凛太郎は元柚彦さんの映画レビュー・感想・評価

凛太郎は元柚彦

凛太郎は元柚彦

カラオケ行こ!(2024年製作の映画)

3.8

面白かった。コメディとしてよく出来てる。笑いどころが生々しすぎる。
綾野剛にリアルなヤクザ役をやらせるといちいちやりすぎてしまうけど、本作ではそれがかえって漫画原作のコメディとしてハマってて笑えた。か
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リバー、流れないでよ(2023年製作の映画)

2.0

映画と演劇は明確にちがう。
映画には映画にしか成せない魔法があり、演劇には演劇にか成せない夢がある。演劇脚本を無理やり映画にしても当然ながら映画の魔法はかかってはくれない。
さて、映画監督はなぜ演劇で
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駅馬車(1939年製作の映画)

4.2

アリゾナからニューメキシコに向けて出発する一台の駅馬車に乗り合わせた9人。それぞれの人生を交錯させながら駅馬車は危険な広野を走るが、やがてアパッチ族の煙が見えてきて…。

ジョンフォード×ジョンウェイ
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aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)

5.0

本当に素晴らしい映画だった。
この世界には、誰にも気付かれない場所で苦しんでいる人がいる。
社会に馴染めず、生きているだけで関わる人間を不本意に不愉快にさせてしまう人がいる。
ビデオテープは、人生の良
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トレーニング デイ(2001年製作の映画)

4.0

「倫理の存在しない町で倫理を守ってても悪は罰せない。狼を狩りたいならまずは狼になれ。内側から変えろ」
デンゼル・ワシントンはゴッサムでいうところのバットマンであって悪党ではない。彼の信条は一貫している
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ドミノ(2023年製作の映画)

3.0

インセプションやマトリックス、トータルリコールなどを混ぜ込み、B級オマージュのスパイスをふんだんに加えたカレー。
ロバート・ロドリゲス監督なので、いくら設定が興味深くてもオチや種明かしに期待するのはナ
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スペースマン(2024年製作の映画)

3.5

本当の愛とは沈黙の中に隠れている。

ある日、木星付近に紫色のもやのような光の集合体が現れる。なんの目的があって現れたのかを探るため、宇宙飛行士ヤクブはたった一人宇宙探査を試みるが、そこで彼は謎の知的
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トゥルーライズ(1994年製作の映画)

5.0

これ以上ないぐらい完璧な映画。
ジェームズ・キャメロンは深海に潜るための小遣い稼ぎで映画撮ってるって言ってるけど、彼の映画愛は本物だよ。
終始ターミネーターにしか見えないシュワちゃんで腹抱えて笑った。
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

5.0

本作は反戦映画じゃないし、反核兵器映画でもない。
オッペンハイマーという人物の伝記映画です。

すなわちオッペンハイマーの視点で彼が抱える〝孤独〟や〝不安〟そして〝虚無〟を追想しながら物語が語られてい
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デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

3.5

原作厨として本当に言いたいことは沢山あるが、ひとことでまとめる。
「誰にもオススメできない傑作」
フランクハーバートの原作全三巻で語られるベネゲセリットの真の目的や母親の狙い、ポールの能力と葛藤、皇帝
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アインシュタインと原爆(2024年製作の映画)

3.5

個人的にアインシュタインという人物が好きすぎるので、このドキュメンタリーの構成とかメッセージ性を抜きにしても、アインシュタインの半生を忠実に再現したドラマとして見応えあった。
核兵器とアインシュタイン
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ブラック・フォン(2022年製作の映画)

3.2

この手のホラー映画にしては、空気感や登場人物の作り込みが良くてのめり込んでしまった。ロビンがたまらなくいいね。
早い段階で主人公が誘拐されたから、このあと大丈夫なんか…?と思ってたけど、謎が謎を呼ぶス
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ゾディアック(2006年製作の映画)

3.8

とてもよくできた映画だと思う。
だが、映画として面白かったと言われれば、否定せざるを得ない。ゾディアック事件を執念深く追い続ける人々の実話を元にした作品だが、往年のサスペンス映画のような緊張感やカタル
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ファーナス/訣別の朝(2013年製作の映画)

4.0

スコットクーパー監督×クリスチャンベールだし間違いないだろうということで見た。
結果的に間違いない傑作だった。
善人が善人として生きることが許されないアメリカの現実に胸を引き裂かれる。
ラストは救いか
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アムステルダム(2022年製作の映画)

3.8

いやー想像以上に面白かった。
よくある実話映画かと思いきや…時代を描いた映画なのか、と思いきや…〝愛〟と〝人生〟の映画だったな。
もちろん史実の事件のインパクトも凄いんだけど、脚色された人間ドラマのセ
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最後まで行く(2023年製作の映画)

4.5

ここ最近の邦画ではかなり傑作の部類に入ると思う。緊張と緩和の繰り返し、そしてブレーキの壊れたバイクのように狂気は暴走し、カタルシスの最高到達点でこの映画は締め括られる。
綾野剛、過去一ハマり役だな。

さびしんぼう(1985年製作の映画)

5.0

〝映画〟という魔法が作りだす、時間の枠組みを超えて循環する愛の物語。
思春期の少年の日常は、ある時から不思議な格好の少女が現れはじめることで変わっていく。突然現れては、イタズラをしたり謎のセリフを残し
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Winny(2023年製作の映画)

3.8

Winnyの違法ダウンロードされた映画やアニメで育ってきた世代としては複雑な心境である。
崇高なプログラマーや科学者が社会によって抹殺されていく胸糞の悪さ。
包丁を開発して簡単に食物を切ることが可能に
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ゴールデンカムイ(2024年製作の映画)

3.5

ゴールドラッシュで一攫千金を狙いに全国からヤバい奴らが北海道に集まってくる、という設定がまず面白い。
しかも敵役は悪じゃなくて、やり方は非道だがみんな信念があって国を変えようとしてる。主人公は個人的な
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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

3.5

アルジャーノンに花束をとフランケンシュタインとバービーを混ぜて、テリーギリアム風味に煮詰めたような映画だった。
ヨルゴス・ランディモスにしてはテーマもストーリーもわかりやすくて、純粋な視点からもたらさ
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ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー(2023年製作の映画)

3.0

ちびっ子と見た。
面白い映画ではないが、楽しい映画。誰しもが子供の頃にやっていたゲームの映画化としては、申し分ない楽しさだった。
チコみたいなキャラが急に出てきて「死は救済なんだよ」って言うシーン、こ
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TALK TO ME/トーク・トゥ・ミー(2022年製作の映画)

4.0

映画センスがいいねぇ。
現代の若者に焦点を当てたテーマやメタファーが良さげな分、ドラマパートの家族との関係とか環境とか、シリアスさとリアリティの掘り下げが中途半端だから説得力に欠けるんだけど、シンプル
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対峙(2021年製作の映画)

4.5

とにかく掴みどころがない。この対話の始まりも着地点も一切わからず、案の定歯切れの悪い空間に、終始不安だった。これが被害者と加害者という立場なら、もっとわかりやすく、憎しみだの怒りだの罪悪感だのがハッキ>>続きを読む

雄獅少年/ライオン少年(2021年製作の映画)

3.8

これぞ王道エンタメの方程式。
少林サッカーみたいなことをいまだにやり続けてる中国。俺ら世代はもう飽きてしまってるんだけど、ただ、これから生まれてくる子供たちに伝えていかないといけないエンタメ文化の集大
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ナポレオン(2023年製作の映画)

3.0

そういえば映画館で観てたわ。
良い意味でも悪い意味でもリドリースコットがナポレオンを撮ったら…という予想そのまんま。仕事人というか、真面目なんだろうなー。

観察者(2021年製作の映画)

3.2

ただでさえ浮気や不倫ドロドロが絡んでくるストーリーってキモいのに、恋人が浮気して自殺する人種が出てくる共感度0の人間ドラマ。しかも、恋人が自殺した直後に他の異性とセックスしまくる行動原理が意味不明な人>>続きを読む

終わらない週末(2023年製作の映画)

4.2

かなり面白かった。
似たようなスタンスで進んでいく映画はたくさんあるが、全く新しいオチを見た。
ネタバレになるため詳しいことは書けないが、バイアスに囚われさまざまな憶測をたてながら見ていた観客もまた、
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ヴァチカンのエクソシスト(2023年製作の映画)

2.5

ホラー色が強いエクソシストシリーズだが、本作はエンタメに近い作風で描かれてる。
けど、設定を掘り下げるとリアリティがあったりするから見応えがある。
ラストのCGバトルなんかはアメコミ感があるし、ダメダ
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ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

5.0

ゴジラは興味ないしパニック映画アンチだけど断言させてくれ。
これは2023年現在、日本エンタメ映画の集大成だ。
お手本のような脚本、人がおもろいと感じる要素が全部詰め込まれてるし、ゴジラの絶望感は過去
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ニューオーダー(2020年製作の映画)

2.8

メキシコで起こった架空の民衆暴動。今日はマリアンの結婚パーティーで人生最良の日になるはずだった。だが、そこへ暴徒が押し寄せ、幸せの絶頂から絶望の奈落へと突き落とされる。
まさに鬱映画って感じだけど、民
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⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎(2023年製作の映画)

5.0

とにかく面白かった、の一言。
昭和戦後のじっとりした日本のムード、茹だるようなすし詰めの夜行電車、山間僻地に閉ざされた村に蠢く人間の孤独と狂気、そこに現れる少年漫画的なキャラクターたち、呪術廻戦並みの
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マン・ダウン 戦士の約束(2015年製作の映画)

3.8

舞台がアフガン戦争真っ只中だし主人公が復員兵だったので、開始15分でオチがわかってしまったけど、わかってもひたすら辛く心に響く結末だった。
90分というまとまり、カットの入れ方、映像の見せ方、音楽の使
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ザ・キラー(2023年製作の映画)

2.8

フィンチャーファンだけど、フィンチャー監督も業界人として良くない意味で歳食ったな…と思ってしまった。
まず何かを考察する以前に、そもそもシンプルに映画としてつまらない、の一言。
そんで、少し踏み込んで
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still dark(2019年製作の映画)

3.2

40分で見れるショートムービー。
盲目の青年が料理人を目指すシンプルなストーリーだけど、とにかくバイト先の先輩〝ケンタ〟がいい奴すぎてなんか泣けてくる。
ケンタで成り立ってる映画といっても過言じゃない
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