ダリオアルジェント産の異界に誘われる。『ドラキュラ』と冠した映画をしっかり観たのが初めてで、この作品は有名な古典小説『ドラキュラ』を基に、多少の脚色が加えられているよう。以前に鑑賞したヒュージャックマ>>続きを読む
哲学的理想と現実世界との軋轢にいつしか生きる意味も目的も喪失したホアキン扮するエイブが、突如生きる目的を見出して生命欲を取り戻していく。機能不全を起こしていたあらゆる問題が快活さをもって解消していく。>>続きを読む
『デリカテッセン』と同じ世界線にあるであろうどこかの港町で、怪力で純粋な大男ワンと小さな美少女ミエットが、拐われた弟を助けるために冒険するSFダークファンタジー。このオリジナルな作品に対して、僭越なが>>続きを読む
演者の豪華さでなんとなく観続ける感じのおちゃらけた大人のラブコメ。ふと、体感時間の長さに驚いた。こんなに長々と観たのに、あと30分も何するの⁉︎となってくらいから、冗長的な物語が前進する。そこからの展>>続きを読む
テテ坊やの目線で世界を眺める。可愛らしいテテの視線をよそに、大人たちの偏執で生々しい人間の営みが繰り広げられる。テテが絡めばとりあえず全部温かな雰囲気に包まれる。不思議と違和感なくとつぜん女の人たちが>>続きを読む
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こんな辛いことありますかってくらい観ていて辛かった。決して綺麗事では終わらせない、強い問題提起を感じる映画だった。イギリスの貧困層や生活困窮者を描いた作品だけど、これはイギリスに限った問題ではない。失>>続きを読む
世界観がもの凄い。完成された空間。時を追うごとに恐怖と不快感を煽られるグロテスクさに美を追求した傑作。人間の本質的な恐怖である死に貪りつく虫の生命活動との対比には全身が粟立つ。虫と共鳴する少女が起こす>>続きを読む
サスペンスだったり、ミステリーだったり、ホラーだったり、いくつかの要素が観る者を撹乱させながら、最後の最後まで全容を掴むことは困難。この物語に起因するものは歪んだ愛の姿、そして裁き。個人的に印象深かっ>>続きを読む
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なにこれほんとくそ笑った。すっげえバカな大学生たちが『タッカーとデイル』という怪物を勝手に爆誕させて、つぎつぎと爆死していく。タッカーとデイルが普通に作業してんのに、大学生たち突っ込んでって勝手に猟奇>>続きを読む
コメディ要素は満載だけど、意外とセンチメンタルな余韻も残った。見方によっては各々の登場人物に感情移入できる人間模様だったと思う。男女の相性というものに於いて、最も重要な要素って何だろう。価値観が合う?>>続きを読む
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ジェイクギレンホールの彫りの深い顔面が暗闇に馴染んで、ギョロギョロの白目だけ不気味に浮かんでる。眼球ギンギンで殺人シーンや遺体を撮影して、テレビ局に何食わぬ涼しい顔をして持ち寄る。好青年のような笑顔を>>続きを読む
初期の人生をさすらっていたヴェンダース監督の現在地は、とても社会派な作品。あまりに下手なことも言えないけど、最も純粋な部分では、どうして人間はいつまでもこんなことを繰り返しているのかなと悲しくなる。そ>>続きを読む
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スロバキアの夏の田園風景。鳥のさえずり、風が抜ける木々の揺らめき、虫が飛ぶ羽音。自然に身を委ね、時折、示唆的に流れる一つの優しい音楽。お爺さんが遺した庭で起こる、聖書をモチーフにしたような不思議な物語>>続きを読む
ある殺人事件の謎を追うにつれて見えてくる人間の業、そして物語の核となる遺伝子や、家族というもののあり方。とても重厚でじっとりと陰鬱なヒューマン系サスペンス。よくできていて作品に入り込める分、扱うテーマ>>続きを読む
支離滅裂具合がまさに夢をみせられたよう。断片的で因果関係のない小話がいくつか紡がれる。自分の夢ならまだしも、他人がみた夢の話を聞かされて、その返答に困る感覚と少し似ている。極めて感覚的で極私的な作品だ>>続きを読む
解剖していくごとに不穏な感じになって行くところに引き込まれた。そこから徐々に目新しさを失うも、ラストで謎の一端が明瞭になるところで、ハッと気分が盛り返した。
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エガちゃん主演の映画あんじゃんと思って観たらなんじゃこりゃ笑。日本シリーズの阪神タイガースの試合を観戦する為に府中刑務所から大阪へ向かうドキュメンタリー?的なロードムービーだった。ムービーだったのかな>>続きを読む
ダークでファンタジックでレトロな世界観。夜に部屋の色を合わせてそこに浸りたくなるような、仄暗くて濃いオレンジの電球色を思わせる温かみのある映像。ブラックなストーリーなのに作品全体を通して人間愛が滲み出>>続きを読む
感情の欠けた男。妻を失っても何も感じなかった。無感情な男はとある言葉をもとに破壊的な行動に突き動かされる。「心の修理は車のようにバラバラにして組み立てる。」物理的破壊のなかで気づくこと。壊すごとに発見>>続きを読む
「町にあふれるゴミみたいな音楽に反撃するときよ。」『町と6人のドラマーのための音楽』という4つの楽章からなる前衛的ノイズ音楽を完成させるために、音楽テロリスト集団が町の公共施設を襲う。凶器はなし。理想>>続きを読む
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「どうして嘘をつくの 嘘の上に恋愛関係は成り立たないのに。」
相手を探って偶然や運命を装い、駆け引きをするごとにボロが出て、最終的には別離する。相手にすり寄って自分を偽ることの是非を問う。
お伽話>>続きを読む
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妖艶な美女ジェニファーローレンスがまだイモっぽくて、かなり幼い頃のクロエグレースちゃんも出演している。一見、悲惨な話だけど、まわりの人たちとの日常の交流が温かくてクスッと笑える。妹たちは明るくて元気で>>続きを読む
初っ端のジョンスペと真っ赤なスバルで直ぐに入り込める。音楽に乗って踊るようにストーリーも加速していく。選曲が最高で疾走感が心地良い。日常の風景が躍動している。足音も銃声もワイパーも全部リズムを刻んでる>>続きを読む
好きなクリストファーノーラン監督の実話に基づく戦争映画。戦争ものは精神と体力が整ってるときに観ないとキツい。巨匠たちは皆、戦争ものを撮ることが一つのステータスみたいな風潮でもあるのかな?自分は苦手な分>>続きを読む
悪ガキ小学生に悪徳警官に悪党に口悪おばさん、、全員悪人…笑。少人数で魅せる系のアクションスリラー。ケヴィンベーコンの存在感頼りなとこ大分あり。いくら子供のする事でもちょっと違くない?を最後まで観せられ>>続きを読む
※実際の商品イメージとは異なります。ってなんだい、じわじわくる笑。作品イメージとしてはかなり的確じゃん笑。クローネンバーグの野心と変態が爆発して随所で発火してる。彼のこの手の作品は、どこか一貫した、彼>>続きを読む
90年代の破茶滅茶な怪作。映像のタッチが様々な風合いに変化して目にも鮮やかで、何やら不思議なものを観ている気になるけど、ボニー&クライド気取りのアホイカレ殺人カップルを祭り上げた暴力讚歌的なくだらなさ>>続きを読む
軽いノリの陽気なアメリカンコメディって感じから最初は何となく90年代ぽいと思ってたけど、2008年か。最後までずっと軽かった笑。多分演じる事って、その役柄の人物を自分の人格の中に形成して発することだと>>続きを読む