プロだな。エドワード・フォックスはいうまでもなく、陰で淡々と仕事してた女スパイがカッコよすぎ
いい作品だ。希望は闇の中でしか光らない。かといって、資本主義にどっぷり浸かっているおれが、共産批判をそのまま間に受け思想を極端に傾けてしまうのは危うい。
期待していたほどの感動が得られず、作者の個人的な秘密への探求に駆られることもなかった。定点的な観測とシンメトリーな構図の力をあまり信じきれていないように思う。色彩はさすがに見事だった。あと子どもがかわ>>続きを読む
フェリーニは愛する道化師たちについて「分離した人の影だ。グロテスクで、ゆがんで、ばかげたじぶんの姿だ」とその自著で語っている。白い道化師が理性なら、オーギュスト(黒い道化師)の狂気は人間の本能である。>>続きを読む
なんだか夢のようにばかばかしいひと夏の暇が恋しくなっちゃったな。
「俺たちに明日はある」じゃねーよ 笑
このひとの映す人間の集合体めっちゃすごいな。先日も『道中の点検』の捕虜に度肝を抜かれたばかりだ。
森繁久彌のバカ旦那っぷりといったら、ほんとうにこの俳優はバカなんだろうなぁと思わせてしまうほどの勢いがある。山田五十鈴もすばらしい。ショットも凄かった。
スペクタクルのハリウッド一強神話は完全に終わってたんだなあと改めて。たわごとで遊んでる場合じゃないぞ。
スタージェスの最高傑作なんじゃないか。まだ全作品みたわけではないけども。
このレビューはネタバレを含みます
再投稿。
死刑台へ向かうヴェルドゥの後ろ姿にチャーリーの姿が重なる瞬間は幻ではなかった。『モダン・タイムス』のラストと本作のラストをくり返し何度も比較してみるとよくわかる。
ヴェルドゥとチャーリー>>続きを読む
物語よりも多弁な映像。引き続き探求しなきゃならない作品だ。なんでもできるようになった今の映画よりも、古典のほうが感情に対する純粋な映像の可能性を信じているという気がする。
かなりよかった。セカイ系っていうのはこーゆーのを指すべきだ。怪物のような滝はやはり水飛沫が圧倒的だった。
あらためてみてみると「あっまたやってる 笑」ってのばかりでとても楽しかった。こんなに微笑ましい遺作がほかにあるだろうか。
『ジョーカー(2019)』に魅入られておいて、この傑作に同種の狂気を感じ取れないニブさは恥じるべきだった。
みごとにミスマッチな2カップル映画だった。このミスマッチをシナリオに活かしきれていないのは残念。滝そのものよりも、水飛沫の映画。
思い出をあえてモノクロで描くという単純ながら効果的な発想は好き。だがあまりにもきれいに鮮明すぎるのが個人的にはダメだ。それが現在の大人の視線で校正されたものであることを、映像が自ら暴露しているようなも>>続きを読む
わかりやすいファスビンダーの、というよりも戦後ドイツの瓦礫のなかの女たちのあこがれとしてのスーパーヒーロー映画。しかしその影には重層的な主題が複雑に絡み合っている。ひとつ言えるのは、ファスビンダーはこ>>続きを読む
天才の仕事。画面の連なりに目を凝らせば、台詞を聴かずともこの先なにが起きるか、ある程度は予測できちゃうんだから。実際、だいたいその通りになる。ところが問題はどう起きるかで、だいたいが「そうくるか!」っ>>続きを読む
「ピアノを弾く手」はブレッソンも撮ったことが無かったかな。演奏する手というのは、これは本当に美しいものなんだが。
わかりやすくいうと、リリアン&ドロシー・ギッシュで撮った『ホーム・アローン』。「拳銃」「女」「自動車」「橋」「移動」
パブリックドメイン化されているのでYouTubeでみれるよ。
溝口のけんじくん、オフュルス、そしてジャック・リヴェットへ、それからもっと、リュミエールやメリエスを中心とする無数の幾何学的な円環を「巡る」と…映画、バカでけぇ、となる。これをおそらく死ぬまで繰り返す>>続きを読む
かねてより、いつかアフリカの大地で野垂れ死にたいとか考えていたから、このフィルムに刻まれた火山島の大地との邂逅におどろきを禁じ得ない。これはロッセリーニの『ストロンボリ』で露顕した崇高な威光とは根本的>>続きを読む
タバコ、マッチ、ジャズ、ピストル、車、危険な女たち。映画って感じだ。ローレン・バコール強すぎる。
どんなに小さな「正義」にも備わる言葉の魔力を侮ってはいけないなと改めて。いつでもふいに「大義」に化けるから。
よかった。女王になってからのシュリの別人のような面構えが美しい。