ゴトさんの映画レビュー・感想・評価

ゴト

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アイヌモシリ(2020年製作の映画)

3.6

沖縄の文化は形を変えつつも、全国の色んなところにその匂いを残しているけどアイヌの文化は東北のあたりで留まっている。それになんとなく原始信仰的雰囲気が強い感じがしてどうも文化に触れる取っ掛かりが見えにく>>続きを読む

行き止まりの世界に生まれて(2018年製作の映画)

3.8

90年代のアメリカ映画に割と多かったどこか牧歌的な雰囲気は、9.11以降なりを潜めていった様に感じる。それは、リーマンショックもあったりして、アメリカという国が実は自分たちが思っていたほど大丈夫ではな>>続きを読む

サウンド・オブ・ノイズ(2010年製作の映画)

3.8

何故サナは一人傘も差さずに雨に打たれていたのか、そして何故話しかけてきた大家らしき男性をスティックで叩いたのか。そのあたりを理解出来ないと「何か面白いことやってる映画」で終わってしまうかもしれない。>>続きを読む

ゆきゆきて、神軍(1987年製作の映画)

4.4

冒頭の結納?のシーンだけなら、もう10回以上観ている。新郎もそっち系なのは分かるけど、めでたい席で何て話をしてんだよ、というツッコミを毎回入れたくなる。まあ、平然とそんなことを言ってしまう奥崎謙三だか>>続きを読む

タブウ(1931年製作の映画)

3.8

ボラボラ島は日本人にも人気の観光地で、名前を聞いたことのある人も多いと思う。そんなボラボラ島を舞台に、実際にそこに住む島民を起用して制作されたのが本作である。

演出上の意図で以ってわざと素人をキャス
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天国の口、終りの楽園。(2001年製作の映画)

4.7

「ライ麦畑でつかまえて」が17~18歳の頃に読んだ方が良いように、この映画も思春期に観ておいた方が良い部類に入ると思う。

もし、この映画と同じような旅が出来るとしても今の自分にはこんなパワーは出せな
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クシナ(2018年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

あの集落って鬼熊が作ったんだっけ?長い間人目につかない様に山奥で暮らしてきた、というよりも様々な事情を抱えた女達が集まって一つのコミュニティを形成しているといった感じで、そこに独自の文化や信仰を求めて>>続きを読む

狼少女(2005年製作の映画)

3.6

昔はこういう見世物小屋も色々あったんだろうな。最近は酉の市で見かけるくらいだけど。一つ所に留まれないその性質を考えれば誰が狼少女なのかは、すぐ分かるよね。観客目線で言えば。

狼少女というのは、もちろ
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アンダーグラウンド(1995年製作の映画)

4.8

大好きです。もう何回観たことか。

ユーゴスラビアを、まるで遥か昔に存在していた国としているような語り口で描いているところに、監督の国に対する想いが感じられ、また何とも言えない寂寥感が込み上げてくる。
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ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ★アディオス(2016年製作の映画)

3.7

ブエナビスタソシアルクラブを観たのはいつだったっけ?結構前だったからあんまり覚えてないけど、コンパイ・セグンドやイブライム・フェレールはさすがに覚えてる。CD買ったりしたしね。

一作目の記憶がおぼろ
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アングスト/不安(1983年製作の映画)

3.7

まあ殺人鬼が出所した後、再犯で捕まるまでを描いているんだから、こうなるよね。

連続殺人犯が主人公の話は、なぜそうなるに至ったのかが面白いと思っていて、逆に人を殺すこと自体に自分はあまり興味がないので
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フィツカラルド(1982年製作の映画)

4.1

思い返してみると、ヘルツォークの映画はプリミティブなもの対するこだわりを感じる作品が多いように思う。「アギーレ神の怒り」にも先住民族が出てくるし、洞窟絵画のドキュメンタリーも撮ってるし。それが、社会が>>続きを読む

サーホー(2019年製作の映画)

3.8

何というか、凄い。色々突っ込みどころはあるけど、3時間という長尺を感じさせない展開の速さは流石。速すぎて、話を追っていくのが大変だけど。展開が速いのもそうだけどその中で話が二転三転していくので、いよい>>続きを読む

トリコロール/赤の愛(1994年製作の映画)

4.3

決して表に出ることのない罪の意識を感じる時というのがたまにある。

上手くは言えないが、法に触れたわけではないけれど、ほんの少し悪意というか後ろ暗い気持ちが芽生えた瞬間であるとか。そして、表に出ないと
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デッド・ドント・ダイ(2019年製作の映画)

3.7

「オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ」は時代を超えて現代に生きる吸血鬼の話で、何というか高貴な雰囲気を持っていたが、出てくるモンスターがゾンビとなると、テイストも随分変わってくるようだ。

ガソリ
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フロント・ページ(1974年製作の映画)

4.5

ビリー・ワイルダーとジャック・レモンのコンビでハズレなわけがない。テンポが良く、スピード感があり、正にスクリューボール・コメディの典型で、誰にでも勧められる作品。

たっぷりと観客を待たせてから余裕の
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文化生活一週間/キートンのマイホーム(1920年製作の映画)

4.0

これが一番最初に観たバスター・キートンでした。観たのは結構前だったと思う。

30分にも満たない短編ながら、表情一つ変えずにトンチンカンなことをする、この人の面白さを十分に楽しめる内容だと思う。だから
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彼女の名はサビーヌ(2007年製作の映画)

4.0

主人公であったり、観客に近い特定の誰かであったり、映画は誰かの視点で描かれることが殆どだ。そして、それにはレンズと被写体との距離感も大きく関わってくる。

「仕立て屋の恋」などで知られるフランスの女優
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ビジターQ(2000年製作の映画)

3.7

ヤバい邦画一個ずつ挙げてけってなったら、割と早めに出てくると思う。

7〜8年振りに観たけど、やっぱり意味が分からん。まあ、大筋では何をやりたいのかは分かるんだけど、内田春菊の母乳とか何なんだ。女性と
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モスクワは涙を信じない(1979年製作の映画)

3.9

カメラワークやその中を行き交う人々の動き、そして生き生きとした登場人物のキャラクター。観始めてすぐにかなりアメリカナイズされた映画だな、という風に感じた。

でも、しばらく観ているとそれは誤りで、そう
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プーサン(1953年製作の映画)

3.2

敗戦を迎え、民主主義に舵を切る中で色々な人や価値観、或いは風潮みたいなものが出てきたのだろうね。戦後の日本の姿を、そこに生きるなんでもない人々を通して面白おかしく風刺している。

と言っても、1950
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グロリア(1980年製作の映画)

3.9

カサヴェテスの映画を全部観たわけじゃないけど、その中では割と商業的というか、実験的要素もなく観やすい印象。そして、ジーナ・ローランズの魅力が爆発している。

自分は男だけど、グロリアは観ていてこんな女
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ふたりの人魚(2000年製作の映画)

3.7

上海の北部を横断するように流れる呉淞江。太湖から黄浦江へぶつかり、そのまま海へと注ぐこの河は、街の移り変わりと流域に住む人々の営みを、その身を横たえずっと見つめてきた。

この物語の主人公は少し変わっ
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洗骨(2018年製作の映画)

3.7

序盤は登場人物が脚本に動かされてる感があり少し違和感を感じるが、話が進むにつれてそれもなくなっていく。上手く話を盛り上げてくれたということだと思う。あとはカメラワーク、音響、そして大島さんの演技がしっ>>続きを読む

少年ハイロ 迷走の果て(1994年製作の映画)

3.4

貧困の犠牲となるのは、いつだって社会的弱者である。金の為、家族の為、転がり落ちるように殺し屋としての道を歩む少年ハイロは、その最も悲しい例と言えるのではないか。

ただ、映画の出来としては少々物足りな
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ヒストリー・オブ・バイオレンス(2005年製作の映画)

3.8

イースタンプロミスを観て、表と裏みたいな感じで対になっているような気がして鑑賞。前に観たし、内容確認なんで流し見。

イースタン・プロミス(2007年製作の映画)

3.8

イギリスのロンドンを舞台にロシアンマフィアの抗争を描いた映画。この作品自体も面白いけど、「ヒストリーオブバイオレンス」と比べてみるとより面白さを感じられるのではないか。観ている途中に感じたけど、今作と>>続きを読む

トト・ザ・ヒーロー(1991年製作の映画)

3.5

「歩いても歩いても」に「人生はいつも少しだけ間に合わない」みたいなセリフがあるけど、今作を観ていたらそれがふと頭をよぎった。

「歩いても歩いても」は、間に合わないことを恨み、悔やむのではなくそういう
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バルタザールどこへ行く(1964年製作の映画)

4.0

自分たちが泣き、笑い、喜びや悲しみを誰かと分かち合い、色々不便も多いけどそれなりに充実した毎日を送れるのは、スケールの大きな話になるけど、長い進化の過程で獲得した知性のおかげだと思う。それが社会や文化>>続きを読む

お熱いのがお好き(1959年製作の映画)

4.9

ビリー・ワイルダーは映画界における巨人と言ってもよいと思う。

だから、あまり言うこともない。あるとしたら、この映画が大好きだということくらい。あと、「アパートの鍵貸します」も。

だから、この映画に
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不思議惑星キン・ザ・ザ(1986年製作の映画)

4.8

チャトル=パッツ語小辞典

カツェ→マッチのこと
ツァーク→鼻につける小鈴
エツィフ→囚人ボックス
エツィロップ→権力者
ぺぺラッツ→宇宙船
グラビツァーバ→加速器
キュー→公言可能な罵倒語
クー→残
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ザ・マスター(2012年製作の映画)

4.7

二回目だけど、素晴らしすぎる!

正反対だからこそ、教祖と信者ではなく一人の人間として惹かれ合うのだろう。髪の色、体型、性格、周りにいる人の数、様々な部分で真逆に位置している二人の男。バイクで走り去る
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私たちのハァハァ(2015年製作の映画)

3.6

ロードムービーには2パターンの見せ方がある。環境の変化による登場人物の関係性の変化と旅先での出会いによる心境の変化だ。

この映画は前者に比重を置いている。仲良し4人組の女子高生が福岡から東京へ旅をす
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江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間(1969年製作の映画)

3.7

親や家庭は選べないし、産まれた環境や自分の身体も選べない。

ならば、普通とそうでないものの境は運によって分けられるということなのか。そんな不確かなもので決まってしまう普通とは一体何なんだろうか。
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ミッドサマー(2019年製作の映画)

4.2

あまりホラー感はない。タイムスリップ×民俗学×恋愛。それがまぜこぜになっているというのが鑑賞した上での印象。

もちろん、タイムスリップしているわけじゃないんだけど、文化習俗の違いというレベルを乗り越
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スパイダーマン:スパイダーバース(2018年製作の映画)

4.0

友人宅で鑑賞。あまりマーベルに関心がないので、そんなに期待してなかったけど、めっちゃ良かった。

ヒスパニック系の少年マイルズはピーターから彼がやり残した大きな仕事を託される、つまりスパイダーマンを継
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