていた気がした。
(ネタバレあり)
目の見えない人へ物語を朗読して聞かせる主人公(アビゲイル)。ここでアビゲイルは目の見えない人と外の世界の>>続きを読む
原因を探っても無駄。出来事は様々な流れから生まれるのだから。
オットーが語った(一言一句ではないが)その言葉自体が、この映画をよく表していた。
妻を電車の爆発で亡くした軍人(マークス)の元へ、オットー>>続きを読む
あまりに観念的すぎやしませんか……。人間のちっぽけさ、愚かさを描いているのだろうとは思うけれど。
屹立した岩山の麓に暮らす家族。痩せた土地で作物は育たず、近くの街の住人たちからはさげずまれ、満足に食料>>続きを読む
実際に魔女が存在するかどうかより、言葉や状況証拠だけが積み重なって、魔女にされてしまう、罪をなすりつけられる怖さがあった。スプラッターホラーというより、誰を何を信じていいのかというサイコホラーだった。>>続きを読む
美しさに心が締めつけられた。これは見てほしい。
生まれるべき適格者を選ぶ面接官と、その候補者の9日間の話。面接官のウィルは数人の候補者に課題を与えながら、生を受けるにふさわしいかどうか見極めている。そ>>続きを読む
言いたいことはたくさんある。特にラストに最大のトンチキがやってくるんだけど、目を剥いた。
けど、けど。衣装や舞台美術が美しくて最高だった。ちょいちょい不思議でヘンテコなアートワークは、中毒性がある。>>続きを読む
割れるガラス、血だらけのナイフに、殴り合い、必死の追尾にカーチェイス……
血が流れまくり、バッタバッタと人が倒れるのは、ある意味爽快。
さらに「悪人は誰だ」という話も加わる。法どころか人を殺し脅し、悪>>続きを読む
最初から最後まで、動悸がしっぱなし。特にラスト30分前後、フランクを追い詰める場面。裏切りの裏切りか。いや、やっぱり組織への忠誠か。脈拍は最高潮。
フランク率いるマフィアに潜入する警官・ビリーと、警官>>続きを読む
ラブリーおばあちゃんのファッションがキャッチーでポップでかわいい。これが認知症を発症し始めたおばあちゃん(ラブリー)と、血縁関係ないけど一緒に住んでる女の子(ジュース)の話だとは思えない。
忘れられる>>続きを読む
土地が痩せると、コミュニティも痩せていく。10歳前後の視点で街がだんだんさびれていくのを映すのは、大人の視点より切ない。友達がひとり、ふたりといなくなり、遊びも会話も制限されていく。その中で、残った子>>続きを読む
鵜と釣り人の邂逅が美しかった。加えて緑豊かな土地をあえてモノクロアニメにすることで、黒黒した鵜が他の色に邪魔されず一層際立ち、また、緑や光の加減を想像させながら鑑賞できた。
米ワシントンD.C.で活動する写真家を追ったドキュメンタリー。
被写体に社会属性を付属するのではなく、一人の人間としての美しさや力強さを追求していた。特に白黒写真には、生命力や写ってる人の人生までなん>>続きを読む
へんてこなロードムービー。
車中の会話はほとんど無く、記憶の中の人や場所はたいてい様変わりしている。といって侘しさがあるわけではなく、変化を淡々と受け入れているよう。なにより、最後のオチが秀逸。
たっ>>続きを読む
人類の遺構は、絶景だった。
まだ棄てられて日が浅い建物は人の気配を色濃く残し、まだ「人工物」の体を保っていた。
でも月日と風雨にさらされた物は、構造が崩れだし、雨漏りしだし、植物が生えだし、まるで地球>>続きを読む
ミステリーでもあり、ラブストーリーでもあり、差別の話でもあった。
「普通」ではないという理由で排除し、さらに事故か殺人か明らかでない事件なのに、罪をなすりつけようとする街の人々。判決は「私を裁くのでは>>続きを読む
社会風刺が背景にある……らしいけど正直、なにがなにを表しているとか全く分からなかった。
だとしても、エンターテインメントとして十分に楽しめる。特に、ゴーディ事件とUAP(未確認空中現象、UFOから発展>>続きを読む
食べるものを育て、食事を作り、食べ、そして片付ける。
「食べること」を中心とした営みは、まさに「食べることは生きること」を実感させる。
人々は単調な作業を繰り返しながら、作物は育ち、収穫され、煮炊され>>続きを読む