金宮さんさんの映画レビュー・感想・評価

金宮さん

金宮さん

カラオケ行こ!(2024年製作の映画)

4.0

和山やま×山下敦弘×綾野剛!混ぜるな危険!!

あの素晴らしい原作がオフビート青春の達人こと山下敦弘監督の手にかかるとこんな素晴らしいものになっちゃうんですね。

『リアリズムの宿』や『苦役列車』で行
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寫眞館(2013年製作の映画)

3.0

「なんとか笑わせたい写真館のカメラマンvs絶対に笑わない女性」で大正〜昭和あたりの6,70年間くらいを描く。

サイレント演出と全編流れるピアノ劇伴が正直言うと泣き落とし過剰なのだが、普通にいい作品だ
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ぜんぶ、ボクのせい(2022年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

『Winny』の松本優作監督の商業デビュー作。

導入からオダギリジョーさんとの2万円問答までは最小の台詞で物語を運ぶ感じが素晴らしかったものの、そのあたりから細かな突っ込みどころが散見。脚本も見るか
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こちら放送室よりトム少佐へ(2020年製作の映画)

4.5

「私は夜間学校の生徒です。
私を月につれてってくれませんか?」

もうダメだ。
別に止められてないけどたまには言いたい。

エ モ す ぎ や し な い か ー !!

1989年設定を表現するため
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よこがお(2019年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

転落人生とその報復が物語の主軸。過去パートの堕ちていく様と、現在パートの復讐準備を交互に描く時間軸交差の手法をとっており、スリリングな展開は鑑賞者を画面に釘づける。

ただ個人的にストーリーにはそこま
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のぼる小寺さん(2020年製作の映画)

5.0

いやあ、なんてこったい。見つかってなさすぎの大傑作。途中から悲しいでもなく嬉しいでもない、謎の涙が出てきました。

いい意味で親の顔が見てみたい、圧倒的「純」でキラキラの小寺さん。登場人物は彼女に魅せ
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街のあかり(2006年製作の映画)

3.5

冒頭からトルストイたち文豪にケチをつける酔っぱらいたち。芥川や太宰の悪口を言っているサラリーマンを想像すると、愛すべきダメさがわかります。あぁこの感じがカウリスマキだ。

敗者三部作のラストですが、今
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君が世界のはじまり(2020年製作の映画)

3.5

高校生による父親殺し事件の逮捕シーンからはじまるが犯人の顔は見えない。そこから一度過去にさかのぼり学校生活を描写する中で、約3人の生徒に父親との不和を感じさせ、いったい誰が?と思わせるつくり。

事件
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CRANK-クランク-(2023年製作の映画)

3.5

中島歩、井浦新、柄本佑、高良健吾、染谷将太

高良健吾さん監督・脚本の短編なのだが「色気」で連想する俳優さんが全部出てません?それだけでもかなり観る価値あり。

脚本もごく自然で中華屋での中島さん染谷
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ハッピー・デス・デイ(2017年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

前評判どおり期待以上のホラー×タイムリープ。

実は犯人のしぶとさもヒロインのタフネスもホラー史上かなりの上位ランカーなのがいいですよね。

やけっぱちモードだと素っ裸になりたくなるってのがとてもビッ
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アルゴ(2012年製作の映画)

4.0

実話なんで助かるのわかってるんですけどね、なんでこんなにハラハラするんだろう。自分の中の健全な感受性を確認できて嬉しくなる。空港のシーンなんて胃がキリキリした。赤ちゃんを抱っこしながらヘッドホンで観て>>続きを読む

(ハル)(1996年製作の映画)

4.5

めーーっっちゃ可愛い作品じゃないですか。森田芳光監督、こんなこともできるのか。監督のフィルモグラフィーで異彩のキュート。大好きです。

パソコン通信の趣味フォーラム。今で言うとLINEのオプチャみたい
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吉祥寺ゴーゴー(2020年製作の映画)

3.5

吉祥寺でタイムスリップ。時間もないので、なんの悩みもなくがんがん歴史改変します。アマイワナっぽい70年代ファッションは現代にきてもおしゃれですね。

もう少し尺があってもいいから吉祥寺の街並み変化とか
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バーフバリ 伝説誕生(2015年製作の映画)

3.5

『RRR』でもうっすら感じていたのですが、インド映画になるとたとえ大味でもみんなちょっぴり判定が甘くなるところがありますよね。

主人公が直情型がゆえに感情移入に迷いがなくなり「まいっか!」ってなるか
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しゃぼん玉(2016年製作の映画)

3.5

今週の情熱大陸が林遣都さん回なので、なんとなく予習的なつもりで観てみました。なんともまっすぐな作品で素直に感動しました。

ケレン味のまったくない作品なので、役者さんの演技が際立ちますね。特に市原悦子
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あんた(2022年製作の映画)

3.0

俳優さんが短編映画を監督するアクターズ・ショート・フィルム。どれからいくかーと思ったところで、『アンメット』で最近お会いした千葉雄大さんの作品にしました。

千葉雄大さん演じる男のセクシャリティを微妙
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さくらももこワールド ちびまる子ちゃん わたしの好きな歌(1992年製作の映画)

3.5

ちびまる子ちゃんに求められてるものをきちんと真正面で提供してくれつつ、「歌」というストーリーテーマを背景に、絶妙な選曲によるMV風の音楽パートを唐突に挟むのが最大の個性。

まるちゃんとシティポップを
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羊たちの沈黙(1990年製作の映画)

3.5

いわゆる「賞狙い」の作品を蹴散らしてのオスカー受賞。ホラー作品としてはいまの時代に至っても依然唯一の栄冠。サイコスリラーの金字塔を打ち立て、そのジャンルの格式を確実に底上げたエピソードに胸は湧くものの>>続きを読む

インスタント沼(2009年製作の映画)

3.0

いつだって最高なんですが、やはりこの時期の麻生久美子さんは無双してますね。

正直、途中うとうとしちゃったんですがそれでもいいかなと思わせてくれるリラックスムービー。

三木聡監督、復活してくれーー。

別れる決心(2022年製作の映画)

3.5

エリート刑事男と殺人事件被疑者女がガチ恋(不倫)しちゃう。もちろん被疑者側はとっても怪しいので、捜査にあたり「不倫の熱情」or「警察としての矜持」の葛藤に苦しめられる。

あらためてプロットを書き起こ
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こちらあみ子(2022年製作の映画)

4.5

こんなにも苦しくなる追体験はこれまでなかったかもしれない。予備知識なく観はじめたがゆえに、一見ファンシーな様相に反して、じんわりと迫ってくる不安。それは的中してしまいそこからは家族という地獄が展開され>>続きを読む

ソウルメイト/七月と安生(2016年製作の映画)

4.0

『少年の君』のデレク・ツァン監督作品。今作ではっきりしたんですが、この監督は王道を下敷きにそこは充分すぎるほど楽しませておきつつ、さらに一味加えてスパイシーにする天才ですね。

自由奔放な安生と保守的
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劇場(2020年製作の映画)

4.0

又吉さんは創作系こじらせの痛々しい描写がほんとうに上手い。自身の感じたものを発露しているのだろうからとってもリアルだしグサグサ刺さる。

そして、そういった負の要素を鑑賞者にも伝わるかたちでアウトプッ
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パーフェクト・ケア(2020年製作の映画)

2.5

孤独シニアから財産を搾り取る悪徳法定後見人のドタバタ奮闘劇。

「奪う者と奪われる者がいるなら、奪う方を選ぶ」の冒頭モノローグ。誰もがどこかで聞いたことのある台詞。であれば相応の信念や、奪うことの葛藤
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赤色彗星倶楽部(2017年製作の映画)

4.0

たまにもったりしたり、訳がわからん演出も多く確かにしんどい。でも途中で急展開するプロットとそこに日常的ノスタルジーと天文学ファンタジーを混ぜてくるコンセプトが抜群によい。

がまんして鑑賞していくとあ
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阿修羅のごとく(2003年製作の映画)

3.5

森田芳光監督の中では間違いなく当たり枠。でも、期待値が高すぎたのはあったかも。

愛憎や不倫がにょきにょき出てくるプロットに「あ、これラストで関係者大集合しちゃう?」「怪演対決やっちゃう?」とずーっと
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ムカチノカチカ(2020年製作の映画)

3.5

宣伝会議が絡んだビジネス系映画祭のキャンペーンムービーで、内容は特になんてことないのだが監督脚本キャスト音楽の座組がとっても豪華。

しかも割といつもはひねくれてることが多い個性を爽やかに全振りしてい
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キング・オブ・コメディ(1983年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

よしもと芸人のイタいファンがちょっぴり話題になっていたので、過激ファン系ストーカーといえばでおなじみ&『ジョーカー』の元ネタとなったこちらを鑑賞。

思ったより『ジョーカー』はまんまやってましたね。デ
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殺さない彼と死なない彼女(2019年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

ラスト桜井日奈子さんが生きる意味を見出すところで単なる感動ともいえない気持ちに揺さぶられる。

その前フリとなっているのが、乱暴すぎる言葉づかいで表現される主役2人の厭世感だと思うのだが、流石にやりす
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なっちゃんはまだ新宿(2016年製作の映画)

4.0

『ひらいて』の首藤凛監督の初期自主制作映画ということで鑑賞。素晴らしかったです。

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女子高生主人公あきちゃんのほぼ初恋の相手である岡田には、なっちゃんという彼女がいた。無神経な岡
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ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア(1997年製作の映画)

3.5

たまたま出会った、余命いくばくもない男2人が、死ぬ前にまだ見たことのない海を見に行く。やけっぱちな2人は窃盗やら強盗やら、はちゃめちゃやらかすので、警察やアウトローも交えた逃避行となる。

余命モノで
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