すずさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

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聖なる飼育(2017年製作の映画)

2.0

ロケーションは本当に美しかった。でも、それ以上に、大変に気持ちの悪い内容でございました。

〝こういう集団内では、おそらくはそうなんだろうな 〟と暗にみんなが思っている部分に直接フォーカスを当てている
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デッド・ドント・ダイ(2019年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

〝センターヴィル 実によき町〟

ジャームッシュの描く何気ない日常に、人災による天変地異がおき、不穏な月の波動、墓場の死者が目を醒ます。

相変わらずの低血圧な空気感。

何でもない会話に、ちょっとし
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サンゲリア(1979年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

ニューヨーク湾内を漂流する一隻の不審なヨット。巡査中の湾岸警備隊員が調査に入るが〝何か〟に襲われて死亡する。行方不明の漂流ヨットの持ち主の娘アンと、新聞記者のピーターは事件を受けて、彼女の父親の消息が>>続きを読む

マイ・マザー(2009年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

殺したいと思った事こそ一度もないけど、根本的に合わないなと思っていて、そういう感覚が、ある時に突然 綺麗さっぱり消え去るものでもない。母親だから自分の事は何でも理解しているとか、以心伝心なんていうもの>>続きを読む

胸騒ぎの恋人(2010年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

親友同士のフランシスとマリー、魔性の美男子ニコラとの三角関係をカラフルなポップさと片やシリアスなトーンで描いた物語。

美的感覚が鋭い。心の恋模様を綺麗な色彩で表出しているし、クラシックやフレンチ•ポ
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トム・アット・ザ・ファーム(2013年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

トムは友人であるギヨームの葬儀で、彼の出生地を訪れる。彼の生家は見渡す限りの田園地帯に佇む農場。母親のアガットと、彼の兄フランシスが静かに営む…。

ひとつひとつの描写に含みを持たせて、想像を促すかの
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ブリキの太鼓(1979年製作の映画)

4.0

何とも形容し難い強烈すぎる大作映画。
たっぷりと大人たちを観察した挙句に、自らの精神的、肉体的な成長を止めることを選び、その既成事実まで自演する3歳児のオスカル。彼は生粋の太鼓叩きであり、悲鳴でガラス
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Looking for Johnny ジョニー・サンダースの軌跡(2014年製作の映画)

3.5


「彼は真のミュージシャンだった 自分ひとりで独自のスタイルを築き上げた ロックでは本当に難しいことだ」

劇中の言葉が示すように、ジョニー•サンダースは存在そのものがオリジナルで、たった一言、カッコ
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ヒトラーを殺し、その後ビッグフットを殺した男(2018年製作の映画)

3.5

休日の真昼間から酒でも飲みながらクソ(愛を込めて)映画にでもダイヴするか〜と思って、微かな期待感と、特大の地雷臭が漂うこのタイトルをチョイス。餃子食って、ガンガン飲み過ぎて、物語の半分を待たずに寝てし>>続きを読む

カリガリ博士(1920年製作の映画)

3.5

世界各地の前衛芸術に影響を与えた、現代芸術の先駆的な運動とされるドイツ表現主義の代表的な無声映画とのこと。

フランシスは回想する…
故郷の村ではカーニバルの催し。フランシスとアランは、興行師カリガリ
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シルバー・サドル 新・復讐の用心棒(1978年製作の映画)

4.5

銀の鞍に跨り荒野を彷徨う孤高のガンマン ロイ•ブラッドは、因縁の間柄にあるバレット一族への復讐心のさなか、因果に導かれたかのようにトーマス•バレット少年と出会う。過去を背負うロイは、トーマスに当時の自>>続きを読む

ウイスキーと2人の花嫁(2016年製作の映画)

3.5

第二次大戦時のスコットランドを舞台に、愛すべき飲んだくれたちが贈る実話ベースのヒューマン•コメディ&ウイスキー狂想曲。

戦況の悪化で本土からの配給が途絶えたウイスキー。そんな折、アメリカ行きの貨物船
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静かなる叫び(2009年製作の映画)

3.0

1989年12月、カナダのモントリオール理工科大学で実際に起きた乱射事件を基にした作品。何の予備知識もなくドゥニ監督で77分は好都合と思って再生したけど、開始早々で耳をつんざく銃声に倒れる女性。不穏な>>続きを読む

天国の口、終りの楽園。(2001年製作の映画)

3.5

テノッチ、フリオ、ルイサ
生命欲に満ち溢れた青年2人と女性1人の旅路。意気揚々と車を転がし旅立った3人は秘密の海辺〝天国の口〟をめざす。

メキシコ内部の景色が垣間見えるロードムービー。そして、過去の
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BLOOD THE LAST VAMPIRE(2000年製作の映画)

4.0

約束のネバーランドの最終話後に突然はじまったアニメで、鮮血とダークな雰囲気に〝押井守〟のクレジットが気になって、頑張って起きて観てよかった。。

セーラー服姿の、日本刀を仕込んだ、謎めいた少女 小夜と
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ジョン・ウィック:パラベラム(2019年製作の映画)

4.0

人命をそれともしないハイスピードなシューティングゲームさながら、筋書きの浅いバイオレンス•アクションとして、どうにもゆるい動機で次から次へとヤリまくるキアヌを眺めながら「何だこれは?」と始まったシリー>>続きを読む

本当の目的(2015年製作の映画)

3.0

列車で出会ったヤナとマリカ。疎遠であった故郷への旅だというヤナ。顔に血と青痣をつけたマリカは訳ありのよう。当て所のないマリカは、ヤナの後をつけていく。寂れた片田舎を舞台にした、九月の三日間の出来事。そ>>続きを読む

イカリエ-XB1(1963年製作の映画)

3.5

地球外に生命体は存在するのか?
地球の衛星として宇宙へ生命探査の旅へ出た探査船イカリエXB1。目的地のアルファ•ケンタウリ系は太陽系に似て、生命体の存在が期待される。イカリエの乗組員たちは宇宙の謎の一
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チワワは見ていた ポルノ女優と未亡人の秘密(2012年製作の映画)

4.0

ジェーンがガレージセールで買った魔法瓶には1万ドルが入っていた。迷いながらも返しに行った。でも、門前払い…、正直、1万ドルは欲しい気もする。ちょっと使ってるし…。持ち主のおばあちゃん、どんな人なんだろ>>続きを読む

スピリッツ・オブ・ジ・エア(1988年製作の映画)

4.0

黙示録後、いつかの世界。荒野にポツンと佇む小屋に暮らす兄のフェリックスと妹のベティ。かつて人類は鳥のように空を飛んでいた。『飛行の誕生』という古書をバイブルにするフェリックスは、〝フライング•マシーン>>続きを読む

人間椅子(1997年製作の映画)

3.5

日本人形を想わせる美しい和装に黒髪、女流作家の若奥さまと、外務省勤めの旦那さま。上流の華やかな暮らしの裏で夫婦ふたりの間には微妙な距離。奥さまは過度の潔癖症で、それは夫婦の生活にも歪な亀裂を生じるほど>>続きを読む

ハンター(2011年製作の映画)

3.0

絶滅指定種のタスマニアタイガーの生存情報を極秘裏に掴んだバイオテクノロジー企業の企てで、DNA採取と証拠隠滅の密猟の依頼を受けてタスマニア島を訪れたハンターのマーティン(ウィレム•デフォー)。大学の研>>続きを読む

博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか(1964年製作の映画)

5.0

悪い冗談の最高峰

当時の政治情勢を背景に、

史実が示す人類の歩みを愛憎入り混じった強烈すぎる皮肉で笑い飛ばす。

諦めにも似た人類への眼差しと、相反する温かな眼差しが同居している。

世界の終末を
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カイト/KITE(2014年製作の映画)

2.5

犯罪組織に両親を殺された少女 サワのリベンジャー•ストーリー。

ロリータフェイスの美少女を据え、堕落した近未来都市を舞台にした日本のSFアニメの空気感が垣間見える。映像の寒色な質感にヴィヴィッドな差
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ガール・イン・ザ・ミラー(2018年製作の映画)

3.5

抑圧された毎日をただやり過ごすマリア。高校ではいじめられ、家には心の通い合わぬ家族、とりわけ絶対的な主権者たる父親との主従関係に囚われる。

拠り所なき孤独なマリアの目の前、ある日の鏡に映った彼女は、
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4匹の蝿(1971年製作の映画)

3.5

ロックバンドのドラマーのロベルトは謎の男に付け回されていた。あるとき彼に詰め寄った末に誤って刺してしまう。それからというもの、謎の人物からの脅迫と毎夜みる悪夢にうなされる日々を過ごすことになるのだが…>>続きを読む

イングランド・イズ・マイン モリッシー, はじまりの物語(2017年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

斜に構えた自惚れ屋の青年スティーヴン。
だけど、それに反して
過度の内向性と分裂気質で、
極めて繊細な心の持ち主。
自己愛(理想)と世間の評価(現実)の齟齬に怯え、
一回のミスをも執拗に恐れる完璧主義
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アーノルド・シュワルツェネッガーのSF超人ヘラクレス/アーノルド・シュワルツェネッガーのヘラクレス/アドヴェンチャー・オブ・ヒーロー(1970年製作の映画)

4.5

平穏な神々の園が大騒ぎ!?

人間界へ遊びに行きたいシュワちゃん扮するヘラクレスが、父であり全能の神であるゼウスに真っ向たて突く!

ぶっきらぼうで生意気なヘラクレスの態度に激昂するゼウスは怒りの雷を
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ファンタズム(1979年製作の映画)

3.0

霊園内に建つ小綺麗な葬儀社。

兄弟をつけまわす不気味な男〝トールマン〟、謎のシルバー•スフィア、迫り来る奇妙なドワーフ、一室に佇む天体の門…。

マイク少年と兄のジョディが『モーニングサイド霊園』の
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カットスロート・ナイン(1972年製作の映画)

4.0

金鉱から囚人を移送するさなか、金塊狙いの山賊の襲撃で馬車を失う。

険しい雪山に7人の極悪な囚人と、そのいずれかに妻を殺された軍曹の父娘が2人。

かの囚人たちを刑務所に送るため、町に向けて過酷な雪山
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ジョーカー(2019年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

人々の冷たい視線。

狂っているのは僕かい?それとも世間?

虐げられつづける弱者。邪険にされ、虫ケラのように踏み躪られる。彼は願っている、この人生よりも高価な死をと。

誰からも見向きもされない無価
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シックス・ストリング・サムライ(1998年製作の映画)

4.0

サーフロカビリー鳴り響くマッドマックスな荒野で、1957年製ホロウ•ボディ•ギターと刀を携え、傍を付いて回るはみなしごのキッド、砂埃を被りボロボロのタキシードを纏うバディと名乗るバディ•ホリー風の眼鏡>>続きを読む

アマンダと僕(2018年製作の映画)

3.5

「エルヴィスは建物を出た」

何気ない日常が突然…無差別テロの犠牲者や遺族のその後を描いた再生の物語。露骨な表現はないけど、人種や宗教の問題がそっと漂っている。

突如として人生の平衡感覚を失った人々
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365日のシンプルライフ(2013年製作の映画)

3.0

モノに溢れた生活を見つめ直すために大胆な実験を敢行したペトリ(26)独身。ヘルシンキ在住、モノが大好き。

モノが大好きなら、誰にも気を使わず好きなモノに囲まれて暮らす幸せもあるじゃんと思いつつも、世
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メトロで恋して(2004年製作の映画)

2.5

メトロで偶然に恋がはじまる。彼はしがない役者で、彼女は小説家志望のパートタイマー。結婚も現実的にチラつくアラサー世代ふたりのメロドラマ。そして次第に、物語はシリアスな方向へ。

あらすじを読んだ雰囲気
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ヨーロッパ横断特急(1966年製作の映画)

4.0

パリからベルギーのアントワープ行きの特急車内で映画の企画会議をする3人。

「善は急げだ、レコーダーの準備を頼む」

レコーダーにすじみちを語り出す監督(しかも監督役はアラン•ロブ=グリエ監督ご本人)
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