すずさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

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デヴィッド・リンチ:アートライフ(2016年製作の映画)

3.5

ウォッチリストに溜まった作品群から、ついに見放題終了になるので観た。

幼少期のはなし、そして画家を志し〝アートライフ〟を体現し始めた青年期のリンチから、『イレイザーヘッド』が制作されるくらいまでの時
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シャドー(1982年製作の映画)

3.0

小説家のピーター•ニール(主人公)が発表した著書『暗闇』に固執した犯人の連続殺人事件。犯人の姿や結末に迫っていくミステリー・サスペンス・スリラー。

ダリオ•アルジェントが変態性を頑張って抑えた直球の
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狂った一頁(1926年製作の映画)

4.5

無声映画×映像実験×舞踏×和楽器×ドラムス×ピアノ×テルミン?

古典的な和の旋律とノイズ音楽が実験的な映像にクロスオーバーした芸術志向の怪作。原作は川端康成。

1926年(大正15年)製作の日本映
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地球最後の男(1964年製作の映画)

4.0

〝終末 来たり〟

地球でたった一人の男になった、ホラーの帝王ヴィンセント•プライス扮するモーガン。

「モーガン、外に出てこい〜」
「モーガンだ、捕まえろ〜」

喋るし、石も投げるし、角材で叩くし、
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タクシードライバー 奔放な女(2015年製作の映画)

2.5

入社したての保険会社を早々に辞めてナイトシフトのタクシードライバーに応募したアレックス。人間関係が苦手。煙草、ダブルライダース、デボラ•ハリーのTシャツ、気楽なセックス、反骨のパンクガール。

彼女が
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透明人間(1992年製作の映画)

4.0

核融合の研究施設を有するマグナスコーピクス社のとある一室。謎のコンピュータールームで研究員がキーボードにコーヒーを溢したことでメカに異常をきたし、分子が不安定になったという力技で、着衣丸ごと透明人間を>>続きを読む

ホドロフスキーの虹泥棒(1990年製作の映画)

3.0

道楽者でコソ泥のディマ(オマー•シャリフ)は下水道の一角に居を構えて暮らしていた。ディマは大富豪ルドルフの甥であるメレアーグラ(ピーター•オトゥール)と愛犬のクロノスと出会い、彼らの面倒を見ることにな>>続きを読む

グッド・ネイバー(2016年製作の映画)

2.5

このレビューはネタバレを含みます

ばかな青年2人が検証実験と称して、近隣で嫌われ者の偏屈な老人の自宅に不法侵入して機器を設置して、〝怪奇現象を起こしてみた〟的、炎上YouTuberよろしく動画撮影しながらモニタリングする中で、カメラ越>>続きを読む

オリエント急行殺人事件(2017年製作の映画)

3.5

登場人物の顔と名前を一致させないと途中から会話がよく分からなくなる。名探偵ポアロと一緒に推理に参加するスタンスで、一回巻き戻して顔と名前(絶妙に誰が誰だか分からなくなった)を覚え直して観た。テレビ録画>>続きを読む

ファウンテン 永遠につづく愛(2006年製作の映画)

3.5

聖書-創世記-の神話、エデンの園に存在した〝生命の木〟をめぐる、超然的歴史スペクタクル・ラブストーリー。

見上げる満天の星空を飛び越えて、超新星爆発的光の大放出に、降り注ぐ星屑、幻想的な光に包まれた
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嗤う分身(2013年製作の映画)

3.5

なんとかストーリーの連続性を保ったシュールで悪い夢のような映像。

奇妙なまでに周りから存在を認識されていないサイモン•ジェームズ。

職場に通勤して、地下鉄に乗り帰宅する。コピー係のハナに憧れていて
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ブリザード 凍える秘密(2014年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

母親のイヴ(エヴァ•グリーン)がある日突然失踪して、残された父娘のその後が描かれる。娘のキャット(シャイリーン•ウッドリー)を中心としたティーンの青春ものテイストが色濃い、ひっそりとミステリーなサスペ>>続きを読む

さらば、愛の言葉よ(2014年製作の映画)

2.5

引用と思考と咀嚼

解釈と創作。

色彩、隠喩、戦争、男女、犬。

自然に神に言語。

親和に不和。

生と死のはざまにずっと繰り返される。

「ロダンの〝考える人〟は平等の姿。一つの機能と姿勢。時間
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運命の女(2002年製作の映画)

3.0

不倫ものサスペンス。保とうにも揺らぐ心許ない理性がついに決壊して、情欲に身を委ねたダイアン•レインの興奮具合が凄まじく、かなりエロすぎて動悸がした笑。その日を境に、それぞれの運命が狂い始める。それにし>>続きを読む

パーフェクト・センス(2011年製作の映画)

3.5

この物語を文字であらすじ立てしても、漂う雰囲気を感じとるような本作の魅力は全く伝わらないと思う。    

『人間』というテーマで綴られた長く壮大な一編の叙情詩のよう。人間の脆さと逞しさが、折々、苛烈
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マーキュリー・ライジング(1998年製作の映画)

3.5

NSA(国家安全保障局)が超巨額の費用で開発した機密文書暗号化システム 通称『マーキュリー』が解読された。それは若干9歳の自閉症の少年サイモンによるものだった。国防に関わる一大事に対し、NSA局長はそ>>続きを読む

HOUSE ハウス(1977年製作の映画)

3.0

70’sオールドスクールな芝居にセリフ回し。突き抜けたポップさと、すべり芸的ギャグセンのお笑いが目白押しのブラック・ファンタジー作品。ウケ狙いがことごとくすべってると感じたのは自分だけなのだろうか。一>>続きを読む

クロノス(1992年製作の映画)

3.5

「時は永遠なり」

ギレルモ•デル•トロ節炸裂のダークファンタジー。美しく儚い世界観とグロテスクな表皮の内側に伝う不滅の愛の物語。『シェイプ•オブ•ウォーター』の源流のようなギレルモ印の大人のお伽話。
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ユッカフラッツの野獣(1961年製作の映画)

2.0

「人間の人間に対する非人間性」かぁ。

それにしても字幕が酷かった。グーグル翻訳で訳したのかな笑?
ある種成熟した現代映画に慣れている一般的視聴者の、こういう粗いクラシック映画の正しい嗜み方があるなら
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好きにならずにいられない(2015年製作の映画)

3.0

重たすぎて吐きそうになった。ため息にため息がひたこぼれる。悲哀に悲哀に悲哀に悲哀…。フーシを見ていると、心を鈍器で殴り続けられるよう。

フーシ。無表情で物静か。優しくて良き人間。真面目で純粋。耐え忍
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復讐者のメロディ(2018年製作の映画)

4.0

好きな感じだった。言葉少なに描かれる場面から受け取る感情がある。ダニーが無骨でかっこいい。平穏で変哲もないことに埋もれがちな幸せの景色がダニーの目を通して見えた。クララとのやり取りも面白かった。露骨に>>続きを読む

若草の萌えるころ(1968年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

大好きな叔母さんが脳卒中で倒れたので、家にいると凄く辛いわ。気を紛らわすようにフランスの夜の街へ歩き出たアニー(ジョアンナ シムカス)。

雰囲気がシリアスで、展開をそのままに受け止めるなかで、その美
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すばらしき映画音楽たち(2016年製作の映画)

4.0

不朽の名作を彩る映画音楽をその映像と共に次から次へと堪能できる、まるで超贅沢DX幕の内弁当いただきます作品。

「この映画のこの音楽最高だなぁ」みたいな感覚に対して、超一線の作曲家やプロたちが熱量多め
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幽★遊★白書 冥界死闘篇 炎の絆(1994年製作の映画)

3.0

かつて封印された冥界の王子が復活。霊界を水没させ、人間界に降り立った。地上に冥界の再建を目論む。幽助たちは霊界と人間界を守るために立ち向かう。一時間半でギュッとするとこうなるよね。個人的にはMVPを桑>>続きを読む

アンビリーバブル・トゥルース(1989年製作の映画)

3.5

なんだろうなぁ、なんか小津安二郎みたいだったな。違うかな?笑
80年代の作品なのか⁉︎それはアンビリーバブル。わりとタイムレスな空気感がある。鑑賞後に不思議で静かな高揚感が残った。普通さのなかにも余り
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エンド・オブ・デイズ(1999年製作の映画)

3.0

1999年世紀末。1000年に一度復活するサタンと、その子供を身籠る運命の下にクリスティーンは20歳となった。滅亡の日を憂うバチカンの聖職者たち。信仰を捨て去り生きてきた護衛のジェリコ(シュワちゃん)>>続きを読む

ミドルメン/アダルト業界でネットを変えた男たち(2009年製作の映画)

3.5

インターネットにポルノ産業あり(現在は違法アップロード問題などビジネス的には苦境か?)。ネットポルノ黎明期に、ビジネスモデルや徴収システムを築いた人々のはなし。実話に基づく。天才肌の放蕩なド素人2人の>>続きを読む

ドッグ・イート・ドッグ(2016年製作の映画)

3.5

ムショ帰りのトロイ、ムショ仲間のマッドドッグにディーゼル。お先真っ暗な前科者3人は逆転をかけ、とある誘拐の依頼を引き受ける。それはリスキーだが大金を手にするチャンス。死か勝利か、2つにひとつの賭け仕事>>続きを読む

イット・フォローズ(2014年製作の映画)

3.0

〝それ〟から逃げろ。〝それ〟を自分から遠ざけろ。性交渉が〝それ〟を離す手段。〝それ〟は果たして何なのか?〝それ〟は生物の生命活動なのか、あるいは非科学的な現象なのか?

伝染病と幽霊と怪物の要素が融合
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明るい瞳(2005年製作の映画)

3.5

兄夫妻と暮らすファニー。まわりは彼女を病気だとか、狂っているとか、そう言ってる。ある日、ひょんな諍いから家を飛び出した。ひとり車を走らせてパパの墓地を探す。その道中で木こりのオスカーと出会った。言語の>>続きを読む

THE CROW/ザ・クロウ(1996年製作の映画)

4.0

堕落と退廃の街『City of Angels』
冥土のカラスに導かれたアッシュ。
暗闇に淀んだ光。淫らに倒錯した世界とハロウィンの祭式。美しい女性になったサラは、イアンデューリーのタトゥーショップの彫
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グッバイ・アンド・ハロー 父からの贈りもの(2012年製作の映画)

3.5

幼少の頃に2度しか会ったことがない父親ティムバックリィの追悼コンサートに招かれた息子ジェフバックリィ。微かに残る記憶すらも苦い。あるのは父親へのわだかまりや遺恨だけ。あまり触れてこなかった父親の音楽、>>続きを読む

アウトレイジ 最終章(2017年製作の映画)

4.0

北野映画で顔馴染みの豪華なメンツや、キマりまくってるピエール瀧に動き出す最終章。騙し合いの裏切り合いに仇討ち。日本人でも日本語字幕はありがたく。前回のキャラ名が出ると、久しぶりだと流石にググり入れつつ>>続きを読む